コラム

4/24追記

下のコラムの追記になります。まずはコラムからご覧下さい。


・リンクについて。
 何件かお問い合わせを頂きました。広まってくれたらありがたいので、こんな記事でよろしければリンクフリーです。
 また、『マナーの悪い依頼者にここを教えてもいいか』というご質問を頂きました。
 こちらとしては問題ありませんが、それによって余計にトラブルになったりしないか、よく吟味の上ご利用下さい。
 
・この記事について、たくさんのご意見をいただきました。
 参考になった、とおっしゃっていただけた方、ありがとうございます。
 同時に、否定的なお言葉もいただきました(記事の内容ではなく、サークルがこういった記事を書く意義に関してのご意見が多かったです)。
 貴重なご意見、ご質問をいただき、非常に嬉しく思いました。ありがとうございます。
 その中で、いくつか説明不足だったかな、と思う部分が出てきましたので、追記させていただきたいと思います。

・コラムを書いた動機。
 この点は下の本文でも冗談交じりに触れていますが、改めて真面目に言うなら
『良いボイス作品が増えて欲しい』『声優さんにエロボイスの仕事を毛嫌いされたら困る』
 という、100%利己的な動機です。
 もともとアイロンウェアーは、自分好みのボイス作品が欲しくてサークル始めたようなエロボイス好きですし、
 やはり、エロボイスは初めて聴くときが一番楽しいですし(自分で書いた作品だとそういう新鮮さはないですから)、
 増えて欲しいと言うのは本音だったりしますマジで。

・記事そのものの意義
 いただいたご意見としては
『真面目に作りたいと思う人は自分で調べる』and『考えれば分かることしか書いてないから役に立たない』
『実例にあるような困った依頼者は、こんなものを読んで自分を顧みたりしない』
 というのがありました。アイロンウェアーも正直、そう思うところはあります。

 ただ、実際に声優さんにお仕事を依頼するというのは意外と精神的なハードルが高いもので、
 アイロンウェアーが最初の作品を作ったときは、声優さんのHPに細かく依頼の方法が載っているにも関わらず、
 メールを出すのに半月ほど躊躇しました。
 なんというか、サークル側に立って作品を発信するということが、ちょっと特別な事に思えたのを覚えています。
 なので、サークル側としてノウハウを公開することで、同じように躊躇している人の背中を押せたらいいな、という考えがありました。
 ソフトなんかでも、マニュアルを読むより有志による解説ページを見る方が『やれそう』な気がする、あの感じです。

 後者については、確かに真性の『困ったさん』は自分が迷惑をかけているなどと考えもしないかもしれませんが、
 それでも、『そういう人が居る』ということが問題提起されれば、少しでも牽制というか、防波堤になれるかな、という思いで書かせていただきました。

・声優寄りな内容について
 サークルとして守るべきこと、やるべきこと、という内容のため、やたらと声優さんばかりを贔屓しているように見える部分が多々あったかと思います。
 ですが、もちろんアイロンウェアーも、金銭のやりとりが発生する『お仕事』である以上、最低限のラインはきちんと要求しています。
 ただ、最近その『最低限のライン』が『なにもかも自分の思い通りにしろ』という位置に設定されている依頼者が多いらしく、
 それを踏まえてコラムを書いた事もあってか、『声優寄り』と思われる方もいらっしゃったようです。

 が、実際のところ、声優さんは能動的に仕事を受ける側なわけですから、せいぜいが『納期』か『声質・音質』くらいでしか迷惑をかける部分がないのも確かです。
 そして、『声質・音質』については事前にサンプルをしっかりすることで回避できますし、
 『納期』を連絡無しにあまりにも破る声優さんには、降板していただけば良いだけの話です。

 そして、納期を守れない声優さんは長続きせず、すぐに止めてしまう場合が多いかと思います。
 ですので、アイロンウェアーの経験から言えば、声優さんに迷惑をかけられる事は滅多にない……と、思います。

