年 (平成年)

新春浅草歌舞伎 浅草公会堂

1月2日(土)〜1月26日(火)

配役
第1部(11:00開演)
お年玉〈年始ご挨拶〉11:00-11:05

一、正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)11:05-11:25
曽我五郎:二代目 市川亀治郎
小林朝比奈:二代目 中村勘太郎

二、元禄忠臣蔵(げんろくちゅうしんぐら)11:50-13:35
  御浜御殿綱豊卿

徳川綱豊卿:六代目 片岡愛之助
中臈お喜世:二代目 中村七之助
祐筆江島:二代目 中村亀鶴
新井勘解由:六代目 市川男女蔵
富森助右衛門:二代目 市川亀治郎

三、忍夜恋曲者(しのびよるこいはくせもの)14:00-14:50
  将門

傾城如月 実は滝夜叉姫:二代目 中村七之助
大宅太郎光圀:二代目 中村勘太郎

第2部(15:00開演)
お年玉〈年始ご挨拶〉15:30-15:35

一、奥州安達原(おうしゅうあだちがはら)15:35-17:05
  袖萩祭文

袖萩、安倍貞任:二代目 中村勘太郎
八幡太郎義家:二代目 中村七之助
平{仗直方:六代目 市川男女蔵
安倍宗任:六代目 片岡愛之助

二、猿翁十種の内 悪太郎(あくたろう)17:30-18:20
悪太郎:二代目 市川亀治郎
智蓮坊:二代目 中村亀鶴
太郎冠者:六代目 市川男女蔵
安木松之丞:六代目 片岡愛之助


「お年玉ご挨拶」日程
2日(土)1部:七之助/2部:亀治郎
3日(日)1部:男女蔵/2部:愛之助
4日(月)1部:七之助/2部:亀鶴
5日(火)1部:男女蔵/2部:亀治郎
6日(水)1部:七之助/2部:愛之助
7日(木)1部:男女蔵/2部:亀治郎
8日(金)1部:七之助/2部:亀鶴
9日(土)1部:男女蔵/2部:亀治郎
10日(日)1部:七之助/2部:愛之助
11日(月・祝)1部:休演/2部:亀鶴
12日(火)1部:愛之助/2部:亀治郎
13日(水)1部:七之助/2部:亀鶴
14日(木)1部:男女蔵/2部:亀治郎
15日(金)1部:愛之助/2部:亀鶴
16日(土)1部:七之助/2部:亀治郎
17日(日)1部:愛之助/2部:亀鶴
18日(月)1部:男女蔵/2部:休演
19日(火)1部:休演/2部:亀治郎
20日(水)1部:愛之助/2部:亀鶴
21日(木)1部:男女蔵/2部:七之助
22日(金)1部:愛之助/2部:亀治郎
23日(土)1部:男女蔵/2部:亀鶴
24日(日)1部:愛之助/2部:七之助
25日(月)1部:男女蔵/2部:亀鶴
26日(火)1部:愛之助/2部:亀治郎

筋書
愛之助丈関連
表紙:扮装写真(カラー)
24ページ:扮装写真(カラー)
25ページ:素顔写真(モノクロ)
26ページ:インタビュー(舞台写真あり、カラー。「与話情浮名横櫛」与三郎、「封印切」忠兵衛、「御所五郎蔵」傾城逢州)
27ページ:扮装写真(カラー)
47ページ:出演者に訊く!
舞台写真
愛之助丈は、
「元禄忠臣蔵」徳川綱豊卿が6種類
「奥州安達原」安倍宗任が5種類
「悪太郎」安木松之丞が2種類(亀鶴丈との2ショット1種類含む)
グッズ
愛之助丈関連
ブロマイド1種(バストアップ、モノクロ)
ポストカード(2枚組300円)
豆半纏:500円
ガーゼ手ぬぐい:400円
料金
1等席:9,000円
2等席:5,500円
3等席:2,000円
(学割…12月10日より浅草公会堂窓口のみ発売 1等席6,500円 2等席4,000円)
※1月10日(日)の第2部は、「着物で歌舞伎」の日

