誰かの願いが叶うころ





(17)


 身の回りの世話を主にしている僧侶が、片倉様がお渡りで御座いますと毛利に告げに来たのはすでに日も暮れた後だった。毛利は日輪への拝謁を(ようやく自力でできるようになっていた)済ませて、床の中で伏せっていたが、僧侶の言葉に僅かに目を細めると、やがてそろそろと身を起こした。
「・・・着替える。そのほう、手を貸せ」
「その必要はありませぬ。どうぞそのまま」
 ―――声がした。小十郎が襖を開けて立っている。
 毛利は小さく溜息をつくと、肩に羽織っていた小袖を少し整えて床の上に正座した。本来ならば人質の身分、伊達家家老職である小十郎へは毛利のほうが遜るべきであるが、堂々と面を上げたまま冷静な視線を送ってくる。小十郎は内心その堂々とした態度に舌を巻きながら、毛利の正面に座った。
「どうぞお体を楽に。起きる必要はありませぬ、急に参ったこちらの非礼は承知しておりますゆえ」
 その言葉に、世話役の僧侶が、ではそのようになさいませと口添えた。毛利はしばらく小十郎の顔を見つめていたが、やがてひとつ頷くと、失礼すると言って僧侶に手伝わせ、再度床に伏せた。
「片倉、だったな。なんの用だ」
 仰向けに横たわると、毛利は天井を見つめ、抑揚の無い声で問うた。
 低く静かな声だったが不思議と惹く力がある。
 小十郎は毛利の枕元に正座していたが、その呼びかけに覚えず「はっ」と丁寧に返事をし、軽く頭を下げていた。
「遅ればせながら、まずは、主君・政宗公の御命を救っていただいたこと御礼申し上げまする。此度の御怪我はそのために被ったもの、御身が完治するよう伊達家が責任持つ所存」
「・・・白々しい挨拶はよい・・・貴様、」
 毛利の声は冷たかった。
「―――察するに、我に貴様の主君とこれ以上会うなと言いたいのであろう?」



