ひよこさん(つづき)

 

 

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はじめは何のことだかわからないような顔をしていたけど、はっと思い出したようだ。
うーん・・・・気が引ける・・・・
「う・・・うぁ・・・・」
突如なみだ目になるひよこさん。
「み、見たいです。すごく、見たいですけど、どうしてかわからないんですが、こ、こわいっ怖いんですっ・・・うぁぁ・・・・ど、どうしよう。どうしよう」
不安でなのか、軽く震えている気もする。かわいそうになってきた。「じゃあ」やめる?と提案する前に「目!、目つぶってたらこわくないです!」と、いう彼女。目つぶってたら見えないだろと思うのだが・・・・。「目つぶってさ、さわらせてくださぃぃ・・・」

え?

 

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「目・・・・つぶりました。えと・・・、さ、触ります・・ね?・・・あれ?あれ?」
緊張からか、天然からか、全然別の方向を手で探る。・・・本当にするのか・・・「・・・ちょっと、手つかむね」そうことわるとひよこさんの手首をそっとつかんだ。ビク!としたあとホッとした様な表情に。「いい・・・いくよ?」「は、は、は、はぃ・・・!」そっと、ズボンの上から手を当てる。大きくビク!となり思わず手を引っ込めようようとしたひよこさんの腕を押さえつけてしまった「ひ、ひやぁぁぁ・・・」悲鳴とも歓喜ともとれる声をあげる。
流れる沈黙・・・・。心臓はすごい音を立てている。
最初に沈黙を破ったのはひよこさんだった。
「か、硬い・・・・」ぺとぺと、と手のひらで触れるような形だ。お互い一歩も動けない。
二人の呪縛を解いたのは、昼休み終了のチャイムだった。

 

 

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「は、はぅ・・・」目をつぶったまま、困った声を上げる彼女の手を離した。すごく寂しい気やら、切ない感じが俺一杯に広がった「チャイムだ・・・ほら、先に行かないと。授業はじまるし。」「あ・・・う、えと、一緒にいかないですか?」「俺はほら、こんなだし」「・・・?・・・・あ・・・・」「目あけても大丈夫。ほら、いかないと。」「うぅ・・・は、はい・・・・」
目を開けたひよこさんは少し渋ったような顔をして、では、先に行ってますねと言い残して屋上を後にした。
俺は・・・さっきの彼女のおびえた表情、蒸気した顔、そして俺のに触れた暖かかった手と感触が一気に蘇り全身がおかしくなったようで、そして今まで以上に硬直して、熱くなるのがわかった。つい先日まで、眼鏡かけてた隣の女子だった彼女との行為を想像しさらに硬さを増したこいつのせいで今日は授業にでれねえなと午後の授業をサボった。

 

 

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翌朝、教室に入るとひよこさんが泣きそうになって俺のところに飛んできた。
「あ、あの、昨日午後・・・授業・・・わたしのせいで・・・ホントに・・・ごめんなさい・・・・」目には涙がたまって少し赤くなっていた。きっと昨日俺がサボったので責任感じて泣いたか寝れなかったかしたのだろう。
「ん、いや、大丈夫だよ。ぜんぜん・・・」
「・・・・・いつも・・・やさしいんですね・・・でも・・・」
「ん〜・・・・」思い込むと突進してしまう彼女のことだ。カナリ悩んだのかもしれない。
「昨日午後サボったのは俺の勝手だし。んー・・・でも、もしああいうことしたかったら休みの日ジャマされないときがうれしいかも。その・・・」
いってから俺はなんて恥ずかしいこといったのかと思ったが、彼女はいわれて一瞬びっくりした顔になり、そのあとホッとしたように笑った。
「ほんと・・・ごめんなさいでした・・・。あ、あと、もしよかったら今日の昼休み・・・いつもの屋上、いいですか?」
本の返却にしては早すぎるきもするが。俺はわかった、と返事した。

 

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昼休み。ひよこさんは屋上に来たのを見つけるとすこし笑顔になり、小走りで俺のところにきた。「あの・・・これどうぞ」手には紙パックのコーヒー牛乳が。「お、ありがとう。コレ好きなんだわ。」パックにストローを刺しつつ屋上のいつもの場所へ。「・・・・昨日はホント、ごめんなさい。」「ん?いや、いいって。」「わ、私、どきどきして・・・み、見境無く・・・。男の人ってそうなったら出さなきゃなんですよね?」「へ?」「本にかいてありましたもん・・・。出さないとつらいんですか?痛いとか。」「・・・・!?」どうやらひよこさんはエロ本を素直に受け取りすぎなところがあるようなきがする。なんていったらいいのかと迷っていると「・・・・でも」彼女は顔を真っ赤にしていった「じ、実際・・、み、耳さわられて・・・びっくり・・・しました・・・。思ってたのとぜんぜんちがって、本みたいな声でそうになって・・・」そこまでいうとうつむいた彼女。昨日の昼休みを思い出す俺。重くて熱い沈黙が流れる。「あ。えと、本、ですが返すの明日で・・・いいですか?」いいよ、と返事をしたあとでふときづいた明日は土曜日だ。学校は無いはず・・・これは・・・もしかして・・・。

 

 

