兄×妹でかなり激しい描写あり。ご注意下さい。あ、ラブラブなお話です。

セントラルの石畳にうっすらと雪が積もる日が数日続いたある日、エドワードはひどい風邪を引いて床に伏せていた。
今年の冬は新種の風邪が流行の兆しを見せており、市内の病院も早速患者で賑わっている。国軍の中央司令部においてもそれは例外ではなかった。
「……くっそ、あいつらもうちっと身体鍛えやがれ!」
エドワードはマスタングから依頼された資料探しの為、数日間軍部の資料室と上官のセクションと食事を取る為に食堂を行き来した結果、何処の誰のものとも知れない病原菌を感染され寝込む羽目となったのだった。
「それは兄さんも同じでしょ。さあ、これ食べたら薬も飲んでね!」
牛乳で煮たオートミールの入った皿をエドワードの前に突き出して、アルは普段は丸く愛嬌に溢れたはちみつ色の瞳でその兄を見据えて言った。
「だってよお……とりあえず、その皿の中の奴は拒否」
「食べるの!これを食べないのなら、もう今日は何も作らないからね!」
兄が牛乳を大の苦手と知っている元弟の現妹は、なにかにつけその苦手を摂取させようと今や自らの得意分野と言っていい料理を駆使していたのだが、なかなか彼女の思う通りにとは行かず、今般のような兄の拒絶に遭う事も多かった。
しかし、この程度の事で引き下がる彼女でもない。
「お医者さんも消化のいいものを食べて薬を飲んで寝てればすぐに治るって言ってたじゃない。せっかく新年のお祝いにっておっきいお肉買ってあるんだよ?風邪を新年に持ち越しして、いつまでも食べられないでいるつもり?」
エドワードの気を引くような言葉でさかんに煽ると、ようやくエドワードは目の前の皿を手に取って、匙で皿の中の粥状になったものを掬い始めた。
「うえー、牛臭え!しかもちょっとゲ●っぽいじゃんか……誰だよ、こんな最悪の食い物を発明した奴ぁ?」
「五月蝿いなあ。はちみつで甘くしてあるから食べられるでしょ!さっさと食べて寝る!さあ!」
文句を言いつつ、渋々オートミール粥を口に運び始めたエドワードは、ざっ、ざっと皿の中身を口の中に流し込むと、つんとして形のいい自分の鼻を左手でつまんで口中のものを飲み込む。その様子を見届けたアルはようやく笑顔を見せて言った。
「じゃあ、もう少ししたらこの薬を飲んで眠る事。ボクは階下(した)で片付けしてるからね」
ベッド脇のサイドテーブルの上に粉薬とコップに注がれた水を残し、アルはエドワードの寝室から出て行った。
妹のすらりとした後ろ姿を見送ったエドワードは早速薬包を手にすると包みを開け、白い粉薬を口の中に流し込む。舌先に伝わるひどい苦みに顔を歪ませながら大急ぎでコップの水を口に含み、オートミールを飲み込んだ時と同じようにそれを胃に流し込んだのだった。
昨晩は身体の節々が痛み40度近い熱が出ていたが、ずっと身体を休めていた事とアルの押し付けにも近い看病が功を奏したのか、今のエドワードは発熱も38度程度にまで収まり復調の兆しを見せつつあった。
エドワードにしてみれば、幾ら病気だからといってこうして休んでいる事は性に合わなかったし、アルにあれこれ難癖を付けられて先ほどの料理のようなものを食べさせられる事も耐えられなかったのでさっさと風邪を治してしまいたかった。
だが風邪を治したい一番の理由はもう数時間後に迫った新年を、愛する元弟で現妹と一緒に過ごせない事がどうにも我慢がならなかったからだった。
エドワードは風邪がひどくなる、風邪がうつると必要最小限以外はずっと自室に軟禁状態だった。食事と着替えの時は流石にアルも部屋にやって来てエドワードの面倒を見ていたのだが、それ以外はエドワードがどんな理由を付けて何を言おうとも付き添いすらしてくれなかったのだ。
だから苦手な牛乳を使った料理を食べさせられる事以外はまるで従順な子供のように妹の言いつけを守っている。
