17日に前方中央で観劇。
桜姫東文章
僧侶達が、白菊丸(福助丈)と清玄(愛之助丈)を捜している。
その後、2人が花道から登場する。
2人は心中を決意して、稚児ヶ渕までやってきた。2人は香箱に互いの名を入れて、取り交わしている。
稚児の鬘のせいか、白菊丸が大きく見えて、ちょっとアンバランスな感じ。(愛之助丈にあと5cm身長があれば…)
「女子に生まれ変わって夫婦になりたい」という白菊丸は、勢いよくザブンと飛び込む。うーん、男らしい!
清玄は「死ぬのは怖くないけど、海が怖い」というヘタレっぷり。
結局飛び込むことができず、一人生き延びてしまう。
…そりゃ、桜姫に生まれ変わった白菊丸も別の男に惚れるわな。
舞台は変わって、新清水。
きらびやかなセットに、桜姫とその家来達がずらりと並んでいる。
父と上の弟が殺され、御家の重宝・都鳥の一巻を奪われ、桜姫は生まれつき左手が開かないため縁談が破談になり、高僧・清玄に出家させてほしいのだということがわかる。
清玄のお経の功徳?で桜姫の左手が開き、清玄の名前の入った香箱が出てくる。
清玄は桜姫が白菊丸の生まれ変わりと気付くが、桜姫を出家させようと決める。
ナマグサ坊主の残月(市蔵丈)と局・長浦(萬次郎丈)が逢引をしている。
濃いわ〜。このカップル、濃いわ〜。
オツボネが活き活きしてるわ〜。
縁談を破談にした入間悪五郎(亀蔵丈)がやってきて、「桜姫の左手が開いたなら…」と恋文をもってくるが、長浦は取りあわない。
そこへやってきたのが、忍ぶの惣太こと釣鐘権助(海老蔵丈)。
都鳥の一巻を持っている。
海老蔵丈、意外と(←?)権助が似合ってない。
迫力がありすぎて、愛嬌が足りなくて、なんだかしっくりこない。
草庵で桜姫が出家の準備をしているところに、悪五郎からの恋文を預かった権助がやってくる。
最初は取り合わなかった桜姫だが、権助の腕に彫ってある釣鐘の入墨を見てから態度が一変。
なんでも、昔自分を犯した男が忘れられず、その男を真似て自分も釣鐘の入墨をしたのだという。
ないわ〜。それはないわ〜。
たまたま権助がいい男だからよかったものの、醜男だったらどうするつもりだったんだ、桜姫っ!?
2人の間には子供まででき、赤子は里子に出しているという。
とにもかくにも、可愛らしかったお姫様から、急に生々しい女に豹変した桜姫は、権助と濃い濡れ場に突入。
それが人の知るところとなり、大騒ぎになる。
清玄は女犯の罪を着せられるが、あえて無実の罪をかぶって追放される。
残月は自分が出世できるようにとアピールするが、長浦からの「残月命」と書かれた文を粟津七郎(右近丈)が拾っており、2人も追放。
すっかり落ちぶれた清玄は、桜姫の産んだ子を抱いて徘徊している。
清玄はどことなくお人よしな感じがするが、言ってることはストーカー。
それまで、桜姫にはあまり興味を示してなかったのに、何で急にこうなった?
偶然通りかかった桜姫(こちらも落ちぶれている)が薬を投げ渡すが、互いに気付かぬままだった。
残月と長浦が一緒に暮らしており、清玄がそこに居候している。
病でやせ衰えて、髪はボサボサ、髭も生えて、汚い格好。
残月は清玄が持っている香箱を金子と勘違いし、清玄を毒殺しようとする。
薬と偽り毒を飲まそうとするが、清玄が飲まないので絞め殺してしまう。
この時、清玄の顔に毒がかかり、醜い痣ができる。
清玄、悲惨すぎる。高僧だった頃の面影はどこへやら…
死体を埋めるため、残月が穴掘りの権助を呼ぶ。その後、桜姫が女衒に連れられてくる。
権助は残月と長浦を追い出し、桜姫を女郎屋に売り飛ばそうと、庵室を出て行く。
雷が鳴り、清玄が息を吹き返す。
桜姫が自分と一緒にならないのならと、包丁で姫を殺そうとする清玄。完璧にイッちゃってるストーカーだぞ、おい。
もみ合ううちに、清玄の咽喉に包丁がささり、清玄は苦しみながら死ぬ。
この時の包丁の刺さり方が、そりゃないだろーという感じだったのだが、最後、ピクピクと痙攣して倒れるところがリアルで怖かった。
権助と桜姫が花道で並んだところは絵になっていた。
長屋の大家となった権助のところに、「風鈴お姫」の名で人気女郎になった桜姫が返される。
なんでも、幽霊が取り付いているのだとか。
桜姫はすっかりすれてしまい、女郎言葉とお姫様言葉が混ざっている。
粟津七郎の女房、お十(笑也丈)を代わりに女郎屋に渡し、権助は寄り合いに出かける。
そこへ、清玄の幽霊が登場。
桜姫は「もう慣れちまったよ」と悪態をつく。
清玄は言葉は喋らず、手の動きで、自分と権助が兄弟であること、そこにいる赤子が権助と桜姫の子であること、を告げて去っていく。今まで、桜姫は泣く赤子をうるさそうにしてたのに、わが子とわかるとコロッと態度が変わるの面白い。
酔っ払った権助が帰ってきて、密書を落とす。
桜姫は権助に酒を飲まし、権助が父と弟の敵であることを知る。
都鳥の一巻を手に入れ、桜姫はわが子と権助を刀で刺し殺す。女郎になるほど惚れていても、親の敵と御家の再興が優先されるのね…
夫殺しを町の人に見られていたため、桜姫には追っ手がかけられる。
浅草雷門で、粟津七郎、お十、姫を入れた葛篭を背負った奴軍助(弘太郎丈)が追っ手を蹴散らしている。
そこへ大友常陸之助頼国(海老蔵丈)、稲野屋半兵衛(愛之助丈)が登場。
大友常陸之助は白塗りに立派な裃を着ていて、稲野屋半兵衛は商人風の格好だった。2人とも、肌の色からこしらえを変えていて、楽屋裏では大変だろうなぁと思った。
最後は舞台にずらりと並んで、「昼の部はこれぎり〜」で幕。
今月はスケジュールの都合で昼の部のみ観劇。
舞台写真が出てなかったので、係員に「舞台写真はないんですか?」と聞いたら、「明日からです」と言われてショックだった。(なんで、今月はこんなに遅いわけ?)
筋書にも写真が入ってなかったので、今回は購入は見送り。