年 (平成年)

花形歌舞伎 新橋演舞場

11月1日(日)〜11月25日(水)

配役
昼の部(11:00開演)
一、通し狂言 盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)11:00-12:15/12:45-14:05
  序 幕 佃沖新地鼻の場
      深川大和町の場
  二幕目 二軒茶屋の場
      五人切の場
  大 詰 四谷鬼横町の場
      愛染院門前の場

薩摩源五兵衛、家主弥助:七代目 市川染五郎
笹野屋三五郎:五代目 尾上菊之助
六七八右衛門:六代目 片岡愛之助
廻し男幸八:初代 坂東亀寿
内びん虎蔵:二代目 尾上松也
芸者菊野:四代目 中村梅枝
賤ヶ谷伴右衛門 実はごろつき勘九郎:四代目 片岡亀蔵
同心了心:五代目 坂東竹三郎
富森助右衛門:十七代目 市村家橘
芸者小万:二代目 市川亀治郎

二、四変化弥生の花浅草祭(やよいのはなあさくさまつり)14:25-15:10
武内宿禰、悪玉、国侍、獅子の精:四代目 尾上松緑
神功皇后、善玉、通人、獅子の精:六代目 片岡愛之助

夜の部(16:30開演)
一、通し狂言 三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)16:30-17:50/18:20-19:30
  序 幕 大川端庚申塚の場
  二幕目 割下水伝吉内の場
      本竹お竹蔵の場
  三幕目 巣鴨吉祥院本堂の場
      裏手墓地の場
      元の本堂の場
  大 詰 本郷火の見櫓の場

お嬢吉三:五代目 尾上菊之助
和尚吉三:四代目 尾上松緑
お坊吉三:六代目 片岡愛之助
十三郎:二代目 尾上松也
おとせ:四代目 中村梅枝
長沼六郎:四代目 中村種太郎
源次坊:初代 坂東亀寿
土左衛門伝吉:五代目 中村歌六

二、鬼揃紅葉狩(おにぞろいもみじがり)19:55-21:05
更科の前 実は戸隠山の鬼女:二代目 市川亀治郎
八百媛:五代目 尾上菊之助
従者小諸次郎:初代 坂東亀寿
同 碓氷三郎:四代目 中村種太郎
侍女 実は鬼女:二代目 尾上松也
同:四代目 中村梅枝
同:二代目 坂東巳之助
同:二代目 尾上右近
同:初代 中村隼人
同:六代目 上村吉弥
平維茂:四代目 尾上松緑

 

筋書
愛之助丈関連
舞台写真:「盟三五大切」六七八右衛門:5枚
舞台写真:「四変化弥生の花浅草祭」神功皇后:1枚
舞台写真:「四変化弥生の花浅草祭」善玉:2枚
舞台写真:「四変化弥生の花浅草祭」通人:1枚
舞台写真:「四変化弥生の花浅草祭」獅子の精:1枚
舞台写真:「三人吉三巴白浪」お坊吉三:8枚
出演俳優紹介(素顔写真あり、カラー)
舞台写真
愛之助丈は、
「盟三五大切」六七八右衛門が1種類
「四変化弥生の花浅草祭」神功皇后が2種類
「四変化弥生の花浅草祭」善玉が2種類
「四変化弥生の花浅草祭」通人が1種類
「四変化弥生の花浅草祭」獅子の精が1種類
「三人吉三巴白浪」お坊吉三が8種類(松緑丈、菊之助丈との3ショット1種類含む)
>料金
1等席:15,000円
2等席:9,000円
3階A席:5,000円
3階B席:3,000円
1階桟敷席:16,000円
筋書:1,200円
その頃、他の劇場では…
歌舞伎座
巡業
国立劇場

雑誌
『演劇界』2010年1月号→演劇界 2010年 01月号 [雑誌]
愛之助丈関連
71ページ:舞台写真「三人吉三巴白浪」お坊吉三(カラーグラビア、1/2ページ)
88ページ:舞台写真「盟三五大切」六七八右衛門(モノクロ 1枚)
89ページ:舞台写真「四変化弥生の花浅草祭」神功皇后/善玉/通人/獅子の精(モノクロ 各1枚)
90〜91ページ:舞台写真「三人吉三巴白浪」お坊吉三(モノクロ 5枚)
102〜103ページ:花形歌舞伎(新橋演舞場)の劇評
135ページ:新春浅草歌舞伎の紹介(1/2ページ、モノクロ写真あり)

感想
昼の部
21日に前方上手側で観劇。

通し狂言 盟三五大切
三五郎(菊之助丈)がかっこよかったーっ!!
配役を知った時は「えぇ〜、菊之助丈が女形じゃないの?」と少々不満だったが、いい意味で予想外。素敵だった〜。
粋で色気があって、時折「菊五郎丈に似てる」と思った。

源五兵衛(染五郎丈)は「五人切」の舞台写真のイメージで、凄みのある侍だと思っていた。しかし、騙されたと知るまでは、お人よしで少し間抜けなんだなぁ。
そんな源五兵衛の世話を焼く八右衛門(愛之助丈)は不憫というか、何というか… ちょこまか働く姿が可愛くて、おかしみもあるのだが、源五兵衛の身代わりに縄にかけられる姿には泣いた。必死の願いもむなしく、源五兵衛が三五郎と小万(亀治郎丈)に恨みを晴らしにいくところが、さらに泣けた。

