年 (平成年)

「伝統産業の日2012」トークショー 片岡愛之助×友吉鶴心
京都市勧業館 「みやこめっせ」第3展示場

3月17日(土)

配役
13:30〜15:00
「伝統芸能から見る京都 -平家物語の世界から読み解く-」
ナビゲーター:友吉鶴心さん(薩摩琵琶奏者)
ゲスト:六代目 片岡愛之助

料金
入場料:無料
定員:小学生以上の方1,000名(応募多数の場合抽選)
※当選者のみ3月9日(金)頃までに招待状を発送
その頃、他の劇場では…
新橋演舞場

感想
愛之助丈と薩摩琵琶奏者の友吉鶴心さんのトークショウ。
着物で行こうかと思ったが、雨だったこともあり断念。


↑しだれ梅が咲いていた。

以下、一言一句この通りに話していたわけではありません。だいたいこんな感じのことを話していた、という覚書です。

早めに着いたので、いろいろな展示を見て回った。
染物、織物を間近でじっくり見ることが出来て嬉しかった。
自由席だったが、前方で見ることができた。振り返ったら、かなり後ろまで席が埋まっていた。
司会の女性が登場し、京都市長からご挨拶。
伝統産業を巡る状況は厳しいものらしい。うーん…

友吉鶴心さんが黒の紋付袴で登場し、『敦盛』を演奏する。
薩摩琵琶は他の琵琶より後から出来たものなので、先輩に敬意を表するという意味で、平家物語の冒頭を“盛者必衰”ではなく“生者必衰”としている。「間違えてる」と思われることが多いので、“盛者必衰”とする人が多いけれど、自分は“生者必衰”と謡うとのこと。友吉さんはお話が上手で優しそうな方だった。

それから、愛之助丈が藤色の紋付袴で登場。
紋付袴がすごく綺麗な色で素敵だった。

一般家庭から歌舞伎界に入ったきっかけをさらっと説明し、「伝統芸能から見る京都 -平家物語の世界から読み解く-」というタイトルがついている通り、出雲阿国の話から始まった。
歌舞伎は京都発祥だが、今は歌舞伎と言えば銀座の歌舞伎座。
だから、愛之助丈は京阪神から何か発信していきたいとのこと。
また、おおさかシネマフェスティバルの日がちょうどお誕生日だったという話もされた。

友吉さんから歌舞伎の元はたいてい上方なのだと説明があり、愛之助丈の『封印切』をとても褒めてくださった。
友吉さんは浅草在住で、浅草歌舞伎の『封印切』を3回見に行って、「大当たり!」と声をかけたのだそう。
『すし屋』のように上方の芝居が江戸に持っていかれてガラッと変わることもある。
『平家物語』の琵琶法師が地方へ行き、そこで根付くと、その地方の言葉になるのだそう。
静御前の鼓など、役者が音を出すものと黒御簾の中から音を出すものと、決まりがあるらしい。

愛之助丈は「歌舞伎を見たことがない人に、なぜか敷居が高いと思われているが、そんなことはない」と力説。
愛之助丈「日本語ですから」
オペラは外国語でもなんとなくわかるのだから、日本語だからわかるはず。
愛之助丈「騙されたと思って、見てください」
愛之助丈のお友達の90%以上が「こんなにわかりやすいとは思わなかった」と言うそうだ。

今はイヤホンガイドという便利なものがあるので、1回目はイヤホンガイドをつけて見て、2回目はイヤホンガイドなしで見て、3回目は2階席から見て、4回目は3階席から見てください、とのこと。
で、3階席からは大向こうをかけてほしいそうだ。
友吉さん「松嶋屋! と言おうとするから難しいんです。しまやぁ〜!と言えばいいんです」
大向こうも東京と上方でちょっと違うそうだ。
義太夫さんの声を聞くと、物語がよくわかるというお話もしていた。

学校の先生からの「生徒に伝統芸能に興味を持たせるにはどうしたらよいですか?」との質問に、愛之助丈は「無理矢理連れて行くのはよくないので、興味のある子だけ『行ってみようよ』と誘ってみてはどうか?」と答えていた。
最後はプレゼント抽選。
友吉さんからは、御自身のDVD(友吉さん曰く「これを見るとよく眠れる。友達から『最後まで見たことがない』と言われている」)、普段使いの扇子、NHK大河ドラマ『平清盛』Tシャツ、愛之助丈からは、御自身の写真集、舞台用?の扇子。
友吉さんはNHK大河で琵琶の指導(だったかな?)をされているそうで、「当時の様子をできるだけ再現しようとスタッフも頑張っているので、『画面が埃っぽい』とか言わずに見てください」と言っていた。

もっとたくさんお話されていたが、とりあえずこんな感じ。