■小夜時雨の訪問者 ■概略 7月に入っても抜けきらない雨が続く町で、昏倒事件が続発。 依頼を受けた妖研では、まだまだ新人の康之と鞠末を抜擢し、解決しようと奮闘する。 ■登場人物 槇本康之 (CV:如月航二) :台詞数40 弥良鞠末 (CV:北島魁穂) :台詞数42 四条院貴子 (CV:雪白ゆり) :台詞数14 宇治木龍太郎 (CV:香柳慎) :台詞数14 八月晦日颯太 (CV:黄瀬ハル) :台詞数19 桜依みこと (CV:さくらひづき) :台詞数21 ぬっへほふ (CV:さくらひづき) :台詞数7 ?? (CV:未定) :台詞数6 ■妖研部室 SE:雨の音 001_鞠末「はぁ…もう7月やのに、今週はずっと雨・雨・雨やね〜。」 002_康之「雨って、なんでこう、やる気を削ぐんやろなぁ。」 SE:ドアの音 003_貴子「さー!今日も元気に行くわよー!」 004_康之「…貴子ねぇさん?やけに上機嫌やないですか。」 005_鞠末「ホンマに!昨日まで「雨ばっかりで、髪が纏まらないしジメジメしてて最悪ー!」って言ってたのに。」 006_貴子「ウフフフv依頼が来たのよ、依頼が!」 007_宇治木「それについては、僕の方から説明しますね。依頼は、僕達のクラスメイトからなんですけどね…彼の弟が行方不明なんだそうです。」 ■タイトルコール 008_鞠末「逢学妖研活動記 小夜時雨の訪問者」 ■妖研部室 009_宇治木「なんでも、依頼人の弟君が消えたのは、例の昏倒事件と同じ状況らしいんだ。」 010_康之「昏倒事件って…この1週間で、何人もの人が倒れたけれど原因は不明。同時に一緒に追った子供が行方不明になっとるっちゅー、不可解な事件のことですか?」 011_貴子「依頼人のお母さんが証人よ。弟君と一緒に帰宅途中、急に頭痛がして、気がついたら病院のベットの中。弟君は消えてしまってた。」 012_宇治木「探そうにも前後の記憶が曖昧で、詳しいことは謎のまま。それで、お兄さんから僕らに依頼が来たってわけさ。」 013_康之「せやけど、現場は既に警察が捜査しとるし、ニュースじゃ、原因もなんもわからんて言うてたやないですか…それをワイらでどないせっちゅーんですか?」 014_貴子「イチから全部、私達でやるのよ!それしかないでしょう?」 015_鞠末「ええええ?!」 016_貴子「ガッデム!そんなあからさまに嫌そうな声出さなくてもいいじゃないのぉ!」 017_宇治木「………全く手が無い訳じゃないよ。」 018_康之「えっ?」 018_鞠末「えっ?」 019_宇治木「実はね、こういう怪奇現象を専門に扱う探偵所があるんだよ。」 020_康之「なんや、そんな便利なトコがあったんかいな!それやったら…」 021_貴子「絶対イヤ!龍太郎、私、アイツのところに行くのは絶対嫌よ!断固反対ー!」 022_康之「アイツ?」 023_宇治木「…康之君たちはまだ行ったことが無いからね。僕たちが偶にお世話になってるんだけど…」 024_貴子「なってない!」 025_宇治木「まぁ、行けば分かるよ。学校の近くに商店街があるだろ?其処にあるんだ。怪奇現象専門の探偵事務所…"其理頗探偵所(すこぶるたんていじょ)"がね。」 ■其理頗探偵所 026_康之(ナレ)「ワイらが連れて来られたのは、商店街の裏と言う辺鄙な場所にある、やけに古臭い事務所やった。         螺旋階段を上って、扉を開けば、やっぱり少し古臭い雰囲気の部屋。そんで、イラつき絶頂の貴子さんの前におるんが…噂のアイツらしい。」 027_颯太「…で?」 028_貴子「だ・か・らぁ…何回言わせるつもりよ!!この事件に関する情報があったら教えなさいっつってるのよ!」 029_鞠末「はぁー…お姉さまがめっちゃイラついてはる…」 030_宇治木「あの人がこの其理頗探偵所の所長で、八月晦日颯太さんって言うんだ。」 