兄×妹で。エドにとってのそう考える理由。

つまるところ、俺は気持ちイイことがただ好きなだけな、本能に忠実な馬鹿野郎だと言う事だ。
溜まったものを吐き出すだけのことだ。セックスなんてただそれだけの事だ。今の俺にはそれだけの意味しか持たない。
たとえ自分の遺伝子を残すという目的の為に快楽と言う誘因を伴ったのだとしたとしても、俺にはセックス本来の目的などなきに等しい。俺の血など、絶えてしまえばいいのだ。あの忌わしい男の血など!
だから俺は溜まったものを吐き出す代わりにいくばくかの快感を得て、それで満足なのだ。

例えば、吐き出すだけで良いと言うのなら、自分の手で扱くのと、あいつのナカに突っ込むのと、それは似たようなものだ。ただあいつのナカの方がちょっとばかりやわらかであったかくてぬめっていて気持ちがイイだけで。
だから、俺はあいつが拒まなければそうするんだ。その代わり、あいつに対しても俺が感じるのと同じように感じさせてやる。
俺は溜まったものを吐き出したくなった時、わざとおどけてあいつにちょっかいを出して気を引くのだけれど、そうするとあいつはそれを察知してあいつからも身体を俺に預けて来る。
それは居間であったり、あいつの部屋であったり、キッチンであったり。服の上から柔らかい胸を何度か揉んだり、てっぺんを摘んだりするともうあいつの身体は反応してくたり、と力が抜けてしまう。言葉通り純粋培養されたあいつの身体は外界からの刺激に滅法弱いらしく、ほんの少しの愛撫でも十分なのだった。
それからあいつは上気した顔で俺を見て、それから「したいの?」なんて言って来る。その顔と来たら欲情しない男などいないのではと思わせる程だ。大きな瞳が快楽に潤み今すぐにでもどうにかして欲しいと訴えている。だから俺はどうにかしてやろうと、左手を股の間にねじ込むのだが、そこはとっくにぬかるんでいて容易く俺の指を呑み込む。
もうそうなっていると俺の方も我慢する理由などないので、ズボンのジッパーを下げて堅く膨張したペニスを取り出すとあいつの肉の中に突き立てる。横になれるのなら俺が上になって、そう出来ない時は立ったまま後ろからしてやるのだ。
そう言えば、この前玄関でやった時は2人ともえらく興奮した。俺たちが住んでいる家は前庭が狭く、玄関から道路まであまり距離がないからうっかり大声を出そうものなら通行人に聞こえかねないのだが、それを承知で俺はあいつをその場で責めたのだった。
いつも決まった時間にやって来る郵便配達人が丁度来る時間。声を出せば聞こえちまうぜと意地悪く囁いていつもより派手に動いたら、まさにその時郵便物が投げ込まれる音が聞こえて、あいつはひっと息を飲むと、その後は自分の指を口いっぱいに頬張って必死で声が上がるのを堪えて達した。俺のペニスもぎゆうぎゅうに締め上げられて、堪らず中にすべてをぶちまける。そして2人してその場にへたり込んでしばらく動く事が出来ずにいたのだった。

まあ、そんな行為はそう多くはない。大抵はベッドの上であいつを抱いてやる事になる。通り一遍キスをして身体のあちこちに触れてやりながらベッドの上にあいつを横たえる。それから着ているものを少しずつ脱がせてやるのだ。この頃は身につける下着も凝って来て、透けて派手な色のものや布地がやたら小さいやつを着けている。そういった俗に言うそそられる下着を惜しみながらも取り去ると、薄い陰毛とその下の赤いぬめった肉のひだが姿を現した。
それから閉じられた太ももを割って開く。あいつ、自分じゃ俺のペニスを喜んでくわえるクセに、自分のアソコを舐められるのは好きじゃないんだ。だからわざと音を立ててはみ出したひだや堅くなった蕾を舌先で嬲ってやる。
あいつは泣いてるような、そんな声を上げながら、アソコからじゅわりと生あたたかな液体を滲ませる。それは塩気のある、なんとも言えない味だけどどこかで味わった事のあるような懐かしい味だ。俺はそれを一滴たりとも逃すまいと啜り、口全部で刺激を与えてやった。
そうしてからいよいよあいつの中に割り入る。ぬちゅりといやらしい音を立ててペニスが呑み込まれる様は壮観だ。真っ赤に燃え盛る溶岩の中に突き立てたみたいで、それを時折あいつにも見せてやった。
腰を持ち上げて自分の割れ目が目に入るようにしてからペニスを挿入する。それからゆっくりと抜き差ししてやるのだ。
「…俺のが、お前に喰われてるみたいだろ?」
そう耳元で囁いて腰を引けば、俺のペニスにからみつくかのようなひだがめくれ上がってその燃え盛った赤が嫌が応にも目に入る。あいつはそれを見てまたアソコをきゅうきゅうに締め上げて、そして次に俺が奥を突いた時にああ、やだ、やだと口走りながら軽く達してしまうのだった。
でも、そのくらいじゃあいつも満足しない。あいつの上体を持ち上げて、俺の膝の上に座らせる。それから細い腰を掴んで身体を揺すってやると、それはもう、驚く程の反応を見せてくれた。
俺のペニスの張り出した部分があいつの一番感じるところを擦り上げて、そこからさらさらとした液体が噴き出す。俗に言う潮ってやつだ。繋がりあった部分からも吹き出るそれは俺の袋からなにからもぐっしょりと濡らすから、その度にあいつは泣いてごめんなさい、ごめんなさいと繰り返した。
「謝るなよ?もっと出していいんだぜ…イキたいだけ、イッちまっていいんだ」
そうだ、俺だってお前を利用して溜まったものを吐き出して、そうして快楽を得ているのだから、お前だって同じように感じれば良いんだ。快楽を得る為だけのこの行為に、遠慮だとか、思慮なんて必要無い。
そう、愛すらも。

