ここでは魔天狼が見た映画について、好き勝手に感想を述べたり文句を言ったりします。
 鑑賞時期は劇場に見に行った他、ビデオレンタル、セルDVD、TV放映(深夜とか、あるいはそれの取り置きとか)と様々ですんで、鑑賞の参考になったりならなかったりします。まあ、参考程度に。
 つか、魔天狼の感想なんて、参考にしてるんじゃない!

●文章には多分にネタバレが含まれます。
●上から、あいうえお順になっています。
●赤帯が最新レポートです。

 
アローン・イン・ザ・ダーク
TV鑑賞  ウンコ映画でした。
 あ、ファンの人が居たらごめんなさいね。でも私にとっては見るべき所はなかったです。多分原作ファンも激怒してると思う。いくらC級映画とはいえ、あんな肉とマンコの臭いがする女優を科学者に配役しちゃいかん。
アンドリューNDR114 / A.I.
TV鑑賞  いや、こういうタイトルの映画があるワケじゃないのよ。両方見たんで、内容を比べてみようかと・・・
 てなわけで、イントロは「誰もが安心して見られるファミリームービー」なのに、最後には「生きる意味を問う哲学性」まで持ち出す「アンドリュー」はよかったです。
 まあ、よかったの60%はロビン・ウィリアムスによるものだけど(笑)
 初めからアンドロイドを人間扱いする、ハートフルな展開はちとやりすぎな気もしたけど、だからこそ最後に、自分も、自分を想ってくれた人間みたいになろうとして悩むんだよね。いいよなあ、ロビン・ウィリアムス。あの、泣き笑いの顔とか、たまらんね、あの俳優さんは。「ジャック」も「グッドモーニング・ベトナム」も良かったし。
 それに比べて「A.I.」は、サイバーピノキオ・原作版キカイダー風味。ひねて作ってますな。制作にかかりかけて惜しくも亡くなったというキューブリックなら、おそらくもっとシャープな映画に撮っただろう作品を、スピルバーグは泥臭いダークファンタジーにしたのねー。主人公のガキの辛気くさい顔(失礼)もアレだし、救いようのないEDは長すぎだし、なにより中盤、「ロボットなんてキライ連盟」の方々の公開リンチのシーン。出てくるのはガラクタ、ジャンク、両刀使いのジゴロ…って、だいたい、あんなロボット、お茶の間に置きたくないだろ。触手の両端にジジイの顔が付いて喋りまくるイスの偉大なる種族みたいな奴!
 そんなわけで、この対決は「アンドリュー」の勝ち。大勝ち。
 でも初期のアンドリューが、「宇宙船レッドドワーフ号」のクライテンそっくりでどうしても笑ってしまうので、満点はあげられない(笑)
ウィズ
TV鑑賞  カナリ以前に深夜に見てハマってしまったバカ映画。遂にDVDで購入しました。
 いや〜、ホントに楽しい!これこそミュージカル映画ってもんじゃないの?全然途中で眠くならないもの(偏見)。オズの魔法使いを全員黒人でやった、ってだけでもおバカなのに、出てくる登場人物やアイテム、ステージが全ておおげさ。地下道で襲ってくるゴミ箱や柱のバカさ加減はどうだ。最高ですw
 ちなみに主題歌の「Ease on down the Road」は、どう聴いても「欽ちゃんの仮装大賞」の元ネタ。日テレはオリジナルソングだと言ってますが、初回放送は映画の翌年、しかも紅白歌合戦の裏番組として企画されたお祭り番組であるだけに疑わしい限りです(´ー`)ノ
CASSHERN
劇場  面白かった! 95点あげる。日本はやっと、ゴジラに次ぐ反戦パフォーマンスを産み出したね。太平洋戦争は酷いことをしました、ごめんなさい、そして悲しいから泣いてください、って映画しか作れなかった日本戦争映画史に一石を投じたと思う。早く海外版を作ってアメリカ人に見せろ。
