■WiSH ~鬼姫物語~(後編) ■概略 先日の其理頗亭でのことを、自分なりに考えた康之。 出した結論は…。 ■登場人物 槇本康之 (CV:如月航二) 弥良鞠末 (CV:北島魁穂) 深月由紀 (CV:星野奈々) 八月晦日颯太 (CV:黄瀬ハル) 桜依みこと (CV:さくらひづき) 橋本さん (CV:香柳慎) 武藤一真 (CV:雪白ゆり) 一之瀬夾 (CV:さくらひづき) ■其理頗亭 康之「そんなんおかしいやろ!このままやと誰も幸せになれんやないかっ!」 みこと「…ッ!」 由紀「康之さん…」 鞠末「ヤス…」 ■タイトルコール みこと「逢学妖研活動記 WiSH~鬼姫物語~ 後編」 ■部室 SE:時計の音 康之「ん〜〜〜〜〜〜〜〜。」 鞠末&由紀「……。」 康之「んんん〜〜〜っ!」 由紀「…康之さん…どうしたんだろうね?」 鞠末「…あれは相当真剣に悩んでる顔や…あんな顔、久し振りに見たわ」 康之「アカーン!!」(同時SE:立ち上がる音) 鞠末「わああ!!ちょ、いきなり大きな声出さんといてー!めっちゃビビッたやん!」 由紀「あ、あの…どうしたの?僕達でよければ、相談に乗るよ?」 鞠末「そやで〜?そんなしょぼくれ顔のやっさんなんか見たないわ〜!」 康之「由紀にぃさん…鞠末(呼称変更可)………ホンマは内緒の約束なんやけど……ワイ一人じゃどうにもならん。聞いてくれるか?」 康之(ナレ)「ワイは、この間の其理頗亭での出来事を二人に話した  みことねぇさんが鬼だということ。そのために長命だと言うこと。大事な人から記憶を消していること。全部。」 康之「ワイはな、ワイはそんなんアカンと思うんや…せやけど、どうしたらええんか見当も付かんねん…。」 鞠末「それやったら簡単な話やないの!」 康之「え?」 鞠末「みこ先輩に、直接言ったらええねん!」 由紀「え…?き、鞠末さん…それは…その、流石に…」 鞠末「なんでですの?ウダウダ考えんと、まきまきはその考えをみこ先輩にぶつけたらな!そない何時までも考えとっても、なーんも解決せぇへん!」 由紀「あの、それは確かにそうなんだけど…」 康之「…せやな」 由紀「え?」 康之「あーもー!なんでワイこんな考え込んどったんやろ!おおきに、鞠末!ようやく決心が付いたわ!これからみことねぇさんトコ行って来るわ!」 鞠末「それやったら私も一緒に行く!」 康之「おぉ!付いてきてくれるか?!…よっしゃ、ほなすぐ行こか!今日の部活は風邪で早退っちゅーことで!」 鞠末「おー!!ほーらっ、ユッキーも、行きますよー!」 由紀「え、えええ?ぼ、ボクも…?あ、あの、あのボクは…!!ちょっと待って二人ともー!!」 SE:歩く音 SE:(由紀のセリフの途中から)引きずるような音 ■其理頗亭 SE:ドアの音 SE:ドアベルの音 康之&鞠末「たのもーーー!!」 由紀「ふ、二人とも…道場破りじゃないんだから…!」 橋本「おや、いらっしゃいませ。」 鞠末「はう?!渋カッコエエおじさまやな〜v」 康之「鞠末、ウットリしとる場合ちゃうやろッ!」 鞠末「はっ!せやったね!ウッカリさん☆」 康之「あのっ、みことねぇさん居はりますか?」 橋本「みことさんですか?今でしたら、…お墓参りに出てますよ。もうじき戻るはずです…おや、噂をすれば。」 SE:ドア&ドアベルの音 みこと「只今戻りまし……あ…貴方達…(一瞬戸惑った後に笑顔になり)…いらっしゃい。どうしたの?」 康之「みことねぇさん」 SE:歩く音 みこと「…何?」 康之「……ワイ、みことねぇさんが好きや!」 みこと「は?」 由紀&鞠末「えええええ?!」 鞠末「ヘイ、まっきまーき?!ちょっと待ちーな!!なんでそないなセリフになるねん!!」 康之「こないだのこと、ワイなりに一生懸命考えたんや。ワイだけやない。他の部活連中も、そこの渋いおっさんも、あの陰険にへにへ探偵やってそうや!     ねぇさんの言うとった、小泉っちゅー奴や一真って奴も、きっとねぇさんが好きやったハズ!」 みこと「…ちょっと…」 由紀「……あ、あの、すみません…康之さんが悩んでたみたいだったから…相談に乗ったんです…だから、その」 鞠末「話はぜーんぶ!ヤスから聞きました!」 