年 (平成年)

新春浅草歌舞伎 浅草公会堂

1月2日(水)〜1月27日(日)

配役
第1部(11:00開演)
お年玉〈年始ご挨拶〉11:00-11:05

一、傾城反魂香(けいせいはんごんこう)11:05-12:35
  土佐将監閑居の場

浮世又平:二代目 中村勘太郎
狩野雅楽之助:六代目 片岡愛之助
土佐修理之助:二代目 坂東巳之助
土佐将監:六代目 市川男女蔵
女房おとく:二代目 市川亀治郎

二、弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)13:00-14:15
  浜松屋店先より
  稲瀬川勢揃いまで

弁天小僧菊之助:二代目 中村七之助
南郷力丸:二代目 中村獅童
赤星十三郎:二代目 中村勘太郎
浜松屋倅宗之助:二代目 坂東巳之助
鳶頭清次:二代目 中村亀鶴
忠信利平:二代目 市川亀治郎
日本駄右衛門:六代目 片岡愛之助

第2部(15:00開演)
お年玉〈年始ご挨拶〉15:00-15:05

一、祗園祭礼信仰記(ぎおんさいれいしんこうき)15:05-16:45
  金閣寺

雪姫:二代目 市川亀治郎
此下東吉:二代目 中村勘太郎
狩野之介直信:二代目 中村七之助
慶寿院尼:二代目 中村亀鶴
佐藤正清:六代目 市川男女蔵
松永大膳:二代目 中村獅童

二、与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)17:10-18:40
  木更津海岸見染の場
  源氏店の場

与三郎:六代目 片岡愛之助
お富:二代目 中村七之助
蝙蝠安:二代目 中村亀鶴
鳶頭金五郎:二代目 中村獅童
和泉屋多左衛門:六代目 市川男女蔵

お年玉〈年始ご挨拶〉日程
2日(水)1部:獅童/2部:愛之助
3日(木)1部:亀鶴/2部:七之助
4日(金)1部:獅童/2部:愛之助
5日(土)1部:七之助/2部:亀鶴
6日(日)1部:獅童/2部:愛之助
7日(月)1部:亀鶴/2部:愛之助
8日(火)1部:獅童/2部:七之助
9日(水)1部:亀鶴/2部:愛之助
10日(木)1部:七之助/2部:休演
11日(金)1部:獅童/2部:七之助
12日(土)1部:七之助/2部:亀鶴
13日(日)1部:獅童/2部:愛之助
14日(月・祝)1部:休演/2部:亀鶴
15日(火)1部:獅童/2部:七之助
16日(水)1部:亀鶴/2部:愛之助
17日(木)1部:獅童/2部:亀鶴
18日(金)1部:七之助/2部:愛之助
19日(土)1部:獅童/2部:亀鶴
20日(日)1部:七之助/2部:休演
21日(月)1部:休演/2部:七之助
22日(火)1部:亀鶴/2部:愛之助
23日(水)1部:七之助/2部:亀鶴
24日(木)1部:獅童/2部:愛之助
25日(金)1部:獅童/2部:七之助
26日(土)1部:亀鶴/2部:愛之助
27日(日)1部:獅童/2部:休演

筋書
愛之助丈関連
表紙・裏表紙:素顔写真 スーツ姿(カラー)
38〜41ページ:インタビュー
(舞台写真あり、カラー。「夏祭浪花鑑」団七九郎兵衛、「鳥辺山心中」菊地半九郎、「蝉しぐれ」牧文四郎)
裏表紙裏:『二月花形歌舞伎』チラシ(カラー)
おまけのシール:チラシの写真付き(カラー)
舞台写真
愛之助丈は、
「傾城反魂香」狩野雅楽之助:2種類
「弁天娘女男白浪」日本駄右衛門:4種類(浜松屋店先:3種類/稲瀬川勢揃い:1種類)
「与話情浮名横櫛」与三郎:14種類(見染:4種類/源氏店:10種類)
グッズ
ポストカード(2枚組300円):7人のバストアップ(スーツ姿)、チラシのように歩くポーズで並んでいるもの
ブロマイド2種(バストアップ、全身図)
「豆半纏」数種類
ガーゼ手ぬぐい 数種類
料金
1等席:9,000円
2等席:5,500円
3等席:2,000円
学割あり

