年 (平成年)

平成23年度(社)全国公立文化施設協会主催
西コース 松竹大歌舞伎

8月31日(水)〜9月25日(日)

配役
一、雨の五郎(あめのごろう)
曽我五郎時致:六代目 片岡愛之助

二、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
  茶店

いがみの権太:十五代目 片岡仁左衛門
主馬小金吾:六代目 片岡愛之助
若葉の内侍:十一代目 市川高麗蔵
弥左衛門:初代 坂東彌十郎
小せん:二代目 片岡秀太郎

   すし屋
いがみの権太:十五代目 片岡仁左衛門
お里:初代 片岡孝太郎
お米:五代目 坂東竹三郎
梶原景時:四代目 坂東薪車
若葉の内侍:十一代目 市川高麗蔵
弥左衛門:初代 坂東彌十郎
弥助 実は平維盛、小せん:二代目 片岡秀太郎

日程
8月31日(水):よこすか芸術劇場(神奈川県)
9月 1日(木):豊川市文化会館(愛知県)
9月 2日(金):三重県文化会館(三重県)
9月 3日(土):岸和田市立浪切ホール(大阪府)
9月 4日(日):神戸文化ホール(兵庫県)
9月 6日(火):iichiko総合文化センター(大分県)
9月 7日(水):北九州ソレイユホール(福岡県)
9月 9日(金):ひめぎんホール(愛媛県)
9月11日(日):呉市文化ホール(広島県)
9月12日(月):周南市文化会館(山口県)
9月13日(火):ふくやま芸術文化ホール(広島県)
9月14日(水):岡山市民会館(岡山県)
9月16日(金):赤穂市文化会館(兵庫県)
9月17日(土):高梁総合文化会館(岡山県)
9月18日(日):姫路市文化センター(兵庫県)
9月19日(月・祝):びわ湖ホール(滋賀県)
9月22日(木):扶桑文化会館(愛知県)
9月23日(金・祝):岐阜市民会館(岐阜県)
9月24日(土):リリア・メインホール(埼玉県)
9月25日(日):アミューたちかわ(東京都)

筋書
愛之助丈関連
5ページ:舞台写真「義経千本桜」主馬小金吾(カラー)
24〜25ページ:インタビュー、舞台写真(カラー)「車引」梅王丸、「盟三五大切」笹野屋三五郎、「頼朝の死」畠山重保)

筋書:1,000円

その頃、他の劇場では…
新橋演舞場
松竹座
新歌舞伎座

雑誌
『演劇界』2011年11月号→演劇界 2011年 11月号 [雑誌]
愛之助丈関連
68ページ:舞台写真「雨の五郎」曽我五郎(カラーグラビア)
103ページ:舞台写真「義経千本桜」主馬小金吾(モノクロ 4枚)
105ページ:舞台写真「雨の五郎」曽我五郎(モノクロ 2枚)
110ページ:十月花形歌舞伎のチラシ
118ページ:松竹大歌舞伎 西コースの劇評
148ページ:システィーナ歌舞伎の紹介(1/3ページ)

感想
9/1の昼の部を中央上手寄りで観劇。
後ろの方は空席が目立ったが、大向こうがたくさんかかって、盛り上がったと思う。(千蔵丈に「千蔵!」ってかかったのには驚いた。)

雨の五郎
浅黄幕が落ちると、曽我五郎(愛之助丈)が立っている。
短い舞踊だが、五郎が蛇の目傘を差したり、恋文を読んだり、若い者を蹴散らしたり、そんな様子を楽しんだ。

義経千本桜 茶店〜すし屋
このお芝居は前にも見ているが、何度見ても面白い。
いがみの権太(仁左衛門丈)は憎たらしいヤツなのだが、愛嬌があって、憎みきれないロクデナシという感じ。
小金吾(愛之助丈)を騙る時の悪い顔や、嘘泣きする時の顔など、2枚目の仁左衛門丈の崩した表情がいいんだよな〜。
小せん(秀太郎丈)はちょっとした仕草が可愛らしいのだが、同じことを現代女性がしたら、“狙ってる感”を感じるかもしれない。

話の筋が分かっているせいか、やたらと涙が出そうになって困った。
髪を振り乱した小金吾が追っ手とやりあいながら登場しただけで、すでに泣きそう…(←早いぞ。)
そんな状態なので、若葉の内侍(高麗蔵丈)と六代君が取りすがる場面では涙ボロボロ。
前髪の若者が力尽きて倒れるというところが、健気で泣ける。

以前の巡業で弥左衛門だった竹三郎丈が、今回は母・お米。
立役も素敵だったが、なんとなく母親役の方がしっくりくるような気がする。そして、竹三郎丈が母親役だと、それだけで泣きそうになる。(←パブロフの犬並)
弥左衛門は彌十郎丈。厳しい父親なんだろうけど、どことなく優しい感じがする。
以前は弥助(秀太郎丈)にお茶をもらっていたが、今回は白湯をもらって、こっそりと手を洗っていた。(生首を桶に隠した後)
毎回書いているが、私は維盛(秀太郎丈)が嫌いだ。
秀太郎丈は大好きだが、それでもやっぱり維盛は嫌い。

前回は梶原景時は愛之助丈の2役だったが、今回は薪車丈だった。
さすがに猪熊大之進じゃ気の毒よね。藤山直美さんのお相手やってるくらいなのに(笑)。
ちょっと声が高いかなぁと思ったけど、背が高くて立派だった。
その他の感想は、以前観た時とだいたい同じ。泣ける場面もほぼ同じ。
お里(孝太郎丈)が嘆く場面でも泣きそうになるし、権太が刺されてからはいわずもがなだし、泣き過ぎないように我慢しながら見ているので、見終わってから偏頭痛がした。
でも、いい舞台だった。