騙されたと知ってからの源五兵衛は、完全にイッちゃってるストーカー状態。(仕方ないとは思うけどね。)
小万は空気が読めないのか、バカ正直なのか、振られて根に持ってる男相手に「三五さん、三五さん」と連呼する。そら、鬼になって、赤子も殺すわ。源五兵衛に斬られた時の小万の反り返りがすごかった。
小万の首を懐に入れて歩く場面は、想像してたほど艶っぽくなかった。もっとねっとり執着した感じで大事に抱えていくんだと思ってた。

それにしても、あのラストは何かすっきりしない。
源五兵衛は恨みも晴らせて、義士にも加わって万々歳なんだろうけど、なんだかなぁ…
腹を切った三五郎を見て、さも当たり前のように「こうのうてはかなうまい」とか言ってるし…(そもそも、お前が色香に迷ったのが悪いんじゃ!)
面白い物語なんだけど、何かもやもやしたものが残ったなぁ。

四変化弥生の花浅草祭
松緑丈と愛之助丈が次々に役を替えて踊る。
最初は武内宿禰(松緑丈)と神功皇后(愛之助丈)。神功皇后は綺麗なんだけど、骨格のせいか、男性に見えてしまった。
続いて、悪玉(松緑丈)と善玉(愛之助丈)。松緑丈の踊りって上手いんだなぁと思った。

悪玉が取り残されたところに通人(愛之助丈)が登場。
通人が頭に乗せている手拭は銀杏と松葉の模様、持っていた扇子には独楽の絵が描いてあった。
扇子の独楽の絵には見覚えがあった。池田文庫の『片岡愛之助の代々』の時に見た、愛之助襲名時に配った扇子の絵(十三代目さんが描かれた)だと思った。しかし、舞台写真をよく見ると、十三代目さんのお名前が入っていない。(池田文庫で見た時には、お名前が書かれていた気がする。) 記憶違いかなぁ? それとも似てる絵の扇子を小道具さんに作ってもらったのかなぁ?

通人が酔って居眠りを始めると、悪玉は指をさして楽しそうに退場。今度は国侍(松緑丈)がやってきて、通人と絡む。
最後は獅子の精(松緑丈、愛之助丈)の毛振り。
松緑丈がすごい勢いでブンブンとぶん回していて驚いた。あまりの勢いに、拍手をしながら「これ、いつまで続くの?」と心配になってしまった。愛之助丈は松緑丈と比べると、ちょっとおとなしめだったかな。
見ていて楽しい踊りだった。

夜の部
21日に前方花道寄りで観劇。

通し狂言 三人吉三巴白浪
面白かった〜!! お嬢吉三(菊之助丈)、お坊吉三(愛之助丈)、和尚吉三(松緑丈)、それぞれに素敵だった。あと、土左衛門伝吉(歌六丈)が渋くてかっこよかった。

お嬢はすごく綺麗で、時折、声が男になるところが面白い。
お坊とあやしい関係(と、何かで読んだ)らしく、2人で「会いたかった」と言っているところは女性っぽいのだが、櫓に登る時にガバッと腕まくりをした姿に、「あ、やっぱり男性だ」と思った。

お坊はひたすらかっこよくて(ファンの贔屓目?)、見てて楽しかった。
「一緒に死ぬと言ってくれ」とお嬢に迫られた時、もとが坊ちゃん育ちのせいか、お嬢の方が押しが強そうだと思った。
お嬢と一緒の場面は、退廃的で色っぽかった。 お坊とお嬢は着ている衣装がどれも綺麗で、眼福だった。

和尚がもっとも因果に振り回されて、可哀相だった。親兄弟より、義兄弟の契りの方が強いのかな。
おとせ(梅枝丈)と十三郎(松也丈)のカップルも哀れでよかった。(おとせの方が積極的だったのが微笑ましい。)
死ぬ時に犬のような仕草をするところは、ゾッとする気味の悪さだった。

とにかく、「面白かった〜」と「綺麗だった〜」以外の感想があまり出てこない。
やっぱり、人気狂言だけのことはあるなぁ。

鬼揃紅葉狩
平維茂(松緑丈)が従者(亀寿丈、種太郎丈)が紅葉狩りをしているところへ、更科の前(亀治郎丈)が侍女達(吉弥丈、松也丈、梅枝丈、巳之助丈、尾上右近丈、隼人丈)を引き連れて、紅葉狩りにやってくる。吉弥丈が綺麗な着物の若い女性の役で嬉しかった。

更科の前が舞い始めると、維茂一行は寝入ってしまう。
私も釣られて眠りそうになった。(疲れもあって、ついうとうとと…)
更科の前が「してやったり(ニヤ〜リ)」な顔で足を踏み鳴らして退場するところで、ようやく眠気が覚めた。
そこへ八百媛(菊之助丈)が登場。維茂を起こそうとするが、起こすことはできず、御剣を置いて去っていく。

最後は、目を覚ました維茂一行と鬼女達の立ち回り。
亀治郎丈はわかるのだが、他の鬼女達は皆同じ衣装なので、不勉強は私は誰が誰だかわからなくなってしまった。
鬼女達は髪をぶんぶんと振り回して、すごい迫力だった。亀治郎丈はここでも見事な反り返り。
最後は亀治郎丈が段の上に上がって幕。
上から降ってくる紅葉の葉がとても綺麗だった。外に振ってきたのを思わず拾ってきてしまった。


おまけ

↑演舞場の外で買ったお弁当。(昼の部)


↑三越の地下で買ったお弁当。(夜の部)

小倉最中アイスも食べた。アンケートに答えると喫茶の引換券をくれたので、それで引き換えた。
お土産は「赤坂もち」と「おとし文」。