年 (平成年)

第五回 浪花花形歌舞伎 松竹座

4月5日(土)〜4月13日(日)

配役
第一部(11:00開演)
妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)
道行恋苧環 11:00-11:30

杉酒屋娘お三輪:初代 片岡孝太郎
入鹿妹橘姫:初代 中村壱太郎
烏帽子折求女:三代目 中村扇雀

三笠山御殿 11:45-13:40
杉酒屋娘お三輪:初代 片岡孝太郎
豆腐買おむら:五代目 中村翫雀
蘇我入鹿:初代 片岡進之介
宮越玄蕃:二代目 中村亀鶴
荒巻弥藤次:四代目 坂東薪車
入鹿妹橘姫:初代 中村壱太郎
烏帽子折求女:三代目 中村扇雀
漁師鱶七 実は金輪五郎今国:六代目 片岡愛之助

第二部(14:45開演)
一、業平吾妻鑑(なりひらあづまかがみ)14:45-14:55
在原業平:初代 片岡進之介
舎人太郎吾:四代目 坂東薪車

二、双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)
角力場・難波裏 15:05-16:05

濡髪長五郎:二代目 中村亀鶴
藤屋吾妻:初代 中村壱太郎
山崎屋与五郎、放駒長吉:五代目 中村翫雀

引窓 16:20-17:35
南与兵衛 後に南方十次兵衛:五代目 中村翫雀
女房お早:初代 片岡孝太郎
母 お幸:五代目 坂東竹三郎
三原伝造:六代目 片岡愛之助
平岡丹平:三代目 中村扇雀
濡髪長五郎:二代目 中村亀鶴

第三部(19:00開演)
於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)
お染の七役 19:00-20:05/20:15-21:05

油屋娘お染、丁稚久松、許嫁お光、後家貞昌、奥女中竹川、芸者小糸、土手のお六:三代目 中村扇雀
山家清兵衛:五代目 中村翫雀
油屋太郎七:二代目 中村亀鶴
鈴木弥忠太:四代目 坂東薪車
百姓久作:五代目 坂東竹三郎
油屋多三郎:初代 片岡孝太郎
鬼門の喜兵衛:六代目 片岡愛之助

筋書
愛之助丈関連
24ページ:インタビュー、素顔写真(カラー)、扮装写真「お染の七役」鬼門の喜兵衛(カラー)
30〜31ページ:「写真で綴る 浪花花形歌舞伎 第一回から第四回公演まで」
料金
一等席:8,000円
二等席:4,000円
三等席:2,000円
筋書:1,000円
その頃、他の劇場では…
歌舞伎座
こんぴら
南座
御園座
博多座

雑誌
『演劇界』2008年6月号→演劇界 2008年 06月号 [雑誌]
愛之助丈関連
14ページ:舞台写真2004年4月「女殺油地獄」河内屋与兵衛(カラー)
62ページ:舞台写真「妹背山婦女庭訓」漁師鱶七 実は金輪五郎今国(カラーグラビア)
84〜85ページ:舞台写真「妹背山婦女庭訓」漁師鱶七 実は金輪五郎今国(モノクロ 3枚)
86ページ:舞台写真「双蝶々曲輪日記」三原伝造(モノクロ 1枚)
88ページ:舞台写真「於染久松色読販」鬼門の喜兵衛(モノクロ 3枚)
98〜99ページ:浪花花形歌舞伎の劇評

感想
第二部

11日に3階前方より観劇。

業平吾妻鑑
在原業平(進之介丈)と太郎吾(薪車丈)の短い舞踊。
二枚目二人をぼーっと見ている間に終わってしまった。10分の舞踊から始まって、すぐに10分の幕間を入れるのって、なんだかバランス悪くない?(去年も似たようなことを思ったような…)

双蝶々曲輪日記 角力場
幸四郎丈と染五郎丈のを見たことがある。
与五郎(翫雀丈)が茶屋亭主と二人で羽織を着て引っ込むと思っていたら、違った。茶屋亭主の他にも濡髪(亀鶴丈)を褒める人がいて、「あげるもんが何もなくなった」という台詞もあったように思うが、今回はなし。
濡髪はどっしりと大きくて、放駒(翫雀丈)は忙しなく動く感じが米屋の倅っぽかった。吾妻(壱太郎丈)は綺麗だった。

双蝶々曲輪日記 難波裏
あまり上演されない幕らしい。 濡髪がやむなく侍二人を手にかけたことがわかるので、あった方がいいかな、と思う。

双蝶々曲輪日記 引窓
泣いた。
特に、お幸(竹三郎丈)が「人相書を売ってくれ」と言い、事実を悟りつつ売ってやる十次兵衛(翫雀丈)のやり取りに泣かされた。(竹三郎丈にいつも泣かされているような気がする…)
濡髪(亀鶴丈)もどーんとしていてよかった。何より、声がいいと思う。
お早(孝太郎丈)は少し抜けてるところがあるけど、健気で可愛い奥さんだと思った。
平岡丹平(扇雀丈)と三原伝造(愛之助丈)は、それぞれの兄弟と全く似てないのね。
何度も上演されるお話は、やはりそれなりのわけがあるんだなぁと思った。