 樋口”ガメラ”真嗣がコンテを切ったバトルシーン(ライドルのごとく変幻自在な腰のジェットガンのアイデアが秀逸)だけでも泣けるのだが、そこは内容の1/3でしかない。すべてが繋がるラストのどんでん返しのお陰で、全滅シナリオ+メッセージトークという普通ならサイテーな組み合わせが嫌みなくなっており、むしろしんみりさせます。新造人間ブライ誕生〜アンドロ軍団設立、最後の大バトル〜親子の愛憎劇も含め、4回ほど泣きかけました。世界観が終始ちゃんと統一されてるのもいい。
 残念ながら満点あげられないのは、「バトルシーンでツメロボの腕を捻り潰す&バックブリーカーで真っ二つ、が無かった(それ以外は原作そっくり&それ以上w)」「主役含め殺陣の出来ない役者ばっかりなために人間同士のバトルを細かいカット割りでごまかしてた」それに「ヤルッツェブラッキン!て誰も言わなかった」のがマイナスだったから。そこ以外は原作を上手く消化した感じ。だから原作ファンからは叩かれてるみたいだけど。でも、これこそリ・イマジネーションてやつじゃないの?ティム・バートン。
 しかし映画終わって一緒に出てきた大学生らしき男。「テーマがよう、わからんかった」って。あんなわかりやすい映画、オマエの頭の中の方がわからんわ。
CUBE
TV鑑賞  一風変わった、カナディアン・サスペンス。絶望的な殺戮空間に閉じこめられた人々の狂気と人間性のせめぎ合いがすばらしい。ラストシーンはできすぎな気もするが、あのあとが天国なのか地獄なのかは不明なので必ずしもホッとしないかも。最後まで人間の善意をあきらめない主人公達の最後の戦いが見事。
 名作です。一度見てくださいなw
CUBE2
TV鑑賞  正式な続編のはずなのになんだこれー、な2。大体「今度は4次元だ」って何だ。
 前作では、セットの使い回しながらも部屋毎に色が違ったり座標プレートを次々と見せたり、なにより移動シーンを多く見せることで「無限に続きそうな迷宮」を表現していたのだけど、今回はすべてが白い部屋。あんまり移動シーンもないので「主人公達あんまり努力してねえな〜」と思っちゃう。
 また各部屋のトラップもCG使いまくりで、見た目綺麗だけど実感も痛さも伝わってこない。「すべてを切り刻む立方体の波紋」「トコロテンみたいに壁から生えてきて人間を押しつぶすクリスタル柱」なんて、わけわかる?
 主人公達の組み合わせや展開がまんま1の焼き直しで目新しさが無く、最後に巨悪(?)が出てくるのもありきたり。なにより、1であえて避けたと思われる「露骨なバイオレンス」と「セックス」を盛り込んじゃったのはどうよ。問題作。
CUBE/IQ
レンタル  偽映画。原題は全然違う。日本でつけただけー。確かにキューブ状のアイテムは出てくるが。
 ネチネチした復讐劇と、それにも懲りずに悪態を付くいじめっ子らの反応が、ダウナーな気分にさせてくれますが、なによりヒドイのはエンディング。父親まで死んで、いじめっ子もみんな死んで、その上、一生秘密にしあおうと結婚したヒロインが、実は主人公の財産を狙ってて「初めから思い通りよ」って(;´д`)
 「じつは全員敵でした」ってのはダメ映画の条件よね。その代表みたいな映画でした。
キルビル vol.1
劇場  すばらしいバカ映画。最高。でも展開が少しもっさりしてるかな。アニメパート「オーレン・イシイの生い立ち」あたりから俄然盛り上がってくるけど・・・でもでも、オーレン・イシイにかなり肩入れしたお話しや、ビルの最後の一言は前後編でこそ活きる展開だけに、評価はむずかしい・・・むむ。vol.2がGWってのも先すぎるよね。
 腰を振りながら、またがったヤクザの大親分のドテッ腹をかっさばく11歳のオーレン・イシイ。ゴーゴー夕張の無様な死に様(すばらしいぜ、栗山千明)。出血が止まらず、いつまでものたうち回ってるソフィー弁護士。どのアイテムもスバラシイ。ヤクザチャンバラとクンフーアクションも、上手いこと混ざってると思うし。 ただ、最後のバトルでオーレン・イシイは、どうせならもっとバッサリ斬られて欲しかったね、眉の上あたりで。着物が紅白に塗り分けられるくらい出血してもらって。