みこと「…そう。…悪いけど、帰ってくれる?これからお店の手伝いもあるから。」 康之「いーや!帰らへん!」 鞠末「ヤッスーに同じ!」 みこと「……好きにすれば?」 SE:歩く音 SE:腕を掴む音 みこと「痛っ…ちょっと、何す…」 康之「そうやって逃げるんか?」 みこと「はぁ?!」 康之「そうやってな、色んなもんから逃げて逃げて、この先もずーーっと逃げてくんかいな!」 みこと「ッ…離しなさいよ。」 康之「いやや。」 みこと「離せって言ってるでしょ?!」 鞠末「ヤス、離したらアカンよ?!」 みこと「鞠末ちゃん、貴方まで…」 鞠末「私もみこ先輩の気持ちはわかるつもり!私だって、おじいちゃんはぬらりひょんやし、お父んは赤坊主やし、普通とはちゃうよ?そのせいかしらんけど体めっちゃ弱いし。     …いつ死ぬかなんてわからへん。せやけど、私は関わった人みんな大好き!私のことも好きになってほしい!そういう大事なことを…記憶を消すなんて絶対アカンよ!」 みこと「…鞠末ちゃん…」 由紀「二人とも、落ち着いて…。…あの、差し出がましいとは思いますけど…ちょっとだけ…いいですか?」 康之「由紀にぃさん…」 由紀「あの…ボクは、みことさんの考え方も一理あると思います。」 鞠末「ユッキー?!何言うとんの?!」 由紀「ご、ごめんなさい……確かに、自分だけ姿かたちの変わらないまま、先立たれるのは怖いし…そんな自分を怖がられるのも嫌だと思います。だけど…それは、相手も同じ、だと思うんです。」 みこと「相手、も…?」 由紀「えっと…相手も、貴方を好きな分…置いていく辛さがあると思うんです。…自分だけ先に老いて、好きな人を置いて死んでしまう…。一緒じゃないですか?」 鞠末「楽しさだけ共有したってしゃーないと思いません?…お互いのツラさも弱さも全部ぜーんぶひっくるめて、初めて一緒に生きてるゆーことになるんちゃいます?!」 康之「せや…記憶を消すやなんて、そんなんおかしいやろ!このままやと誰も幸せになれんやないかっ!」 みこと「…ッ!」 由紀「康之さん…」 鞠末「ヤス…」 SE:手を叩く音(2つほど) 颯太「おまいさんら、とりあえず此処で一旦締めてくれやせんかね?もう店ェ開ける時間でサ。」 みこと「颯太…」 康之「陰険にへにへ探偵…!」 鞠末「いやや!まだ話は終わっとらんもの!」 颯太「いいや。もう、充分でサ」 由紀「充分って…」 颯太「ほーれほれ。早く帰らねェと、仮病使って来たことがバレやすよゥ?」 康之「げえっ?!なんでお前が知っとるんや?!」 颯太「さァてね?企業秘密でサ」 由紀「す、すみません…ほら、康之さん、鞠末さん…行こう?」 鞠末「…うぅ…はぁーい…。」 SE:ドアベルの音 康之「…みことねぇさん…」 SE:ドアベルの音 颯太「…みこと。」 みこと「…餓鬼らに説教されるとはな。お節介な奴らだ。」 颯太「お節介ついでに、あっしからも一言。」 みこと「うん?」 颯太「おまいさん一人で、思い出全部背負い込む必要はねェよ。」 みこと「…颯太。…フフッ…あの子達の気持ち…今はまだ…まだ、受け入れられないけど…いつか…変われればいいと、そう思うよ。」 颯太「…ほーれ、シャキッとしなせェ。天下の鬼姫が、いつまでも湿気たツラァ曝すんじゃねェよ。」 みこと「ああ…そうだな。」 ■墓地 SE:歩く音 夾「あれ?花が変わってる……先に誰か墓参りに来てくれたのかな?」 SE:カサカサという音 夾「綺麗…白い桔梗なんて珍しいな…。あはは、白と紫の桔梗ってのも、いいもんだな。」 SE:立ち上がる音 夾「また来るよ、じいちゃん。」 SE:歩く音 SE:商店街のガヤ(フェードイン) SE:ぶつかる音 夾「あてっ」 一真「ってぇ…」 夾「あ、悪ぃ!大丈夫か?」 一真「ああ……?!」 夾「どした?」 一真「……いや、人違いだ。ぶつかって悪かったな。じゃ。」 SE:歩く音 夾「変な奴。俺の髪見て顔が変わったけど、何か可笑しかったかな?…あ、学生証落としてらぁ。ん〜?…1年の武藤一真?ふーん…って、やべ!早く帰らねーと、母さんに叱られる!」 SE:走る音 SE:歩く音 一真「…いつかきっと、見つけ出すからな…。」 END