年 (平成年)

六月特別公演「御いのち」 御園座

6月1日(日)〜6月22日(日)

配役
昼の部(12:00開演)/夜の部(17:00開演)
御いのち
作:橋田壽賀子
演出:石井ふく子
大倉作左衛門信吾:六代目 片岡愛之助
お咲:竹下景子
治兵衛:林与一
お袖:熊谷真実
お雪:今村雅美
登女:野川由美子
お常:三浦布美子 ほか
与兵衛:江原真二郎

筋書
愛之助丈関連
3ページ:扮装写真(竹下さんとの2ショット、カラー)
4ページ:扮装写真(カラー)
20〜21ページ:「片岡愛之助さん 活動の場をひろげた劇界期待の優等生」(素顔写真あり、カラー)
29ページ:扮装写真(竹下さんとの2ショット、モノクロ)
44ページ:出演者プロフィール(素顔写真あり、モノクロ)
52ページ:「記者会見で抱負」(素顔写真あり、カラー)
料金
一等席:13,500円
二等席:8,000円
三等席:4,000円
特別席:15,500円
特別室 東(4名):62,000円
特別室 西(3名):46,500円
筋書:1,200円
その頃、他の劇場では…
歌舞伎座
中日劇場
博多座
国立劇場
巡業

初日感想
※毒舌注意!!

初日を前方中央で観劇。

うーん、うーん、うーん… モヤッとボールがあったら投げたい気分。
このモヤッと加減は、『霧太郎〜』の時以上だ。じわっとくるけど号泣するほどではなく、くすっとするけど爆笑するほどではなく、立ち回りがないからスカッとするわけでもなく… 正直、物語が面白くない。起承転結ではなく、起承承承という感じ。
役者さんはそれぞれ素敵だったので、役者さんを見るだけならいいかもしれないが、それではね… 
期待していた踊りの場面も少ない。三番叟(?)を少しとラストの踊りくらいかな。あ、ラストの踊りは綺麗だった。(写真でしか見たことないけど、宝塚さんとやった平成若衆歌舞伎みたいな髪型だった。)

信吾(愛之助丈)が登場して、お咲(竹下景子さん)を助け、抱き上げて階段を下りる場面はよかった。そこから、死のうとしていた2人が、お互いを助けようとするところもよかった。「おっ! 面白くなりそう♪」と思ったが、思っただけで終わった。(←おい)
近江屋の若旦那(林与一さん)がいい味出してた。若旦那が登場すると、ほっとする。お袖ちゃん(熊谷真実さん)も可愛かった。お常さん(三浦布美子さん)もよかったし、与兵衛(江原真二郎さん)もよかった。
でも、物語がね…

この物語では、剣の道も芸の道も同じということらしいが、何か違う気がする。漠然とだが釈然としない。
私は信吾が武士を捨てたことに納得できない。信吾は一人で孤独に戦ってきたわけではなく、同志がいるのだ。同志が戦ってるってのに、戦いの場に戻らないなんて、あり? 洗濯物取り込んでる場合じゃないだろっ!!
「武士は儚いもの」というが、藩政を憂いて上役を斬った心意気はどこへやった? 自分の手で決着をつけてから踊りの道に進むならわかるが、結局は逃げ出したようなものじゃないか。

そして、信吾は自分自身で大きな決断を下すことがない。
追っ手を蹴散らすかと思いきや、お咲にかくまってもらい、自害しようとして止められ、父に「手討ちにする」と言われて頭を垂れ、結局はお咲にかばってもらい、そこでようやく父親に口答えするものの、「私を斬っとくれ」と信吾をかばうお咲の横に並んで座るだけ、お咲に追い出されれば出て行き、若旦那に呼ばれれば戻ってくる…
結局、自分では何もせず、政変が起きた後に家督を弟に譲って、晴れて踊りの道に…って、もーなー…
もし、ラストでお咲が死んでいて、国許の母に「信吾、戻ってきてくれ」と言われたら、信吾は戻ってしまいそうな気がするよ。

風邪で熱っぽいので、とりあえず、この辺でやめておく。
せっかく、愛之助丈が御園座に来てくれたんだから、もっといい男の役を拝見したかった。(見た目は文句なくいい男だけどね。)
千穐楽にもう一度見に行くので、それまでにもうちょっと何とかしてほしい。くどいようだが、役者さんはよかった。竹下さん綺麗だったしね。あと、モナカアイスが美味しかった!


モナカアイス(抹茶味)。

千穐楽感想

千穐楽を前方中央で観劇。

簡単に感想。
初日に観たときよりも、ずっと良かった。どこがよかったかと言われると答えに困るけど。
信吾(愛之助丈)とお咲(竹下景子さん)が父親(江原真二郎さん)に斬られそうになる場面では、周りからすすり泣きが聞こえた。愛之助丈も涙を流しての熱演だった。
やっぱり、近江屋の若旦那(林与一さん)がよかった。
「人に惚れるというのは、惚れた相手を自分の思うようにするのではなく、相手が望むことを自分の力でしてあげること」みたいな台詞がとってもよかった。

それにしても、御園座の客には参った。
踊りの衣装を着た愛之助丈を見て「綺麗ね〜」と大声で言ったり、携帯の着信音を鳴らすのは序の口。
花の宴の場面で、胸を押さえたお咲がスッポンからさがって行く時、なぜか起きる笑い…
どうやら、おばあちゃんが席を立ってスッポンを覗き込み、また席に戻っていったらしい。
「あまりに自由過ぎる」のはドアラだけにしてください。ホントに。

カーテンコールもあった。
竹下さんと愛之助丈が2人で出てきて、三方に向かってお辞儀して幕。
御園座の外には舞台写真が飾ってあったが、販売はなし。残念だなぁ。


モナカアイス(小倉味)。