年 (平成年)

三月花形歌舞伎 南座

3月1日(木)〜3月24日(土)

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感想 1回目

3日夜の部をやや後方上手側で観劇。(この辺りがカードやら何やらの割引席のもよう)
花道とその上の宙乗りルートがよく見えたし、愛之助丈は上手側にいることが多かった(ように思う)ので、私にとってはいい席だった。勘太郎丈は花道側にいることが多かったように思う。

観終わった後の感想を一言で言うと…

モヤッと! モヤッと!! モヤッと!!!(←一言じゃないぞ。)

ちなみに、一緒に観劇したMさんも同じような感想だった。
舞台装置フル稼働の演出、だんまり、立ち回り…と、歌舞伎の魅力満載な舞台だった。衣装もとても綺麗で、舞台写真が今から楽しみなくらいだ。演じている方はきっと楽しいだろうな。でも、私は客席で置いてけぼりをくらったように感じていた。(私の理解力が足りなかったないせいもあるだろうけど。)
メイン(と思われる)の花形役者さん同士がやりあう場面が少ないような…?(特に愛之助丈はそうだった。) だから物足りなく感じたのかもしれない。

舞台には人形が置いてあり、通路を通って登場した2人がお芝居について解説をする。


左から、公曉、軍太夫、喜之平、新左衛門


霧太郎


左から、櫻木、義時、政子、実朝

暗転し、パッと明るくなると、そこは鶴ヶ岡八幡宮。この舞台は綺麗だった。中央には北条政子(萬次郎丈)、上手に軍太夫(亀鶴丈)。政子は威厳があって素敵だった。
そこへ恋煩いでイッちゃってる実朝(愛之助丈)が花道から登場する。御身衣(エリマキ付きの源氏の御大将ルック)に紫の鉢巻(結び目は左側)、桜の枝を手に持って、ふらふらとやってくる。(ちなみに、私のテンションはこの場面が最も高かった。)
実朝は数珠を掛けられて正気に戻る。このときの面目なさそうな感じがいい。やっぱり私は、愛之助丈のこんな顔→(ノД`)が好きだ(笑)。

傾城櫻木(七之助丈)が巫女さんの格好で登場。櫻木は神事のために八幡宮に来ている。
櫻木が喜之平(愛之助丈)の妻・おいさ(京蔵丈)と話しているところへ軍太夫がやってくる。軍太夫は嫌なヤツなんだけど、どこか憎めない。もし、私がこの狂言に副題をつけるとしたら、「小悪党・軍太夫が行く!(行き詰るけどな)」にする。軍太夫の出番が一番多いように思えた。

軍太夫が櫻木にせまっているところを義時(勘太郎丈)が助けに入る。すると、櫻木が義時を捕まえてせまる、せまる。
後ろからぎゅっと抱き着いたり、耳元で「抱いてv」と言った(らしい)り、とにかくイケイケ(死語)で、堅物の義時があわあわする様子が可愛かった。
櫻木「あなたに一目惚れしたの」
義時「騙すつもりなんでしょ?」
櫻木「腕に“義時命”って入黒子までしたんだから!」
櫻木の執念恐るべし。
ここでいい雰囲気になったのに、殿がまた狂ったとかで義時退場。

喜之平がやってきて、おいさと再会。喜之平が「主人(義時)に勘当されたけど、前の主人(=霧太郎)に再会した」というようなことを話す。10時間以上(橋之助丈談@「Top Stage」)の物語を3時間強(幕間を抜いて)に縮めているせいか、この場面に限らず説明台詞が多い。小説のあらすじばかり読まされている感じだったなぁ。
愛之助丈は実朝を高い声、喜之平を低い声で演じていた。…と、思ったのだが、話が進むにつれて、喜之平の声も高くなっていったな。
実朝を乗せた駕籠を天狗が襲うが、白旗の威光には適わない。
ここでようやく霧太郎(橋之助丈)が煙とともに登場。でも、さくっと幕が引かれて場面が変わる。

