年 (平成年)

「赤い城 黒い砂」

4月3日(金)〜4月5日(日) 南座
4月11日(土)〜4月26日(日) 日生劇場

配役
南座:昼の部(11:30開演)→3日のみ13:00開演/夜の部(16:00開演)
日生劇場:昼の部(12:30開演/14:00開演)/夜の部(17:00開演/18:300開演)

赤い城 黒い砂
W・シェイクスピア作「二人の貴公子」より

ジンク:六代目 片岡愛之助
ナジャ:黒木メイサ
ココ:南沢奈央
カイナ:馬淵英俚可
ヨム:田口守
モト:中嶋しゅう
クジャ王:中山仁
カタリ:二代目 中村獅童

筋書
愛之助丈関連
10〜11ページ:「春一番の期待の舞台(水落潔)」
12〜13ページ:インタビュー(カラー)
34〜35ページ:対談 中村獅童×南沢奈央×黒木メイサ×片岡愛之助(カラー)
36〜39ページ:稽古場風景(モノクロ)
料金
南座
1等席:9,500円
2等席:6,300円
3等席:4,200円
筋書:1,500円

日生劇場
S席:9,500円
A席:6,500円
B席:3,000円

その頃、他の劇場では…
歌舞伎座
こんぴら歌舞伎
南座
御園座

雑誌
『25ans』2009年4月号→25ans (ヴァンサンカン) 2009年 04月号 [雑誌]
愛之助丈関連
274〜275ページ:今月のTOPICS
『赤い城 黒い砂』について、愛之助丈、獅童丈、黒木メイサさんのインタビュー。
短いながらも、なかなか興味深いインタビュー。
カラー写真あり。男前に写っているので要チェック!

『シアターガイド』2009年5月号→シアターガイド 2009年 05月号 [雑誌]
愛之助丈関連
目次:小さな2ショット写真あり。(カラー)
14〜15ページ:舞台『赤い城 黒い砂』片岡愛之助&中村獅童 対談
愛之助丈は上下ジーンズにTシャツ?姿。

『BEST STAGE』2009年5月号→Best Stage (ベストステージ) 2009年 05月号 [雑誌]
愛之助丈関連
22〜25ページ:『赤い城 黒い砂』片岡愛之助×黒木メイサ×南沢奈央 対談
愛之助丈は↑の『シアターガイド』と同じ服装。

感想
※注意※
思いっきりネタバレしてます!!

4日昼の部を中央付近で観劇。

第一幕が1時間20分、休憩25分間をはさんで、第二幕が1時間15分。
舞台装置の色は赤と黒(と、最後に青)がメイン。
歌舞伎の鳴り物の代わりなのか、舞台下手側のパーカッションが効果音を出していた。

感想を一言で言うと、「参りました、ぎゃふん!」という感じ。…いろんな意味で。
いやぁ… まさかまさか、「BL歌舞伎」ならぬ「BLシェイクスピア」でくるとは思わなかった。
原作を読んだことはないが、舞台を観ながら物語についてあれこれ考えていたのに、全て吹っ飛んだよ。

ジンク(愛之助丈)とカタリ(獅童丈)がナジャ(黒木メイサさん)を奪い合い、激しく争うのかと思って見ていたが、三角関係というには違和感があり、何かひっかかる感じがした。
さらに、「これ、収集がつかなくなってるんじゃないの? 最後はどうやって締めるんだ?」と思っていたので、「そうきたか」と思った。

登場時、ジンクとカタリの距離が近すぎること。
ジンク1人が釈放されるとわかった時、ジンクがカタリ(=ナジャに恋をしている状態)をあっさり見捨てて出て行ったこと。
カタリに恋心を抱いているココ(南沢奈央さん)が早い段階から「ジンク、嫌い」と言っていたこと。(女の勘ってやつ?)
ジンクが心の中で、カタリに「オマエが惚れた女(=ナジャ)さえ利用してやる」みたいに言ってたこと。
ジンクがナジャに愛情を抱いていないのはバレバレなのに、異常なまでにナジャを手に入れようとしていること。(ナジャと結婚しなくても、国を奪うことはできる。)

ジンクがカタリに愛情を抱いていたのなら、上記について、落としどころにストーンと落ちる。それまでのストーリーにも納得がいく。…が、「そりゃないだろー」という気持ちも少々…(女性陣3人の立場は?)

