年 (平成年)

第173回歌舞伎公演 花形若手歌舞伎(狐三題)・
実験小劇場歌舞伎 国立劇場小劇場

8月16日(日)〜8月27日(木)

配役
一、釣狐の対面(つりぎつねのたいめん)
工藤左衛門祐経:五代目 片岡我當
曽我五郎時致:初代 片岡進之介
曽我十郎祐成:六代目 片岡愛之助
大磯の虎:二代目 中村鴈乃助
化粧坂の少将:二代目 中村扇乃丞

二、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
佐藤四郎兵衛忠信、源九郎狐:二代目 尾上辰之助(→四代目 尾上松緑)
源九郎判官義経:六代目 尾上松助
静御前:二代目 市川新車(→十一代目 市川高麗蔵)
河連法眼:尾上佳緑
妻飛鳥:尾上扇緑
亀井六郎重清:四代目 片岡亀蔵
駿河次郎清繁:尾上松太郎

三、葛の葉(くずのは)
葛の葉:初代 中村浩太郎(→三代目 中村扇雀)

四、宿無団七時雨傘(やどなしだんしちしぐれのからかさ)
団七の茂兵衛:初代 中村智太郎(→五代目 中村翫雀)
おやまお富:初代 中村浩太郎(→三代目 中村扇雀)
並木正三:三代目 中村鴈治郎(→四代目 坂田藤十郎)
岩井風呂の治助:五代目 片岡我當
治助女房お梶:二代目 片岡秀太郎
堺の大治:六代目 尾上松助
高市数右衛門:二代目 坂東吉弥
万力の市右衛門:四代目 片岡亀蔵
嵐三五郎:初代 片岡進之介
澤村国太郎:六代目 片岡愛之助
難波茶屋亭主川九:尾上佳緑

料金
一等席:5,500円
二等席:4,500円

雑誌
『演劇界』1992年10月号→【演劇界】1992年10月号 歌舞伎の本棚 中村信二郎 [雑誌]
愛之助丈関連
56ページ:舞台写真「一本刀土俵入」女房おみな(モノクロ 1枚)
68ページ:舞台写真「釣狐の対面」曽我十郎祐成(モノクロ 2枚)
72ページ:舞台写真「宿無団七時雨傘」澤村国太郎(モノクロ 1枚)
82〜83ページ:国立小劇場の劇評

感想
釣狐の対面
2011年8月に国立劇場視聴室で記録映像を観た。(映像の収録日は1992年8月)
国立劇場視聴室についてはこちら

花道から白狐(黒衣さんにあやつられたぬいぐるみ)がやってくる。
追い立てられていたようだが、工藤祐経の屋敷の前ということで、追っ手は解散。
舞台の背景は富士山で、舘のセットがある。
御簾が上がって、工藤祐経(我當丈)登場。両脇には、大磯の虎(鴈乃助丈)と化粧坂の少将(扇乃丞丈)が座っている。
工藤が「八幡太郎義家殿が奥州下向で迷いしおり、一匹の白狐道を教えたためしあり。吉兆なるや」と喜ぶと、「旅の芸人2人がお祝いに来た」との連絡が入る。

花道から曽我十郎(愛之助丈)、続いて曽我五郎(進之介丈)が登場する。
十郎の衣装は紫に銀?の千鳥模様、五郎の衣装は赤に金の蝶の模様。
2人とも手に何か持っているのだが、不勉強のためそれが何かよくわからず…(「芸人」というくらいだから、何かの芸に使う物ではないかと思う。)
工藤、虎、少将が館から下りてくる。
工藤が狐の面をつけて、狐のような動きをする。

工藤が兄弟を見て「祐親に似ている」言う。
「親の敵!」と血気盛んな五郎と「必ず粗相のないように…」と落ち着いた十郎。
「冨士の狩場の総奉行の役目が終わるまで打たれるわけにはいかない」という工藤は、狩場の切手2枚を兄弟に渡し、「斬って恨みを晴らせよ兄弟」と言う。おおまかな部分は「曽我対面」と同じかな。
5人で見得をして幕。

解説などが何もないので、細かい部分が良く分からなかったが、だいたいこんな感じだった。
工藤、敵役なのにかっこいいよなぁ。
流石に20年ほど前だけあって、愛之助丈は線が細くて若い。
進之介丈は、松竹座で松王を見た時より、腰が落ちていて形がいいように思えたのだが、気のせいか…?(まあ、演目も役も違うけど。)