エドワードはコップの水をすっかり飲み干すと、引き締ってしなやかな身体を猫のように丸めて上掛けに包まった。

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「……兄さん、起きてる?身体拭いてあげようか?」
うとうととまどろんだ頭でその声を聞いたのは、薬を飲んで眠り込んでから数時間が経った頃だった。
「んあ……あ、ああ。頼む」
エドワードが軽く頭痛のする頭でそう返事をすると、真鍮の洗面器に湯を張った中にタオルを浸したアルがドアを開けて姿を現し、ベッドサイドまで歩み寄って来た。
「なあ、今何時だ?」
「11時を回ったところだよ」
時間を尋ねたエドワードの額に左の手のひらを、右の手のひらは自分の額に当てて熱を測りながらアルが答える。
「うん、もう熱も大体下がったみたい。シャツ脱いで」
エドワードの復調振りに満足したアルは笑顔を見せながらそう言うと、今度は洗面器の中からタオルをつまみ上げて絞った。湯気を立てているタオルをエドワードにまず一本渡し、更にもう一本を絞ってそれは自分で持ち、汗でしっとりと湿っていたエドワードの背中を拭き始める。
「腕ぐらいは自分で拭いて……」
アルが暖まったタオルでエドワードの背を拭くと、ぽうっと白い肌が赤く染まる。機械鎧が取り付けられている右肩の接続部は刺激を与えぬよう、優しくなぜるようにしてやると、エドワードがひくりと背を縮こませた。
「あ、ごめん……痛かった?」
「違う。こそばゆい……もっと乱暴でも構わないぞ」
「そう?じゃあ遠慮なしで」
そう言いながらも、相変わらずアルは柔らかな指先で丁寧にエドワードの肌を撫でるように清めていった。
子供の頃はごく普通の少年だったアルだが、ひどく繊細な指先を持つようになったのはその魂を鋼鉄の鎧に留められてからだった。
触感を持たない彼は、鎧の姿となった当初、力加減が分からずに自らが触れたものを破壊してしまう事をひどく恐れていた。
だが持ち前の器用さと手足を失った兄の世話をしたいと強く思う心で、幼なじみやその祖母に励まされた事も手伝って、指先に込める力加減をいかようにも変える事が出来るようになるまでにそう時間は掛からなかった。
再び他者の器に魂を定着された現在もその器用さと繊細さは活かされており、エドワードは事ある毎にそれを感謝せずにはいられなかったのだった。
背中と腕、そして胸や腹を拭き終わって互いに顔を見合わせた二人は、やがてどちらともなく顔を赤くしてどこか言いにくそうに口を開いた。
「えっと……下、どうする?」
「せ、せっかくだから、拭いてもらおうかな……」
エドワードに下半身の清拭を頼まれたアルは部屋の片隅に置かれたチェストから替えのシャツを取り出しエドワードに着せると、代わりに身につけていたトランクスを脱ぐように指示し、ベッドの上でもぞもぞと下穿きを脱ぐエドワードを見ないようにしながらタオルを湯で濯ぎ、再び硬く絞った。
「うつぶせになってよ」
すっかり露になったエドワードの下半身から目を反らしながらそう言ったアルの表情はまるで恥じらう少女のようだ。実際、彼女は兄妹の亡き母に生き写しの見目をしており、一見して破廉恥な行為などとは無縁な印象を誰もが受ける。しかし血を分けた者同士でありながらも身も心も深く結ばれていたエドワードとアルが今更互いの裸体を見て恥じらう理由などなかったのだ。
無防備な下半身を晒しながらうつぶせの態勢を取ったエドワードは、枕に顔を埋めながら、横目でアルの表情を盗み見る。
腰の当たりに手を遣ってタオルを動かすアルは先刻の恥じらう表情などすっかり忘れたように真剣な表情でエドワードの肌を拭いていたが、尻や太腿の裏を拭き終わってエドワードが体勢を変えるととたんにその表情に戸惑いが戻った。
「……ねえ、前は自分で拭かない?」
やや充血して膨らんだペニスはまだ強く引き締った腹筋の上に横たわったままだったが、そんな中途半端な状態がアルにとってはどうにも気を引くようだった。
