鋼の錬金術師 映画版 「シャンバラを征く者」 ネタバレ感想
---------------------------------------------------------

思いっきりネタバレてますので、見たくない人はご注意下さい。

鋼の錬金術師 映画版 「シャンバラを征く者」
 ネタバレ感想



まずオープニング。
TVアニメDVDのジャケットを、そらもう美しく配置して見せてくれます。
ちょっと震えました(笑)


仮面のオヤジ。
さんざんCMで出てくれて謎をなげかけてくれた彼ですが、全編通してみると「ははぁなるほど」ですが、まるでお話の全てに彼が関わっているかのように見えるCMはいかがなものか(^^;
アルに穴あけたわね…!(やな言い方…)
でも倒れたアルが兄が登場するとすぐにあの甘い釘宮ボイスで
「にぃさぁあん!」って兄に駆け寄ったりして…最初からメロメロにされます。 ここは注意すべき点です!(笑)
兄さんがちょっと小生意気な「俺様が国家錬金術師であーる」風な発言してくれるのがカッコいい。
で、練成するのがまた兄のトレードマークの簡易顔のアレ。 アンテナがみょーんみょん!と音が鳴ってて笑えるところなんですが、劇場で笑ってるヒトは見たことが無い…。
最後に、仮面オヤジに開けられた穴はすぐに兄が塞いでくれたのかと思っていたら、3回目で気付いたけど塞がれてない…!!(涙)

特筆項目:
1、ハイデリヒ登場時の彼の笑い声がちょっと浮いてます(苦笑)
2、ジプシーのお姉さんはいかにもアニメ鋼に出てくるタイプの絵柄(好みの問題)
3、皆突っ込んでたけど、さっそくホムンクルスのリアル世界タイプ出現(ロア・ドルチェット)

「見ていってくれないんですか」 丁寧語だね、ハイデ…!
昔は熱心だったエドがやさぐれ度を早速発揮。
ここでエドの気持ちになってみましょう。
あーもう2年もたったのに宇宙はいけないし、どこまで行ってもこの世界だしアルが生きてるのかも失敗したのかも分らないし、親父は消えてるし、ハイデは病弱で心配だし(でも俺の話を信用しきってはなさげ…_| ̄|○)、錬金術は使えないし、義手はやっぱり不便だし、18になったけど不満の持って行き場はねーし』 などなど。
フラストレーションの塊です。
…無理も無い。


で、ノーアを成り行き上、家主のハイデの許可無く連れ帰ります。
ハイデは心が広い…。
得体の知れない娘を
「エドワードさんが女の子に興味を示すなんて珍しい」

「ボクにだけ執拗に興味を示すんで困っているんだ」
 とか言い出したらどうしよう…と思ったおバカさんがここに約1名…_| ̄|○

「あの人は他人に無関心というか他の人と深く関わろうとしないんだ」
「いつも…別の世界の話をしている」


頭が可哀相な人だと思われているフシがあるよ、兄…!
「イっちゃってる」と言われなくて良かったね…。
騙されちゃいけない、騙されちゃ…(何に)  と思いつつ、ハイデリヒ可愛いんだ…。
優しいんです…。

そして兄さんにとってのリアルワールドは勿論、今いるドイツではないわけで。
ノーアに語る部分がちょっと切ない。
自分勝手な言い分かもですが、兄にとってはもう絶望の淵に立たされてどうしようもなくなってる時期なんでしょうね。
アルを蘇らせる為には自分が代償としてこの世界に飛ばされるしかなかった。
「ここは俺に与えられた地獄なのかな」
いやもう、アルに会えないっていうだけで地獄だよ…。
ドイツの現実世界に生きてる人間にとって失礼極まりない台詞ですが、兄の心からの言葉だと思うと切ないです。
2年前、アルにそっくりなハイデリヒに出会って夢じゃないかと思った、だから
「だからここは俺の夢なのかもしれない」
こっちの世界とあっちの世界の両方の存在を知って、でもそこはアルのいない世界で、他の全てが無い世界。
いっそ夢であってくれたら、目が覚めたら夢でした、だったらどんなにいいだろうと思う兄の心情が痛いなーと思いました。

そして、まさかのキング・ブラッドレイ閣下登場ー(笑)
追いかけて先回りした兄ですが、どうして行き先分って森の中に先回り出来たのか…(苦笑)
道を塞ぐ岩らしきものもかなりでかくて、兄さん体力あるなーと妙な感心。
というか、兄が飛び降りた階段、かなり高かったと思うよ…。
さらにすっかり夜になってるし、昼間から夜まで走りづめで車を追い掛け回したのか。 その辺に疑問。

