Irish Blood, English Heart
 アイリッシュ・ブラッド・イングリッシュ・ハート
アイルランドの血 イングランドの心
それが私を形作るもの
この地上に
恐れるものは何もない
そして どんな政府も
私を売り買いできはしない

私は夢見ている いつの日にか
イギリス人でありながら
害毒にならないことを
国旗の横に立ちながら
恥や、人種差別主義者、排他的だと感じない日を

アイルランドの血 イングランドの心
それが私を形作るもの
この地上に
恐れるものは何もない
そして 死する時にも
私の両手は縛られはしない

私は夢見ている いつの日にか
イギリス人が労働党と保守党に
死ぬほど嫌気が差すことを
そして オリバー・クロムウェルの名に唾を吐くことを
そして未だに奴を敬い または
これからも永遠に奴を敬い続けるであろう
英国王室の系譜を公然と非難する日が来ることを


・To be standing by the flag not feeling
 Shameful, racist or partial

 92年にNMEが特集した「モリシーは人種差別主義者かどうか」とする記事において、まるで人種差別主義者の証拠写真であるかのように、英国旗を手にしたモリシーの写真が掲載された。

・オリバー・クロムウェル(Oliver Cromwell, 1599〜1658)
 イングランドの政治家。清教徒革命で頭角を現し、1645年にはイングランド王チャールズ1世をスコットランドに追放、議会派を勝利に導いた。1648年にチャールズ1世を処刑し、翌年に共和国を成立させる。共和国の指導者となったクロムウェルは、カソリック国のアイルランド、スコットランドに侵攻し、各地で住民の虐殺、弾圧を行った。

 モリシーは、これまでも国家的同一性と個人、人種間の摩擦といった題材を取り上げてきたが、モリシー本人の言葉として率直に詞に書起こしたのは、この歌が初めてではないだろうか。

 英国以外のコンサートでも非常に盛り上がる曲だ。どう見てもアイルランド系には見えない人達も歓声を上げる。それは、この歌がモリシー個人の意見でありながら、同時に人種や住んでいる国を超えて多くの人たちに普遍的な意味を持ち得ていることの、それこそ証拠だと言えるだろう。

収録アルバム
基本的にオリジナル・アルバムのみの記載です。
アルバム未収録曲に限りベスト盤等を記載します。

・You Are the Quarry