 もちろん、無断で音信不通になったり、連絡なくあまりにも納期を過ぎ、返信もよこさないような方には、降板していただいたこともあります。
 ただ、アイロンウェアーはこれまでにたくさんの声優さんたちと関わってきましたが、そういう方はほとんど居ないということは、
 真剣に取り組んでいらっしゃる多くの声優さんたちの名誉のために、付け加えさせていただきます。

・演技をどこまで指定するか
 台本でどこまで細かく演技を指定して大丈夫か、というご質問がありました。
 アイロンウェアーは、わりといい加減に『今回はお姉ちゃん系』と決めて、声質だけイメージ通りにしてもらい、演技は声優さんにお任せなパターンと、
 キャラクターをしっかり決めて、台本上でちょくちょく指示を出すパターンの二通りがあります。
 多分、よほど細かすぎて無理! なレベルでなければ問題ないかと思います。
『声優さんも表現者なので〜』ということですが、一応こちらはクライアントですし、そこら辺は口出ししていい領域ではないかと。

・報酬について
 肝心な部分が書いてない! ……というお言葉をたくさん頂戴いたしました。
 ですが、これについては、本当にアイロンウェアーから具体的な数字を出すことはご容赦下さい。

 たとえば、『アイロンウェアーはいつも○○円でやっている』と書いたとして、
『いや、私はもっと安くても大丈夫だよ!』という声優さんが仕事の機会を逃したり、
『この依頼ならもうちょっともらわないと厳しいかな……?』という声優さんとトラブルになったり、
 ご迷惑をかけるわけにはいきませんので……。
 また、作品の規模や、場合によっては内容によっても変わってくるものですので、
 正直、アイロンウェアーが意味のある基準を示せるとも思えません。

 これについては、コラムでも書きましたが、
 作品を作りたいという熱意がおありなら、直接声優さんにご確認下さい。
 訊いたからといって必ず依頼しなければならないわけではありません。
『予算の都合で今回は見送ります』でも大丈夫だと思います。
(ただし、お断りする旨のメールは必ずお返しして下さいね!)

・拍手で長文を下さった方へ私信。
 わざわざご意見、ありがとうございました。とても嬉しかったです。
 おっしゃること、もっともと思います。
 また、真剣に声優業に打ち込んでおられる方からすれば、『しょせんネット声優だから〜』と軽く見ているように思われたかもしれません。
(もちろん、そのようなつもりはございません)
 アイロンウェアーがあのコラムを書いた動機については、今回の追記にて書かせていただきました。
 お恥ずかしながら、仰られるような立派な理由ではなく、いわば独善的な理由から書いた文章です。
 その他のご意見についても、返答となっていれば幸いです。
 ご心配、応援、ありがとうございました。
 こちらこそ、今後のご活躍をお祈りさせてください。






4/12

『ネット声優さんへの依頼の仕方』

(これからエロボイス作品を作りたい! という人向けの内容です)
(レクチャーという都合上、変態のクセにとっても偉そうです。嫌な人は回避推奨)
(でもサークル始めたい! って人には読んでもらいたい……)




 
雑記と言うかコラムというか、思ったことをつれづれと。

 最近、音声サークル増えてきましたね。
 エロボイス業界が盛り上がるのはすごくいいと思います。エロボイスモットフエロー
 アイロンも負けないように頑張ろう! と思う今日この頃。

 ……しかし一方で、勝手の分からない新規サークルさんと声優さんとで、いろいろ行き違いもある様子。
 まあそりゃそうですよねー……アイロンも初めて依頼した時はどっきどきでしたもの。
 相場も、作業の流れも、用語もわからない。納期だってどれくらい見ればいいのか見当も付かない。
 しかも送りつける台本はエロス100%の変態台本。
 いわば声優さんに『僕ぁこういうのが聞きたい変態野郎なんですっ!』とカミングアウトするようなもの。
 いやぁ、『ぴゅっぴゅしましょうねー♪』だのオナホールだので恥ずかしがってたあの頃のアイロン初々しいね。
 今やアナル尿道触手ふたなりなんでもアリだからね!

