Novel
あとがき
最終回をアップし終わりました。
キラとヒロインの物語は、ここでひとまず終了となります。
皆様、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
ここからは、この連載全体に関してのあとがきとなります。
結構長いので「あとがきなんざ力量のない作者の言い訳文に過ぎねえよ!」という方は、どうぞお戻りください。
また随所にネタバレを含みますので、今、このあとがきから読んでいるという方は、どうぞ本編の方からお読みください。
「あとがきから読むのが俺のジャスティス!」というフリーダム且つパンキッシュな方は、どうぞこのままお進みください。
OK?
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さて、この連載夢『SOLDIER-悲しみの詩-』は、ある一つのアイデアと、ある一曲の歌からひらめきを得て書き始めました。
アイデアというか、妄想考察なのですが(笑)
とりあえず、歌の方から語っていきましょう。タイトルにもなった『SOLDIER-悲しみの詩-』、GUNDAM EVOLVE 8のストライク編で流れたテーマソングです。悲しい戦士の歌と高く澄んだ歌声、そしてEVOLVEでのストライクの神の如き動き……全てが衝撃でした。
その映像を見て、私はふと考えました。
「ストライクのキラとフリーダムのキラって動き別人だよな……っていうかむしろ別人でよくね?」
……と。
ここからが、『一つのアイデア』の方。『もしもストライクのキラがイージス自爆に巻き込まれた後、ラクスの元ではなくオーブに拾われていたら』……という妄想に繋がるわけです。
実際、本編を見ても、フリーダムに乗った後のキラはまるで別人かと思うくらい悟った表情で、ラクスの意のままに動くようになっていました。例えキラ自身が「戦争を止めたい」という思いの元にフリーダムを駆っても、どうしても「ラクスに上手く誘導されている」としか見えなかったわけです、私は。
こういった考察をしていたのは、実は私だけではありませんでした。
某匿名掲示板にて、こんなタイトルのスレッドがありました。
『もしもロウがキラを助けてなかったら』
本編では描かれていない事実ですが、ストライクが落とされた後、キラはASTRAYの主人公であるロウ・ギュールに助け出され、そのままマルキオ経由でプラントへと送り込まれた、という描写があります。
これをなかったことにするとどうなるか。
ロウが助けてくれないため、マルキオの元には行けませんし、そうすると当然プラントにも行けなくなります。キラはオーブの捜索隊にその生死を預けるしかないわけです。
そして運良く助け出されたことで、未来は変わるはずでした。
しかし、本編の通り、アラスカにはフリーダムが舞い降りて、オーブ(または別の誰かに助け出された)にいるはずのキラがそれに乗っている……どちらが本物のキラなのか、また誰が偽者を作り出したのか?
そういった話が、そのスレッドにはたくさん書かれていました。
黒幕は…………みんな考えることは同じみたいです(笑)
そんな物語を、私も書いてみたいと思い、出来上がったのが旧サイト『Reconstruction』でした。あのサイトはこれのために存在したといっても過言ではありません。
本編から放逐されてしまった『一人目』のキラ・ヤマトが、いかに立ち直り、自分自身を取り戻すか……『SOLDIER』はそんな話でした。そんな彼を見つめて、世界全体を説明する役割として出したのがヒロインです。つまり、今だから言える! ヒロインはオマケだったのですね!(笑)
……いや、ヒロインにはヒロインの役割があるので、あながちただのオマケともいえないんですが……例えば、キラが終始、自分のことに腐心しているかたわら、ヒロインが世界に関して、世界を動かしている人間に関して、疑問を持ったり、意見をぶつけてみたり。
キラが『ラクスとフリーダムのキラ』に対するものであるなら、ヒロインはある意味、『種世界』に対する存在です。
っていうか、クライン派批判とか、もろに私の意見を込めちゃってますからね(しかしさすがに結婚するとは作者でも想像つかんかった…何があったんだお前ら)
そう、つまり……
前半のキラが好きなんですよ!
ストライクで同型のG4機を相手取った、いっぱいいっぱいのキラが!
やりたくもないのに戦わされたためにみんなが気を使ってくれているうちに天狗になっちゃったキラが!!
「増長フラグ来た!!」と期待しながら続きを待てていた無印前半が!!!
……好きだったんですよ。
でも、本編ではキラの増長フラグが変な方向に折れちゃって、結局キラとラクスがこの世で一番正しいみたいになってきて……そしてあの運命ですよ。シンかわいそうすぎるだろ……(涙)
そんなわけで、私の理想というか、ガンダム主人公として恥ずかしくないようにキラを叩き直してみたかったんです。
読み返してみると、その割を食っちゃったのがアスラン、みたいな感じになってるような気がしないでもないですが(笑)
さて、ここからは(分かる人にしか分からない)感謝のメッセージを。
アズラエル嬢、金的のシン、そしてプランA、いつも元気を貰っています。お前ら最高だ!
ブラックK7、ナタリー・フェアレディ、ケイ・クーロン、あなた方がいなければこの話は存在しませんでした。超愛してます!
首領・アスカ、あんた凄すぎるよ! 一生付いて行きます!
そしてそれらを生み出してくださったあの方達、ありがとうございます。いつまでも応援しています!
最後になりますが、キラを支えてくださったヒロイン……すなわち、読んでいただいた『あなた』に、最大限の感謝を送りたいと思います。どうもありがとうございました!
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そろそろあとがきも終わりです。
公式(という名の一部媒体)では、何やらCE世界の情報を全て管理している組織なんぞが出てきましたが、もしかしたら、このお話に出てきたフリーダムのキラもカーボンヒューマンなのかもしれません。そのへんの設定のすり合わせなんかもおいおい考えたいところです。
ですが、種無印のラストを書いたということで、いったんキーボードを閉じたいと思います。
ではまた、オールキャラ連載で、あるいは別のお話でお会いいたしましょう!
2010年1月18日 伊万里