第三部

11日に前方花道寄りで観劇。

於染久松色読販 お染の七役
面白かったー! 筋書を読んだ時、「誰も彼もが扇雀丈で、いまいちわからない…(←バカ)」と思っていたが、実際に見てみるとわかりやすくて面白かった。
見てる方は「すごーい! また別人になって出て来た!!」とただ感心して見ていればいいけど、演じる側は舞台裏で走ったりして大変なんだろうなぁ。

七役の中では、土手のお六が1番好き。強請りで声を荒げたりするんだけど、どことなくあだっぽくてかっこいい。
鬼門の喜兵衛(愛之助丈)ともお似合いだった。
喜兵衛はすごくドスの利いた声で、いかにも悪そうな男だった。刃物を研ぐ時に刃がギラリと光って、ぞくっとした。
ふぐにあたった丁稚さんに灸をすえる場面で、番頭さんが「(『千の風になって』のメロディで)私のお店の中で死なないでください〜♪ 気合だ、気合だ、気合だ!」と言い出して、笑ってしまった。
そんなおかしな場面でも、喜兵衛はポーカーフェースでキセルを口にくわえていた。渋くて素敵だった。

多三郎(孝太郎丈)は頼りなさそうで、いかにもボンボンという感じ。孝太郎の立役ってあまり見た記憶がないなぁ。
恋敵の弥忠太(薪車丈)は頬のあたりを少し黒くしていて、ちょっと毛深そうな、いやらしそうな感じがするんだけど、いかんせん、元の顔がハンサム過ぎる。私が小糸(扇雀丈)だったら、弥忠太が相手でもOKだ(笑)。
久作(竹三郎丈)は重要なところで出てくるんだけど、本人がそれを全くわかってなさそうなところが面白かった。

最後は「本日はこれぎり」で幕。

第一部

12日に前方やや上手側で観劇。

妹背山婦女庭訓 道行恋苧環
お三輪(孝太郎丈)と橘姫(壱太郎丈)が求女(扇雀丈)を取り合う。
「求女、なんだか煮え切らない態度だなぁ」と思って見ていた。

妹背山婦女庭訓 三笠山御殿
入鹿(進之介丈)が酒宴を開いており、玄蕃(亀鶴丈)と弥藤次(薪車丈)が側に控えている。公家悪の青い隈取を見て、なぜかなまずのヒゲを思い浮かべてしまった… 玄蕃はいかにも悪そうなこしらえだけど、弥藤次は白塗りで爽やかないい男系だった。
そこへ漁師鱶七(愛之助丈)がのっしのっしと花道を登場。ひょうきんそうにしているけど、いかにもタダモノではない感じ。
引っ立てられていく時も、ずしんずしんと足音を響かせて、かっこよかった。

その後、橘姫と求女が現れ、互いに敵方ということを悟る。
求女は橘姫に「私と結婚したければ、剣を盗んで来い」みたいなことを言う。求女、何気にひどくない?
「失敗して殺されるかもしれない」と言う橘姫に向かって、「たとえ死んでも来世では一緒」みたいなことを言う求女… 何てひどい男だ!! ちょっと顔がいいからってさぁ… もしかして、橘姫ってだめんずうぉーかー?

求女を追ってきたお三輪は散々女官にいびられる。
「あー、職場でストレスたまってるんだろうなぁ。こんなオツボネが職場にいたら、絶対に嫌だ!」と思った。皆さん、それぞれにコワイ顔をしていたが、ついつい千蔵丈に目が行ってしまった。(大きいから、インパクトが強い。)
それにしても、孝太郎丈は少し不憫で健気なお役がよく似合うなぁ。(少し前に、「いいとも」に出演されているのを見たけど、素顔でも何となく可愛いのだ。「やっぱり女形さんだなぁ」と思った。)

鱶七(実は金輪五郎)に刺されたお三輪が「(求女の)お役に立てて嬉しい」と死んでいくのが哀れだった。
身分社会だったとはいえ、「私みたいな賤の女が高貴な方と結ばれて…」なんて、そんな健気なこと言わないで、求女のこと恨んでもいいと思うぞ。二股かけられて捨てられんたんだし…

最後は、金輪五郎と花四天の立ち回りで幕。
愛之助丈がおいしいところをもってった。
女形さんって、損なんだなぁ。あんなに、ストレスたまりそうな役を熱演しても、最後は立役さんがもってっちゃうんだもん。(「金閣寺」もそんな感じだったような…)
とはいえ、お三輪が息絶えるところで幕だったら、やっぱりすっきりしないから、仕方ないのかも。

おまけ

くいだおれ太郎さん。
今まで写真を撮ったことはなかったんだけど、つい撮ってしまった。

今回食べた物


「鎌倉」の竜田揚げ定食。


「大たこ」のたこ焼き。(青海苔なし)

アルションのランチ。

スープ。


メイン。


モンブランと紅茶(フレイズ)。

お土産は、今回も「塩カラメルカステラ」。