 ……話が逸れましたが、そんなわけで今日は新規サークルが声優さんに依頼するときに、
 こんなこと気を付けたら良いと思います、ってのを書きたいと思います。

 最初に、なんでこんなことを書くのかって白状しますと、
 エロボイス市場が盛り上がればいいなーってのもありますが、
 新規サークルが次々立ち上がる中で、声優さんの負担を少しでも減らしたいなーと。
 別に悪気は無くても、ノウハウが無いために声優さんに迷惑かけちゃう場合もありますし。
 声優さんだって無茶振りに対して「ごめんなさい、ちょっと……」ってお返事するのはやっぱり精神的に辛いと思うので。
 それで声優さんにやる気を無くされて『もうエロボイスは嫌だ!』ってなられたらアイロンは深い哀しみに包まれることでしょう。
 まあ要するに自分のためですwwwwwそれにアイロンだって、よその作品を初めて聞くときのあのトキメキを味わいたいし!

 あ、一応言っておきますと、これはアイロンが勝手に思っていることであって、
 全ての声優さんに対してこれが正解ってわけではありません。
 自分の失敗なども生かしつつ書いていきたいと思います。
 変態のくせに何を偉そうに、と思われたらすみません。

 ……というか、『なにこの上から目線』とか書いてて自分でも思いました……。
 もしもご不快に感じられた方は、こんな考え方もあるんだ、程度に思っていただければ幸いです。
 ただ、実際に声優さんから聞いた『嫌なこと』も参考にしてあるので、その部分は頭に留めておいていただければ……!

 というか、ありえないレベルの『困った依頼』も結構あるようで……。
 そのへんにも触れていくので、生温かぁい目で見守ってください。






1、依頼の仕方

 基本的にはメールで依頼することになります。
 声優さんのHPにメールアドレスが載っている場合と、メールフォームから送信する場合があります。


a、書くべきこと


 初めてメールする声優さんの場合には、HPには一通り眼を通しましょう。
 特に『お仕事について』『依頼について』などのページがあれば熟読して下さい。
 というか、たいていはその手のページがあるはずなので、隅まで探してみてください。
 メールの仕方について指定がある場合は、必ず守りましょう。

 (例:よくある指定
 ・タイトルは“声の依頼”でお願いします。
   ……メールに気付きやすくするため、迷惑フォルダに入らないようにするため等。

 ・独自のテンプレートがある(タイトル、18禁か否か、希望の声質、納期、報酬等)
   ……声優さんが、依頼を受けるか否かの判断材料にしたいと思っていることです、
     二度手間を避けるためにも必ず埋めましょう。


b、書き方


 丁寧さを心がけましょう。
 あくまで仕事の依頼です。
 ちゃんとしたメールの方が、声優さんも安心して受けられるはず。
 ナンパやセクハラじみたメールを送りつける人も居るようですが、論外です。

 読みやすさを心がけましょう。
 出版業界的なルールや小説の書き方などと、メールマナーは違います、
 一行が長くなりすぎないように、文章の途中でも改行を入れましょう。

 こうして、話題ごとに細かく行を空けると、頭の中で話を整理しやすいと思います。

 声優さんのモニターは、あなたのモニターより狭いかもしれません。
 右端まで行って改行とかだと、PCモニターでは非常に読みづらいです。

 ……とは言え、相手はネット声優さん。企業相手のメールではありません。
 規定通りに書かなくてはダメ! というものではないので、
 あまり神経質になる必要はありません
 (ただし、声優さんがテンプレを作っている場合にはしっかり従いましょう!)

 だからと言って、いきなり親しい友達に送るようなメールはやめましょう。
 ファンだからといって馴れ馴れしくしていいわけではありません。
 仕事の依頼をする時点で、関係は『ファンと声優』から『クライアントと声優』に変わります。


c、書かないほうがいいこと(と言うか書いてはいけないこと?)