魚を盗もうとした乞食坊主=公曉(薪車丈)が漁師にボコボコにされる。薪車丈はかっこいいのに、小汚い格好で少し勿体無い。
そこに霧太郎 with 天狗がやってきて、公曉と盟約を結ぶ。
霧太郎の大望は「日の本を魔界に変える」ということらしいが、いまひとつピンとこない。単なる愉快犯みたいなんだもん。(Mさんは「天狗の子分がショッカーみたい」と言っていたっけな。)
「俺様が王になるんだ!」とか「源氏に恨みがあるから、この国を混乱させてやるんだ!」とか、そういうのが強く感じられたら、物語に感情移入しやくすなったかも。公曉が鎌倉を恨む気持ちはわかるんだけど。
もしかしたら、大事な台詞を聞き落としているのかもしれない。

実朝が疱瘡で寝込んでおり(←霧太郎の仕業)、義時が鬼切丸を持ってくる。ところが、刀を抜いたら、桜の枝がびよよん♪ 勘太郎丈の目をまん丸にする表情が可愛くていいなぁ。義時は鬼切丸紛失の罪で勘当され、鬼切丸を探すことになる。
義時が軍太夫に意地悪されて(←違)追い出された後、藤原定家の使者大判事(実は霧太郎)がやってくる。お公家さんなので、黒の束帯?姿。
いろいろあって、源氏の白旗を霧太郎に取られてしまう。鬼切丸は公曉が盗み出していたが、だんまりの場面で喜之平の手に渡る。

二幕目。
幕が開いたら、喜之平が座っていた。廓の店先で薬を売っている。この場面はなかなか楽しそう。お色直しして衣装が変わっていた。
店(花里屋)はおいさの実家で、櫻木が勤めている。櫻木を身請けしようと軍太夫がやってくる。軍太夫もお色直しして頭巾?をかぶっていた。政子から賜った梅の木を持ってきて、「一枝を伐らば一指を切るべし」とどこかで聞いたような言葉を札に書いてかけておく。
喜之平の姑・妙正(萬次郎丈)がいい味出してたなぁ。ここはクスッと笑える。

花里屋には義時がかくまわれていて、「喜之平は忠義者だ」とか「今頃、本当だったら鎌倉で…」とか言ってしょんぼりとしている。櫻木が梅の枝を折って慰めようとしたところへ軍太夫が踏み込む。
軍太夫「指を切れ」
義時「たかが梅で大げさな…」
軍太夫「その梅は御台様から拝領した梅だ」
義時真っ青。櫻木が指を切って詫びようとすると、
軍太夫「いや、櫻木なら許す。女ながら、その覚悟は天晴れ」
ちょっと情けない感じが絶妙。

軍太夫「義時は許さないからな。しょっ引いて詮議しちゃうもんね」
縄を掛けられてしょっ引かれる義時。後を追おうとした櫻木のところに、なぜか幽霊と人魂が…
櫻木に焦がれて死んだ者やら、果し合いをして死んだ者やら、まあ大変。櫻木、もてるんだなぁ。櫻木がここまでモテモテ(死語)でなければ、この後櫻木に感情移入ができて、もう少し芝居が面白く感じられたかもしれない。

幽霊達は「義時を思い切らねば、義時を取り殺す」と言う。
櫻木「女の命の髪を切るから許して…」
そこへ喜之平が帰ってくる。
新左衛門(彌十郎丈)がやってきて「鬼切丸を渡せ」と言う。喜之平は背中の羽を見せ、羽を無理矢理生やされたことを告げ、歯の数が33ある女性の髪を燃やすと術が解けることを話す。どうでもいいけど、この舞台はやたらと「さあ」「さあ、それは…」「さあ」「さあ…」「さあさあさあさあ…」が出てくるなぁ。
背中に生えた羽が下っ端天狗と同じ地味な羽でかなりガッカリ。もっと立派な羽が生えていると思ったのに。(もっと言えば、どちらにつくか悩みに悩んでから霧太郎を選んで羽が生えると想像していたので、説明台詞だけ終わったので拍子抜け。)

霧太郎が宙吊りで現れて「鬼切丸を渡せ」と言い、喜之平は板ばさみの大ピンチ。
どうしようもなくなって、喜之平はとうとう腹を切る。愛之助丈、今年に入ってから切腹しまくってるなぁ。喜之平は新左衛門に鬼切丸を渡そうとするが、霧太郎に奪われてしまう。…腹きり損?(←この場面で泣かずにこんなことを考えているあたり、なんというか、アレだな。)
櫻木は義経の忘れ形見・千代姫で、霧太郎が宙乗りでさらっていく。一度、千代姫が落ちそうになる演出もあり、宙乗りの時間が結構長かった。

