M-Pot

1. Alsatian Cousin
2. Little Man, What Now?
3. Everyday Is Like Sunday
4. Bengali in Platforms
5. Angel, Angel, Down We Go Together

6. Late Night, Maudlin Street
7. Suedehead
8. Break Up the Family
9. Ordinary Boys
10. I Don't Mind If You Forget Me
11. Dial-A-Cliche
12. Margaret on the Guillotine

■The Smiths解散の翌年に出されたソロ１stアルバム。一曲単位で注目すれば"Alsatian Cousin" "Suedehead" "Everyday Is Like Sunday"等、歌詞、楽曲ともにユニークで聴きごたえのある佳曲が収録されている。他にも"Late Night, Maudlin Street"は、湿った街通りの物語を美しい情歌に仕立て上げた傑作。

　ただ、どうしてもアルバム全体を通して聴くと、不可解な突き抜けなさを感じてしまう。"モリシーの歌にはマーの曲とギターがあってこそ"というこだわりが全く無い私でさえ何か物足りなさを覚えるのだ。何が原因なのだろうか。

　バンドという支えを失ったモリシーが、ソロ・シンガーとしても立っていられることを示そうと慎重に上品に歌いすぎた結果、ポップ音楽に期待される"勢い"のようなものが音から削がれてしまったのかもしれない（一曲だけ、まるで"Stop Me～"の姉妹曲のような勢いのある"I Don't Mind If You Forget Me"が唐突に始まり、隙間嵐を起こしている。ちょっと奇妙な曲順だ）。

　逆を返せば、その分モリシーの声質そのものをたっぷり味わうには良いアルバムとも言えるが。

リマスター版「Viva Hate」。