・セクハラ発言
  ……18禁の仕事を受けているからといって、いきなり下ネタ振られて平気とは限りません。

・リアル干渉
  ……住所とか普段の生活とかは依頼に関係ありません。
    スタジオ収録で出張してもらうとか、スケジュール調整に必要なら別ですが、必要以上に突っ込んだことは聞かないように。

・出会い系
  ……会って打ち合わせしましょう! 等は、たとえそんなつもりでなかったとしても、嫌な思いをさせてしまうでしょう。
    なるべく用件はメールで。詳しく話し合いたいことがあるならチャットソフトなどを利用しましょう。
    もっとも、ほとんどの場合はメールで事足ります。

 この3つに該当するメールは結構あるそうですが、声優さんはこの時点で受ける気を無くします……。


・○○というアニメの△△というキャラの声で!
  ……これは、みんながみんなダメってことではないと思いますが、声マネはあんまり良い気分しないという声優さんもいらっしゃるので注意。
     そんなつもりでなくとも『本当はプロの××さんに頼みたいけど、それは無理だから、声マネでガマンするよ』と取られかねません。

     もちろん、全然問題なし! って人もいますし、二次創作系の場合には仕方ないと思いますので、これは一概には言えませんが。
     ただ、『○○の声で、って言われても、自分は○○じゃないし』と微妙な気持ちになる方もいらっしゃるようです。

     あ、ちなみに『○○という作品の△△というキャラ風の、××な感じの声で』というのは分かりやすい例でいいと思います。
     書き方一つでも印象はずいぶん変わってくるもの。
     声優さんだって人間ですから、できるだけ良い気分でお仕事してもらいたいですものね!



d、参考までにアイロンウェアーのメールテンプレ。


=====

 ○○様。

 突然のメール失礼します、当方はアダルトボイスドラマ製作サークル、アイロンウェアーと申します。
 本日は○○様に声のお仕事をお願いしたく、メールさせていただきました。
 早速ではありますが、箇条書きにて詳細を失礼します。

【作品名】  雑記淫語〜初めての依頼編〜
【作品内容】 独白。雑記系のアダルトボイスドラマ。新規サークル様向け。
【キャラ】  変態の台本書きが偉そうにレクチャーする感じのキャラ。○○歳くらい。
       サイトで公開しているサンプル(あれば)の『○○』の声質でお願いします。
【報酬】   ○○円ほどで。
【台詞量】  テキスト量で○KB。大体○○分ほどになるかと思います。
      (時間の予測が付かない場合にはテキスト量を書いて声優さんに判断してもらってください)
【期間】   キャラ合わせのためのサンプル提出、本収録、リテイク含めて、○月○日までに提出いただければと思います。
【その他】  想定以上に収録量が増えるようでしたら、納期や報酬については応相談ということで。

 このような内容になります。ご不明な点や、納期、報酬に問題ございましたら、お気軽にご相談下さい。
 それでは、お返事お待ちしております。よろしくお願いします。

 (なにか伝えたいことがあれば、ここで軽く伝えましょう。○○さんの演じたあのキャラが好きです、とか)


アイロンウェアー
(メールアドレス)
(HPアドレス)

=====

 別にこれが正解ってわけじゃなく、もっといい書き方がいくらでもあるでしょうが、
 まるで何も分からないって場合にはご参考までに。
 もちろん、声優さんが独自のテンプレを作ってくれてる場合には、そっちに従って下さい。






2、報酬

a、金額は?


 ある意味一番難しい問題です。
 が、アイロンの方からはちょっと明言は避けたいと思います。
 相場って人によって違いますし……。
 まったく基準が分からなければ『○KBくらいの台本なんですけど、いくらくらいですか?』と聞いてみましょう。


b、値下げ交渉?