筋書:1,500円

戯曲
 
その頃、他の劇場では…
歌舞伎座
松竹座
新橋演舞場
国立劇場

雑誌
『演劇界』2010年3月号→演劇界 2010年 03月号 [雑誌]
愛之助丈関連
66 ページ:舞台写真「元禄忠臣蔵」徳川綱豊卿(カラーグラビア、1/2ページ)
91ページ:舞台写真「元禄忠臣蔵」徳川綱豊卿(モノクロ 6枚)
92ページ:舞台写真「悪太郎」安木松之丞(モノクロ 1枚)
92ページ:舞台写真「奥州安達原」安倍宗任(モノクロ 3枚)
106〜107ページ:新春浅草歌舞伎の劇評
136ページ下段:四国こんぴら歌舞伎大芝居の紹介(写真あり、モノクロ)

『レプリークBis Vol.17』2009年12月号
愛之助丈関連
3ページ:目次に小さな写真あり
19ページ:「歌舞伎座への想い」にコメントあり
32〜35ページ:新春浅草歌舞伎座談会 市川亀治郎×片岡愛之助×中村七之助
素顔写真あり(カラー)、過去の浅草のチラシも載っている
96ページ:読者プレゼントの6番

『花道』第30号
愛之助丈関連
表紙:ポスターの写真
表紙裏:チラシ
4〜5ページ:「出演者アンケート 片岡愛之助」
「三人吉三巴白浪」お坊吉三の舞台写真あり(モノクロ)

感想
第1部

10日に前方上手寄りにて観劇。
割引券があったので、久しぶりにイヤホンガイドを借りてみた。
勉強にもなるし、出演者インタビューもあり、面白かった。(プレゼント企画もある。)
慣れないと、なんとなく耳が気になるけどね。

お年玉〈年始ご挨拶〉
担当は愛之助丈。
最初、舞台中央に座ってご挨拶。それから、客席に下りて質問を募集した。(恒例)
「10日の休みがあったら、どこに行きたいですか? 東京で好きな場所はどこですか?」という質問に対し、「行きたい場所はイタリアかラスベガス… ラスベガスに行きたいです」「浅草歌舞伎をやるようになって浅草に来るようになった。それまでは歌舞伎座に出てもわざわざ浅草に寄ることはなかった。浅草が好きです」とのお答え。
そして、「面白いと思ったら笑ってください。いいと思ったら拍手してください。拍手しようとして、回りが誰もしてないから止めたりしないでください」ということで、拍手の練習。(これまた恒例)
そうそう、携帯の電源を切ってくださいと念押しされた。
「昨日も御浜御殿のいいところで携帯鳴って、台詞忘れそうになったので、よろしくお願いします」とのこと。

正札附根元草摺
曽我五郎(亀治郎丈)と小林朝比奈(勘太郎丈)の舞踊。
舞鶴が出てくるのは何度か見たが、朝比奈が出てくるのは初めて見た。
いつもならポケタンと見ているだけで終わりだが、今回はイヤホンガイドを聞いていたので、内容がよく分かった。2人とも踊りが上手だし、楽しかった。

元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿
やっぱり、このお芝居好きだー。
綱豊卿(愛之助丈)が楽しそうにしていると、釣られてニヤニヤしてしまう(←不気味)。「銭というものを持ったことがない」というところが好きだ。
お喜世(七之助丈)は初々しくて可愛らしく、江島(亀鶴丈)は落ち着いて貫禄があった。
オツボネ様がお喜世をギロリと睨んで去っていく姿に笑った。

