まず、おくだ健太郎さんが登場。続いて、愛之助丈が登場。(愛之助丈は黒いシャツを着用。)
※一言一句、下記の通りにお話されたわけではありません。(こんなニュアンスだった、程度に思ってください。)※
今月は歌舞伎鑑賞教室に出演中。
今日の学生さんはすごく熱心に見てくれて、嬉しかったそうだ。
普段は、椅子にずり落ちそうになりながら寝てる学生さんが結構いるらしい。
愛之助丈「生きてんのかなぁ?と心配になる」
愛之助丈「大人になったら、このうちの1人か2人、歌舞伎を観に来てくれるといいなぁと思って演じている」
学生さん全員が寝ているわけではなく、きちんと見てくれる人もいる。
愛之助丈「よし! 今日はこの人たちのために芝居をしよう、と思う」
今の子はおませさんなんで、『鳴神』みたいなきわどい演目でも平気かなぁと思っていたが、そうでもなかったらしい。
愛之助丈「前の方に座っていた子がキャってなってた(笑)」
昔の学生さんはうるさくて、大阪で鑑賞教室をやったときはとんでもなかったそうだ。
愛之助丈「騒ぐくらいなら、寝ててくれ〜」
我當丈がいたくお怒りになったこともあるらしい。
愛之助丈「楽屋口を出たら、しばかれるんちゃうかと思った」
なんと! 女形が登場するとオカマコールが起きたそうな…
愛之助丈「『俊寛』の千鳥だったかな? 出てきたら『オカマ!オカマ!』ですよ」
愛之助丈「今の学生さんはおとなしい」
昔、鑑賞教室で『封印切』の梅川を演じた。そのときの忠兵衛役は扇雀丈。
それが今では、扇雀丈の忠兵衛の相手で八右衛門役。
愛之助丈「忠兵衛も好きだけど、演じるなら八右衛門が好き。ストレスがたまらない… というのは冗談ですが(笑)」
巡業で藤十郎丈が忠兵衛で、愛之助丈が八右衛門だった。
その前に、博多座で扇雀丈の忠兵衛を相手に八右衛門を演じた時、扇雀丈から「親父とやる時の練習だと思えばいいんだよ」と言ってもらった。
大先輩相手にどうしようかと思ったが、とてもやりやすかったらしい。
愛之助丈「どこから見ても忠兵衛で、隙がないんですよ。だからすごくやりやすかったです。僕がやりやすいように導いてくださってる」
同じ『封印切』でも、成駒屋の型と松嶋屋の型は違う。
以前、浅草歌舞伎でWキャストで忠兵衛を演じた。(亀治郎丈の忠兵衛で、愛之助丈は八右衛門)
八右衛門の小判は実はセロテープで止めてあるのだとか。
舞台稽古で小判が逆になっていて、亀治郎丈の忠兵衛の封印が切れなかったことがあるそうだ。
愛之助丈「やっぱり、舞台稽古はあった方がいいんですよ」
昔の顔見世は舞台稽古なしだったそうだ。(大顔合わせで、皆が知ってる演目がかかったため)
愛之助丈「初役の若手は困ったと思いますよ」
歌舞伎というのは、現代劇で成立しないけど、そこが面白い。
上方歌舞伎の男性は、なぜかお金がなくて、なぜか彼女がいて、なぜか人のお金に手をつけて…
愛之助丈「なぜか『一緒に死んでくれ!』って言うんですよ」←愛之助丈にはない発想らしい。
梅川は側で忠兵衛と八右衛門が騒いでるのに、「ちーん」と座ってる。これは現代劇では成り立たない。
おくだ健太郎さんは銀行で両替して、大学で5円玉の束を使って『封印切』の講義をしたのだとか。
御園座で演じた団七九郎兵衛の話。
東京の役者さんは関西弁の捨て台詞で困るらしい。
「こぶ屋」で御飯を食べることになっているが、どんな御飯が出てくるところなのか、いまいちわからない。
アドリブで、門之助丈に向かって「かか、オマエ、こぶ屋で何食うんや?」と言ったら、門之助丈が固まってしまったそうだ。
「そんな驚かんでもええやないか」とごまかしたそうだが、あらかじめ何を言うか打ち合わせないとダメだなぁと思ったとか。
門之助丈からは「お願いだからやめて」と言われたが…
愛之助丈「最後まで、やめませんでした(笑)」
翫雀丈には「オマエが牢に入ってる間に歌舞伎座がなくなってしまった」とアドリブで言われた。
おくだ健太郎さん「捨て台詞はイヤホンガイド泣かせ」
記録録画について。
普段ミスらないのに、記録の日に限ってミスすることが多い。
愛之助丈は記録の日にちのお知らせがきても、すぐに捨ててしまうそう。
先月、名古屋のバーで60代の男性2人(議員さんと弁護士さん)と仲良くなったそうだ。
その男性2人はカラオケで『アンパンマン』のテーマを歌い出し、曰く「歌詞がとてもいい」のだとか。(先日の戸田恵子さんの講演を思い出した。)
なかなか面白い出会いだったらしい。
「昔、学校で歌舞伎を観た」という人がいても、演目や役者さんを覚えていることはあまりないそうだ。
「孝太郎と愛之助の『鳴神』を観た。面白かった」と言ってもらえるように頑張らないと… ということを孝太郎丈と話したそうだ。
おくだ健太郎さんから愛之助丈へ、生徒さんの感想文が手渡された。
愛之助丈はテレビなどのお仕事より、ダイレクトに反応がある舞台の方が好きなのだとか。
映像の仕事では、舞台挨拶で出演者と「はじめまして」ということもある。
義太夫さんはうなっているわけではなく、舞台の状況を説明している。
「お腹が痛い」というのでも「おなかがぁあああぁ〜あぁ〜」と言っているので、うなっているように聞こえるけど、義太夫さんの語っていることがわかると面白くなる。
イヤホンガイドでは、役者さんの台詞にはかぶせられないので、義太夫さんにかぶせてしまうこともあるそうだ。
愛之助丈「1回目はイヤホンガイドをつけて、2回目はイヤホンガイドなし、最低2回は観てください」
歌舞伎はわかりにくいから面白い。
愛之助丈「現代劇は歌舞伎より面白くても、面白すぎてお腹一杯になる。歌舞伎に飽きないのは“?”が残るから」
七月大歌舞伎(松竹座)について。
『双蝶々曲輪日記』では、珍しい場面が上演される。
『妹背山婦女庭訓』では鱶七役。
以前、「浪花花形歌舞伎」で演じた時は入りがあったが、七月は最後にしか出ない。
愛之助丈「いきなり出てきて『女、でかした!』って… お三輪はあんなに頑張ったのに、殺されて消し幕でいなくなって、わけわからんおっさん(=鱶七)がバーッタリと出てくる。初めてご覧になる方はわかりにくいかも」
9月の『前田慶次』について。
最初、ミュージカルをやるという話もあったけど、出演者のスケジュールが合わなくて、なくなった。
商業演劇は場面転換が多いので、少なくしたいそう。
馬の話。
歌舞伎を観に行った生徒さんで、歌舞伎の馬を本物だと思って人がいたらしい。
おくださん「馬に入っている役者さんは喜ぶでしょうねぇ」
愛之助丈「馬の役ってすごく大変なんです。僕らじゃできません。特に人が上に乗るとすごく重いんです」
もっとたくさんお話されていたけど、とりあえずこんな感じで…