年 (平成年)

6月歌舞伎鑑賞教室 国立劇場

6月2日(水) 〜 6月24日(木)

配役
11:00開演(13:00終演予定)・14:30開演(16:30終演予定)[2回公演]
※11日(金)、18日(金)は14:30開演開演のみ

解説 歌舞伎のみかた
三代目 澤村宗之助

歌舞伎十八番の内 鳴神(なるかみ)
雲の絶間姫:初代 片岡孝太郎
鳴神上人:六代目 片岡愛之助

社会人のための歌舞伎鑑賞教室
6月11日(金)・18日(金)19:00開演(21:00終演予定)
解説 歌舞伎のみかた
歌舞伎十八番の内 鳴神(なるかみ)

筋書
愛之助丈関連
表紙:扮装写真(カラー)
6ページ:出演者インタビュー(1/2ページ、素顔写真あり、モノクロ)
料金
一般 1等席:3,800円
一般 2等席:1,500円
学生(全席):1,300円
※「社会人のための歌舞伎鑑賞教室」も同額

筋書:無料配布
「鳴神」上演台本:無料配布(「社会人のための歌舞伎鑑賞教室」のみ)

グッズ。
ガーゼ手拭:500円
ガーゼはんかち:450円

その頃、他の劇場では…
南座
コクーン
ロンドン公演
巡業
中日劇場

雑誌
『演劇界』2010年8月号→演劇界 2010年 08月号 [雑誌]
愛之助丈関連
65ページ:舞台写真「鳴神」鳴神上人(カラーグラビア)
88ページ:舞台写真「鳴神」鳴神上人(モノクロ 6枚)
95ページ:6月歌舞伎鑑賞教室の劇評
108ページ:七月大歌舞伎(松竹座)のチラシ
122ページ上段:「花の武将 前田慶次」の紹介(写真あり、モノクロ)

感想
18日14:30の部を後方花外で観劇。
18日「社会人のための歌舞伎鑑賞教室」を前方中央で観劇。

上演時間は、「歌舞伎のみかた」35分、休憩20分、「鳴神」75分。
筋書は無料配布、「社会人のための歌舞伎鑑賞教室」では「鳴神」の上演台本も無料配布。
音は聞き取れても、どんな漢字を当てているのかわからない言葉もあるため、台本があると非常に便利。

14:30の部は学生さん多し。
上演前にガヤガヤしていたので、「果たして静かに見てくれるのかしらん?」と心配だったが、なんのなんの、静かに見て(寝て?)くれていた。
しかし、静か過ぎて笑い声や拍手も少ないので、役者さんはやりにくいだろうなぁ…
私の座っていた席は、学生さん以外の客が固まっていて(シルバーシート状態??)、その辺りの席から拍手が起きると、1テンポ遅れて場内で拍手が起こるという感じだった。

解説 歌舞伎のみかた
場内が暗くなり、舞台には月が映し出され、セリが上がったり下がったりしながら舞台がぐるぐると回る。
それが終わると、解説の宗之助丈が登場。
10分程度の簡単な解説かと思っていたら、35分もの長い解説だった。丁寧でわかりやすく、長くても飽きなかった。

客席から2人を舞台に上げて、いろいろと体験してもらいながら、宗之助丈が解説を行う。
見得、ツケ、雷車(転がして、雷の音を出す道具)の説明があったり、悪七兵衛景清(三津之助丈)、絶間姫を探している腰元(松之亟丈、嶋之亟丈)、安倍清行(仁三郎丈)、百姓達が登場して、さりげなく『鳴神』の物語を説明したり、わかりやすい解説だった。景清が内側につけている鎧のマークは海老だった。

裃後見の千壽郎丈は宗之助丈に呼び止められて舞台の中央に立たされ、「アシスタントさんみたいなものです。『鳴神』でもうろちょろしてますが、あまり気にしないでください」という説明の後に、
宗之助丈「尺八の真似の上手な…(マイクを差し出す)」(←「社会人の〜」バージョン)
千壽郎丈「片岡千壽郎でした」
と名乗らせてもらって、なかなか美味しい役だと思った。

歌舞伎十八番の内 鳴神
代役で演じた時は、「愛之助丈の『鳴神』なんて、最初で最後かもしれない」と思ったが、これで3回目。
観る側も落ち着いて、というか、安心して観ることができた。
客席の反応は「社会人の〜」の方が良かったな。(学生さんには、照れくさくて反応しにくい演目だったかも…)

筋書の愛之助丈インタビューによると、松嶋屋さんの『鳴神』は盃のくだりで鳴神上人(愛之助丈)と雲の絶間姫(孝太郎丈)の居所が変わるという。確かに、途中から絶間姫が上座へと場所を変わっていた。
昔の『演劇界』を引っ張り出してみてみたら、海老蔵丈の鳴神上人は上座に座ったままだった。

絶間姫が主導権を握ってからが断然面白い。
最初は健気だった絶間姫が強気になり、立派だった鳴神上人が尻に敷かれ、やはり惚れた方が負けなんだなぁという感じ。
鳴神上人がぶっかえって荒くれる様子はすごい迫力で、最後の六方で「また所作板を踏み割るんじゃなかろうか…?」と余計な心配をしてしまった(笑)。

面白かった〜。
1演目だけだけどお値段も手頃で、解説もあって筋書もつくし、東京に住んでいたら通えるのになぁ。