エンヴィー登場ー。
結局人型のエンビは出ないんですね。 私はどうでもよいけど、エンビファンって結構いるようなので不満じゃなかったんだろうかと余計な心配。
そしてヘスの「大いなる蛇が再び我らの手に」って…いっぺん逃がしたのか…(笑)
このへんのくだりはシナリオブックに載っているのかもしれないですが、シナリオブック持ってないので良く分りません(笑)

そして…えええっ!?   師匠死んでるの…?!
『アルは別の世界で病弱な17歳の青年になって、エドとともに宇宙へ行くロケットの研究をしてるという夢を見るそうだ』(うろ覚え)とシグさんに語られる。
え、なんでそんな具体的な夢見てるの…?!
ハイデはアルの夢を見てない模様(ハイデは錬金世界を存在してると信じ切ってはいない様子だし仕方ないのか)。
ここで初登場のウィンリィ、素敵な女性に成長してるなーと思いました。 
でもその長さの髪の量はその髪留めだけで留めるのは無理だって…(私も前はあれくらいの長さだったので)。


砂漠を歩くアルフォンス・エルリック(13歳)登場ーーー!
井戸練成して、噴き上げた水を浴びてプルプル。
なんてみずみずしいの…!(笑)
かわいい。 もう とにかく可愛い。


リオールの地震で向こうの世界からの鎧軍団を錬金術で魂を移し(!)倒す。
敵鎧の中に鎧アルそっくりデザインあるよ、うわぁ…!!
その鎧にも魂を移し一緒に戦うアルの姿を見て、アームストロングが感慨深げに
「エドワードがアルフォンスを連れておるようだ」
そんな一言にもなんだか泣きそうになっちゃったよ…(;´д⊂)
エドの姿かたちを真似て頑張ってるアルフォンス…ううっ…。
しかし、13歳アルの笑顔がまた大変可愛いらしいです…(;´Д`)ハァハァ!
また吸い込まれて消えて行こうとする鎧軍団に思わず飛びついて一緒に行こうとするアル。
いじらしい…!!
考えなしといえばそれまでなのかもですが、でも、ようやく少しでも何かの手がかりになるものがあれば必死ですがる。
そんなに兄が大事なんだね…(そっと涙を拭う)

で、現実世界(ミュンヘン)。
不完全な練成陣を見て黙っていられない兄さんがついつい手を加えて完成させてしまいます。
そこで3回目にして気付いた点。
兄さん右手でチョーク持って描いてるよ!!
あと、練成陣に効果を加えるのには何か、血?の犠牲が必要な様子。
なんで侵入するとき兄の頬をわざと切るのかなと思ったんですがそれですね。
そして、後で分ることなんですが、この時点で槍で円陣に縫いとめられているエンビの口にはすでにホーエンハイムが咥えられてるんですよね…。
なのにドラゴンエンヴィー、
「相変わらずおバカだねぇ、おチビさん」とエドに喋りかけているんですが…。
蛇状態のときは「ゴゥー」と呼吸音のような音だけ発してるエンビなんですが、人間口調でしゃべれるのはまた別なのかなとまたひとつ疑問。
でも兄と古城でのファーストコンタクト時には
「見つけたぞ、エドワード・エルリック!」とかってしゃべってるな…。
そしてエドの力で門が開いて、リオールに現れた後またミュンヘンに回収された鎧が降って来るのですが、いよいよ兄弟再会…!!(魂憑依の鎧と兄ですが)
アルがもう、兄に会えて嬉しくて嬉しくて! で素直に喜びの表現をしていてもう可愛いったら…。
兄が最初に
「…アルか?」と言葉を発したときの微妙な表情がまた良いv
で、トゥーレ協会の構成員から銃で攻撃されて逃げるときの呼吸がぴったりなのも良いvv
「とにかく出るぞ!」
「(廊下の右と左)どっち?!」
「とにかく出るぞ!!」
「どっち〜〜〜!!??」

