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次に眞魔国にユーリが呼ばれた時は、村田と一緒に血盟城に近い池にたどり着き、迎えに来ていたコンラッドに抱えられる形で城へ付い
た。
いつもならその様子に「へなちょこ!」「尻軽!」だの言うヴォルフラムは黙って、着替えと身体を拭くように布を頭からかけた。
「ユーリ、早く着替えないと風邪を引くぞ」
いつもと違う様子のヴォルフラムに戸惑いながら、溜まっていた書類や野球の国技化に向けてルールブックを作ったりするうちにあっと
いう間に日にちが過ぎていく。
隣国との会合を終え、部屋に戻るとヴォルフラムが花瓶の花を取り替えていた。
「その、花。ヴォルフラムが飾ってくれてたんだ」
いつもは花があることにも気が付かなかったユーリだが、小さな蒼い花に目を留めた。
「ユーリが好きな色だろう? この間見せてやろうとしたら帰ってしまったからな」
窓辺で嬉しそうにヴォルフラムが微笑む。
「ああ、そっかごめん、この間噴水んとこで確か…」
「別に怒ってなどいないぞ。前は…、ユーリが突然帰ってしまうと悔しくて寂しくてたまらなかった。今はその間ですら楽しいと思える。
次にユーリに会ったら何を話そうとか、あれをしようとか考えて待つのが楽しい。おかしいかな」
ヴォルフラムが寂しげな微笑で首を傾けると、陽の光に透けて蜂蜜色の髪が額にかかる。その姿に思わず息を飲んだユーリは視線をそむ
けた。
「そんなこと、ないよ。おれも眞魔国に来るの楽しみだし」
「……、そうか」
期待していた言葉ではなかったことに、一瞬間をおいて、ヴォルフラムは言葉少なく返事をした。
「ヴォルフラムは…、なんでおれのこと好きなの?」
不意に、こんなに容姿にも恵まれて、地位も申し分のないヴォルフラムがなぜ自分のことなんか好きになるのだろうと疑問がよぎる。
「…なんでって。理由など、ぼくにも分からない…」
「だって、おれなんか万年補欠だしカッコよくもないし。年齢イコールモテナイ歴だし。やっぱりあれかな、おれが魔王だから?」
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