 小十郎は下げた頭を上げられないまま、ごくりと唾を飲み込んだ。
 やや置いて、静かに面を上げると小十郎は毛利に問い掛けた。
「・・・確かに、随分以前よりそのように、この小十郎は政宗様に申し上げております。・・・毛利殿は何故そう御気づきになられたか?」
「別に・・・。我がもしも伊達家の家老ならば、そう奏上するだろうと思ったまでのこと」
 小十郎の質問に、淡々とした口調で、毛利は言った。
「―――頃合いであろう。我も、彼奴とこれ以上会うを望まぬ」
 小十郎は毛利を凝視した。
 毛利は天井を見つめたままだ。小十郎の見つめる先で、やがて唇が僅かに開かれた。
「片倉。・・・貴様、あれの幼少時よりの守り役であったと聞いたが」
 “あれ”とは政宗のことに相違ない。小十郎は頷いた。毛利はようやく小十郎へと視線を移す。
「なればこそ問う。現在のあれを、主君として貴様はどう思っているのだ」
 小十郎は眉を顰めた。質問の意図がはっきりとわからず毛利の表情を探る。冷めた一瞥を小十郎に呉れてやると、毛利は小さくため息をついた。
 脆い、と呟く声に、小十郎は目を瞠った。
「おそれながら・・・脆いとは、如何な・・・」
「言葉通りよ。昨今のあ奴はどうだ、あのように童子のように我に縋り、信じ切って・・・伊達家の先を思えば、あやつは我と、もはや会わぬほうがよいであろうと申しておるのだ」
 小十郎は声も無い。毛利はちらりと視線を投げてくる。
「なにを驚く。貴様のほうよりその話を我に伝えに参ったのではないのか」
「・・・畏れ入ります」
 小十郎は頭を下げた。
 毛利はどこか苛立ったように続けた。
「よくも奥州を束ね東西の決戦に生き残れたものだ。・・・敗者である我に言われるは口惜しかろうが、あながち間違いでもあるまい。貴様も重々承知しておるであろうが」
「―――」
 辛辣な言葉に、けれど小十郎は怒る気は起きなかった。毛利のそれは観察した結果を淡々と語っている第三者のものだった。勿論、どこかに勢力として、結果的に負けた己に対する悔しさもあったのかもしれないが。
「それに・・・前々から思うておったが」
 前置きして、毛利は小十郎を探るように見つめた。
「あれは、どうも我に誰かを重ねておるように見受けられる。・・・誰の影を追っているか知らぬが傍迷惑なことよ」
「・・・それは・・・」
 政宗と母親の確執を洗いざらい語るわけにもいかず、小十郎は口籠る。毛利は見透かしたように、伊達家の深い事情なぞ我にはどうでもよい、と突っぱねるように言った。
「だが貴様、この現状をよいとは思うておるまい。命を救われたくらいで犬のように懐きおって、・・・いや、命救ったかどうかすら曖昧ぞ。正直に申せ、・・・あの下手人はいったい何者だったのだ」
「・・・西軍の、生き残りに御座いました」
 短く小十郎が応えると、やはりな、と毛利は薄く笑った。
「西軍、とは便利な言葉よな、片倉」
「は・・・」
「・・・かつての、我が駒であろう?」
「・・・・・・」
 小十郎は答えない。沈黙がかえって如実に語っていた。毛利は、興ざめだな、と呟いた。
「何故隠す必要がある。要するに我が自分で招き、我が身で受けた災厄よ。・・・あれになんの咎のあろうはずもない、まして我に恩義を感じる必要も無いはず。何故そう言わぬのだ、あやつに?」
「・・・政宗様とて、お気づきなのです。おそらくは」
 小十郎は深い息をついた。毛利は怪訝な顔をした。おわかりになりませんか、と小十郎はどこか苦笑めいた表情を浮かべた。
「すべて承知のうえで、貴方様のとった行動に感謝しておられるのです。・・・ゆえに、小十郎もどうしたものか困り果てております」
「・・・馬鹿なことを!」
 毛利は呟くと、視線を逸らした。そうですな、と小十郎は呟いた。
 毛利の予測は当たっていた。政宗を狙った下手人はかつての毛利の“駒”であった。かつての主君のために、というわけではなかったようだが、諸々の恨み積み重なっていたところに伊達にいる毛利の元主君のことを知り、暴挙に出たらしい。毛利に傷を負わせたことは、驚いていたが、特に悪びれた様子はなかった。すでに零落した我が身や国元を儚んでいるうちに何処か心が壊れていたに違いなかった。
 だから、すべて毛利のせいだとは小十郎も思っていないのである。正直にそう告げて、小十郎は相変わらず納得のいかない表情の毛利を見つめた。戦に身を置いているうちに、この小柄な青年もどこか人としての感覚がおかしくなってしまっているに違いなかった。毛利が率先して考えるのはいつも“主君として”の判断だった。毛利の感覚からすれば、政宗が人質如きである毛利に思い入れを抱くこと自体が在り得ないのだろう。
「どのみち、良い傾向とは到底思えぬ。もう少し頭の良い男だと思うておったが・・・情けないことよ」
「・・・それゆえに、もはや政宗様と会うを望まれぬと?・・・そうであれば、随分と伊達家中を慮ってのお言葉と見受けられますが」
 少しばかり皮肉が籠ったらしい。毛利は小さく哂った。
「もはや我にはなんの力もない。我のせいとは思いたくもないが、奥州を愚かな主君が治めたばかりにまた戦乱が起こっては領民どもが泣くというもの」
「・・・ご配慮、感謝致します」
「そういうことだ」
 毛利はさばさばと言った。
「納得したなら、貴様からあれに伝えよ。我は我が“配慮”に従ってあれとはもはや会わぬ。・・・それで、くだらぬ慣れ合いも終わろうというもの」
 小十郎はすぐに返事をしなかった。毛利は訝しげに小十郎を見た。
「―――用は済んだであろう。往ぬがよい」
「それで、貴方様は宜しいのか?」
「・・・何?」
 小十郎は、重ねて問うた。
「かつての強国の主としてではなく・・・人質としての境遇にある者でもなく。個としての貴方様はどうなのですか。政宗様ともはや会わぬことに、些かの躊躇も持たないと?」