こんなやりとりも可愛い…!!
そこへ錬金世界のウィンリィと、眠った姿のアルがスクリーンに。
「帰ってきたと思ったら寝てばかり」

「…にいさん…」

眠ってるアルが微笑みながら呟く、「にいさん」という一言が甘くて優しくて本当にとろけそうです…!!!←アル中毒

画面がミュンヘンに切り替わり。
アルを見つめる兄さんがもう、切なげ。
母さんを練成してからの記憶が無くなったことを告げられて、また複雑な表情の兄。
「ボク、信じてた。 兄さんはきっとどこかで生きてるって」
アルーーーーーーーーーー!!!
鎧が震え始めて
「魂が長くいられない」と言われ「アル、消えちまうのか!?」と焦りまくる兄(可愛い…)。
ふっと魂が消えて残される兄。
兄はフラフラしてて自堕落やる気なし鬱、というイメージの強い映画でしたが、やっぱりアルだけが生きがいなんだなーと思った場面でした。
そりゃそうだよね。
よく彼氏と別れると絶望しきって死にそうになるヒトがいますが、やっぱりこの人!と思ってる人を失うのはとてもとても辛い。
しかも生き別れも辛い、死んでしまっていて二度と会えないのが確定でも辛い。
でも、「自らの命を賭けてまで頑張った結果」なんていうのは置いといても、大事な人が生きてるのか死んでるのか知る術もない、そんな状態で放置されたら
自暴自棄、さらには自堕落にもなります。

錬金世界。
目覚めて、すぐにぐっと来て、横になったまま目を見開いて涙が溢れるアル。
ここはもうかなり来ます。  一緒に泣ける…。

帰宅して
「なんだか嬉しそうだね、エドワードさん」とハイデに聞かれ「弟のアルに会えたんだ、俺、帰れるかもしれない」と告げるエドに、なんとも寂しそうな表情を浮かべるハイデ。
ハイデたちにとっては現実に生きている世界なのに、それをまるで夢の中にいるかのようにフラフラと時を過ごすエドがちょっと元気になっている、それはハイデにも、誰にも出来なかった事。
そして、最愛の弟が呼び寄せてくれるならばエドは彼自身が「夢」と呼んでいるこの世界と未練もなく別れることが出来るのだろうと思う寂しさ。
ハイデってホモとかでなく(苦笑)、エドが大好きだったと思うのですよ。
ある意味愛してるというか。
ここで思うのは、ハイデが「鎧アル」の性格によく似て作られている、という点。
アルは『兄さんの面倒を見てやれるのは自分しかいないんだから、もう』、とか思っていると思うのですよ。
だからこそ、ハイデも「このエドワードさんには誰かが支えてあげなくちゃいけない、そして僕が出来るならしてあげたい」と思ってしまっているのではないかと思うのです。
あんなに帰りたい帰りたい言うなよ、と(笑)
だってこっちの世界には生きて、呼吸して、触れ合うことの出来る僕がいるじゃない、とかね。
あ、だからホモとかでなくてね(笑)  ホモでもいいんだけどね!←小声
そんなん無しでも、やっぱり友情より深い愛情が根底に流れていると思うし。
ちなみにハイデの思い人やら家族やらには本編では全然触れられませんでしたね; 設定上ではこっそりあるのかもしれないですが。


マブゼーasラングとの会話。
「あんたには分らんさ。 一生夢の中で生きる人間のことなど」と捨て台詞(?)。
もう、ミュンヘンは夢の世界と確定してますよ、兄さん…(^^;)

「アルがあっちで生きてると分った。 ずっと不安だった、失敗したじゃないかって…。 だから、もういいんだ」
…兄さん、アルの幸せだけ確保できればいいんだね…!
ここでかなりぐっ…と来ました。
兄さんの根底に「個人の幸せ」と「他の人たちの幸せ・生活」と、両方があってる。
この台詞が最初の方で来てたら悲しいですが、門を開くことが可能かもという可能性が開けている中でこの言葉。
門が開けば大変なことになると分っているから、自己犠牲でも自分はアルさえ生きてるのが分ればいいんですよ…?
兄さん、大人だよ…!
やる気なしに見えるのは確かにあるのかもしれないし、私だって兄とアルが再会してくれなくちゃいやだと思います。
2人が猛烈に「会いたい!」って情熱を持っていなければ、そう簡単に門が開くとも思えないというのは確かにあるし、そんな軟弱な事吐くヘナちょこ兄さんはいらないよ!と思っちゃう所もやっぱりあるのです。
アルがこんなに一所懸命兄に会うために頑張っているのに!と思うとどうしても兄のパワーダウンが気になってムッとするというのはあると思うのですが、私なりの解釈では兄への憤りよりも兄の「自分がアルに会いたい」という想いを抑えられる、彼の成長した姿が見れたのがちょっと嬉しかったり。

