Nobody Loves Us (Morrissey / Alain Whyte)
 ノーバディ・ラブス・ミー
9倍の罰金
気にしやしない
少しでもマシにするには
次の酷い痛みを待ち構えて
ここに立ち尽くすしかない
僕たちはケーキにかぶりついて
お茶の時間を台無しにしたくてたまらない
結局のところ 想像してみろよ
誰も僕たちを愛さない
トラブルの名手で
4日も剃っていない髭 僕たちはそんなさ
だから決して結束を緩めるな
僕たちを家に呼べよ 頬にキスしろ
誰も僕たちを愛さない
だから僕たちは、独りよがりになりがちなのさ

人は僕たちのことを
本当はどれだけ金持ちになれたか
寝そべって夢想しているだけだと思っている
どうせマシにならない人生なら
もっと過ちを犯したくてたまらない
全てを台無しにしたくてたまらない
面と向かって
僕たちを家に呼べよ 頬にキスしろ
誰も僕たちを愛さない
トラブルの名手で
4日も剃っていない髭 僕たちはそんなさ
だから決して結束を緩めるな
僕たちを家に呼べよ お茶を出してくれ
誰も僕たちを愛さない
だから僕たちは……独りよがりになりがちなのさ

僕たちを家に呼べよ 腹いっぱいにしてくれ
誰も僕たちを欲しがらない
僕たちは夢見がちで 悪企みをする 酔っ払いの
卑屈な いかれ野郎
決して結束を緩めるな
僕たちをブッとばしてくれ それから
きつく抱きしめてくれ
誰も僕たちを愛さない
だから僕たちは……独りよがりになりがちなのさ

それに僕たちにとっては
これ以上の混乱も
完璧な困窮も
たいした違にはならない
僕たちの気に入りの歌を歌ってくれ
誰も僕たちを愛さない
僕たちは無神論への改宗者
実践的なトラブルメーカー
僕たちの気に入りのジャムを作ってくれ
誰も僕たちを愛さない
僕たちは役立たずの怠け者 おまけに職なし
けれど僕たちを作ったのはお前らだ


・Jam  お茶の時間に登場する甘いジャムの他に「困難な状況」「苦境」といった意味がある。

 とても好きな曲だ。私はこの歌が“Nobody Loves *Me*”ではなく“Nobody Loves *US*”だということに胸を打たれる。

 この歌にはモリシーが惹かれる古い時代の不良たちが世間に対して抱いていた「俺たち」と「お前ら=世間」の断絶の図式が投影されているようにも思える。

 どれほど自分たちが誰からも愛されないロクデナシなのかを並び立て、そこで「だから僕たちをお茶に招けよ。それをブチ壊してやるから」と言い放つ。この自暴自棄な挑発は、愛情を切望してはいても、それを甘えてねだることの出来ない者たちの「お前ら」に対する鋭い噛み付きだ。

収録アルバム
基本的にオリジナル・アルバムのみの記載です。
アルバム未収録曲に限りベスト盤等を記載します。

My Early Burglary Years