「子供じゃないんだからさあ……自分で出来るでしょう?」
もう一本の暖まったタオルをエドワードの手に握らせて、アルがそう愚痴るように言う。しかしエドワードからしてみれば自分で股間を拭くのはどうにも間抜けに思えたし、それにひどく恥じらった表情のアルにそれをさせる事が出来たら楽しいのに、とも思うようになっていたので、どうにかして下腹部とその周辺をアルに拭かせようと算段を始めたのだった。
「俺は病人なんだぜ?兄さん思いのアルなら拭くだろう、普通は?」
「そういう時だけ病人面するなんて……ずるい」
「ずるいもなにも……俺のなんてさんざん見飽きてどうとも思わねえだろ?」
「……でも……」
エドワードの思惑を知って知らずか、アルは頑にエドワードの下半身へと手を伸ばそうとはしない。だが、そのうちにエドワードが寒がり始めたので仕方なくタオルを外気に晒された下半身へと差し出した。
冷えかけた濡れタオルだったが、それでも汗にまみれた肌を拭うとすうっと清々しく感じてエドワードは気の抜けた笑い声を上げた。
「ひゃあ!なんつーか、すーっとするぜ!」
うひゃひゃと声を上げながら下半身をよじる兄に、アルは眉を寄せながら剥き出しの太腿をぺちりと叩いて声を荒げた。
「大人しくしてよ!ちゃんと拭けない!」
臍の辺りをまず拭いた後に、今度は上掛けをエドワードの身体からどかしてしまうと下肢を拭き出した。
生身の右足をつま先まで拭い、次に左足の付け根に手を進めた。左足も機械鎧であるエドワードは、機械鎧との継ぎ目の皮膚が敏感であるという理由でその部分に触れるのを特に嫌がる傾向がある。しかし汗にまみれたままではまずかろうとアルはいつにも増して丁寧にその部分を拭き出したのだった。
いつしか、アルはそれまでの羞恥を忘れたかのように熱心にエドワードの肌を拭き清めていた。
だが、左足を立たせて内股を拭き、更にそけい部を拭き始めた時、エドワードの呼吸が僅かに乱れている事に気がついて、アルは視線を兄の顔の方に向けた。
視線の先には引っ張られて持ち上がった袋と、それを持ち上げるに至ったそそり立つ欲望がアルの目を引いている。
「……何を……こんな時に……」
「だってよお……くすぐってえ場所ばかり念入りに拭かれたら……こうもなるだろ……」
根元を金色の柔毛に縁取られた欲望は、アルがタオルを動かす度に左右にふるりと揺れた。幹に浮き出す血管をいつの間にか目で追い始めたアルはくんと喉を鳴らすと、うわずった声色を隠そうと必死で低い声を出して抗議した。
「ふ、不謹慎だよ!人がこうやって手を煩わせているっていうのに、そんなになっちゃってさあ!だからボクは嫌だったんだ!に、兄さんのを……こうするの!」
エドワードはそれまで頭の後ろで組んでいた腕を解いて上体を起こすと、次いで左腕でアルがタオルを持つ右手を握った。
「あ……」
不意に手を掴まれたアルは小さく声を上げ、腕を引き寄せようとしたエドワードに抵抗した。だが、男と女の腕力では抵抗をしようにもそう敵うものではなく、アルの身体は腕を引かれると同時にエドワードの方へと倒れるように引き寄せられたのだった。
まだ僅かに熱を持つエドワードの胸に抱かれた形になったアルは、瞬く間にその熱を吸収したように顔を赤くしている。だが、先ほどまでの抵抗はもう彼女の中には無く、兄の身体から与えられる熱をまるで元から欲していたかのようにその胸の中で従順になっていた。
「……バカ兄貴……なにをしようって言うの?」
胸腔に響くたおやかな声に、エドワードは増々下半身を強張らせて答えた。
「身体の熱は大分収まったけど、お前のせいでこいつだけは大人しくなんねえんだ……頼む、こっちの熱も取ってくれ」
アルの着ているゆったりとしたチュニックとシャツの布地を通して、エドワードの欲望が彼女の脇腹に触れる。どくどくという血流まで感じられそうな程にそれは怒張しており、そうにまでなってはおそらく兄は自分を離しはしないだろうという事をアルは容易に想像する事が出来たのだった。