 ところで、今回もカメオ出演のタラ監督。クレイジー88とのバトルシーンで、ブライドが2階に移る寸前のシーン、腕を切られたベビーフェイスがこちらに倒れ込んでくる足下で、仰向けにこっちむいて、ベロ出したバカ顔で死んでた額の広い男、あれがそうだったんかなあ・・・
サイン
TV鑑賞  なんでイマドキ、こんなテーマで映画撮るのかと首を捻らさせられる映画。なんでメル・ギブソンがこんな映画の主役はってるのかも謎。あまりに首を捻りすぎてリーガン(エクソシスト)になりそう。
 お話はスタンダードな(ほんとにスタンダードな)エイリアン侵略もの。(田舎に)エイリアンが現れて、息子が襲われて、そいつをしのいだら家族の愛も深まった、みたいな。70〜80年テイスト? CGで描かれるエイリアンはいかにもなグレイタイプで、昔は学生リーグでパワーヒッターだったという主人公の弟に殴り殺されます。なんじゃそら。冒頭で現れるミステリーサークルも作りが甘く、こんなのこそCGで綺麗に映せばいいのに。
 お話中盤、エイリアンの実録盗撮ビデオ、みたいなのが出てくるんだけど、裏通りを走り抜けるときに一瞬、カメラに気づくという動き。地球の割れ目 ギャオ!」みたいで笑えた。
殺人の追憶
TV鑑賞  なかなか見せてくれる犯罪映画。実際に起きた未解決事件を元にしただけあって事件は解決しないものの、映画としては一応完結する。
 映画の雰囲気は「八仙飯店の人肉饅頭」みたく泥臭くてもっさりした感じで(ちょっとキラーコンドームにも似てるかな)、前半で寝ちゃう人も多いかも。しかし、刑事映画おきまりの「反目する刑事の交流」や犯人が誰かと観る人の予想を「揺さぶる」演出なんかもちゃんとあって、なかなか堅実な作り。事件のエスカレートにイライラが募り、初めのクールなイメージから一転、どんどんエキサイトしていく都会の刑事がなかなか恐ろしい。そして、最後のどんでんがえしで「やられた!」と思わされる。(どんでんがえしの内容そのものはたいしたことじゃないんだけどね)
 話の中盤、女性が襲われるシーンで犯人が初めて出てくるんだけど−−−夜の雨の中、田んぼのあぜ道を一人歩く女性。なにか変な雰囲気を感じて懐中電灯で辺りを照らす。その光が通り過ぎた稲の茂みからぬうっと犯人の影がぼんやり現れる。犯人には全くピントが合わされず、遠景の背景でかすかに蠢く影だけがかすかに見える。このカットの気持ち悪さは最高! ここだけでも見る価値はある。
渋谷怪談 / 渋谷怪談2
TV鑑賞  深夜にどーしても見るモノがなくて、これを地上波でやっていても、恐らく損した気分にさせてくれるだろう映画。2の方はヒロインがかわいいので、まあ、見流す分にはいいかな。程度。
 「チェーンメールで回ってきた都市伝説を原文ママで映像化しました」的なお話は穴だらけ。家族の影が全く見えない若者達のダラダラした演技としゃべりが1時間半続く。内容的にはその時間なら4本オムニバスで済む程度のお話。しかも1は「リング」と「仄暗い水の底から」のパクリ。2になって霊がパワーアップし、歯ぎしりを響かせながら無人の車やベッドの下に被害者を引きずり込む姿は、今度はまんま「呪怨」。最後に「死ねば良かったのに…」って都市伝説おきまりの台詞で締めくくるあたりもチープ。ひでえ。
 演出面でも、ファミレスや病院でスパスパ煙草を吸うのを初め、精神科医が司法解剖をしたり、ぶつぶついいながら衰弱してゆく患者を診て「こんな症状は初めてだ」と言ってみたり、とても2004年の映画とは思えぬシーン満載。やってることはAV以下。何にも調べないで、というかそれ以前にどういう頭の人が作ったのか。
