1. Teachers Are Afraid of the Pupils
2. Reader Meet Author
3. Boy Racer
4. Operation
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5. Dagenham Dave
6. Do Your Best and Don't Worry
7. Best Friend on the Payroll
8. Southpaw
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Boxersツアー終了から一気に仕上げられた5thアルバム。モリシー曰く、これほどあっという間に出来上がったアルバムはないとのこと。その勢いを表すかのように、1曲目の捩れた変態楽曲にモリシーの暗い声が木霊する恨み歌"Teachers Are Afraid of the Pupils"を除いて、ハイテンションな曲がダダッと続く。
モリシーはボズの生き生きとしたリズムを評価しており、中でも特に好きな曲として挙げていたのが2曲目の"Reader Meet Author"。
更にアラン作でも"Operation"の奇妙な太鼓で始まるイントロや、"Southpaw"のモリシーのヴォーカルが終了した後の長く、音と音が繊細に反響しあうアウトロなど、楽曲面での聴きどころが多く用意されている。
演奏では、人気曲"Boy Racer"を始め、水を得た魚のようにギュンギュンと豪快に響く攻撃的なギターと、帰ってきた(前作では解雇中だった)爆発ドラマー、スペンサー・コブリンの叩きまくりドラムが熱い。後に、モリシー自身が
リマスター盤のライナーノーツに「(Southpaw Grammarの)スペンサーのドラムは、個人的に大きな悦び」であると書き記している通り、本作のハイライトの一つである。
さて、通常モリシー作品といえば「歌詞を読み込まねば!」と意気込むわけだが、今回に限っては、小難しい事はひとまず置いておいて、楽曲とリズムを体で楽しもう。実際、歌詞カードがついていない。(かつてYour Arsenalにおいても、モリシーは「歌詞カードに頼らないアルバムにしたかった」と歌詞カードをつけなかった。ただしYour Arsenal収録曲の歌詞は傑作揃い)。
ヴォーカルについても、前作Vauxhall & Iのように聴き手に深く味あわせることよりメロディへのノリを優先しているように思える。
こう書くと、どうもモリシーの存在感が薄いかのようだが、勿論そんなことは無い。当然あくまで『モリシー・ソロ』なわけだし。それにこのアルバム、プレスの評判がイマイチにも関わらず、モリシー自身は頑として"どういうわけか"お気に入りだと言っていることだし。私も大好きです。
リマスター盤