昼の部を22日に中央やや花道寄りで観劇。
春の寿
三番叟
おごそかに翁(我當丈)たちが登場。
千歳(進之介丈)と三番叟(歌昇丈と翫雀丈)が踊る。
無知な私は、「三番叟」と聞いて愛嬌のある隈取を想像していたのだけど、普通に白塗りだった。
萬歳
とっても貴公子チックな萬歳(梅玉丈)が登場。
梅玉丈のお声が好きなので、舞踊だと台詞がなくて少し残念…
前髪の貴公子が「はーまぐり、はーまぐり」という声に合わせて踊るのは、ちょっと不思議な感じ。
屋敷娘
色っぽいお梅(扇雀丈)と可愛らしいお春(孝太郎丈)が登場。
引き抜きもあって、見ていて楽しかった。孝太郎丈の少し拗ねた顔が可愛かった。
少しお腹が空いたので、幕間に3階まで「めで鯛焼き」を買いに行く。美味しかった。
大福とか、くずきりとか、ゆであずきとか、他にも食べてみたいものはあるのだけど、なかなか制覇できないな。
一谷嫩軍記 陣門・組打
小次郎(藤十郎丈)が出てきたとき、一瞬、翫雀丈かと思った。藤十郎丈、若い〜!
熊谷(團十郎丈)は迫力があって、いかにも立派な武将という感じ。着ている鎧も立派で、獣の角?らしきものがついている兜がすごかった。声も大きくて、強そうだ。
熊谷が敦盛(藤十郎丈)を斬ろうとして、なかなか斬れない場面は切なかった。
仁左衛門丈の『熊谷陣屋』をテレビで見ていたので、「ああ、本当は小次郎なんだよなぁ」と思って、可哀想で… 躊躇う表情や、首を斬った後の表情を見て、「これが出家につながるんだなぁ」と思った。
平山(市蔵丈)が本当に憎憎しかった。事実を知らずに死んでいく玉織姫(魁春丈)も哀れだった。「世が世だったら、あんたなんか!」みたいなことをいう場面では、静御前のエピソードを思い出した。それにしても、戦場であの衣装はどうかと思うぞ。
さて、新幹線の中で『役者は勘九郎』を読んでいたら、ちょうど、この演目のことが書いてあった。馬の足の名人が言うには、『組打』の熊谷の馬が「馬第一の大役」だそうだ。
そのため、馬が出てくる場面では、「お馬さん、頑張れ〜!」と心の中で思っていた。最後、熊谷を促すように、背中を押す場面がよかった。(なぜか笑いが起きてたけど、そこは泣く場面じゃないの…?)
遠見の子役さんはすごく可愛かった。
今回のお昼御飯はとろろ蕎麦。安くて美味しくて、ささっと食べられる。
先ほど書いた『役者は勘九郎』の中に吉右衛門丈がお蕎麦を食べる様子が書いてあって、どうしても蕎麦が食べたくなったのだ。
私の場合、蕎麦をつゆにたっぷりとつけて、野暮ったく食べるのだけど。
女伊達
粋な姐さんのお秀(菊五郎丈)と若い者の立ち回り。
くるんくるんとトンボを返っている役者さんがいたけど、お名前がわからず。
やはり、立ち回りを見るのは楽しい。
廓文章 吉田屋
伊左衛門(仁左衛門丈)が可愛かった〜!
あそこまでいくと“アホボン”なんだけど、それすら「ま、いいか」と思えるような可愛さだった。
伊左衛門がにっこり笑うと、こっちも釣られてへら〜っとしてしまう。舞台も華やかで、見ているだけで楽しい。
喜左衛門(左團次丈)は渋くて素敵だった。ワガママな伊左衛門に少し手を焼いている感じもいい。おきさ(秀太郎丈)とのやりとりが仲のいい夫婦という感じ。
おきさは、「若旦那と思って声を掛けたら、松嶋屋の仁左衛門だった」「知らない間じゃありませんから…」と話すところが面白かった。
太鼓持(愛之助丈)は最後の方に登場。
ちょこちょことやってきて、2人の仲を取り持とうとするのが可愛い。「そんな私は(←だっけ?)太鼓持」という振りで笑いをとっていたな。仲直りした2人を見て、本当に嬉しそうににこにこしていた。
夕霧(福助丈)は綺麗だった。登場するまでが長くて、もう少し見ていたかったなぁ。最後の打ち掛けがすごく豪華で綺麗だった。
伊左衛門も太鼓持も、衣装にさりげなく(の割にはすぐわかるけど)「松嶋屋」って入ってるのね。
とっても楽しい一日だった。
お土産は、「京嵯峨野竹路庵」のわらび餅。私の中では、これが定番。東京駅で待ち合わせた友達に、「(歌舞伎座に行って)何で京都(のお土産)?」と言われたけど、美味しいんだから仕方ない。