031_康之「な、なんや…えらいちっこい所長なんやなぁ…中坊か?」 032_宇治木「確か高校3年生だから、僕らと同い年のはずだよ?」 033_康之「マジですか!?」 SE:コツ、コツと机を指で叩く音(有れば) 034_颯太「情報ねェ…まァ提供してやらねェこともねェけど」 035_貴子「な、な、何よその態度…!」 036_颯太「あんまり怒ると、折角の美貌が台無しですぜィ?」 037_貴子「誰が怒らせてると思ってるのよ…!」 038_宇治木「ああやって貴子さんがいつもキレちゃうんだけど、すぐにかわされるんだ。」 039_鞠末「そ、そうなんや…」 040_みこと「はい、お茶。遅くなってごめんね〜。」 041_康之「あ、ど、ども…」 042_宇治木「あ、此方は桜依みことさん。この事務所の所員の人だよ。」 043_みこと「ご紹介に預かりました、桜依みことよ。ま、適当によろしくね。」 044_鞠末「どうも、弥良鞠末でっす!永遠の貴公子は福沢諭吉!好物たこ焼きの関西人でっす!」 045_みこと「あはは、元気な子だね!宜しく、鞠末ちゃん!私のことは、みことでいいから。」 SE:資料を捲る音 046_颯太「そうさねェ…雨の夜に昏倒…子供が行方不明…フン…みこと」 047_みこと「はいはい?」 048_颯太「宜しく頼みまさァ」 049_みこと「あいさ、了解!適当に持ってくるわ〜!」 050_鞠末「い、今ので何が必要なんかわかったん?!」 051_康之「なんつーか…阿吽の呼吸ってああ言うのを言うんやろなぁ…」 052_鞠末「…それにしても…」 053_康之「鞠末?どないしたん?」 054_鞠末「…え?あー…なんでもないない!気にせんで!」 055_鞠末(心)「みことさんやったっけ…なんかヒトとは違う感じがするけど…気のせいやろか?」 056_みこと「該当する妖怪・怪現象は数点合ったけど、おそらくはコレね。はい、資料!」 057_颯太「ん。お疲れサン。」 SE:ドサドサ!と言う音 058_康之「はぁ〜…すっご!あの会話だけで絞りこんだんか?」 059_みこと「やーね。ニュースも見てたし、現場を通ったこともあったから探しやすかっただけよ。」 060_宇治木「ハハ、相変わらず手早いですね。みことさんも、颯太さんも。」 061_颯太「いやなァに…それくらい大したことじゃ御座いやせん。ねェ、貴子サン?」 062_貴子「な・ん・で、私に振るのかしら…?」 063_颯太「さァてね?」 064_貴子「要するに、ウチの情報収集能力が甘いって言いたいの?!」 065_颯太「だ〜れもそんなこと言ってやせん」 066_貴子「目が言ってるわよ!そのヘラヘラした顔、いっぺん引っぱたきたい…!!」 067_鞠末「あああ、貴子お姉さま落ち着いてー!」 068_康之「ははあ…頼りになるけど、貴子ねぇさんとの相性が悪い…ってコトかい」 069_宇治木「そういうこと。」 070_みこと「貴子さんも颯太もその辺でやめときなって!…さてと。それじゃあ簡単に説明するわよ。今回の事件の鍵となる妖怪、それは…」 ■夜中 SE:雨の音 071_康之「ふぇーーっくしッッ!!」 072_鞠末「シィーー!見つかったらどないすんの?!」 073_康之「お、おぅ、すまん。」 074_鞠末「まきまきはホンマ空気読めへんのやから〜…へっくしゅ!」 075_康之「お前かて!!」 076_鞠末「あ、あははは!…でも、ホンマに現れるんやろか?こんなだーれも通らんような裏道に。」 ■回想(其理頗探偵所) 077_みこと「妖怪の名前は"ぬっへほふ"。雨の降る、暗い夜道に現れる妖怪で、その異臭で人を昏倒させてしまうの…現場に、微かに腐ったような匂いが残ってたから確かなんだけど…」 078_颯太「ぬっへほふは、死者の屍骸から生まれた妖怪。故に、ただ居場所を求めて徘徊するだけで、本来ならば全くと言っていいほど害は無ェはず。」 079_貴子「それじゃあ、どうして子供が消えるのかしらね…。」 