「なあ、服を脱いでくれよ……」
エドワードがアルの耳元でそう囁くと、アルは首を横に大きく振って答えた。
「ダメだよ……兄さんは風邪を引いてるんだもの。まだ完全に治り切っていないのに、そんな事をしちゃ、ダメなんだから……」
「もう治ったよ。お前がいろいろとしてくれるから……それに俺だってお前の言う事を聞いてあのクソまずい牛乳粥だって、苦い薬だって腹ん中に入れたんだぜ?ちょっとは褒美をくれてもいいと思わねえ?」
「無茶苦茶言うなあ……もう……」
耳朶を震わす兄の声に文句を唱えながらも、アルはそれまで僅かでも距離を置こうと突っ張らせていた腕から力を抜いた。
おそらく貞節をよしとする大人が彼らのこの行状を知ったのなら、最近の若者はどうにも抑えがきかなくて困ると小言の一つや二つ零すに違いない。だが、兄のこうした懇願が、自分と言う人間にとってどれほど甘美で魅力的か、きっとそんな大人達は理解など出来やしないのだ。
アルはエドワードに抱きしめられたままで、自らの腰に手を伸ばすと、穿いていたスパッツとその下のショーツにも指を掛けた。そしてそれを少しずつ腰を浮かせながら引き下ろして白く丸い尻を露出させて言ったのだった。
「上は勘弁して。ボクまで風邪を引きたくない」
太腿の辺りまで降ろされたスパッツとショーツを、エドワードの腹の上に跨がるように体勢を変えた際に両脚から引き抜くと、それを床の上に投げ捨てる。
そしてそのまま膝立ちで位置を決めると、チュニックの裾を持ち上げて、再びエドワードへと声を掛けた。
「ボクまだお風呂に入ってないけど」
「構わねえよ。なあ、触っていいか?」
「いいけど……っあ……」
アルの返答よりも早く、エドワードの左手がチュニックの裾から滑り込んでアルの秘裂をなぞり上げた。
厚い皮膚の感触にアルはぶるぶると背筋を震わせると、兄の胸に顔を埋めて艶かしく吐息を漏らす。
こうして情を交わすようになってからまだ半年程だと言うのに、アルの身体はひどく敏感で、エドワードも驚く程に快楽に対して正直だ。だがそういった彼女の反応はエドワードにとってはとても喜ばしい事で、更に快楽を与えてやろうと彼の気持ちを奮い立たせていた。
エドワードは更に指先を秘裂の先端にあてがって、つんと立ち上がった蕾をやわやわと刺激し始めた。エドワードの指に触れられたそれはとたんに蜜を零して秘裂周辺にぬめりを与える。するとそれに乗ずるように無骨な指先が更に蕾を刺激し、とうとう秘裂が鮮烈な赤色を晒しながら口を開いたのだった。
「アル、お前のここ、すげえぬるぬる……」
エドワードは自分の胸に縋る少女を更に煽ろうとするかのように淫猥な言葉を口にすると、指先を秘裂に差し入れた。
とたんに上がる短い悲鳴、どっと吹き出すかのような蜜の多さにエドワードは増々気を良くしてアルの耳元で囁き続けたのだった。
「おまえの………からいやらしい汁がだらだら流れている……今お前のここを見たら、ぱっくり開いてぐちょぐちょなんだろうなあ……」
「やっ……あ……そんな事、言わなっ……いで……」
「だって、本当だろう?指だけでこんなにとろとろになるんだから、俺のを突っ込んまれたらどんなに気持ちいいか、考えたくねえの?」
「かんっ……がえてるからあ……こう、して……あ、ああ……や、だ……」
エドワードが秘裂に差し込んだ指を二本に増やした。それをそのまま前後に抜き差しすると、アルは更に高い声を上げて指の動きとは反対に腰を揺らす。その動きを感じ取ったエドワードは今度は空いている親指を器用にくねらせながら蕾を刺激した。
「あっ、あっ……もう、もう……やあっ!」
刹那、アルは丸めた背を硬直させながら達した。背の高さの割に細い手足は漏れなく緊張して、やがてゆるゆると弛緩が始まる。
