1. Maladjusted
2. Alma Matters
3. Ambitious Outsiders
4. Trouble Loves Me
5. Papa Jack
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6. Ammunition
7. Wide to Receive
8. Roy's Keen
9. He Cried
10. Sorrow Will Come in the End
11. Satan Rejected My Soul
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7年間に及ぶ無レコード契約状態をもたらした戦犯として扱われることが多い6thアルバム。
モリシー曰く「曲は良くても、音がフラットで生命力に乏しかった」
裏を返せば、曲は決して悪くないと言っているのだ(うん、きっと)。
モリシーはフラットだと言っているが、私はそうは思わない。実に繊細なアルバムだ。とても細やかな音作りで、そこから抑えきれない情感が震えるように、揺れるように溢れ出てくる。
ハスッパで怯えた少女の目から見た街の灯りと暗がり
(Maladjusted)。崩壊していく人生と自分だけの矜持
(Alma Matters)。トラブルは僕を愛している、でも君は愛してくれない
(Trouble Loves Me)。サタンさえ僕を拒絶するんだ……!
(Satan Rejected My Soul)。どの曲も、詞の字面だけを眺めると倦怠に満ちているのに、それが曲にのり、モリシーの声で歌われると不思議な熱っぽさを帯びるのだ。
特に、殆ど情熱的なラブソングと言っていい"Trouble Loves Me"と、スペンサーの置き土産となった流麗な"Wide to Receive"は秀逸。レトロチックなコーラスも愛らしい"Roy's Keen"に、悪魔にまでフラれちゃったと楽しげに歌う"Satan Rejected My Soul"も良い。
一番"美しい"アルバムはどれかと訊かれたら、私はこの1枚を挙たい。Vauxhall & Iも美しいアルバムだったが、あちらは安定感ある美しさだったのに対して、Maladjustedは壊れ物の美しさ、脆いものだけが持つ熱烈さを聴かせてくれる。
……けど、不気味すぎる"Ambitious Outsiders"と、酒場のくだまきのような"Sorrow Will Come in the End"だけは好きになれないんだなぁ。ちなみに"Sorrow Will Come in the End"はUK盤には収録されていない。
Maladjusted-Expanded Edition