そして、ロケットの仕事のため仕事場へ泊り込むと言うハイデリヒに
「お前のやってることは戦争に加担する行為なんだ、しかも俺の元いた世界との!」と引き止めるのですが、その台詞、「俺の元いた世界を壊す」という部分が「俺にとって最も大事なそっちの世界」と聞こえたんじゃなかろうかと深読み。
「ここは僕の世界です。 僕が生きていたという証を残したいんです。 あなたには何も言う資格はない!」とエド突き飛ばし。
かなーり強いですよ、その力加減。
でも、その気持ち分るよハイデリヒ…(;´д⊂)

シェスカとヒューズさんのお墓参りをするウィンリィ。
「アルが心配で…。 イズミさんがいなくなって、アルを抑えてた重しが無くなったようなものだし…」
もうすっかり保護者のウィンリィ。
残されたアルを大事に大事にしたいと思っているのだろうなと思いました。
エルリック家の忘れ形見(違)、大好きなエドが命を賭けてまで取り戻したアルフォンスを、エドの代わりに守ってあげるのは私、と思っているのではないかな…。
切ないです。

画面が切り替わって、地下都市へ向かうラースとアルフォンス。
「なぜボクをここに連れてきた」
「もういいよ…」

何がもういいのか、につていはシナリオブックからの補完が必要っぽいですが、ちょっと聞いた話だと、ラースはイズミさんの死を直感だかで感じてまた出現したそうです。
アニメ本編ではスロウスを母親だと信じ込みくっついて保護を求めた彼。
彼に導かれるまま、アルは扉を開くための練成陣を作ります。
そこへグラトニーが怪物となって登場。
しばらく、アニメ本編ではライラとともに死んだと思っていたグラトニーが何で生きているのだろうと考えていたのですが、もしや、ライラ(賢者の石)を喰って、彼がまた賢者の石と化してしまったのではないかと。
ぎゅっと絞り出される赤い液体と、ポロポロと零れ落ち固まる赤い石。
それを食してラースが扉にアルを導きます。

しかし 13歳には刺激が強すぎる映像です…。

ホムンクルス、門の内側から来たものを触媒にして門を開くために、そして自分は求めてやまない母親の元へ帰りたい。
ラースの最期は幸せに、安らかに逝けたと思います。

アルの錬金術によって門が開かれる。
現実世界ではちょうどその頃、エンヴィーの口に咥えられているホーエンハイムをエドが発見。
「こちらの魔術と科学で何とかあちらへの通路を作ってみたくてね」
「俺が帰るために…!」

最期にエンヴィーはどうなったのかと考えてたんですが、ここでホーエンハイムが
「俺を触媒にしてエンヴィーを門に練成しろ」と言ってるんです。
エンヴィーは門にされてしまったのですね…。
「アルによろしくな…」
最後に残す、自らの血を分けた二人の兄弟が添い遂げる道を選びホーエンハイムが散るんですが、その血の量はハンパじゃないです…。
思わず「それ多すぎ! 多すぎ!」と突っ込み。

門が開いた途端、用済みとばかりにエッカルトに撃たれ落下していくエドワード。
早速自ら「「シャンバラではないと分っている場所」への出発を選ぶエッカルト。
ノーアは突き飛ばされるしハウスホーファー教授は撃たれるし、散々です(苦笑)

暗転。

「運がいいね、エドワードさんは」
この小栗君の声がね、ためてて。
なんだかウフフとでも言いそうな(酷)
そして兄の一番のムカ台詞。

「待て、俺はあっちへ行くなんて言ってない!」


じゃあどこに行くつもりなのかしら?(微笑)

「俺が…邪魔なのか、アルフォンス…」
首を振るアルフォンス。
ここでは首は振らないと…。
「僕が、行って欲しいんだ」
邪魔なんですね、エドワードさん。


そして無情にもロケットは打ち上げられます。
ハイデリヒの幸せな笑顔と、残酷な死をもってして…。


そして、エドの乗ったロケットも、エッカルトの乗った戦闘艦も門をくぐって行きます。
真理タンの手が絡みつき慌てるトゥーレ協会員。
でもなぜか、兄のロケットと兄本体には黒いベトベトの「真理たんのカス」が付いていないのです。 なんで…?
ロケットがクラッシュして、生きてる兄さん。
…不死身…(ガクガクブルブル)
そこでウィンリィのほうが抱きついて、「おかえり」 「おう」

エドとアルのチューが見たかったんだよ…!!