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明日、午後3時に学校のトコの駅で。そう約束してから時間が来るまでがすごく待ち遠しかった。
午後2時45分。なんでこんな早く来てしまったのか・・・。まずかったかな、と思ったら俺よりさきに彼女がまっていた。えっ!と小さく言った後、「・・・・こんにちは。時間より早く着すぎちゃいました」と、恥ずかしげにいった。「いや、俺のほうこそ・・・あれ?今日はコンタクトじゃないの?」「あ、はい。せっかく眼鏡も新しくしたので・・・・だ、だめだったですか?」「いや、なんか・・・うん、似合う。」いって激しく照れてしまう。ひよこさんもうつむいたまま顔をあげない。「いこうか」「は、はい」俺は自転車を押して、彼女は歩いて。学校とは反対の方向にむかって歩いていった。「・・・?」「ああ、俺ここ地元だから詳しいから安心していいよ。向こうに公園があるんだ。ちょっと広いやつ。いったことない?」「・・・・はい・・・」「あって本返すだけじゃひよこさんにわるいし。缶コーヒーでもおごるからつきあってよ」「・・・・・はい。」
お互い何か話すわけでなく、ゆっくり公園まで歩いていった。気まずいわけでない。心地よい沈黙だった。

 

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公園の入り口にある駐車場の隅に自転車をとめ、近くの自販機でコーヒーを2本買った。「ほい、どっちがいい?」「あ・・・んと、じゃあ青いほうで。」コーヒーを飲みつつゆっくり公園を散歩する。しばらくするとふと思い出したように彼女がいった「あ、そういえば」「ん?」「さっきの、ヒヨコサンって、私のこと・・・でいいんですよね?」頭の中で勝手に彼女のことをそう呼んでいたのがつい口にでたのか。あちゃー・・・まずった。ちらりと彼女をみると少しうれしそうに言った「はじめて、コンタクトして髪の毛切った日、ひよこみたいって、いわれたから・・・。」覚えてたのか。びっくりしているとそういうこといわれたのは初めてだったから、というと彼女はコーヒーを一口飲んだ。
 結構歩いた。俺達は広場と離れたところにあるベンチに腰を下ろした。公園に5時のチャイムが鳴り響く。ひよこさんはチャイムを聞くと下を向いて小さな声で「近く、いってもいいですか?」といった。
心臓がギュウとなった。「うん」かろうじて出た答えを聞くと彼女は俺とぴったりとくっついた。ふわり、と彼女のいいにおいがした。

 

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彼女が俺を見上げる。俺も彼女を見る。俺が動いたのか、彼女が動いたのか、俺達はキスをした。すぐ触れて離れる唇。ぱっ、と彼女がうつむく。風が草を揺らす音だけが聞こえる。「・・・・もう一度、お願いして、いいですか?」彼女が小さな声で俺にいった。「うん」今度はゆっくり、彼女のやわらかい唇から熱い吐息が感じたと思ったら、やわらかい舌が俺の唇にあたった。その感触にびっくりしたが。ゆっくり自分も彼女の口内に舌を入れてみる。その瞬間か、彼女はぱっと、身を引いた。
「は、初めてですこんな感覚。すごい、すごい・・・」
そういうと彼女はそっと自分の唇を手で触っていた。

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お互いが顔を見合わせられず、静かに時が過ぎていく。帰りたくなかった。このままずっと2人でいたかった。
あたりは薄暗く誰も通らない。「帰らなきゃ・・・」彼女はいった。「・・・本・・・」「ん?ああ。うん」「本、明日でもいいですか?」「・・・?」「明日、学校で。日曜日ですけど、部活の人もいるから多分あいてます。甘えてばかりでごめんなさい。明日は・・・10時に、屋上で。」そういって立ち上がり「お願いばっかりですけど・・・もし、よかったら・・・手、つないでください」俺はゆっくり彼女の手を握った。彼女の体温が伝わってきた。
「・・・正直、帰りたくねえな」「・・・・私もです。・・・本とかと、全然違うです。ドキドキします。本当はー・・・・。・・・やっぱり、明日にとっときます。」
そういうと駅までゆっくり歩き出した。彼女が電車に乗ると、手の暖かさだけが残った。

 

20

結局昨日の晩は寝付けず、また時間より早くに着いてしまう俺・・・屋上にふく風が心地よい。時間が迫っていくにつれてだんだんと緊張してきた。「・・・!」きた!彼女だ。「うぁ、遅刻しちゃい・・・ました?」「いや、俺が早かっただけだから」彼女は少し笑って「でも、きてくれてよかったです。」といいもってた手提げの袋から缶コーヒーを出した。「・・・あとですね。・・・・笑わないで、くださいね?」といってそっと何かを取り出した。「・・・かっぷけーき、です。本当はもっとすごいの送りたくて、練習してたんですけど・・・・ぶ、不器用なので・・・家庭科で習ったものしか・・・・」そういいつつ真っ赤になって俺に渡す。「・・・!あ、ありがとう」そのケーキは形はあまり上出来とはいえないが、とても丁寧に出来ていた。「うん、うまいよ。」「わ。わ・・・!あ、ありがとうです・・・!あっそ、それ食べたらですね」「うん?」「・・・・あ、あ、あなたをたべさせて・・・く、くださいっ!」俺は持ってたケーキを落としそうになった。

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