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最後にあいつを仰向けに寝かせて、深く、ナカに突き立てた。何度も達して自分を見失ったようなあいつはぼうっと虚ろに天井を見つめている。でもその内部は本人の意志などまるで構わず、ただ俺の精を搾り取ろうとひくつき、収縮を繰り返した。
「あ…あっ…出る…いいか…な、アル…出して、いいか…?」
ちりちりと脳裏をスパークする快感に身体が痙攣を始めた。ああ、畜生、なんて気持ちいいんだ!前言撤回、こいつのナカで出すのはちょっとどころかひどく気持ちがいい!自分の手など子供騙しだ。ダメだ、やっぱりこっちのほうがイイ。
「アル…でるよぉ…」
「んっ…出して…ボクも…も…イ…ク…あ…あああ!にいさ…兄さん!あーっ!」
アルが一際高く叫んで身体を強ばらせた瞬間、俺も堪え切れず達して全てを吐き出した。数度の噴出の後、快楽にひくつく全身をアルに預ける。いつの間にか汗だくになった互いの身体を指先でまさぐり、ようやく落ち着いた頃、アルが満たされたような顔で俺に囁いた。
「にいさん…大好き…あいしてる…」
途端に自分の体温がさあっと下がって行くのを俺は感じた。
愛しているだなんて。
アル、俺たちの間にそんなものはあっちゃいけないんだ。言うな、言うんじゃない!愛しているだなんて!
「あ…アル…」
きっと、その時の俺はどうしようもない顔をしていたんだろう。
本当の俺は。俺だってお前にそう言いたくて。
でも、弟だったお前を、母さんの遺伝子をお持つお前を、自分の肉体を分かち造り出したお前を愛すると言う事は、何よりも重い罪なのだから。
愛しちゃいない。俺たちのセックスは愛を確かめ合うものでも、自分を残すものでもなくて、ただ快楽を得るもの。そう思えと自分のどこからか声が聞こえる。
頼むから、なあ、アル、そう思わせてくれ。愛なんていらない。お前とこうするには愛なんてあっちゃいけない。互いを快楽を得る道具だと思えば、お前を抱く事に抵抗が無くなるんだ。だから、愛しているなんて、愛してるなんて…。
「兄さん、もいっかい、しようか?」
何も言えずにいた俺に、アルは母さんのようにやさしく微笑みながらそう言った。
「…でも…」
「だって、兄さんいっかいだけじゃまたしたくなるでしょ?…いっぱい、いっぱいして、なんにも考えられなくなるくらいまでしようよ?」
アルは起き上がって俺の股間に顔を向けると、やおらまだ勃ち上がったままのペニスを口に含んだ。アルの体液と、俺の精液で汚れたままのそれを、丁寧に舌先で嘗め取りながら清めていく。やがてすっかり綺麗になったペニスを今度は深く呑み込むようにくわえ込むと、じゅぶじゅぶと前後にスライドさせて射精を煽った。
「あっ…すげえ…アル…また…でそう…」
先程の俺の戸惑いを見透かしたように、アルはあどけない笑顔でいやらしく俺のペニスを弄んだ。濡れた2つの袋を指先で揉みしだきながら、もう一方の手でペニスの根元を押さえている。そうされると射精出来ず、俺は切羽詰まってアルの頭を掴むと泣きそうになって訴えた。
「出したい…なあ、アル…」
ところが、アルは上目使いににいっと笑ってそれを拒んだ。
「だーめ…兄さんにはいっぱい気持ち良くしてもらったから、ボクもお返しするんだ…」
根元を押さえたまま先端に軽く歯を立てられて、俺はもうどうしようもなくてただただアルに許しを乞う。
「なあっ…出させて…アル…もうガマン出来ねえよぉ…アルぅ…イキたいよぉ…」
「…本当に、出したい?」
「うんっ…頼む…出させて…」
「…じゃあ、出させてあげる…兄さん…お口にいっぱい出していいからね…」
アルはそう言うと、またペニスを口に含んで激しく吸い付いた。根元を拘束していた指が不意に離れ、サオを扱き始めて、たまらず俺は射精してしまった。
「うあっ!あああっ!アルぅ!出ちまう!ああ!」
全てを出し切ってから、アルは俺の股間から顔を離すと少し辛そうな表情でこくり、と口内のものを飲み下した。
「…2回目なのに、いっぱい出たねえ…」
わずかに微笑みながらアルは次に俺の肩を押して横にさせると俺の上に馬乗りになった。それからなんとか堅さを保っているペニスを自分の割れ目に導いて、腰を落とす。
先程俺が放ったもので、内部は満たされていた。ぐちゅぐちゅと掻き回すようにアルが腰を回して、そして俺の両手をぷるんと震える両胸に導き、愛撫するように促したのだった。
「に…兄さん…ごめん…ね…」
俺の上で、アルが喘ぐように言った。
「ボクがあいしてるって、言うと、兄さん、いつも辛そうなの…知ってる…でも…ボクは…言わずにはいられないんだ…兄さん、兄さんは…ボクを…好きなようにしていいんだから…ね?ボクのココで…いっぱい気持ちよくなって欲しいんだ…」
そんな事、言われなくてもとっくにそうしてるよ、アル。俺にとって、お前は欲望を吐き出す体のいい道具さ。
…愛したい、愛したい。本当にお前を愛する事が許されるのならば、俺はセックスも肉体も、なにもいらない。何のわだかまりも感じずに愛していると言えるのならば。
「…泣いちゃ、ダメだよ」
…俺は泣いていた。アルは上体を倒して舌先で俺の涙をすくい取る。
「泣かないで…兄さんだけは、ボクを好きなようにしていいんだ…こうやって好きなだけセックスしてもいいんだよ…でも…ひとつだけ…ボクが愛してるって言うの、許して…お願いだから…おねがい…」
絶えず上下する自らの腰の動きにアルは次第に呼吸を早めていき、しまいには何も言えなくなって、俺の上で息を詰めて仰け反った。締め付ける肉の感覚に俺も数度深く突き上げて射精する。
ようやくアルと俺は満足して、隣り合って横になった。アルはいつでも俺の右側だ。機械鎧は冷たいだろう?と尋ねたが、それがいいのだと妙な答えが返って来た。
…お前が俺を愛する事を許せと言うのなら、俺はお前を快楽を得る為の道具だと、そう思う事を許して欲しい。
こんなダメな馬鹿野郎で本当にごめん。今はお前を愛するのが怖いんだ。死ぬ事よりも恐ろしいんだ。
でも、もしも赦されたその日には。俺は全てを差し出して、そうして大声で叫んでやろう。
愛している、愛しているんだ、アル、おまえをあいしているよ。
それはおそろしく重い罪。ああ、お前は強いんだな。お前はそいつを背負い、乗り越えちまったんだな。でも俺はまだそう出来そうにないんだ。
だからそれまでは俺の傍であいしていると言ってくれ。俺の為に、俺と一緒に感じてくれよ。そうしててっぺんまで駆け上がって、一気に堕ちて、どこか知らない地に降り立つ時までは。そうすれば。

