人々の娯楽でできた夢の国”バガテル・ワールド”────
 この国に突如、世界制服をたくらむ悪の秘密結社”FEVER'S & Co."一味が攻め込んできた。

 一味は、この国にある各地の「庶民の娯楽」を巧みに操り、そこで生活する人たちを苦しめていった。「大量利益獲得」「さらに遊びやすく」「娯楽の新たな時代の幕開け」をうたい文句に…
 住民は翻弄され、そのなすがままに操られた娯楽で多くの財産を失っていき、そして破産すると、自殺したり、犯罪に走っていく人たちが出てくるようになり、治安は悪化の一途をたどっていった。
 しかし、管轄する警察組織は、一向にその自体を収拾できず、半ば放置状態だった。というのも、警察組織は、既に、この一味により乗っ取られ、圧力がかかっていたためである。

 一味がなぜ、征服のために、庶民の娯楽を操るのか、それは、誰も知らない…。

 とある地方に住む兄弟、ヘンリーとニコラス。彼らの両親もまた、そんな操られた娯楽にだまされてしまい、多くの借金を抱え込んでしまったのである。
 ほかの外的要因と重なり、返済しようにも、もはや両親の共働きでも太刀打ちができない状態に陥っていたのだ。

 「もう、一家で心中したい…」
 そんな声が、両親の口から何度も出てくる毎日だった。

 兄弟は、この体で一味を撃退することを決心した。

 「翼」…それは、かつてこの国の娯楽における、「良心」の象徴であった。そしてその「翼」が、国の発展に大きく貢献したのだ。
 兄弟は、学校の学芸会で使っていた「翼」を身にまとい、ドクター・M打倒と一味の撃退のため、旅立っていったのである…。