その様を指先と視覚で確かめたエドワードは荒く息をついてぐったりとしたアルに囁いたのだった。
「もう、入れてもいいよな?」
ぼうっとした目元で兄からの問いに返答したアルは、エドワードの欲望に右手を添えると、その先端に向けて腰を落とす。
ただ無言で行為に移ろうとするアルへ、エドワードは気遣うように声を掛けた。
「……なあ、機嫌悪いのか?」
「違う。そんなこと……ただ、兄さんの風邪がひどくなったら嫌だなって……それだけ」
伏し目がちにそう答えたアルの顔を、エドワードは両手で包み込むようにして上向かせ、そして小さく開いた唇に自らの唇を重ねた。彼らしく遠慮のない舌先はアルの薄く開いた上下の歯から口内へと滑り込み、歯列の裏側や上顎の粘膜をなぞり上げている。くすぐったさに息苦しさを感じたようなアルはそれから逃れようと自らも舌を伸ばしてエドワードの舌に絡めては同じように口内をなぞり上げていたが、やがて唇を離すと拗ねたようにエドワードと自らの唾液で濡れた唇を尖らせながら声を上げたのだった。
「我慢してたのに……」
エドワードが寝込んでからは風邪がうつるからと遠慮していた口づけを数日振りに味わったアルは、口ではそう言いながらも細い指先で愛おしげにエドワードの鍛え上げられた腿の筋肉をなぞり上げている。
兄の元気な姿を見たいが為とは言え、押し付けがましい看病なのは自覚がある。
けれどいつだって兄は無理をしがちで、誰かが歯止め役を買って出なければそれを収める事が出来ないのだ。
これまでもエドワードは旅の途中で体調を崩して寝込んだり、無茶な行動で大怪我を負う事が幾度もあった。
その度にアルは兄の無茶を嗜めながら看病を繰り返した。
そういった行為は今も昔も変わりはしないが、あの頃と違って今は兄が感じる熱や痛みを人ごとながらも自らも感じる事が出来る。
幸せ過ぎて時折自分の方が兄を求めすぎる事を嫌って、アルはこうして時に疎ましがられる事を承知で兄の世話を焼いているのだった。
「もう治ったから大丈夫だって。俺の風邪は薬のお陰じゃなくて、お前が治したようなもんだし」
「そんな事……言わないで。恥ずかしい……」
アルの秘裂に沿ってエドワードは欲望の先端をゆっくりと前後に滑らせる。
そのもどかしい動きに一刻も早くぽっかりと開いたぬかるみを埋めて欲しいとアルが腰をくねらせながら徐々に体勢を低く落として来た。
「ああ……ねえ、やっぱりなんだか熱くない……?」
「気のせいだろ……」
密着させた肌と欲望の熱感に喘ぎながらアルはすっかり腰をエドワードの下腹部に押し付けた。
「うふ……なんだか、お腹の中に熱くて硬いのが当たってるのが……分かるよ」
やがてアルはゆっくりと腰を揺すり始めた。
豊富な蜜が生み出す淫微な音を耳にしながら、その動きは次第に大きく、早さを増して来る。つられて下に組み敷かれる形のエドワードも腰を突き上げ始めて、高まる快感の波の中でアルはエドワードの動きに抵抗した。
「ダメ、動いちゃ……ボクが全部す、る……」
「なんだよ、やけに積極的……でも俺だって動きたいんだけどな」
「動いたら体力使っちゃうもん……」
「あのなあ……大丈夫だって言ってんだろ!」
アルが余りにもエドワードへ対しての気遣いが過ぎている事にエドワード自身が呆れ出し、アルの言葉を無視して腰を動かし始めた。
エドワードは逃げ場のないように両手でアルの細い腰を鷲掴むと、乱暴に思える程に突き上げ始める。たくましく反り返ったエドワードの欲望がアルの内壁を擦り上げて、その感覚にアルは悲鳴のような喘ぎ声を上げながら反応した。
「ひあ、あっ、やっ……お、お腹があつぅいぃ……熱いのでぐちゃぐちゃになってるよぉ……!」
次にエドワードは腰を突き上げながらアルがまだ身につけていたチュニックとシャツを胸元まで捲り上げた。シャツの下には更にブラジャーを着けていたが、それも胸の上までたくし上げ、ぷるぷると揺れている豊満な胸の先端に首を伸ばしてむしゃぶりついた。