 2で1カットだけ、問題の精神科医がトラックにはねられる時のCGの使い方が、良いというほどじゃないが堅実だった。こういう気の配りが、全編に有れば、もっと見られたのに。
ゼブラーマン
劇場  単純に面白かった! ヒーローが出てきて、必殺パンチがあって、敵が宇宙人で最後に巨大化して、とさすがに万人向けではないけれど、哀川翔らしく家族がテーマだったりして感動もできるし。ま、父子限定でしょうけど。
 ヒーローものとしても充実してて、魔天狼は3カ所、泣きそうになりました。「燃え」で。ライダーやウルトラマンなど既存のヒーローのパロディに逃げず、あえて新しいヒーロー像にまじめに取り組んだところがスゴイ。さすがクドカン。グループ魂。仮面ライダーギリト。
 冒頭、ちょっとタルいかなーと思ったけど、グダグダの主人公があこがれのヒーローに近づいていくごとにお話も緊張感が高まってくるのは、おもしろい演出。手製のコスプレスーツがボロクソになるまで戦って、でも敵にはかなわなくて(マジで宇宙人だから当たり前なんだけど)、それでもあきらめずに、吹き飛ばされたマスクに手を伸ばし、掴んだそのとき・・・激しい光と共に本物のヒーロー(特撮番組で使うような素材のヒーロースーツ)になる瞬間は感涙必須! ほかにも、理解者が主人公のことを、正体がわかっててもちゃんと「ゼブラーマン」と呼ぶなど、燃える演出がそこかしこに。
 細かな設定や造形がすべて生きてくる演出も良くできていて、みていてわくわくする映画です。
パイレーツ・オブ・カリビアン
TV鑑賞  ナカナカおもろかったです。魔天狼のジョニー・デップ好きの欲目を差し引いてもね。ただ、もっと盛り上がっても良いのになあ、て感じも・・・。最後の脱出劇での、主人公達の息の合い方なんて燃えるんだけどね。ビジュアルショックがそれほど無かったからかも。水中を歩くゾンビ、ってのも他作品でしちゃってるし。まー、家族向け作品だから、あの程度かな。
 なんだかジョニー・デップ度が低いなあ、と感じたのも評価の高さに影響してるかも。こうしたエンタテイメント映画が初めてだというデップの演技が、どうにもゲイリー・オールドマンの真似に見えちゃってね。「デッドマン」なんかの「寡黙な青年」のイメージでみたせいかな。
 ただし後半の、主人公たちを助けようとやってきたヒロインの兵隊制服(エレナ様みたいに、上が燕尾服で下は白パンツ)には、カナリ燃えましたw パツキンヒロイン好きにお勧めのシーンです。
ブラッドレイン
TV鑑賞  原作のファンなので見てみたんだけど、酷かったです。クリスタナ・ローケン、期待はずれもいいとこ。T3もこんな大根演技だった?彼女だけじゃないけど、一挙手一投足の毎に一息つくようなもっさい殺陣。原作のスピーディーさ皆無。それに彼女はセクシーを通り越してセクシーダイナマイトでしょう。顔つきもいかにも肉食人種だし、あんな大女に飛びつかれて血を吸われたら、恍惚じゃなくて怖いだけだよ。
 だいたい、第二次世界大戦直前のヨーロッパという近代に吸血鬼を持ってきて、さらにナチスの黒魔術部隊と闘わせる、という設定が面白かったのに、ドイツとの合作だから遠慮したのかヴァンヘルシングの二番煎じみたいな中世ファンタジーにするとはナニゴトカ!お陰でナチスのゾンビ部隊やムチムチ白衣のキチガイ女医はもちろん登場せず、それどころか前半に苦戦したムシムシくん、実は○○だった師匠、ラスボスの悪魔まで登場しない。アクション面でも時代設定の変更と共に二丁拳銃がカットされてるし、戦略のミソだったハプーン、オーラセンス、ブラッドレイジまで全てカット。て、ゲームの要素全部カットじゃん!!これ何の映画化?