 毛利は目を瞠った。
 ややあって、小さく口元を歪めて哂った。伊達家は家老までもが甘いものよ、と呟きが漏れ聴こえたが小十郎は黙っている。
 やがて吐き捨てるように毛利は言った。
「個としての我なぞ存在せぬ。貴様、存分に理解しておろうに」
「無論。・・・承知の上で、敢えてお尋ねしておりまする」
 小十郎は静かだった。毛利は黙った。掛け布の上で組んでいた両手を解き、ゆっくりと腕を上げて燭の焔に透かすように自分の掌を見つめる。
「数多の命を殺めた手だ。・・・もはや今更、己が為に何かを掴むなぞ赦されぬ。閻羅王も片腹痛しと嗤うであろう」
「閻羅王に問うてはおりませぬ。この小十郎は貴方様に尋ねております」
「・・・強情なことだな片倉。部下は主君に似るとみえる」
 毛利は苦笑したようだった。掌を瞼の上に置いた。
「・・・我はかつての中国の主。現在は人質として生かされる者。・・・未来も、人質であろうな。そしていつか死ぬ。それ以外の“我”なぞ何処にもおらぬ」
「別の筋道もありましょう。例えば、長會我部殿が示してくだされたような―――」
 毛利は片頬だけで哂った。長會我部か、と呟く。
 どこか寂しい声だった。
「・・・我は、長會我部を理解できぬ。昔からそうだ、我はあれと悉く合わぬ。隣国同士何度もいがみ合った、・・・同盟関係にあったことも、膝つきあわせて語り合ったことも、あるが、・・・」
 毛利は、瞼の上の掌を外すと遠い昔を見透かすような目をした。
「いまだ、わからぬ。何故あれが、我に何度も関わろうとするのか。何故死人同然にすべてを失くした今も・・・我を逃がし連れ去ろうとして此処まで来たのか。ほうっておけばよいものを、何故あんな。・・・わからぬ、・・・そして」
 己の手を見つめる。
「・・・何故、奴にいつも、結局はほだされてしまうのか、最後には奴の言葉を聴いて頷いてしまうのか、・・・我自身が、わからぬ。長會我部はいつも、いつかわかると我に言うておったが、・・・」
 行き先の分からぬ子どものように毛利は言う。小十郎はふと、ひとりずつ肉親を消していったときの政宗を思いだして鈍い痛みを覚えた。
 毛利は、我にかえったように口調を整えた。
「・・・まぁよい。伊達家にとっては関係無いこと。時が来て我が此処より消えることに違いはないのだから」
「・・・」
「いっそ、伊達の代わりに撃たれたときこの身が滅びておれば美談にもなったであろうに。・・・時期を逸した己が不甲斐ない。一度敗れるとどうにもうまくゆかぬものよ」
 毛利の口調は平坦で、まるで他人のことを品評しているような熱の籠らぬ言い様である。
「では、・・・貴方様の道行く先は問いませぬ。政宗様のことはどうお思いか?それだけで結構です」
 小十郎はなおも問うた。毛利は、しつこい奴よ、と呟いた。
「どう、とは。どういう意味だ」
「なんでもよいのです。政宗様をご覧になってこられて、いかがお考えか。脆い、と先程おっしゃられたが、それ以外になんでも」
 どうなのです、と小十郎は重ねて問うた。毛利は小さく細く、息を吐き出した。
「・・・あやつも、我にはよくわからぬ」
 心底、困っている口調だった。
「最初は、長會我部に似ていると思った」
 記憶を辿るように、普段と違う少したどたどしい口調で毛利は呟く。
「・・・しかし。長會我部に似ている、ようで、・・・似ておらぬところのほうが多いような気も、するな・・・」
 少しずつ、言葉は積み重なる。それを崩さないように、小十郎は黙って其処に座っている。