勘解由(男女蔵丈)と語る場面はじーんとくる。「侍心が第一」って大事だよなぁ。
綱豊卿と助右衛門(亀治郎丈)の対決シーンは熱かった。
あの手この手で口を割らせようとする綱豊卿の表情、意地でも口を割るまいとする助右衛門の表情、間でハラハラしているお喜世の表情を見比べるのが楽しかった。
助右衛門に痛いところを突かれて刀に手をかける綱豊卿を見て、「もしかして、まだ若いのかな?」と思った。演じている愛之助丈が若いからだろうか? 敷居を越えてからのやりとりは、何度見ても「いいなぁ」と思う。
助右衛門を止めようとして、すがりついたお喜世がずるずると引っ張られていく姿が可愛かった。

ちょっと残念だったのは、能装束の綱豊卿が桜の木にぶつかった時に落ちる花びらの量が少なかったのと、黒い紐を引っ張るのが見えてしまったこと。
あと、場面転換の度に会場が暗くなって時間がかかるので、もうちょっとスピーディにやってほしいなぁと思った。
今回はイヤホンガイドの解説を聞いていたので、そんなに長くは感じなかったけどね。

忍夜恋曲者 将門
暗い舞台に、蝋燭の光とともに傾城如月実は滝夜叉姫(七之助丈)が現れ、眠っていた光圀(勘太郎丈)が目を覚ます。
滝夜叉姫は色っぽくて綺麗で、光圀が合戦の様子を語るところが面白かった。
滝夜叉姫が本性を表し、衣装がぶっかえる。(イヤホンガイドによると「ぶっかえると本性が出るので、お姫様の振袖姿になる」とのこと。)

御簾の下からガマガエルが顔を覗かせる。
金色っぽくてグロテスクでもあるのだが、口をカパッと開ける姿を見て、思わず「可愛いじゃん」と思ってしまった。
ガマガエルが槍でつつかれて御簾の奥へともそもそ入って行く姿が気に入った。
最後は崩れた古御所の屋根の上で、滝夜叉姫とガマガエル、光圀が並んで幕。
滝夜叉姫とガマガエルとの2ショット写真が欲しいなぁと思ったが、残念ながら売ってなかった。(←どんだけガマガエルが好きやねん!)


第2部
10日に2階前方上手寄りにて観劇。


↑席からの眺め。

お年玉〈年始ご挨拶〉
担当は亀鶴丈。
最初の「かく賑々しく…」というご挨拶がすんでから、急に砕けた調子で喋りだす。
「いろいろ質問を受けるんですけど、今日は私からお客様に質問します」と客席に下りる。
最前列の方を指名したが、恥ずかしがってかなかなか答えてくれない。
「最前列に座ってるんだから責任があります」「一番前でも一番後ろでも料金は同じ」「劇場のどこからでもお芝居が見えるように出来てるので、前が良くて後ろが悪いというわけではないです」と頑張って、最前列の数人に話を振るが、なかなか答えてもらえない。
亀鶴丈は「このお客さん、空気が読めない」と毒吐きモードになりつつも、いろいろ喋って盛り上げてくれた。…5分の予定が10分のご挨拶になったけどね(笑)。

奥州安達原 袖萩祭文
以前、「瓜生山歌舞伎」で見たが、その時とは少し違うらしい。(でも、どこが違うのかは、記憶が曖昧でわからなかった。) すごくでっかい腰元が振袖着て箒持って出てきたのに驚いた。
平{仗直方(男女蔵丈)は厳しい態度をとりつつ、袖萩(勘太郎丈)が語り始めると、袖萩の方を見ていたのが印象的だった。(その後、また前を向いていた。) この芝居は、やっぱりお君ちゃんが泣かせる。

安倍宗任(愛之助丈)が登場し、袖萩に「平{仗を殺せ」と刀を渡す。
宗任の「兄に代わって離縁するぞ!」という台詞といい、浜夕(歌女之丞丈)の「武士の妻ゆえ…」という台詞といい、女性が自由な時代に生まれてよかったとしみじみ思う。
宗任は八幡太郎義家(七之助丈)から通行証をもらって去っていく。