筋書:1,500円

その頃、他の劇場では…
歌舞伎座
松竹座
新橋演舞場
国立劇場

雑誌
『LOOK at STAR ! 』Vol.36 2008年2月号→LOOK at STAR ! (ルック アット スター) 2008年 02月号 [雑誌]
愛之助丈関連
51ページ:『新春浅草歌舞伎』『二月花形歌舞伎』会見レポート
89ページ上部:『新春浅草歌舞伎』公演情報

『花道』第28号
愛之助丈関連
表紙:ポスターの写真
表紙裏:チラシ
14〜15ページ:「出演者記者会見レポート」片岡愛之助
16〜19ページ:「新春浅草歌舞伎二00一−二00七 伊達なつめ」
22〜23ページ:「PRESS CONFERENCE」記者懇親会の様子
24〜26ページ:「昨年の舞台より」
2007年浅草歌舞伎の舞台写真(モノクロ):「すし屋」いがみの権太 1枚、「身替座禅」奥方玉の井 1枚

『CREA』2008年3月号→CREA (クレア) 2008年 03月号 [雑誌]
愛之助丈関連
別冊付録「僕たちが次世代の歌舞伎をつくる 七人衆参上」
表紙:スーツ姿の7人が勢揃い
2ページ:新春浅草歌舞伎初日ドキュメント
3ページ:舞台稽古風景
5ページ:インタビュー

『演劇界』2008年3月号→演劇界 2008年 03月号 [雑誌]
愛之助丈関連
59ページ:舞台写真「与話情浮名横櫛」切られ与三郎(カラーグラビア 1/2ページ)
82ページ:舞台写真「傾城反魂香」狩野雅楽之助(モノクロ 1枚)
83ページ:舞台写真「弁天娘女男白浪」日本駄右衛門(モノクロ 2枚)
85ページ:舞台写真「与話情浮名横櫛」与三郎(モノクロ 4枚)
100〜101ページ:新春浅草歌舞伎の劇評
136ページ:「新派百二十年記念公演」の紹介
142ページ:新春浅草歌舞伎の感想(投稿)

感想

12日に後方花外から夜の部を観劇。


↑あいにくの雨模様。

お年玉〈年始ご挨拶〉
担当は亀鶴丈。
トンボを返りながら客席に下りたのだけど、少し後ろによろけてしまっていた。ご本人はそれが納得いかなかったのか、ちょっと首をかしげてらした。

「拍手のタイミングがわからない」とよく質問をされるそうで、附け打ちさんのツケと亀鶴丈の見得に合わせて拍手の練習をした。
その後、客席から1人を指名して、コートを手に持ち、「上手にできるまでコートは返しません(笑)」と言って、一列目に座っていた女性が見得をすることに。それに合わせて拍手の練習。
終わった後、封筒(中身は何かしら?)を女性にプレゼントして、「コートはもらっていきます」と歩きかける亀鶴丈。突っ込んでもらえないものだから、自分で引き返してきた(笑)。亀鶴丈、面白いなぁ。

最後に、附け打ちさんの紹介。
亀鶴丈は附け打ちさんの隣に並んで、「役者よりいい男ですね。出待ちする方、○○さん(名前失念)の出待ちをしてください」とかなんとか言っていた。附け打ちさんは本当にかっこよかったけど、亀鶴丈もかっこいいよ!

金閣寺
舞台も衣装もきらびやかで、目の保養という感じ。
松永大膳(獅童丈)はどーんと悪役という感じだし、此下東吉(勘太郎丈)は頭が切れてキリリと素敵だった。
東吉が自分のことを「山本勘助に比べれば小物」とか言っていたけど、それは今回だけのスペシャルなのか、いつもの台詞なのか…?