霧太郎は千代姫に「公曉の妻になれ」というが、“義時様命”の千代姫は当然拒む。このとき、千代姫は傾城の衣装ではなく、お姫様ルック。
縄で縛られたままの義時が連れ出される。
霧太郎「公曉、義時をぶち殺せ」
千代姫は泣く泣く公曉の妻になることを承諾し、自分の髪を形見に義時に渡す。ここもなー、千代姫が可哀相なことより、義時がふがいなさ過ぎることの方が気になった。
霧太郎と公曉が悪役笑いをしながら酒を飲む。どうやら、ここが「酒盛」の場面らしい。…うーん、地味だ。てっきり、天狗が歌えや踊れやの大騒ぎをするのかと思ってた。

キャンプファイヤー、もとい、祭壇で魔術決行というその時に、新左衛門と義時が現れる。新左衛門は颯爽としていてかっこいい。新左衛門が千代姫の髪を祭壇に投げ入れると、霧太郎の魔術の効力がなくなった。千代姫は父・義経と同じで歯の数が33あるんだそうだ。新左衛門、おいしいところを持っていくなぁ。霧太郎は暴れまわって大立ち回り。
そこへ、さらにおいしいところを持っていく人が…
霧太郎の術が解けて、すっかりよくなった実朝が金の烏帽子に直衣?(狩衣?)姿で登場。あなた、疱瘡は治ったとしても、恋煩いは? カットされた約7時間に超スペクタクル恋愛浪漫が含まれていたのか?…まあ、かっこいいからよしとするけどさぁ。(←駄目なファン)
歌舞伎にこんなことを言うのは無粋だが、実朝が将軍になったのは11歳(12歳)らしい。実朝、数馬より年下だったのか!

そして、ラスト。
実朝の「我々がいる限り、日の本を騒がせることはできない(みたいな台詞)」の後に、霧太郎がまだ諦めたわけではなさそうな台詞を言う。最後はキャストが一列に並んで、中央には段に乗った霧太郎。千代姫と義時は花道側で実朝と政子が上手側。
桜吹雪がどしゃどしゃと降り注ぎ、幕が閉まる。桜吹雪を降らせ過ぎたのか、花道側の桜吹雪が先になくなってしまったようで、途中から舞台中央辺りまでしか降らなくなった。

なんかねー、「ヤッターマンがいる限り、この世に悪は栄えな〜いっ!」って言ってる横(しかも舞台中央)でドロンジョ様がガッツポーズをとって幕が閉まったようなモヤッと感が…(←若い人にはわからない例えかも)
必ずしも勧善懲悪がいいとは言わないけど、最後は「おしおきだべ〜」で終わってくれた方が(私は)いいなぁ。吹っ飛ばされた霧太郎が宙乗りになって「次はみてろよ〜!」とじたばた去っていくとか、ダメかなぁ。(橋之助丈のファンからは「そんな橋之助さんは見たくない!」とクレームがきそうだけど…)

このお芝居では、大笑いしたりボロボロ泣いたりすることがなかった。演出の見所も多いし、物語的な山場もあったと思うんだけど、どうも私は盛り上がれなかった。さらさらっと最後まで終わっちゃった感じだ。
役者さんがどうしようもなければ諦めがついただろうけど、役者さんは誰も彼もがとても素敵だったので、余計にモヤモヤとした気持ちが湧いてきたように思う。(←「お前がひねくれてるんだ」「お前は見る目が無い」と言われればそれまでだけど。) 芝居はだんだんと変わっていくみたいだし、中日過ぎと楽にも観劇するので、どんな風に変化しているのかを楽しみにしようと思う。期待しすぎていた部分もあるので、2回目を見たらまた感想が変わるかもしれない。