かろうじて他の肌とは違う色の赤みの差した胸の頂をエドワードは上下の歯で挟んでは舌先で頂を転がすように愛撫を始める。敏感なそれは瞬く間に硬さを得て、その変化に更にエドワードの歯が刺激を加えようと細かく上下に咬む仕草をしたのだった。
「あっ、ダメ!おっぱい咬んじゃいやっ!」
とたんに、エドワードの欲望が肉壁に絡めとられるように締め付けられた。
「へえ……乳首咬まれるのが好きなんだ?じゃあ、もっとしてやるからな」
アルの嬌声にエドワードは両手をアルの胸元へと添えると、頂の先端を指先で強調するようにつまみ、交互に咬み始めた。
咬むと言ってもあくまで敏感な皮膚を傷つけないように軽く歯を立てる程度なのだが、その効果は絶大で、アルはきれいに切りそろえられた金髪を振り乱しながら腰はぐりぐりとエドワードの下腹部に押し付け、エドワードの腹を指先が白くなる程に緊張させて掴んでいたのだった。
「咬んじゃダメぇぇ!ああ、イク、イッちゃうの、ねえ、やめて、もう、もう……にいさ、兄さん!」
「どっちだよ?イキたいのか、やめて欲しいのか、ちゃんと言えよ?」
「やだ、イク、イキたいのっ!あああ、ダメ、もうダメ!咬んで、咬んでぇ!」
アルの懇願の声に、エドワードは激しく腰を上下させるのと同時に胸の頂の片方に歯を立て、空いたもう一方の先端は指先で押しつぶすように責め立てる。するとアルはひいいとか細く鳴いたかと思うと、エドワードの欲望を締め付けながら全身を震わせて静かになっていった。
絶頂を味わって弛緩し始めたアルの身体を抱きしめながら、エドワードは彼女の身体を今度は逆にベッドの横たえた。力のすっかり抜けた両足首を持ってから自分の膝をアルの腰の下に潜り込ませて支えにし、そして足首を両手で掴みながらゆっくりと開いて笑う。
「アルのここはいつ見てもきれいでいやらしいなあ……なんだかいろいろとはみ出て、めちゃめちゃそそられる……なあ、お前もそう思うだろ?」
「バカ、そんなの知らないよぉ……兄さんの変態……」
「何とでも言え。それよか、俺もイカせて貰わないと……俺のがお前のここにズボズボ出入りする所を見せてやるからな」
「バカ、バカ……」
アルの力のこもらない罵倒を聞き流しながら、エドワードはV字に開かれたアルの股間目指して未だいきり立つ欲望を突き立てたる。とたんに上がる小さな悲鳴と挿入しただけなのに痙攣を始める肉壁。
だが、肉の襞を割り開きながらめりこむ欲望が見えるようにエドワードがアルの頭を手で支え持つが、アルは視線を脇にそらして見ようとはしなかった。
エドワードは構わず抽送を続ける。いつもよりもゆっくりとした動きをしたつもりだったが、知らずのうちにその動きは激しくなり、アルの嬌声も次第に高く激しさを増して来たのだった。
「ま、また良くなっちゃうぅ……熱い、あついよ、兄さん、兄さん!」
「その熱い所をちゃんと見ろ。ほら、見るんだ!」
感極まったのか、アルは目元を涙で濡らしながらエドワードの首にしがみつこうとする。そんな彼女の頭を掴んでエドワードは繋がり合った部分に視線を向けさせ、更に欲望を半分抜き、次に深く押し込んだ。
「いやあーっ!やだっ、ボク、ヤダよぉっ!ボクのっ……あっ……あ、い、いい……いい、いやらしいよぉ……」
エドワードの欲望が抜き刺しされる度にいびつに襞がめくれたり形を変える濡れた秘裂をアルは泣きながら見つめ、襲いかかる快楽を懸命に受け止める。
かたやエドワードの方は動きも激しく、全身から汗を噴き出させながら頂点を目指して駆け上がっていて、既に一刻の猶予もないかのように思えた。
「アル、つっ……ああ、お前サイコー……」
「ああん、ボクも……すき、にいさんだけがすきぃ……もっと、もっと……ああ、いい、いいの、すごくいいよぉ……アソコぉ、メチャメチャにしてぇ!」
「は……じゃあ、お、お望み通りにして……やる、からっ……」