「我儘な子供のようでもあり、残酷な大人のようでもあり、・・・恐ろしいまでに力ある主君の顔をするときもあれば、項垂れて・・・縋って泣く。強引に我の手を引くかと思えばまるで興の失せたように突き放し・・・」
「・・・・・・」
「優しさを見せるかと思えば、刀で斬るように我を嬲る。何を考えているかわからぬ。いいように、我を翻弄しおって、・・・長會我部とは別の意味で、腹の底の見えぬ奴よ。」
「・・・・・・」
「―――或いは、それも奴という者の幅の広さかもしれぬが」
 小十郎はそこまで聞いて、安堵したように僅かに笑った。
 毛利は小十郎のこころには気づかない。自分の逡巡にどこか苛立っているようだった。混乱して、けれどきっと―――毛利も、何かを掴みたがっているのだと、小十郎は思った。
「・・・政宗様のことを、好もしく思われますか?」
 静かに問いかけると、毛利は嫌悪するように眉を顰めた。
「誰かを好きか、などこれまで問われたことはない。考えたこともない。ゆえにわからぬ」
「では、・・・言い方を変えます。・・・政宗様を、“嫌い”ですか?」
 毛利は、小十郎の問い掛けに睫毛の長い瞼を伏せた。腹立たしいことだが、ほんとうにわからぬ、と小さな声が漏れた。
「・・・だが・・・」
 少し間があった。小十郎は待った。
 やがて控えめな声が響いた。
「だが、・・・奴に翻弄される我自身は、・・・さほど嫌いでも、ない」



 小十郎はその、毛利らしい捻くれた言葉に微笑んだ。
 居ずまいを正すと毛利に深々と頭を下げた。ともあれ此度は本当に有り難く、とあらためて家老として主君の命を救ってくれたことに礼を述べた。毛利はどこか虚ろな目で小十郎を見ていたが、僅かに首肯した。
「―――先程、この小十郎が貴方様を我が主君に会わせぬよう進言しに参ったのではないか、とご推察でしたが」
 毛利は怪訝な顔をした。小十郎は柔らかく微笑した。
「少し前までは、確かにそう考えていたのですが。今はそうは思っておりませぬ」
「なんだと?・・・では貴様、何をしに此処へ参ったのか」
 毛利の動揺の滲んだ声を流して、小十郎は静かに言った。
「此度の御礼と・・・一度じっくり貴方様と話をしてみたかったので」
「・・・・・・」
「長居を致しました。お疲れで御座いましょう、これにて失礼致す」
 毛利は顔を背けた。
 小十郎は、その部屋を辞した。毛利がどんな顔をしていたのかは知らない。



