SWALLOW ON MY NECK  スワロー・オン・マイ・ネック
Oh ... またしても、僕はこてんぱにやりあった
オールド・ヴァルハラ・ロードの火葬場の男達とね
おなじみの足音でやって来る
退屈な連中さ

僕はシンプルな人間
損得勘定は得意じゃない
どうして僕ら二人のことを
こんなに長く我慢しちゃったんだろう

彼が僕の首筋に
ツバメを描くまで
それ以上は内緒だよ
彼は描いた
ツバメを、深く、蒼く
そうしてすぐに皆が知った

それから、またしても僕は滅茶苦茶にやりあった
おなじみの火葬場からやって来た
こけ脅しの偏執狂連中とさ

僕はシンプルな人間
損得勘定は得意じゃない
成熟した大人の賢さなんて
絶対に無縁

だから彼は
僕の首筋にツバメを描いた
それ以上は内緒だよ
彼は描いた
ツバメを、深く、蒼く
そうしてすぐに皆が知った

君はずっと言っていたね
僕が子供っぽい振る舞いをするって
馬鹿で残酷で子供っぽいって
もう、分かってる、分かってる、分かってるってば!
分かってる、分かってる、分かってる
でもね、気にしないんだ
気にしない
気にしない

どうでもいいのさ


 これはモリシーの歌の中でも特別sweetなラブソングだと思う。

 頭の古い乱暴な人間達に阻害されるような恋で、最初はためらっていたけれど、彼によって「首筋にツバメを刻まれて」から皆に知られてしまった。君は僕が子供っぽくて自分勝手だと言うけれど、僕は単純な人間で上手く立ち振る舞うことが出来ないだけなんだ。だから仕方ないじゃないか……という歌。

 首筋に描かれる“ツバメ”は、当時の個人アシスタント、ジェイク・オーウェンが好んだフェイク・タトゥーからインスピレーションを受けたと言われている。アルバム「Vauxhall & I」の裏スリーブには、ジェイクが撮影したツバメのタトゥーの写真が使われている。

 また、この“ツバメ”はキスマークの直喩だとする解釈もある。ご存知の通りswallowには「飲み込む」という意味もあるので全く的外れではないだろうし、飛び去って消え、また戻ってくるものの象徴であるツバメにキスマークを喩えるなんて、とてもロマンティックで素敵な考えだ。

【ツバメの刺青に関して】
 通常、刺青というものは、そのシンボルごとに意味がある。そこでツバメがどういった意味を持つのかを簡単に調べてみた。ネット上で見つけた意見を下記に書いておく。

・かつて水兵が航海の経験を誇示するために胸に入れた。ツバメの羽数が航海距離の長さを表すこともあった。ツバメは必ず同じ巣に戻るという考えから、航海の無事を祈るお守り、故郷との繋がり、家族・友人に対する忠誠心を表してもいる。

・英国の刑務所が発祥で、手または首に入れたツバメの刺青は、すなわちその人物に服役経験があることを示している。

・英国では、手に施したツバメの刺青は古くは「この拳は飛ぶぞ」という意味で喧嘩の強さを誇示している。

・手に施したツバメの刺青は、ギャングのメンバーであることを示している。

・自由、新しい旅立ちの象徴

・労働者階級のプライドの象徴

収録アルバム
基本的にオリジナル・アルバムのみの記載です。
アルバム未収録曲に限りベスト盤等を記載します。

My Early Burglary Years