(観客席の約5割はそう願っていたと思われる※当社調べ)


「おかえり、兄さん」
かわいい…(;´Д`)ハァハァ…! ←アルしか見えてない管理人。

「あの門は…お前が作ったのか…?」
「…っ!」
逃げるアルフォンス。
いきなり責めないで…(管理人が号泣)
ウィンリィとラブラブを振りまきながら機械鎧の手足を装着させてもらうエド。
ちょっとラブいですよ。 アルを取り返しに行くのにも、手足は大事大事☆(必死のフォロー)

装着した途端、次々と門を抜けてやってくる戦闘艦をなぎ払いに向かう兄さん。
エッカルトの乗った戦闘艦に向かって飛び乗り撃ち落されるエド。
いくらバルーン(?)を練成しても、あの高さから…本当に不死身ですね、彼…。
そこへ(都合よく)呆然と街中を彷徨うアルフォンスを発見。
…狭い町ですね…(突っ込み)

「アル…!」
「…そうだよ…あの門は…ラースで練成したんだ…」

悲痛な表情になるエド。
そして、現実社会での動きなど知る由も無かったアルが苦悩…。
「ボクのせいなのかな… 何でこんなんなっちゃってるの…!?」
この釘宮ボイス、マジで絶品です。
みんなのささやかな願いが引き起こしてしまったこの戦いを終結させる為に兄さんがカッコイイ事を言ってアルを元気づけ、一緒に戦うことを思い起こさせます。
「この戦いは俺たちのせいなんだ」
そう、兄弟が愛し合ってしまって、それで等価交換で別れることになってしまったのにそれでもそれを捻じ曲げてまで会おうと願ったから…!

マスタング伍長がいよいよ活躍します。 奥様、ここは見所ですわよ!(笑)
で、気球に乗って空の敵を撃つ、さらに兄弟のフォローに回る伍長。(活躍はしょっておきます※故意)
マスタングの後ろを走ってエッカルトの戦闘艦に向かう兄弟。
第一陣の攻撃はすかさず二人ともマスタングの後ろに! 遠慮なく盾にしてますよ、彼ら!(笑)
エッカルト、使えるようになった魔術(錬金術)が効かずにイライラ。
兄さんと直接対決。
「お前はこの世界の武器をあっちへ持ち帰るんじゃなかったのか」←台詞うろ覚え。
「別の世界があると知ったら怖くてたまらなくなった。 そしてそれを壊そうと思ったのだ」
エッカルト…。
理解出来ないものへの畏怖。
この辺のくだりは分らなくはないですが、かなり難しいですね…。
そんな単純なこと、と思う人もあればそう思わない人もいると思います。
そしてエドvsエッカルトの対戦。
…エッカルトつえー…!!!(驚愕)
そこでエッカルトが自分の引き連れてきた鎧武装軍人(?)をエドにけしかけます。
で、ちょっと引き下がるエド。
ここでアルフォンス登場ーv
「ボクの魂を移しておきました」←また声が可愛いんだ…!
エッカルト半殺し?(^^;)

兄さんの決意。
「俺はあっちの門を閉める」
「兄さんが行かなくてもいいだろ!?」
「お前はこっち側の門を頼む」
「兄さん…!!」

戦闘艦を練成でカットして2体に。
アルの悲痛な叫び声。
「ウィンリィはどうするんだよ?!」
「これ(機械鎧)、ありがとなって」

「泥棒!」←※これは管理人の捏造台詞。
(『なんだよ、その代金ボクがコッチの世界で働いて返さなくちゃいけないんだよ?!』とかは思ってなかったと思います。)

兄さんのバカ…!!!




もう、ウィンリィがめっちゃ可哀相です…ここ。
エドの無事を信じたいけど、待ちたいけど、無理かもしれない。 でも、いつかまた会える…と信じて生きてきたと思われる彼女に2度目の、そして今度は永遠のさよなら。
エドの性格を分っていて、きっとエドならこうすると考えた上で納得ずくの別れだったのだと思います。