 高すぎる! と思ったら別の人を探しましょう。
 値下げ交渉はやめておきましょう、あんまりしつこいと、声優さんたちの間でサークルの評判が下がることもありえます。

 『初めての作品でお金が無いんです!』『○○さんの声で素敵な作品をみんなに届けたいんです!』
 ……よくこう言うことを言う方がいらっしゃるそうですが、資金を用意するのも製作者の責任です。
(念のために言っておきますが、自分が売れているから言っているわけではないですよ。
 アイロンウェアーも、最初は売れるかどうか分かりませんでしたが、依頼のために節約しました
 製作者として当然の心構えではないかとアイロンウェアーは思います)

 制作費がかかるのは、売れたときに利益を得られるというメリットと対になるデメリットです。
 制作費を浮かすために、声優さんに負担を被ってもらうのはやめましょう。
 『作品が売れたら追加でお支払いします!』もやめましょう。ギャンブルを強要するようなものです。



c、やってはいけないこと

『結局お金のためにやってるんですね!』
 ……報酬が原因で断られると、そんなことを言い出す人がいるそうです。
 が、それは別に悪いことではありません。
 声優さんだって貴重な時間を使って収録してくれるわけですから、
 それに対して報酬をお支払いするのは当然のことです。

 多いのが『2時間の作品で5000円なら時給2500円! 高給じゃん!』というパターンです。

 ネット声優さんたちは、機材を揃え、編集の技術も身に付け、もちろん演技の練習もし、
 そうしてようやく依頼を得ています。

 絵描きさんだって同じですよね。
 デッサンの練習をし、ソフトを使いこなし、塗りの勉強をして、絵柄を研究して……
 という日々の努力によって絵を描けるようになったわけですから、
 報酬を単純に時給で考えるのはどうかと、アイロンウェアーは思います。

 ネット声優さんたちは、声優を生業としているわけではないですから、
 そこまで大部分を声活動に捧げているわけでは無いかもしれません。
 しかし、そういう見えない部分に対しても報酬が支払われるべきなのは同じことです。
(勘違いしている人が多いですが、ネット声優さんたちは普通に就職してらっしゃる方多いようです)

 それに、作品が1時間でも、失敗すれば録り直し、後から聞きなおしては録り直し、聞きやすいように編集し……
 とやっていれば、作業時間は1時間では当然収まりません。


 まあ……この項は特に、アイロンの個人的感情が多く含まれていると思います。
 これらを踏まえた上で『時給○○円で十分だろう』とお考えなら、それを否定はしません。
 しかし、その考え方があるように、声優さんにも声優さんの考え方があります。
 それを否定して自分の意見を押し付けることは絶対にしないで下さい。


d、安く受けてくれる人も居るよ?

 中には、『新規サークルさんを応援したい』とか『作品に出してもらえるだけでも嬉しい』と、
 格安で受けてくださる方もいらっしゃるかも知れません。
 しかしそれはあくまでもその人の厚意です。
 その人に対して感謝するに留めて、他の人に押し付けないようにしましょう。
 相場は人によって違います。

 もしも、『作品の売り上げは全部声優さんに寄与します!』というサークルがあったとして、
 声優さんから『あなたもそうして下さい!』と言われたら……もちろんイヤですよね。






3、納期


a、一般的には?


 これも難しいですが、アイロンウェアーの作品規模で、だいたい1ヶ月程度を目安にしています。
 が、もちろん、声優さんの都合(依頼が集中している、私生活が忙しい等)でもっと必要なケースもあります。
 これも基本的には、声優さんと相談して決めましょう。

 わからなければ『○KBくらいの台本なんですけど、どれくらいで録れますか?』と聞きましょう。

 というか、同人サークルなら維持費はかからないわけで、急がなきゃいけない理由が特になければ、まったりが得策です。
 


b、どういう作業を想定すれば?