この感想をアップするのには少し勇気がいったけれど、思ったままを書いてみた。
とりあえず、ここまで書いたら、少しスッキリした。

観劇日の翌日は愛之助丈のお誕生日。おめでとうございます。

感想 1回目 その2

豪華絢爛な舞台だったのに、どうして楽しめなかったのかを考えてみた。思い違い、勘違い、聞き間違い、聞き逃しなどがあるかもしれないけれど、思ったコトを書いてみる。(おかしなことを言っていたら、容赦なくツッコミを入れてください。)
mixiやブログの感想は好意的なものが多いので、私(とMさん←何気に道連れ)がひねくれてるのか…? 私がヒネクレモノであることはさておき、登場人物が中途半端なのが原因ではないかと思った。

まずは、霧太郎。
「日の本を魔界に!」とか「ブチコロース!」とか言ってる割に、ちっとも悪っぽく見えない。国を揺るがす大悪党というよりは、やっぱり愉快犯に見るんだよなー。実際に手にかけたのは町の娘さんとそのおっかさんのみだしさぁ。竜巻でも起こして、「見ろよ、人がゴミのようだ」くらい言ってくれれば悪役に見えたかも。
というかね、家老なんかがお家乗っ取りを企むのはわかる。しかし、妖術を使える天狗のくせに、やることがまどろっこしいよ、霧太郎。何で朝廷を狙わずに鎌倉なのか? 最後の儀式のために鬼切丸と白旗が必要だったのか?(劇中で言ってたかもしれないけど、記憶にない。)
もし義経の敵を討ちたいんだとしたら、頼朝が生きてるうちに討っとけっちゅーの。それか、もうちょっと我慢して政子が死ぬまで待っておけばよかったのに。

続いて、喜之平。
「天狗に仕える身の不肖…」と嘆いていたけれど、その割には楽しそうに霧太郎からもらった薬を売ってたやん。今回のことがなかったら、「うちのダンナは人使いが荒くてかなわんわー」とか言いながらも、楽しく暮らしてそうだ。どうもお調子者っぽくて、腹を切るような忠義者に見えなかったんだよなぁ。
まあ、そんなお調子者の庶民が板ばさみになって腹を切るのが悲劇なのかもしれないけれど。

さらに、義時。
登場して、ご乱心の殿をいさめたり、白旗を出して天狗を追い払うところまではかっこよかった。
が、刀を盗まれてからはあまりのヘタレっぷりに、もうどうしてくれようかと… 身の上を嘆いて慰めてもらい、縄を掛けられて連行され、挙句人質になって、櫻木を助けるどころか足手まといになる。
だいたい、逆でしょ? 本来なら櫻木が人質になって、「いいの! 私にかまわず戦ってぇー!」ってなるべきでしょ? 誰がヒロインなのよ。
そして、最後はちゃっかり列に加わっているけど、あんた何もしてないじゃない。(霧太郎の術がとけたのも、白旗と鬼切丸が戻ってきたのも、全部新左衛門のおかげ。) 最後の最後までどうしようもなかったなぁ。

そして、櫻木。
一途に恋する女性というのはわかった。が、しかし、だめんずなのか? あれだけ多くの男性につれなくして、行き着いた先がだめんずなのか!?(ある意味、非常にリヤルだったりするわけだが…)

公曉と軍太夫はキャラクターが一貫していてわかりやすかったな。実朝は色ボケでイカレポンチだった冒頭と、ラストではキャラクターが変わっていたぞ。鎌倉は政子と新左衛門でもっているんだなぁ。新左衛門がいなかったらどうなっていたことか…

感想 2回目
表の看板が青から赤に変わっていた。

 

18日昼の部を三階右バルコニー舞台寄りで観劇。


↑眺めはこんな感じ。

右バルコニーだけど一番端の席だったため、舞台上手側もちゃんと見えてかなりよかった。
上から見ると、舞台装置の動きや黒衣さんが隠れて動いているところなども見えて面白い。
上から見ても、「あれ、どうなってるんだろう?」と思ったのは、生首と死骸の血が混ざるところ。畳の下で動かしているんだろうけど、上の段から下の段へ流れるように動くところはどうやってるのかわからなかったな。
霧太郎(橋之助丈)が暗闇からするする〜と下りてくるところは、しっかりと見た。宙乗りは下から見るのとは違って面白かった。

2回目の観劇だが、感想を一言で言うと…

ビィ〜ミョォオォォォ〜〜〜!!!(オダジョー@ライフカード風)