↓ラストシーンのネタバレ。
ジンクはココの呪いによって、倒れる。
ジンクの屍(?)の前で、剣を交えるカタリとナジャ。
2人が抱き合いそうになり、ようやく三角関係に終止符かと思いきや、倒れているジンクの腕が上がる。ジンクの手にはピストルが握られている。
ジンクは発砲し、「俺以外を愛することは許さん」と言い残し、再び倒れる。
腹を押さえて倒れたのがカタリだったのを見て、「(ナジャではなくて)そっちかよ!」と心の中で突っ込んだ。
さらに、カタリは「これで分かった」「オマエは俺だけを見ていた」「俺を愛していた(って言ったような気がするが、幻聴だったような気がしなくもない…)」とか言って、ジンクの屍を抱き寄せ、満足げに笑ってパタリと倒れる。

残されたナジャは大変だ。
兵士は呪いによる疫病に倒れ、青い国に攻められ、それでもなお女王として立ち上がらねばならない。
自分の心を動かした男2人は、「愛は地球を救う」ならぬ「愛は国を滅ぼす」という、なんともハタ迷惑な痴話喧嘩の末に、さっさとあの世に逝っちゃうし…
なんかもー、収拾つかなくなった結果、「(こんな大変な状況でも)子を産み、育てよ!」という少子化対策的メッセージで無理矢理〆た感がある。
南座ということもあって、結構お年を召した方もいらしたが、このラストをどう思ったか、ちょっと聞いてみたい(笑)。

その他感想、印象に残った場面など。

ジンクは貴公子然としていて、カタリはワイルドでかっこよく、ナジャは凛々しく美しく、ココは可愛かった。
ジンクとカタリは牢獄でパンを食べさせ合ったり、プロレスしたり、普段の仲の良さそうな感じが伝わってきた。
カイナ(馬淵英俚可さん)は嫌な女っぽいんだけど、境遇が可哀想なので仕方ないかなぁと思うところもあり。(カイナに手を出したジンクはサイテーだ。)
どうにもこうにも気持ちが悪かったのが、ヨム(田口守さん)。娘・ココに対する歪んだ愛情は、ほとんどの女性が嫌悪感を抱くんじゃなかろうか。

クジャ王(中山仁さん)がジンクを退けようとした理由がいまいちわからなかった。私は、王がジンクが自分の地位を脅かすと考え、殺すつもりで盗賊征伐に向かわせたのかと思ったのだけど、単なる「ひまつぶし」だったのか…?
気がふれた状態のココが玉座に座りこんだ場面が何か暗示していたのかな? ココの呪いが国を支配したようなもんだしな。
最後、青の国が出てくるのは唐突な感じがした。
剣と剣の戦いに大量破壊兵器が投入されるというのは現実味があるのだが、栄えると滅びに向かう国だとか、ココの呪いによる伝染病とか、科学的な部分とそうでない部分が都合よく混ざり合って、どっちつかずで中途半端だと思う。
モト(中嶋しゅうさん)に始まり、モトに終わった感じだが、この人物を生かしきれていなかったように思う(←エラソウ)。黒幕というか、ラスボスになるかと思ってたのに。

現代劇(?)で、甲冑を着たり軍服を着たり、素顔にロン毛だったり、野心家で手段を選ばなかったり、怒鳴り散らしたり、狂ったように笑ったり… と、物珍しい愛之助丈がたくさん観られたので、満足。
役者さんは皆良かったし、ツッコミドコロはあるけど、物語も面白かったと思う。
愛之助丈ファンなら観て損はないのでは?
もう1回くらい観たいけど、東京まで行くのは厳しいなぁ。(残業規制かかっていて、いろいろと厳しいのだ。)

おまけ。


↑お花。


↑よく見えないけど、今回食べたお弁当。(高島屋の地下で購入。)


↑出町ふたばの豆餅(これも、高島屋の地下で購入)。
10:30に販売開始らしい。