堪えろ堪えろと自らに言い聞かせながら、アルを高みへと誘う為にエドワードは一旦動きを止めるとアルの身体を横向きにさせた。
「ああん、なに……止めちゃやだ……」
むずがるように声を上げたアルをなだめながら、エドワードはアルの片方の足を抱きかかえる。そしてアルの股間を自分の両足で挟むようにした状態で抽送を再開した。
「ひゃあ!奥っ!おく、奥まで来てるぅ……ああああ!」
先刻とはまた違った角度と深さで貫かれたアルは行き場を失った両手でシーツを掴むと泣き叫び始め、すぐ目前まで迫って来ている快楽の頂点を駆け上がり始める。
エドワードもアルも白い肌を赤く染めて高みを目指し、吹き出た汗も構わずに腰を突き合わせた。
「も、もう……イ……ク……ぞ……」
「来て、きて……兄さん、来て!あーっ!イク、イクぅぅぅ!」
「つううう……うあああああ!出るっ!出るぞっ!」
アルの内部のうねりに逆らうように、エドワードは自身の欲望をアルの秘裂から抜き去ると、絶頂に痙攣するアルのくぼんだ白い腹の上にねばついた精液を吐き出した。
残った精液を絞り出すように欲望を自らの指先で幹の部分を何度も扱く。そうしてすっかり全てを吐き出したとき、市の中心に位置する時計台が0時を告げる鐘を打ったのだった。
「あー……そうか、新年か……アル、年が明けた。ほら、新年のキス」
シーツの上で絶頂の余韻に浸るアルに覆い被さり、エドワードは小さく開いたアルの唇に自身のそれを重ね合わせた。
おおよそ挨拶代わりのキスとは思えないような濃密な口づけにアルも応えながらエドワードの乱れた髪をまさぐる。
「うん……あせ……もう、せっかくきれいにしたのに……バカ兄貴」
そしてようやく離れた兄に対して、悪戯っぽく笑いながら言ったのだった。
「こんな事しながら年越しなんて……おまけに身体はどろどろだし……」
「文句を言う割にお前は満足そうだけどなあ?」
エドワードは立ち上がると汗みずくになったシャツを脱ぎ捨てた。次いで快楽の余韻にまどろむアルを横抱きにして抱え上げる。
「もうこうなったら風呂に入る方が早いと思うぜ?どう思う?」
「仕方ないけど……身体を冷やさないように気をつければいいかなあ……あーあ、年が改まってもこんな感じなの、兄さん?」
アルを抱きかかえながら歩き出したエドワードは部屋のドアを開けてそのままバスルームの方へと向かう。
そして呆れたように聞いて来たアルに顔を向け、にかっと子供っぽく笑いながら答えたのだった。
「こんなのでもいないと寂しいだろ?まあこの先も面倒かけるけど頼むわ」
「手の掛かる事ったら……」
アルはもう頭の中ではどうやって素早く身体を洗い、兄を大人しく寝かしつけるかを考えながら、それでも甘えるかのように兄の首筋へと縋りながら囁いた。
「でも、大好きだよ……」

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翌朝、すっかり体調を戻したエドワードとは対照的に、アルはがたがたと震えながらくわえた体温計をエドワードへと見せつけた。
「ねづがででる……あなぼづばっであじがわがんないお……」
体温計は39度を指し示していた。
自分の様子にたじろぐエドの首根を掴んで、アルは寝室へと向かった。
「がんびょうじで……」
「わあったーっ!する!するから!ごめん、お前に風邪がうつるとは想定外だった!」
「いいばげばいいがら……あっだがいびるぐのみだび。じょうがいれで」
「作る!ショウガ入りのホットミルクだな!我慢して作るから!」
エドワードはくるくるとアルの周囲を回りながら頭を下げ、何度もすまない!ごめんと声を上げていた。

年またぎセッ●ス。おそまつ。
今年も兄妹喧嘩しながらも、あつあつのあまあま、時々シリアスに頑張ります〜。      


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