年 (平成年)

永楽館柿落大歌舞伎 永楽館(兵庫・豊岡)

8月1日(金)〜8月5日(火)

配役
第1部(11:30開演)/第2部(16:00開演)
一、操り三番叟(あやつりさんばそう)
翁:二代目 片岡秀太郎
千歳:初代 中村壱太郎
後見:片岡千志郎
三番叟:六代目 片岡愛之助 

二、柿落記念 口上
六代目 片岡愛之助 
二代目 片岡秀太郎
初代 中村壱太郎

三、奴道成寺(やっこどうじょうじ)
白拍子花子 実は狂言師左近:六代目 片岡愛之助 

筋書
愛之助丈関連
14ページ:愛之助丈の紹介、舞台写真あり(カラー、「於染久松色読販」鬼門の喜兵衛、「蝉しぐれ」牧文四郎)
15ページ:扮装写真「奴道成寺」狂言師左近(カラー)
20〜21ページ:永楽館ニュース(素顔写真あり、カラー)
料金
1公演の定員:332席(A席/278、B席/54)
A席:10,000円
B席:8,000円
筋書:1,000円
イベント
7月31日(木)18:30〜 出石城下町パレードと公演記念のお練りが開催される。
その頃、他の劇場では…
歌舞伎座

感想

通り札とうちわがもらえる

2日夜の部を前方花道寄りで観劇。
3日昼の部を花外で観劇。

操り三番叟
翁(秀太郎丈)、千歳(壱太郎丈)が登場し、舞う。
それから、後見(千志郎丈)が出てきて、三番叟(愛之助丈)が踊り始める。
三番叟は無表情(瞬きしてなかったかも)で踊るのだが、何となく愛嬌があって可愛い。途中、暴走気味でぱたっと倒れちゃうし。
踊りはさっぱりわからない私でも、楽しく観ることができた。(愛之助丈の運動神経がいいことはわかった。)
3日の昼は、三番叟の額の真ん中に赤いマークが描かれていた。(←永楽館の「永」マーク?)

口上
上手側から、愛之助丈、秀太郎丈、壱太郎丈の順。
人数が少ないからか、1人1人の喋る時間がちょっと長め。座っているだけなのに、皆さんの顎から汗がぽたぽたと…
「だいたい、こんなことを言っていた」ということを↓に書きました。ご本人は敬語で喋ってます。(2回分がまざってます。)
覚え違い、勘違い等あるかもしれませんが、ご容赦を。

まずは、秀太郎丈。
亡父十三代目仁左衛門とと豊岡へ巡業(←うろ覚え)に来たことがある。十三代目もこの小屋を「いつか復活するといいね」と話しており、柿落とし公演に出演できて嬉しい。
柿落としには「三番叟」が必要だろう。中でも、「操り三番叟」が歌舞伎で人気がある。
「操り三番叟」には翁が必要で、翁は大人がやらないといけない。私もまだ若いが、愛之助より年上なので。
そして、千歳も必要。上方には松嶋屋だけでなく、成駒屋さんもいらっしゃる。成駒屋さんを代表して壱太郎さんに出演していただいた。
翁を演じていて、暑くて鼻水が垂れそうになった。こんな経験は初めて。

続いて、愛之助丈。
以前、永楽館に来たときは後ろの壁がなかった。すぐそこが楽屋。くしゃみや咳をしたら聞こえてしまう。
永楽館を復活させるのに22年かかったと聞いて、感動した。
皿蕎麦を食べて、「たくさん食べました」という証明書をもらった。
(3日のみ)今日は壱太郎さんのお誕生日。

続いて、壱太郎丈。
永楽館はいいところだ、暑いところだと聞いていたが、どちらも想像をはるかに超えていた。
2代目鴈治郎のひいおじいさんが豊岡(←うろおぼえ)によく来ていたが、ひいいおじいさんなので会ったことがなく、直接聞いたわけでもない。
(3日のみ)愛之助のお兄さんにご紹介いただいたように、本日誕生日。
18年間で、一番暑いところで誕生日を迎えた。

もう一度、秀太郎丈。
永楽館はお囃子部屋が上手にある。その方が花道も見やすくていいのではないか。
幕だまりは下手にあって、松竹座や南座などとは幕を引く方向が逆になる。
小屋の都合かと思ったら、上方では昔はこうだったそうだ。
挨拶の途中(←どのタイミングか失念)にチョーン!と拍子木の音が入るのが上方式。
上方式はお辞儀の仕方も丁寧で、上手、下手、中央にそれぞれ扇子を置いて頭を下げる。
最後の「奴道成寺」は出演者総出演。

最後は、秀太郎丈が「隅から隅までずぃーっとぉー」、続いて愛之助丈が「こいねがい」、3人で「上げ奉りまするぅー」で、お辞儀×3方向。

奴道成寺
今回、藤間勘十郎さんに道行を作っていただいたのだとか。
幕が上がると、鐘が吊り下げてあるのだが、舞台の奥行きが狭いために、平べったい。
どのくらい舞台が狭いかというと、所化が傘を持って踊る場面では、6人並ぶと舞台にいっぱいになってしまうくらいにせまい。

聞いたか聞いたか…の所化のやり取りの後、花道から白拍子花子(愛之助丈)が登場。
白拍子の舞、狂言師左近に戻っての舞、3つのお面を取り替えながらの舞が楽しめる。衣装もいろいろと変わるので、とても楽しい。 踊り分ける愛之助丈も大変だけど、お面を渡す後見(千蔵丈)も大変だなぁと思った。

口上で秀太郎丈は「出演者総出演」とおっしゃったが、筋書には秀太郎丈、壱太郎丈は載っていない。
「変だなぁ…?」と思っていたら、思わぬところでお二人が登場。本当に「総出演」となった。
思わぬサプライズに我が目を疑ったが、お二人だと分かった時は嬉しかったなぁ〜。

舞尽くし。
2日夜は松之亟丈。ちょっとつまっていたような…
3日昼は千壽郎丈。皿蕎麦を20枚食べたらしい。

とう尽くし。 2日夜は世界のナベアツネタをやっていたけど、3日昼はなかった。毎日話す内容を変える人もいるんだろうか?
花道は、花四天が8人並ぶとちょうどよい長さ。

立ち回りは、舞台が狭いので怖くないのかなぁと思って見ていた。
最後、愛之助丈は鐘の上には上がらず、台に上がって幕。

両日とも、拍手がなりやまず、幕がもう一度開いた。(それ以前にカーテンコールはなかったらしい。)
愛之助丈が登場して、「私たちも暑いですが、皆さんはもっと暑いと思います。本当にありがとうございました」とご挨拶をして、もう一度幕。

暑かったし、熱かった。
行ってよかった〜。


裏側

おまけ
永楽館はこんな小屋


のぼり


正面


のぼり


レトロな看板


幕にもこうのとりが…


ちょうちんと看板

椅子に慣れているので、座布団での観劇はちょっと辛かったけど、とっても素敵な芝居小屋だった。
舞台は近いし、スタッフの皆さんも親切だったし、お茶子さんも可愛かった。

また行きたい。
できれば、春か秋がいいなぁ。