それぞれの場面を単独で見れば、それなりに見せ場もあるし、衣装も装置も綺麗だ。でも、通しで見ると、何か足りない。
場面転換のたびに幕が下りて中断するし、登場人物の描き方がいまひとつで(時間が足りないせい?)、どうも物語にのめり込めない。大笑いするとか、周りからすすり泣きが聞こえるとか、そういう場面もなかった(と思う)。隣の席のお年を召した男性が声を上げて笑った場面は、喜之平(愛之助丈)が客のこぶをノミで落とすところだけだったな。
「あちゃー」と思ったのは、喜之平が霧太郎と新左衛門(彌十郎丈)にはさまれて苦悩する場面。なんと、女性の噴き出す声が…(あの、そこ笑うところじゃないと思うんです…) そして、喜之平が腹をかっさばいた時には「えぇっ?」という声が… これ、絶対に脚本がまずいせいだと思うんだよな〜。(喜之平は忠義者というより、愛妻家という感じ。)

不満はこれくらいにしておいて。
物語の流れがわかっているので、「ここでこれを説明してたんだ」とわかったところがいくつかあった。イヤホンガイドでは「今の台詞は要チェック!」というのも説明してくれるんだろうか? 今度借りてみようかなぁ。

先回と違うと気付いたところ。
今日は雪がぱらついていたので、冒頭の2人がネタにしていた。前は2人並んで上手側通路を通っていたが、今回は1人は花道側通路、もう1人が上手側通路を通っていた。
軍太夫(亀鶴丈)が傾城櫻木(七之助丈)と二人きりになるために、おいさ(京蔵丈)を追い払う場面がカットされていた。 そして、おいさと喜之平が花道を引っ込む時に、客席を指差して「綺麗な花が咲いている」とか「あっちも桜が満開だ」とか言っていた。
あと、霧太郎が「ブチコロース!」って言ってた気がするんだけど、今回は言っていなかった。(空耳だったのか?)
気付いたのはそのくらい。

ここからはおまけ。
今回食べたお弁当。(「わらびの里」のお弁当。名前は失念)
可愛かったのでパチリ。

休日だけあって、大向こうがたくさんかかっていた。なぜか、「エイヤッ!」「カイヤッ!」としか聞こえない大向こうが… どうも橋之助丈にかけてたみたいなんだけど、何て言ってたんだろう?

次に行くのは楽日。
南座に行く前に、愛之助丈がオススメしていた美術館に寄ってみようかと考え中。

感想 3回目
去年の顔見世の模型が置いてあった。ガラスにいろいろ映りこんで綺麗に撮れなかったけど…

 

さて、楽日。
24日夜の部をやや後方上手側で観劇。(某カードの割引席) 補助席が出るくらいの大入りだった。
今日は特別にカーテンコールがあった。(実は、それが目当て)

※「だいたいこんな感じのことを言っていた」ということであり、一言一句この通りにお話されたわけではありませんので、ご了承ください。

まず、橋之助丈が丁寧なご挨拶。
復活狂言を演じるに当たっての苦労とか、これまでの道のりなどを話し、「南座は歌舞伎にぴったりの劇場。いや、劇場というより小屋。もっと歌舞伎をやりたい。花形公演もやりたい。お客様がきてくれなければどうしようもない。どんどん劇場に足を運んでいただきたい」というようなことを話していた。
橋之助丈が素敵だなぁと思ったのは、「萬次郎のお兄さん」「彌十郎さん」「愛ちゃん(←ここで客席から笑いが)」…と一人ずつ名前をあげて、感謝の言葉を述べていたところ。

橋之助丈のご挨拶の後に、順番にご挨拶。
萬次郎丈「普段はお金、お金って言わないんですよ」
彌十郎丈「今回は老け役じゃありません」
愛之助丈「愛ちゃんでございます」
皆さん、受け狙い?(笑)
ちゃんと、それ以外のコメントもしてたけど。(当たり前)
愛之助丈は「大阪生まれ大阪育ちなので、皆さんと関西で芝居ができて嬉しい」というようなことを話していた。で、挨拶が終わったら、橋之助丈がなにやら声をかけた。
愛之助丈「来週(来月?)松竹座で歌舞伎をやりますので…」
どうやら、橋之助丈が宣伝するように勧めてくれたらしい。優しいなぁ。