 とりあえずアイロンウェアーはいつも


アイロン『台本を完成させてから依頼。声質を決めるためのサンプル用の短い台詞を用意する』
       ↓
声優さん『サンプル用の台詞を収録』
       ↓
アイロン(必要があれば、イメージに合うまでリテイク)
       ↓
    『声質、演技、キャライメージなどが決定』
       ↓
アイロン『収録用の台本を送る』
       ↓
声優さん『本収録、ファイル提出』
       ↓
アイロン『提出ファイルをチェック、編集。必要ならリテイクを出す』
       ↓
声優さん『リテイクを収録』
       ↓
アイロン『ソフトで編集し、メインファイルとリテイクファイルを統合』
       ↓
アイロン『販売サイト様に登録(販売までは1〜2週間ほど。サイトによって違うのでチェックしてください)』


 という流れでやっています。

 理想的なことを言えば、
 たとえば、5/1に発売したいとしたら、4/15には作品を完成させておきたいです。
 この場合は、3/10までに台本を書き上げて、声優さんには4/10までにリテイク分含めた全ファイルの提出をお願いします。
 まとめると

3/10 台本完成 声優さんに依頼

4/10 声優さん、リテイクまで完了

4/15 編集し、作品を完成。販売サイト様に申請。

5/1  発売

 という流れですね。

 声優さんが関係してくるのは3/10〜4/10までの一ヶ月です。
 この一ヶ月で作品を完成させるわけですが……。
 もちろん、提出してもらったファイルのチェックにもそれなりに時間がかかります。
 効果音とか、モノによっては収録時間の2〜3倍の時間がかかる場合もあります。
 複数人の掛け合いだと更に……。

 ですから、自分がどれくらいエロボイス製作に時間を割けるか、そのあたりを考えつつ納期を考えてください。
 最初は発売日を決めたりせず、自分がどれくらいの時間でどの程度の規模の作品を仕上げられるのか確かめてみるのもいいかと。

 特に、掛け合いや、効果音を多用する場合には、想像以上の時間がかかります。



c、やってはいけないこと

 たまにある(らしい)パターンですが……

例1)
サークル『60分くらいの作品、1ヶ月でお願いします!』
声優さん『(その量ならいけるな……)わかりました、収録しますので台本送ってください』

 3週間後……

サークル『台本書けたので送ります。約束どおりあと1週間でお願いしますね!』
声優さん『(゚д゚)』



例2)
サークル『10kbほどの台本を一ヶ月でお願いします。これから手を入れるので、ちょっと増えるかもしれませんが』
声優さん『10kb前後なら大丈夫ですよ』

 送られてきた台本は30kb……。




 頭の痛くなる話です……。

 まあ、上であげた例は論外と言うか極端としても、
 似たような状況って起きてきちゃうと思うんですよね。
 思うようにファイルをチェックする時間が取れないとか……。
 PCや私生活がトラブってなかなか製作に着手できないとか……。
 書いてみたら筆が乗ってしまい、量が増えていくとか……。

 そうすると、声優さんの負担は増えます。
 ですがそれは、声優さんの責任ではありません。

 その場合には、納期を延ばすだとか、報酬を上げるだとか、
 なんらかの対応をすれば問題ないと思います。




d、でも言うべきことは言いましょう

 とはいえ、報酬が発生する『お仕事』であることは確かですから……。
 あまりにも提出が遅い! という場合には、確認のメールを送ったり、進捗状況を伝えてもらったりしましょう。
 納期が厳しくなったら早めにご連絡下さい、と最初に伝えておくのもいいかも。

 でも、相手はやはりネット声優さんであってプロの方ではないので……
 (と書くとネット声優さんには不快かもしれませんが)
 声優業より優先すべきプライベートがあることもちゃんと理解しておきましょう。
 プロでないからこそ、気軽に個人で依頼できる、というメリットも享受しているわけですから、
 ある程度のデメリットは飲み込みましょう。
 なにより、お互い気持ちよく仕事するためにも。

 でもあまり酷いようなら、ちゃんと文句は言った方がいいと思います……。
 (連絡なく遅れる、音信不通等)
 ある程度名前の知れてる人は、そういうことはないと思いますが。

 あと気をつけて欲しいのが、こっちは『リテイクまで含めて15日』と思っていても、声優さんが『とりあえず15日までに本編を収録』と思い違いをしているパターン。
 ……これは、しっかり確認しなかったお互いのミスということで。
 どうしても不安なら、『サンプルは○月○日まで』『本編収録は○月○日まで』『リテイクは○月○日まで』としっかり明記しておきましょう。