「―――!」
 廊下を歩いてすぐ、前方の陰に膝を抱えて座り込んでいる人物に気づいた。不審に思い刀の柄に手を添えて身構える。ゆらりと影が動いて顔を上げる。小十郎は今しも斬りかからんとしたが、相手の顔にある、暗がりで鈍く光を反射する鉛色に気づき、思わず声を上げた。
「―――政宗様!?」
 其処にいるのは、小十郎の主君だった。
 これほどに困惑したことは昨今無かった小十郎は、構えを解くと口を噤んでただそこに立ち尽くしてしまった。主君を見下ろす格好になっていたがそれすらも気付けない。
「これは、・・・本日は客人の接待につき此方にはおいでにならぬとうかがっておりましたが・・・」
「・・・」
「・・・もしや、お聞きになっておられましたのか?」
 ようやく遠慮がちに小十郎が問うと、政宗は蹲る体勢を解いて片膝をたてて座り直す。長めの前髪をかきあげ溜息をついた。それから、聴こえてたぜ、勿論な、とぼそりと言う。小十郎はようやくそこで己の不敬に気付き、慌てて跪くと頭を下げた。失礼致しました、と伝えたが政宗からは曖昧に、別にいいぜという言葉が戻るだけだ。
「・・・結局、俺らは、互いに言っちゃいけねぇんだよな・・・面倒なもんだぜ、身分ってのも」
 ぼそりと呟く声がした。小十郎は顔を上げた。
 “言ってはいけない”という言葉の意味は、小十郎には瞬時に分かった。小十郎が政宗のことを、「好きか」「嫌いか」と訊いたことに、毛利が直接応えなかったことを差しているのだ。
「けど―――言うのは無理でも、行動するのは出来るからな」
 政宗は立ち上がると、顔をあげた。
「お前も、認めてくれたことだしな。・・・今夜、あの人を邸に移すぜ」
 廊下の外の篝火に照らされたその貌は、ふっきれたように笑っていた。小十郎は少しばかり呆れ、・・・けれど同時に、何処か安心もした。
「異論はありませぬが、・・・ひとつだけ、お約束いただけますか」
「・・・what?」
 小十郎は、静かに息を吸い込んだ。政宗の片方だけの目を見つめる。
「時が来たら。・・・けじめをつけられますか。毛利殿が外海に攫われるときが来たら―――どんなに親身に思っておられても。そのときは、伊達の当主として、堂々と笑顔で送りだせると・・・約束、できますか」
「―――」



 政宗は唇を噛んだ。
 俯くと、拳を握りしめる。
 静寂の中で、小十郎は待った。
「・・・できるぜ」
 やがてかえってきた返事に、小十郎は静かに頷いた。
 政宗は顔を上げると、力を籠めて言った。
「俺は伊達家の当主だ。・・・そして、それ以上に、あの人が、・・・大切、だから」
 少しだけ声が震えた。
「あの人がいちばん自由に、幸せになる道を、俺だって知ってる。・・・俺には出来なくても、元親ならできると知ってる。・・・だから、手放せる」



 小十郎は頷いた。
 籠を準備致します、と告げて一礼すると、身を翻す。俄かに寺の敷地はざわめきだした。
 政宗は毛利の居室の外から、声をかけた。返事はなかったが政宗は勝手に入った。
 毛利は身を起こして、こちらを見遣っていた。驚いているのだろう、一重の目は見開かれて、燭の炎の中で頬は紅潮して見えた。
「迎えに来たぜ、毛利の。・・・いや、元就」
「な・・・なんの、ことだ?」
「言ったろ。アンタを、俺の邸に連れていく」
「ば、・・・馬鹿を申すな!!」
 毛利は肩を戦慄かせ、床の上で僅かに後ずさった。
「これ以上我に関わるな。貴様の立場を弁えよ!」
「前にも言ったが。俺は俺の思うとおりにやる。・・・弁えるとこは、ちゃんと弁えてるつもりだぜ、これでもな」
 ―――毛利の傍らにしゃがむと、政宗は腕を伸ばし、細身の体を両腕で掬いあげた。簡単に抱きあげられ、毛利はさっと目元を染めた。
「は・・・離せ!下ろせ、伊達、貴様―――ッ」
「離さねぇよ」
 政宗はにやりと笑った。いつもどおりの、自信に満ちた、彼の笑顔だった。毛利はその笑顔に吸い込まれるように黙った。いい子だ、と言うと政宗は毛利を横抱きに抱いたまま歩きだす。



(・・・Limitあったって、・・・いつか誰か別の奴のものになるとしたって、かまやしねぇよ。アンタがこの手を離れる日までは、・・・アンタは、俺のものだ)