勘太郎丈と七之助丈が「橋之助の叔父」と言ったとき、橋之助丈はジェスチャーらしきことをしていた。たぶん、『叔父って言うな!』という意思表示なのだと思われる。
七之助丈が「昼と夜2回同じ狂言をやるのは大変。でも、あっという間だった(みたいな感じの言葉)。楽屋で『ありがとうございました』って言ったら寂しくなるだろうな」と言っていたのが印象的。
亀鶴丈は舞台上手側から移動して、勘太郎丈と七之助丈の間に入って「ここに立ちたかった」と言って笑いを取っていた。顔は軍太夫のままなのに、声は好青年なのがおかしい。挨拶後、元の場所に戻ろうとする亀鶴丈を勘太郎丈が止めていた。
薪車丈は緊張しているのか、声が上ずっていたように思えた。でも、とっても嬉しそうないい表情だった。

橋之助丈は感極まって泣きそうになっていた(泣いてた?)。勘三郎丈襲名の顔見世のカーテンコールを見て、その時に「3月でもカーテンコールがあったらいいなぁ」と思っていたとか。
最後に、「私の可愛い子分どもを… 皆筋肉痛なのに、頑張って飛び跳ねてくれました」と烏天狗さんたちを紹介。天狗さんは大詰では捕り手だったので、その格好のままくちばしつけて天狗の動きをしてくれた。客席後方の隅に立っていた脚本家さんを紹介したり、スタッフへの感謝の言葉を忘れなかったり、橋之助丈って気配りの人なんだなぁ。

とってもいいチームだったのは伝わってきたし、またお芝居をするなら観に行くけど…
あの、ジャンプの10週打ち切り漫画のようなラストだけは何とかしていただきたい。
あんなに素敵な役者さんがそろってるのに、勿体無いよなぁ。
締めは、劇場全体で一本締め。

今更ながら、思ったこと。 義時(勘太郎丈)は刀の詮議で廓に潜伏中は月代が伸びてるのね。(最後はちゃんと剃って出てくる。)
髪が伸びるといえば、公曉(薪車丈)は伸びすぎなんじゃ… 天狗の力で伸ばしたのか、スケベは髪が伸びるのが早いという俗説通りなのか… それなら、軍太夫(亀鶴丈)はもっと伸びそうなものだが、まあいいや。
幽霊達が「義時を思い切らねば、義時を取り殺す」と言う時、櫻木(七之助丈)は「それは止めて」と言っていたけど、そこで「ふーんだ、あんたたちに取り殺される義時様じゃないわよっ!」って言えないあたり、義時の情けなさがよく出てる。

そうそう、今回、久しぶりに「松嶋屋!」という女性の声を聞いた。千穐楽だし、土曜日だし、大向こうさんがたくさんいて声をかけてるんだから、でしゃばらずにすっこんでいてほしい(と、思うようなかけ方だったのだ)。
私は女性の声かけがどうも好きになれず、何でだろうと考えたら、ふと思い当たった。
こんなことを書くと怒られるかもしれないけど、大向こうって、野球場で選手に向かって「オラオラ! しっかり打たんかい!」と叫ぶとか、サーキットで「そこだ! 1コーナーでブチ抜け!」って叫ぶのとあんまり変わらないと思うんだよね。(昔は下手な役者さんに「大根!」ってかかったらしいしね。)
その手の言葉を女性の声で聞いてしまったような「ウヘァ」な感じがする。私はね。

本日のお弁当。またも、高島屋地下の「わらびの里」で購入。

カーテンコール&ご挨拶で15分くらい延びたけど、地下鉄の駅まで早足で歩いたら、前と同じ新幹線で帰ることができた。(M嬢オススメのみたらしは諦めたけど…)
南座へ行く前に、『アートと花をめぐる旅―今、いちばん行きたい注目の美術館/ゆったりと癒される大人の宿』で愛之助丈が紹介していたアサヒビール大山崎山荘美術館へ行って来た。こじんまりとしていて、なかなか素敵な空間だった。ふらっと寄るにはいい感じ。