雪姫(亀治郎丈)は、ちょっと前までテレビで入道だった人とは思えない可憐さだった。
桜の花びらが大量に降ってくるところでは、客席がざわめいていた。雪姫が花道を引っ込むときに、着物についた花びらが花道まで落ちているくらい、たくさんの花びらが積もっていた。
ところで、何でネズミはピンク色じゃないんだろう? 桜の花びらなのに。(←素人のどうでもいい疑問)

てっきり雪姫が主役なんだだと思っていたけど、最後を見ると大膳が主役なのかな。
とにもかくにも、華やかで綺麗な舞台だった。

与話情浮名横櫛
最初、与三郎(愛之助丈)はいかにもボンボンいう感じだった。
お富(七之助丈)に見惚れてぼけら〜としているところが可愛かった。
その隣で「はは〜ん」という顔をしている金五郎(獅童丈)もよかった。
羽織はどんな風に落ちるのかと思っていたら、酔っ払いとぶつかった時に少しずれるようになってるんだなぁ。酔っ払いに「いい男だねぇ」「歌舞伎役者の片岡愛之助そっくりだ」「よっ! 松嶋屋ぁ!」と言われていたな。

お富をゆするときも、駄々っ子が拗ねてるような感じが少しした。まだお富が好きなんだろうなぁという感じ。ちょっとガックリしながらも、お富と口裏を合わせるところは、惚れた弱みという感じだった。
愛之助丈が「苦手」と言っていた江戸弁は気にならなかった。
もっとも、私は「江戸弁」なるものをよくわかってないので、違和感の感じようもないけどね。(江戸弁は標準語と違うよね。)

蝙蝠安は見ていて楽しかったな。白粉を塗られた藤八っあん(松之助丈)を見て驚くリアクションとか、多左衛門(男女蔵丈)を見てこそこそしている姿とか、面白かった。与三郎とのコンビはちょっと抜けてる感じがしたけど、あれでゆすりたかりができるものなんだなぁ、と。お富は色っぽく、多左衛門は渋くて素敵だった。
ラストはハッピーエンド。

「金閣寺」も「与話情浮名横櫛」も、“お手本”を観たことがあれば物足りなく感じるのかもしれないけれど、私は“お手本”を観たことがないので、満足できた。次は“お手本”も見てみたい。
後日、昼夜通しで観劇予定。

感想 2回目
昼の部
19日に前方上手側から観劇。

お年玉〈年始ご挨拶〉
担当は獅童丈。
客席がおとなしかったのか、「あれ、静かになっちゃった」と何回か言われた(笑)。 浅草にはリピーターが多いらしく、獅童丈が「今日が2回目以上という方」と質問したら、結構手が上がった。
獅童丈「こんなにいるなら、違う話をした方がいいのかな」

客席からの質問が「獅童さんはテレビや映画にも出てますが、今年はどういう新しい挑戦をしようと思ってますか?」とか何とかいうもので、獅童丈は「演劇ライターみたいですねぇ」と言っていた。音楽劇に出演するのが、新しい挑戦になりそうだとか。(2曲くらい歌うらしい。)

「弁天娘女男白浪」は通しだと、日本駄右衛門と宗之助が親子、弁天小僧と浜松屋が親子とわかる場面が入るらしい。このメンバーで通しで見せてほしいなぁ。

最後に拍手の練習をして、おしまい。
おふざけなしの真面目なご挨拶だった。ご本人が「今日は喋りすぎ」と言う通り、少し時間オーバー。(でも、ファンはその方が嬉しいよね。)

傾城反魂香

又平(勘太郎丈)がとにかく可愛かった。おとく(亀治郎丈)も世話女房という感じでお似合いだった。
将監(男女蔵丈)が眼鏡を取り出すところの「眼鏡を取り出しぃ〜」に少し驚いた(笑)。
雅楽之助(愛之助丈)がどたどたと現れて、姫の危機を告げて去ってく。白塗りで綺麗だった〜。
その間、又平が見張りをしているのだけど、瞬きしてないんじゃないのかな? 目が乾かないかと心配になってしまった。

