「また、しかめ面してた?」
委員会を終え、委員長が俺に尋ねる。返答に困っていると
「やっぱりかあ・・・・」とため息。

彼女とは同じクラスで同じ委員。さらりと長い髪からほのかに
シャンプーの香りがしてドキっとした。

「だめなんだよ・・・・ね、はは。緊張しちゃうの、ほら、私顔キツイから・・・ごめんね?」
なぜか謝罪されてなんといっていいやら・・・
チョット好意もたれてるなんて勘違いしてしまいそうだ。

「・・・・・うー・・・・あのね?」
うん?
「ごめんね・・・しかめ面ばかりで・・・・」
やっぱりまたあやまる・・・・気になんてしてないのに。
「・・・・ありがと。うーん・・・・あの・・・これから時間ある?」
彼女の突然の誘い。今日は予定はない。少し緊張しながら、何も無いことを告げると
すこし嬉しそうな顔をして、玄関で先にまってると告げられた。

「少し息抜き」と委員長は軽い声で隣を歩く。
何を話していいか全然思いつかないでいると、何処からか晩飯でカレーのにおいがする
脳内でコレだ!と鳴り響いた
俺はカレーについて熱く語った。そりゃもう辛さから具から、オリジナルアレンジの話まで

・・・・ひとしきり話し終わった・・・・沈黙・・・・

・・・・だめだったのか?委員長もしかして引いた?そおっと彼女を見る。

「ぶふっ!ぷ・・・・っくっくっくっ・・・・あははははは!」

何時も真剣な顔をしている彼女が、涙を流して笑っている・・・・。
「あははは・・・も、もー・・・・!ホント、いつもみてて面白いよね・・・あっ」

・・・・彼女が笑顔からうつむく。・・・・?な、なんだろう。もしかして?
「・・・・・えへ・・・・うん、いつも、いつも、ね。」
心臓が壊れるかと思うほどドキドキ言っている俺・・・・

いつも。そういったまま顔を上げない。目の前の彼女がさっきよりズット小さく見えて。
俺は、俯いたままの委員長を抱きしめた。

「あ、あ・・・・う、うう〜・・・・」
びっくりした声を出される。背中がひやっとする。ヤバイ、と思う。とっさに抱きしめたりなんかして・・・
そんな気持ちと、女の子のやわらかさ、小ささが本当に壊れるんじゃないかなんていう
マンガみたいだななんて気持ちと、入り混じって動けなくなる。

・・・・そっと、背中ある彼女の手が俺の行動を離さないように、ぎゅうと反応した

バクンと鼓動が。手に汗がにじむ・・・嫌われたんじゃないかという恐怖が一気に拭い去り
ただ、甘く切ない気持ちが心をイッパイにする。

「あのね、好きなの。あの・・・こんな、可愛くないけど、好きなの。ごめんなさい・・・」
小さい声で、そっと彼女は言った。

ドキドキした。緊張していやな汗がでてくる。手がじっとりしてすこし震える。
・・・・情けない俺・・・覚悟を決めて、彼女を抱きしめている手を離し後ろを向いた

流れる沈黙
・・・・・・俺は、俺は・・・
「ご、ごめんなさい。私が好きとか、いきなりで・・・あはは・・・ごめん、ごめんなさい・・・
うっ・・・ご、ごめん・・・ふぇ・・・っく・・・わ、わたし・・・わた・・・」

好きだ・・・・俺も・・・ごめん
彼女の言葉が移ってしまったらしい。つい誤ってしまう・・・また沈黙
・・・・どくん、どくん、どくん・・・鼓動と、風が木を揺らす音だけが聞こえる・・・・
急に背中にぬくもりを感じる
そして背中越しから「ありがとう・・・・私も、大好きです・・・・」と聞こえた。

帰り道
ココからは別の道になる。送っていこうかというと、何だかすごく申し訳ないからと、笑う
きっと少しづつ彼女も俺に甘えてくるようになるんだろう。

別れ際、ふわりとつめたい風と一緒に彼女の髪の香りがした。
さっきまで抱き合ったりしてたのかと思うと、急に気持ちが高ぶる。もう一度ぎゅっとした
可愛い、いとおしい、そんな気持ち。ふと彼女を見た。・・・・顔が近い。
意識すると、もう、キスしたくてたまらなくなった。・・・・さすがに、それは・・・

ちゅ

唇にやわらかいものが当たる。びっくりしていると、えへ、と彼女は真っ赤になって笑う
「じゃあね、また、明日ね、明日も学校で、ね。」

・・・・なかなかやるな。うっかりしてると負けてしまいそうだ。