080_みこと「…その辺はもう少し調べてみるわ。とりあえず、この1週間の出没する時間と区域の統計から、次に現れるのは今日の夜。商店街から少し離れたこの小道か、学校の裏手にある小道のどちらかね。」 081_宇治木「それじゃあ、二手に別れた方がいいね。僕と貴子さんが学校側に行くことにしよう。…商店街側は任せたよ。」 082_みこと「…ふぅん。ま、適当に頑張ってね。何か分かったら連絡するから。」 ■夜中 SE:雨の音 081_康之「って言うとったけど、それやったらなんで子供がさらわれなアカンねん。」 082_鞠末「なんか裏があるんちゃうか?実は真犯人がおって、ぬっへほふに罪を擦りつけようと…」 083_康之「アホか!そんなわけないやろ!なんでそんな泥沼サスペンス劇場になるんや…まったく…」 SE:足音 084_鞠末「き、来おった?!」 085_康之「鞠末、貰ったマスクせい!来るで!」 SE:足音 086_鞠末「…え?黄色い傘に…雨合羽…?あれがぬっへほふ?」 087_康之「…ちゃう…子供や!なんでこないなところに子供がおんねん!!危な…」 SE:足音 088_鞠末「って、なななな、なんや?!きょ、キョーレツな匂い?!」 089_康之「あ、頭が痛い……?!き、鞠末、あれ、見てみぃ!!」 090_ぬっへほふ「ぶもっぶもっ…」 091_鞠末「肉の塊が歩いとる?!あれがぬっへほふ?!…思ったよりプリティや〜んv」 092_康之「何処がや!!って、ちゃうちゃう…やっぱり、ぬっへほふが犯人やったんかいな…!鞠末、行くで!早よせんとあの子がさらわれてまう!」 093_鞠末「…ッ…ヤス、待って!…なんか、別の音がせぇへん?…何処から……ハッ、上や!!」 SE:翼の音 094_康之「と、鳥?!ちゃう、人の顔しとる…なんや、アレは!!」 ??「ああああ、私の子。ようやく見つけたわ…!さあ、おうちに帰りましょう?さあ、さあ!!」 SE:掴む音 095_ぬっへほふ「ぶもっ!ぶもぶもっ!!」 096_鞠末「アカン、あの子、あのオバケ鳥に連れてかれてまう!!こうしちゃおれへん!!」 SE:駆け出す音 097_康之「な、鞠末待てぇ!!」 098_鞠末「このぉ…その子を離せや!!」 SE:紙の音(お札アクション) 099_??「ッ?!…邪魔をするなああ!!」 SE:攻撃音 100_鞠末「きゃあ?!」 101_康之「鞠末!!」 SE:ガシッ!とか、支える音? 102_鞠末「あ、ありがと、ヤス…!けど、私のお札が効かへん…?!」 103_康之「それに、なんちゅー馬鹿力や…ひと一人投げ飛ばすやなんて…!」 104_??「誰にも…誰にも邪魔はさせないわああ…」 105_康之「くそ…頭がクラクラして、上手く歌えそうも…!それどころか、逃げようにもこの力の差じゃ、逃げきれん…!」 106_ぬっへほふ「ぶもぶもっ!」 107_康之「な、お前…ワイらの盾に…?」 108_??「あらぁ?また現れたのね…汚らわしい肉塊…何度私の邪魔をすれば気が済むのかしらああ!!」 109_康之「なんやて…?」 110_鞠末「アカン…ぬっへほふ、逃げて!!攻撃されてまう!!」 SE:錫杖音 111_颯太「オンキリキリ・オンキリキリ・オンキリウン・キャクウン…不動金縛りの法」 112_??「グギィ?!」 113_鞠末「なんやの…?!オバケ鳥の動きが止まった?!」 114_みこと「おどきなさい、お嬢ちゃん」 115_鞠末「へ?!」 116_みこと「はあぁぁ!!」 SE:斬撃音 117_??「ギィギャアアア!!」 118_みこと「颯太!」 119_颯太「あいよゥ。」 SE:魔法音(フォン、みたいな感じ) SE:錫杖の音 120_颯太「ナウマク・サマンダ・ボダナン・エンマヤ・ソワカ 断罪の雷(いかずち) 閻魔雷(えんまらい)」 SE:雷の音 121_??「アアア!!焼けるッ体が…ギャアア!!」 