又平が一生懸命「自分を使者に!」と訴えるところは、見てるだけなのに力が入った。認められずにしょんぼりとうなだれるところが本当に可哀相で… おとくが「手水鉢に絵を描いて」と勧めるところは、何とか自害するまでの時間を引き延ばしたかったのかな、と思った。

手水鉢に絵が抜ける仕組みは前に本を読んで知っていて、感動の場面なのに「あの中に…」などと考えてしまったので、知らずに見た方がいいのかも。
師匠から渡された着物に着替えて涙を袖でぬぐってしまい、慌てて袖を払うところが可愛かったな。
裃を着て嬉しそうに舞うところは、「本当によかったね」と思った。

弁天娘女男白浪

面白ろかったー!
弁天小僧(七之助丈)が正体を現して、声も態度もガラッと変わるところが面白かった。
窮屈そうな着物を脱いで活き活きとして見えた。(女形さんの着物は本当に窮屈なのかも…)

番頭「(お嬢様が好きな歌舞伎役者は)中村七之助でしょう」
弁天小僧「あんな役者は大嫌い!」
番頭「では中村獅童でしょう」
弁天小僧「…はい」
南郷力丸(獅童丈)「お嬢様には悪いですが、あっしはあんな役者は大嫌いです」
…みたいなやり取りがあった。お約束なんだけど、あると嬉しい。
南郷との花道での掛け合いも楽しかった。夜の部で与三と安が似たようなことしていたなぁと思った。

鳶頭(亀鶴丈)は最初威勢よく「斬れ」とか言っていたのに、刀を抜かれたら逃げてっちゃうところに笑った。丁稚の子が可愛かった。
日本駄右衛門(愛之助丈)は渋くてかっこよかった。声もドスが聞いていて、夜の部に若旦那の高い声を出している人とは思えなかった。勢揃いの時に、ちょうど目の前が愛之助丈で嬉しかったな。


↑お昼に食べたエビフライサンド。
とても美味しかった。

夜の部
19日に前方花外から観劇。

お年玉〈年始ご挨拶〉
担当はまたも亀鶴丈。
内容は先回とほぼ変わらず。
トンボを返りながら客席へ下りる時、右手を突き上げてビシッとポーズを決めていた。
今回指名されたのは、着物のご婦人。恥ずかしがるご婦人に「ここまで来たら引き返せません!」と亀鶴丈。面白いなぁ。

最後は附け打ちさんの紹介。(先回と違う方)
亀鶴丈「好きな食べ物は?」
附け打ちさん「餃子」
亀鶴丈「この前はお寿司って言ってたのに。皆さん、お寿司か餃子を差し入れてあげてください」

金閣寺

今回も「綺麗だな〜」と思っている間に終わってしまった。
実は、かなり睡魔に襲われて、とにかく目を開けて頑張った。
離れにいる雪姫(亀治郎丈)が桜の木に隠れて見えないのが残念だった。

与話情浮名横櫛

与三郎(愛之助丈)の羽織が銀杏模様だったり、お富(七之助丈)が愛之助丈の手拭を使うのは知っていたけど、お岸(小山三丈)の帯が銀杏模様なのは偶然なのかな。

「源氏店」で与三郎が柳の下で石を蹴るところや、脚を組んで座っているところがよく見える席だった。
お富に気付いた瞬間、口が「お富!」と動いているのも見えた。
お富が「手は出されていない」と言い訳している間、「なぁに言ってやがんだ」って顔してスパーとタバコ吸ってる与三郎の顔が好きだ。

歌舞伎が終わった後、友達と待ち合わせて夕食。
話が尽きないので居酒屋にも行った。
そこでデザートに頼んだ杏仁豆腐の中に、フツーの豆腐が混ざっていた。(杏仁豆腐より豆腐の量のが多かったぞ!)
これ、異物混入じゃないの?
秋葉原の某居酒屋には、もう絶対に行かない。


↑行きに新幹線の窓から見えた富士山。