4、その他、心がけること


a)ネット声優さんは一人の人間です。


 人間ですから、お仕事とはいえ嫌な気分になることもあります。
 嫌な気分になれば、いい演技をしよう! とは思えません。
 お互いに嫌な気分になるばかりで、誰も得しません。

 具体的に『嫌な気分になる行動』をあげると、

・納期、報酬で無理を言う
・納期、報酬が思うとおりにならないと文句を言う
・セクハラ的発言をする
・プライベートに干渉する
・必要も無いのに、打ち合わせと称したチャットにしつこく誘う
・リアルで会おうとする

 ……『そんなバカな』と呆れられそうですが、結構いらっしゃるんだそうです、こういう人。
 もちろん、こうしてここを読んで参考にしよう! って人はこんなことしないとは思いますが、
 こういうのが一番、精神的にキツいということで、繰り返し述べさせていただきました。
 『そんなのありえないだろ!』って人にはうっとうしく感じたかと思います。すみません。



b)ネット声優さんはプロではありません。

 ネット声優さんには、本業を持ちながら、
 そのかたわらネット声優をしている方が多いです。

 だから、声優さんの私生活の状況によっては、依頼に支障がでることもあります。

 でも、プロではないからこそ、手軽に、個人として依頼をすることができます。
 これがプロだったら、事務所を通したり、スタジオ用意したり、
 気軽に作品を作ることは出来ません。

 そうしたメリットとデメリットを天秤にかけた上で、お仕事をお願いしましょう。

 もちろん、連絡無しに遅れてくる場合には、キチっと確認すべきですが。


 最近は『自分の求める演技を100パーセント実践して欲しい』『音質や演技をもっと完璧にしろ』
 と、レベルの高い要求が増えているそうです。
 が、ネット声優さんはあくまでも、演技の上手い、機材もある程度そろえた、普通の人です。
 ネット声優以上のレベルを求めるのであれば、スタジオを用意してプロの人に頼みましょう……。



c)ネット声優さんは実在する女性です。

 エロゲのキャラを演じていても、エロゲのキャラ的な存在ではありません。
 顔も知らない相手にセクハラされれば嫌な気分になります。
 リアルで会おうとか言われて不快で無いわけがありません。
 エロゲ出てるくらいだから下ネタ耐性くらいあるだろうとか、そういう問題でもありません。
 アイロンウェアーだって、TPOわきまえず下ネタ振られたら嫌な気しますよ。




最後に

 サークルによるサークルのための文章なので、ずいぶんと声優さん寄りな印象になってしまいましたが、
 声優さんたちだって、きちんと対応すれば、こっちの事情をちゃんと考えてくれます。
 少なくとも、アイロンウェアーが接してきたほとんどの声優さんたちはそうでした。

 なんだかんだ言ったって、しょせんは同人ですから、
 楽しくやれたらいいなー、というのがアイロンウェアーの考え方です。
 で、楽しくやるには、ちゃんとお互いにお互いを気遣うのが大事だと思うんですよね。


 まあ、上に書いてきたことを軽〜く頭に入れておいていただければ、
 少なくとも声優さんに嫌われずにお仕事してもらえるぜ☆ ってことです。

 こんなエロスが欲しい! みんなにこれどうよ!? って突きつけたい!
 でも声優さんに依頼するとか怖い! 恥ずかしい!

 そんな人のために、少しでも助けになれたなら嬉しいです。
 ついでに、声優さんが困ったメールに悩まされることが少しでも減れば万々歳。


 最後に、アイロンが普段お世話になっている絵師さん、声優さんへ。
 納期云々のところで偉そうなこと書いてすみませんでしたごめんなさい。
 もっときりきりメール返せるように頑張ります
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……。

 それと、もし『こういう時はどうすればいいの?』という疑問や、
 『こういうケースについても書いて欲しい』というのがあれば、
 サークルさん、声優さん共にご意見いただければ幸いです。

 ご意見は、左のメールフォームか、
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