アル、あいしているよ。あいしているよ。この身を全て捧げてもいいと思う程に。

それこそヤッてるだけなお話ですが。そしてある意味兄さんが受け。後半のフェラされてるシーンはどこのアルエドサイトの文かと、自分で書いてて思いましたよ。

常々考えている事ですが、妹化したアルと兄がそういう関係になった時に、彼はどれだけの罪悪感を抱きながらそうしているのかなぁ、と。一度思い到れば「俺が世界」的に突き進みそうな気もするけれど、うちの兄はどこかに逃げ道を作らないと精神が持たないような、よわっちい兄にしてあります。

お互いに気持ちいい思いをする事でうしろめたさを感じないようにしていたのに、不意に「セックスなんてなくても愛しあう事は出来る筈なのに、なんで俺はしたいんだろう?」って気がついて無理矢理愛してないって自分に言い聞かせながらセックスするけど、やっぱり愛しているからだと気がついて、どんどん沈み込んでいく訳です。お〜暗いぞ。

まあ、兄さんもいつもいつもこうな訳ではなくて、他のお話のように脳天気にイチャってたりするのですが、うちとこのシリーズでは常に兄さんはこういう思いに囚われていて、最後の最後まで思い悩んでおります。

どこかで強くてカッコよい兄さんを書けるとは思いますが、こういうヘタレ兄さんも愛してあげてくだされ、皆様!

   


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