Novel
とらわれのアル…?
豪華だが薄暗いその部屋は、アルのよく知るフェリタニアの空気ではない。
手足を天蓋つきの寝台に拘束されて身動きが取れない。辛うじて開いた両の目が映し出すのは、たった一人の男の姿。
「アル……」
小さく涼やかに耳を侵蝕する声に似つかわしい整った外見に、およそきくたけ演出とは思えない冷徹な雰囲気を纏わせている。
──リシャール・クリフォード。
フェリタニア第一の騎士であり、大陸有数の剣士でもあるアルをいとも簡単に捕らえたこの男は、薄い微笑を纏わせたまま寝台に近づいていく。
「ようやく手に入れた、フェリタニアの騎士殿……だが、今日からは私のものだ」
「っ……」
手袋越しにアルの頬が撫でられる。背筋が凍るようだ。
大丈夫だ。アルは言い聞かせるように何度も頭の中で繰り返した。
我が女王と仲間たちは、必ず助けに来ると言った。そう“約束”したのだから。
だが、一手遅かった。リシャールの手はするりとアルの顎から首、鎖骨へと滑り落ちていき、そして魔法のような鮮やかさで申し訳程度に残っていた上着がはだけられていく。
自分でも震えているのが分かった。確かに一手遅かった。リシャールは歯を食いしばるアルの耳元に唇を寄せ、そっとこう囁いた……
「たけしー、ごはんよー」
GM:…………
アル:…………
ピアニィ:…………
ナヴァール:…………
ベネット:…………
GM:……こ、こーして世界は救われたんだ。
一同:なんっじゃそりゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?
※菊池家のごはんはこの後プレイヤーたちが美味しくいただきました。
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あとがき。
途中まで地下室直行のような雰囲気のリシャアルでしたが、やはりきくたけ。
シリアスは3分くらいしかもちません(笑)
でもいつか、書きたいです……