SE:倒れる音 122_鞠末「た…倒しよった……私の札も効かなかった、あのバケモンを…」 123_みこと「貴方たち、大丈夫?」 124_康之「みこと姉さん?…せや、あの子供は?!」 125_颯太「アレかい?アレなら…」 SE:紙の音 126_鞠末「まさか…ヒトガタ?せやけど、まるで生きてる人間みたいやった…かなりの高位術やで…?」 127_康之「ちょ、ちょい待ち!なんでお前らが此処におんねん!それに、一体全体何がなにやらさっぱりやで?!」 128_みこと「はいはい、説明するから落ち着いてね〜。」 (SE:むぎゅ!と言う音があれば) 129_康之「むぐっ?!ほ、頬を摘むなや!!」 130_颯太「宇治木サンに頼まれたのよ。もし別の、強ぇ妖怪が絡んでいるようなら、学校側は貴子サンと二人でなら対処出来るだろうから、念のためこっちを援護してくれってねェ。」 131_みこと「というより、ぬっへほふが人攫いをするだなんてオカシイとは思ってたのよ。だからヒトガタを用意して、真犯人をおびき出そうとしたってわけ。」 132_鞠末「それであのオバケ鳥が出た…ってことですのん?」 133_颯太「彼奴の名は姑獲鳥(うぶめ)。子を抱けぬままに死んだ女が、子を攫う妖怪となった姿でサ。」 134_みこと「この妖怪は7月8月に出没することが多いという伝承があってね、時期的にもピッタリ一致したってわけよ。」 135_鞠末「それやったら、ぬっへほふは…?」 136_みこと「多分、子供が攫われるのを阻止しようとしてたんじゃないかしら?姑獲鳥の出現したと思われる場所にわざわざ現れてたみたいだからね。…雨の日にしか出て来れない今だけ。」 137_康之「き、鞠末の想像は当たってたってことかい…。」 SE:足音 138_ぬっへほふ「ぶも、ぶも。」 139_鞠末「ぬっへほふ…やっぱり悪い子やなかったんやね…!」 140_ぬっへほふ「ぶも。」 SE:足音 141_鞠末「ぬっへほふ?何処に行くん?!」 142_颯太「安心したんだろうよ。これで子が攫われることはないだろうってねェ。」 143_康之「……ぬっへほふ!!」 144_ぬっへほふ「ぶも?」 145_康之「犯人扱いしてすまんかった!この通りや!!…おおきに!」 146_ぬっへほふ「…ぶーも。」 SE:足音 147_鞠末「笑っとったね、ぬっへほふ。」 148_康之「ああ…しかし…さっきから頭が痛くてしゃー…ない…」 SE:倒れる音 149_鞠末「ややや、ヤスーーー?!しっかりしぃや、傷は浅いでーー!!」 150_みこと「そりゃこの匂いだもの。普通の人なら卒倒モノよ。彼がこうなっても当然だわ。私らだって、マスクがなかったら今頃ばたんきゅ〜よ。」 151_颯太「それじゃ、後は頼みやすよゥ。」 152_鞠末「え?!」 153_颯太「あっしらが受けた依頼は此処まで。解決したようだし、其の後は知ったこっちゃねェってねw」 154_みこと「あ、追加料金出すなら手伝ってもいいわよ!依頼料と一緒にバーッチリ請求させてもらうから☆」 155_鞠末「そんなーーー!!」 ■部室 156_鞠末(ナレ)「結局、私一人じゃヤスを運べそうにない言うことで、追加料金を部費で払ってもらえるようにオネエ様に頼みました。     連れ去られた子供達は、さらにさらに追加料金を払って調べてもらい、翌日、全員無事に見つかって家に帰すことが出来ました。     みこと姉さんのあのがめつさ…私と気が合いそうやったなー!そんで、私らはというと…。」 157_康之「お前、何作っとんねん。」 158_鞠末「えー?ぬっへほふの縫いぐるみ!どや、そっくりやろー?vv」 159_康之「ああああ、アカン!!あの匂い思い出してまう!!堪忍してーーー!!」 160_鞠末(ナレ)「ヤスはあれ以来、ぬっへほふの匂いが完全にトラウマになり、私はすっかり、ぬっへほふが大好きになりましたとさっ!」 END