配役 |
19日(18:00開演)、20日(12:00/16:00開演)、21日(11:00/15:00開演) 大坂男伊達流行(おおざかおとこだてばやり) 監修:二代目 片岡秀太郎 作:岡本さとる 振付:山村若
橋本平左衛門:六代目 片岡愛之助
絵草子の女:二代目 片岡秀太郎 |
筋書 |
愛之助丈関連 6ページ:チラシの写真(カラー) 7ページ:インタビュー、紹介写真(カラー) 14〜15ページ:平成若衆歌舞伎の奇跡、記者会見レポート、稽古場日記など(写真あり、カラー) |
料金 |
全席指定:8,800円 筋書:1,000円 |
その頃、他の劇場では… |
→歌舞伎座 |
雑誌 |
『Top Stage Vol.34』2006年6月号 愛之助丈関連 20〜21ページ:愛之助丈インタビュー 81ページ下部:平成若衆歌舞伎公演情報 112ページ下部:平成若衆歌舞伎製作発表の様子(小さいけど) 114ページ:インスタント写真プレゼントの5番が愛之助丈
『演劇界』2006年8月号→演劇界 2006年 08月号 [雑誌] |
感想 |
20日昼の部を3列目26番(端から2つ目)で観劇。 愛之助丈は舞台を行ったり来たりしていたから、端の席からでも見やすかった。(←ダメなファンゆえに、視界がピンポイント。) いや〜、面白かった。ツッコミどころ満載で。 愛之助丈が「もっと!平成若衆歌舞伎(5月末までの期間限定ブログ)」の「愛之助が答える ぱーと2」でお話していた通り、「この感じは見たことある、このニュアンスは聞いたことある」と思った箇所がいくつかあった。 ブログで掛け声を推奨していたから、 |
茶屋で女性をめぐり、大坂の裏町のヤンキーグループ・雁金組と商家のどら息子達の天神組が一触即発。そこへ十兵衛(天神組)の妹・おはつが「父が倒れた」と駆け込んでくる。十兵衛は男伊達の意地で「喧嘩は捨てない」と言う。 ここまでが結構長くて、「愛之助丈が出てこないなぁ」と思っていたら、ようやく真打登場。大きな拍手が沸き起こった。 時雨の平左(片岡愛之助丈)が現れて、「喧嘩は後日」ということでひとまずおさまる。どうでもいいけど、「時雨の」って誰がつけたんだろう? なんで「時雨」なんだろう? 雨男なんだろうか?(そういえば、ラストで雪が降ってたな。) ちなみに、愛之助丈は白塗りの色男。3回くらいお色直ししたかな。白地に柳?柄、紫、白だったと思う。 ひとまずは預けた喧嘩を始める二組。平左は雁金組の仲間として派手に暴れる。喧嘩が強くてなかなかかっこいい。しかし、愛之助丈の顔と声でガラの悪い大阪弁を喋ってる姿にはちょっと違和感が… 見た目が白塗りで可愛いからかも。 暴れまくる平左にねっとりと視線を送る熟女(たぶん。若くはないだろう)が土手にいる。「奴のお仙」と言って、大坂の裏の世界に君臨する姐さんらしい。いつもお供に源助をつれている。役人がやってきて、ヤンキー達を引っ立てようとするが、お仙のとりなしで見逃してもらう。お仙は平左が気に入ったらしく、宿無しの平左に貸本屋の部屋を紹介する。 その後、兄の様子を見にきたおはつと師匠のよし乃が現れる。よし乃は昔、女の情念のこもった絵を描いていたことなどが語られる。
平左の住み込んだ貸本屋のおじいちゃんが強烈だった。ブツクサと「読んでみぬか〜、眺めてみぬか〜、この世の不思議〜」と繰り返しながら登場。あんたが一番不思議じゃ。このおじいちゃんが見せてくれた絵草子の美女に魅入られる平左。 ここで幕間。
雁金組が堤防でお酒を飲んでいる。そこへ天神組がやってきて喧嘩が始まるかというところに、お役人がやってきたので皆逃げ出した。平左は、再度仇討ちを勧める役人を突っぱねる。その後でおはつがやってくる。
お仙はおはつを遠くへ売り飛ばすことに決める。遠くへやってしまえば、平左もおはつをあきらめて自分の間夫になるだろうと言う。いや、あんたは平左のストライク・ゾーンから大きく外れてるみたいだから、ムリだろう。そして、お仙は源助に「おはつを売り飛ばす前に味見しちゃっていいわよ」とのたまう。源助は「俺の好みじゃないので、うちの若い者に…」と言って、去っていく。月並みな展開だが、えげつないなぁ。
お仙が倒れた後に、役人が出てくる。この役人は実は吉良の間者で、平左は「一人きりの討ち入りじゃー!」と役人を倒す。お仙に比べるとあっけなくやられてしまった。姐さんの敵を取りにきた源助もあっさりめ。お仙が強すぎたのか? それともこの2人が弱すぎるのか? お仙との死闘の後でゼェハァしている平左相手に情けないヤツラだ。(ラスボスの後に雑魚が出てきたんじゃ仕方ないかな。)
唖然とした幕切れの後に、歌舞伎には珍しい(らしい)カーテン・コールがあった。登場人物が次々と現れて舞台に並び、最後は二手に分かれて、真ん中から愛之助丈が登場する。勢揃いで客席に向かってお辞儀をするだけで、コメントはなし。 |
一晩明けて、なんか胸のもやもやが消えないなぁと思っていたら、ふと思い当たった。 ラストで平左が敵に囲まれている時に誰も助けに来なかったからだ。丈太郎がおはつをつれて逃げてくれたくらいで、誰も助太刀に来ないなんて薄情だ。(役者さんが限られてるから、町の若者を演じていた役者さんが敵方に回っているせいもあるのだけど。) 少年漫画だったら、絶対に助太刀に来るよなぁ。江戸時代に「友情」という概念はなさそうだから、仕方ないのかな。話の軸である平左とおはつの心中物語がかすんでしまうからかもしれないが、仲間一人助けに来ないで何が男伊達じゃ、と思ってしまうのも確か。 それとも、小娘から熟女までメロメロにさせるのが男伊達ってことなのかしらん…? やはり、それが上方的ヒーロー像?? ![]() 見た目が愛之助丈じゃなかったら、飛び蹴り食らわしたいくらいだぞ。(見た目がいいって得だ。) 平左にとって、自分に惚れた女性は全て「心根のいい女子」なのではないかとふと思った。 |