その日はちょうど二人で散歩に出ていて。
その日はちょうどとてもいい天気だった。




「綺麗な空だね」

「空?」




広い草原の中でぽつんと が呟いて、それからロビンもつられて空を見上げた。
座っているが、そのまま後ろに倒れそうなくらいに彼は上を向いていたのが少し気になったからだ。

どこまでも広がる無限の空間。
浮かぶ雲は、空を彩るためのもの。




「ワイズマンと一緒にいたころは、あんまり外に出なかったから分かんなかったけど―空はこんなに青いんだね」

「そういうものなのか?」

「そうだよ。空を見ていると飽きないものだね」

「……いや、普通に飽きると思う」

「そう、かもね」




ロビンの言葉に苦笑して、それから上げていた顔を下げる。
さらりと灰色の髪が風に流れた。

一回首を回して、それから はロビンを見た。




「ロビンは空は嫌いなの?」

「嫌いっていうかなぁ…あんまり気にしないし」

「そう。でも、僕らが気付かないうちに空は動いているんだよね。気流は流れて、雲はどこかに行ってしまう」

「…… ?」

「淋しいね。僕が見ていないうちに、ずいぶんと世界は変わったんだなぁ。変わらないのは空だけだよ」




そして、淋しそうな瞳でまた空を見上げる。

まだロビンは のことをよく知らない。
が話したがらないから聞かないだけだが―実際はとても知りたい。

いつもは目の前で柔らかに笑ってみせてるくせに。
たまに心を奪われるほどに美しい、至上の微笑を見せてくれる。

触れたくないことは、無い。

近づけるものならば、もっと傍に行きたい。




「でも、そう思ってるのは僕だけなのかも―」

「え?」

「何もかもが変わり行く中で、空だけが変わらないなんてことは無いから―だから、僕が思ってるのは大きな間違いなのかもしれないね」




痛々しいほどに微笑む。
淋しそうに、悲しそうに。




「そういう顔、しない方がいいんじゃないか?」

「…………うん」

「心配になる」

「それは、ごめん」

「謝ってほしいわけじゃない」

「分かってる。―ありがとう」




言われて、思わずロビンは照れた。
その様子を見て、 はふっと真面目な表情になる。




「この旅が終わったら―僕、世界を放浪してみようかな」

「世界を?」

「そう、世界を。どれだけ僕が後れているのか気になるし」

「―それじゃあ」




そっと手を握る。

暖かい手。生きている証。
少し頼り無くて、細い指。




「オレもその旅に同行させてくれるかな」

「―もちろん。ロビンとなら、どこでも楽しめそうだし」




いつもの、明るい笑顔。

ついロビンはぎゅっと を抱き締めた。




「うわっ!?」




驚いた声を上げ、ロビンをじっと見る。

だがロビンは体に回した手を放そうとせず、むしろ力を入れてくる。




「ロビン―?」

、一緒に行こう。二人で、一緒に!」

「―う、うん」




頷いた瞬間、ロビンは の肩に手を置いて、それから唇を強引に奪った。
突然のことに目を丸くしていたが、やがて はロビンの首に腕を回す。




「んっ、んん…………」

…………」




互いの熱が行き来する。

これ以上無いほどに二人の体が密着して、ロビンの手が の髪を梳いた。

眩暈がしそうなほどに、甘い。
くらくらして、今にも倒れそうなくらい。

二人並んで座っていたところを、ロビンが押し倒した。

真上に太陽が来る。
あまりにも眩しくて目を閉じようとした瞬間、その太陽を遮ってロビンの青い瞳が の心を奪ってしまった。


ああ、何て―綺麗な、空の蒼。



「ひぁっ……」



ロビンは手袋を着けたまま、服の中から手を伸ばして胸を撫でた。
肌を撫でる革の感触が奇妙で、心地良い。

無防備に両手は投げ出され、瞳はまっすぐにロビンを捕らえようとする。




「反応が可愛い」

「そ、かな……っ?」




まさか自分がここまで敏感だとは思わなかった。

ロビンは空いた手で首筋を撫でたり、服を脱がそうとしている。
その手が下半身に伸びたとき、 ははっとしたようにロビンを見た。
同じようにロビンも自分を見下ろしていて、その瞳はとても穏やかだ。




「……いい、かな」




それだけを聞いた。

それだけで十分だった。

目を伏せて、頷いた。

本当は少しだけ、怖かった。




「んっ! あ、ああ……っ!!」




自分のものとは思えないほどに高い声。
体中に熱を持ち始めているというのは、嫌でも分かった。

すでに露出している上半身には、ロビンが散らせたたくさんの花弁が舞っている。




「もっ、ロビン、駄目……!」

「限界?」




耳元で囁いたロビンの視線は見えないまま、涙を浮かべた瞳をきつく閉じて頷く。




「じゃ、一回出して……。そっちの方が、楽になるから」

「ひあっ?」




ロビンの手の動きが速くなって、そのまま果ててしまった。
はあっと深い息をつくと、ロビンはふっと微笑む。




「気持ちよかった?」

「分かんないよ、そんなの……」




とにかく体中が限界で、この熱をどうにかして静めたくて。
余裕を持っているロビンが羨ましいことこの上無い。




「じゃあ、こっちは……?」

「いっ!?」




ロビンはさらに指を進め、秘所へ手を伸ばした。
指の腹でそっと撫でると、 はロビンの服を掴んでびくりと体を震わせる。




「や、だ……。そこは、いやだ……」

「でも、感じてるだろ?」

「う…………」

「それに、そろそろオレも限界だし……」




ロビンはそう言って、濡れた指で中へ進入した。




―少し、痛い。




それでも歯を食いしばって声を洩らさぬようにして、ロビンの服を掴む手に力を込めて。

だんだん慣れてくると、今度はもっと欲しくなってきた。




「ロビン、僕、もう…………」

「ああ、分かってる」




ずりゅっと指を抜いて、そうして今度は代わりに自分のものを入れた。

腕の中の の瞳から涙がこぼれる。
ロビンはその瞳を舐めとって、そうして腰を進めた。




「ロビン、ロビン……!」

…………」




ロビンに耳元で切なげに名前を呼ばれて、意識が飛んでしまいそうになる。
ぐいっとロビンがさらに腰を進めた。

頭の中で、何かが弾け飛んだ気がした。


































「いつか、あの空に近い場所に行きたいね」

「高い場所とか?」




腕の中の彼にそう尋ねると、深く頷いてくれた。

暖かい体は、抱いていてとても気持ちがいい。




「空を飛べたら、気持ちいいだろうね。だけどそれは無理かもしれないから―だから高いところに行きたいんだ」

「じゃあ、旅の目的が一つ増えるな」

「そうだね」




そう言って、彼はじっと自分を見上げる。

それから呟くように、けれどはっきり言うのだ。




「大好きだよ」