桂中納言に化けていた安倍貞任(勘太郎丈)が八幡太郎義家に見破られ、派手にぶっかえって戦いを挑むも、止められる。袖に取りすがるお君ちゃんがいじらしい。
宗任は押し戻しでもするんかいってくらい派手な衣装になって再登場。
最後、登場人物が揃って幕。
いいお話なんだけど、正月早々(それも浅草で)見るのは、ちょっと重たいかな。

悪太郎
松羽目物の舞台に、安木松之丞(愛之助丈)と太郎冠者(男女蔵丈)が登場し、悪太郎(亀治郎丈)の酒癖に困っていると語る。 それから、真ん中の松の木を残し、月夜の背景に変わる。
悪太郎は本当に困ったヤツで、智蓮坊(亀鶴丈)に絡むわ、松之丞と太郎冠者に「踊れ」と言うわ、やりたい放題。
寝入った隙に髪と髭を剃られるのだが、髭の剃り跡まで青くなっているのが滑稽だ。
自分の名前を「南無阿弥陀仏」と思い込み、智蓮坊が「南無阿弥陀仏」と唱えるたびに「やあ!」と挨拶するところが面白い。さらに、智蓮坊が調子を変えて「南無阿弥陀仏」と唱えるのが面白い。
最後、4人で踊っている最中に幕が下りる。
愛之助丈は長袴なのに、よく滑らずに踊れるなぁと思った。


おまけ

↑羽子板。


↑愛之助丈の綱豊卿の羽子板。


↑愛之助丈へのお花。


↑愛之助丈へのお花。


↑夜の部では、綺麗どころがずらり。


↑昼の部に食べたミックスサンドイッチ。


↑夜の部に食べたエビフライサンドイッチ。


↑舟和の芋ようかんとあんこ玉。美味しい!


↑「鏡開きのものと同じ」と言われて、思わず買ってしまった日本酒。
酒は飲めない方ではないが、日本酒は咽喉と胃にズシンとくる。300mlなので、夕食時にちびちび飲むのにちょうどいいかな。


↑こっちがホンモノの酒樽。


↑公会堂の中(入り口の外)に並んでいる出店で買ったクッキー。
ここの出店は第2部終演後には閉まっているので、帰りに買おうと思っても買えないので要注意。
以前は『花道』のバックナンバーも売られていたけど、今年はなかった。(最新号は場内の売店に売っていた。)

ブロマイドが舞台写真とは別の場所(売店横の階段近く)に貼ってあって、買いそびれるところだった。(気付いたから良かったけど…)
終演後はだいぶお店が閉まっていた。とりあえず、会社用のお土産に雷おこしを買って、友達との待ち合わせ。


↑秋葉原のお店で食べたバナナプリンが美味しかった。

イヤホンガイドの内容
イヤホンガイド後半の昼の部より。
公演が終わったので、愛之助丈のインタビュー部分のみ書いてみる。

注意! 一言一句この通りに答えたわけではありません。

浅草歌舞伎を漢字一文字で表すと?
「絆」

初詣でお願いしたことは?
「世界平和。上方でももっと芝居が開くように」

鰻が大好物だそうですが、蓬莱軒のひつまぶしは食べましたか?
「映画撮影のため、名古屋に一ヶ月滞在した。蓬莱軒には竹下景子さんに連れて行ってもらった。映画スタッフ連れて何度か通った」

浅草メンバーに負けないところは?
「無器用なところ。よく『器用ですね』と言われますが、そう言う人は僕のことをわかってません」

自分で「イケてる」と思うこしらえは?
「自分で『イケてる』と暗示をかけないとできない。皆で褒め合う。お客様に『似合ってない』と思われるのが怖い」

舞台での大失敗は?
「『吹雪峠』で木戸を壊して、木戸が獅童さんの頭を直撃した」