 そんなわけで見たあと、腹を収めるために、ひさびさにゲームを立ち上げました。あー、吸血後のため息(吹き替えは朴王路美さん)がたまらん。勃ってきた。
フレディvsジェイソン
劇場  初めの半時間は「13金」仕立てでタルイ。そこ以外は全体的に「エルム街」テイスト。今回のフレディはインテリジェンスとK−1選手並の格闘センスが融合した歴代最強キャラ。特に力を取り戻したフレディが、ジェイソンに念動力をふるうシーン、指さしで行き先を指すなど「なんでこんな古典的な演出なんだろう」と思ってると、どんどんノッてきてしまいには指じゃなくシェイクヒップで指示し始めるあたり、シリーズ中盤を思い出させて名場面。
 ただただ怪力+不死身な大男のジェイソンにキャラ的な魅力はないが、夢の中で彼の過去に触れたヒロインが感情移入して応援するも、EDで、共倒れで沈んだクリスタルレイクから相変わらずのキルマシーン姿で復活してくる姿はステキ。でも右手に握られたフレディの生首が「グッド・パートナー得たり」と言わんばかりにスクリーンに向かってウインクするのはもっとステキ。XBOX風に言うとSUDEKI。
 VSものでちゃんとバトルするところが嬉しい。
ボウリング・フォー・コロンバイン / 華氏911
劇場  マイケルムーアの社会派2作。面白かった、という言い方が適当かどうかは難しいが、面白かった。
 特にお勧めなのは「ボウリング・フォー・コロンバイン」の方かな。コロラド州コロンバイン高校のトレンチコート・マフィア事件を起点に、アメリカ銃社会の狂気性を連鎖的にひもといてゆく展開は、映画的にも盛り上がる。また監督本人があちこちに足を運ぶシーンも多い。「華氏911」の方はターゲットをブッシュに絞り、掘り下げ度を上げたせいで逆に映画的な起伏に欠けた感がある。それでも充分ショッキングな映画なんだけどね。
 事件後も犯人の異常さのみが注目され、銃社会そのものの問題からは目が背けられてることに脅威しつつも、あらゆる市民の不安をあおり続けるメディアのあり方に今の日本が見える。全く、いいところを真似しないなあ。あと、これを見ると、チャールトン・ヘストンにことを嫌いになるかも知れません(笑)
 ところで、私くらいの年代のオタクだと、この映画と別冊宝島「もっと知りたいホラーの楽しみ!」を見れば、トレンチコート・マフィア事件後のマリリン・マンソン&ゴス叩きと宮崎事件直後の成人向け書籍叩きがダブって見えると思う。そういう点でも面白い。
リベリオン
TV鑑賞  最近やたらと話題になっていたので見ました・・・が。燃え派にゃ悪いが、魔天狼的には「深夜映画でたまたま見る分には当たりかな」程度で・・・(;´д`)
 あんまし動かないで圧倒的に強い、って発想は日本のアニメや漫画やゲームじゃ使い古されたネタだし(だいたいシリーズの2部か3部のボスがそんな感じよね)、外国人がやればそりゃあスマートに見えるでしょうよ。でも、動きそのものは香港映画や日本アニメ・ゲーム以上のモノではないです。避けるというよりは単に主人公に当たらないだけで(特にイントロ)、そのソウルはむしろ70〜80年代のアウトロー・ガンアクション映画(CイーストウッドとかブロンソンとかJコバーンとか)への回帰に見える。最後のガンカタ使い同士のバトルも確かに燃えるが、香港映画なら3対1とか、ふたりの周りを取り巻き加勢しようとする手下がどんどん死んでいく、なんて演出にしただろうなあ、と思うと惜しい。ストーリーもどこかで見たようなものだし(「カフカ」やルーカスの「THX-1138」て、こんな話じゃなかった?)。あんまし背景や小道具に対して配慮がなく世界観に統一性が感じられないのは、魔天狼がCASSHERNを見た後だから、というだけではあるまい。
 ただ、主人公に弾が当たらないコトに対して「ガンカタ」という理屈をつけ、それを全面に押し出して強引に押し切った点は評価できます。
 ・・・しかし・・・レジスタンスに簡単に倒される軍警察って、弱すぎ。ガンカタは一部のエージェントだけしか教えて貰えないのか・・・
ルパン三世 念力珍作戦
DVD  買っちまいました(笑) いやー、でも面白かった。古き良きナンセンスコメディだわ、順当な。さすがクレージーキャッツの映画を撮ってた監督だけあるね。目黒祐樹のルパン、田中邦衛の次元を始め、すべてのキャスティングは一見、カナリとんでもないものに見えるが、実はけっこう雰囲気が出てたりして。ギャグやアクションのノリも、それっぽい。原作ルパン、特に初期のナンセンスギャグの頃が好きな人なら、絶対「そのままじゃん!」て思うはず。キルビルを「日本の歪曲だ」って思った人、コレを見なさい。コッチの方がヒドイから(笑)
 客は選ぶが問答無用で楽しい映画でした。昔の邦画の元気さも伝わってきますね。
笑の大学
TV鑑賞  思ったよりも舞台の雰囲気が再現されてたと思います。でもやっぱり西村雅彦と近藤芳正の舞台の方が上だと思いました。
 最後の、最終稿に突っ込みを入れるシーン。私はやはり舞台の方の、真面目な顔で怒る演出の方が好きかな。役所広司、笑いすぎ。





モドル