現実世界に戻ってきたエドを待っていたのは、自分を旅立たせてくれたハイデリヒの死と、ヒューラーの失墜。
エッカルトはまた真理タンのベトベトカスだらけになってます。
その姿が化け物のようで、現実世界で警官のヒューズに拳銃で撃たれ死亡。
そして、また真理タンのカスひとつ付いてない兄さん登場(なぜ…)。
ノーアが
「なぜ戻ってきたの、エド…!」と詰め寄り、「…どうしてかな…」
もう兄さん死にそうです。 
何よりも大事なアルも、故郷も何もかも捨ててまた彼にとっての絶望の夢の世界へ戻ってきてしまって、ああ、もう俺ってバカ…と思っていると推測。
『門を壊すんだろ、兄さん!』
アル…!
「魂移してたんだな…そろそろ聞こえなくなるな、アル…」
切なそうな、どうしようもない表情の兄さん。

ガシャン。

「見つからないように隠れてた」
「あ…アル、 帰れなくなるんだぞ…?」

兄さん、信じられない現実に声が震えてうわずってます。
気持ち分るよ…!!・゚・(ノД`)・゚・。
「一緒にいたかったんだ、兄さんと」

アルーーー!!

この後も萌え台詞が続きますし、メモってありますが、もう自己補完してください…!
とにかく

「兄さんが一番大事で一番好きで、ずっと離れたくない」

                                           (↑※これは台詞ではありません。)

…そんな、もう抱きしめてなんかやっちゃうぞ?みたいな可愛いことをアルフォンスが次々と喋ってくれる夢のような時間です…。

そして、アルの記憶は戻って来ます! 良かった…!
兄さんは急に元気になります。
(ハイデリヒのこともちょっとは考えてやれ…)




ハイデリヒのお葬式を済ませ、新たなる旅が始まります。
最後に兄弟2人の強い意思が。

「ここが俺たちの世界だ。 ここで俺たちは生きていく」



                                                  (※ふたりっきりで)

兄さんとアルが最後にしっかりと同じ意思を確信しあって、見つめあいながら The End。





結婚おめでとうって言っちゃっていいんですか?

                        。・゚゚ '゜(*/□\*) '゜゚゚・


エンディングの曲ではスタッフ・ロールだけが延々と流れ、その後の世界などがちらりとも写らずに、観客は皆「何かある…」という期待をすっかり裏切られたようでした。
だって映画をもう4回観たけど、4回ともエンディングの途中で出て行った人いなかったもん…。
                 (ちなみにスター・ウォーズ(シスの復讐)ではエンディングが始まったらちらほら退出していった人多し)

観客の反応。

「おもしろかったー」 一般人風のお兄さん(20台中盤位)
「泣いてるんじゃねーよー?」 「泣いてないよ、あくび出ちゃったの」 (20台中盤くらいのカップル)
「続きありそうだねー 続き見たーい」 (中学生くらいの女の子)
「面白かったよ、それなり」  (中学生か高校生くらいの男の子)
「…」 (1人で見に来ていたロシア人風20台後半くらいの男性)
男:「面白かったよ」女:「えーそうー?」男:「あんなもんだって、面白かったよ」 (20台中盤くらいのカップル)

大半は「…うーん…」 という複雑な表情をしていました。

「面白かったねー!」 とか「良かったー!」という素直な感想は聞こえませんでした…。





ここからは私の個人的感想ですが。
犠牲は確かに多かった。 
でもエドとアルの気持ちになるともうそれしかなくて、残された血縁であり、お互いがお互いを犠牲にしてしまったと思いあっている兄弟だけにお互いが『そうじゃなかったんだ』と伝えたいと思っているだろうし、二人とも命がけでやったことが本当にお互いのためになっているのだろうかという不安を抱え続けて眠れない夜を過ごしたことも一度や二度じゃないんだろうし…。
兄弟が全ての原因で何もかもが狂ってしまったかのような印象もあるのですが、本来は現実にあった戦争に上手く絡めてお話を作っている、エンターテインメントとして上手く話の通用する映画に仕上がっていると思います。
兄の『アルさえ無事に生きていてくれるなら、もうそれでいい』と思える愛情の深さとか。
弟の『兄さんが命がけでボクを練成してくれて、またボクのためにどこかへ消えてしまった。 絶対取り戻すんだ!』というひたむきさとか。
あの兄弟、ラブラブすぎます…。

結果、2人は何の身分証明も無い、兄にとっては唯一のとりえ(?)とも言えた錬金術も使えない、そして国家錬金術師であった頃のような贅潤なお金は無いわけだから働いてどうにかやっていくしかない。
でもそんな世界を選んでしまった。
「2人ならどうにかなる」と。

2人なら、どうにかなる。
ずっとずっと一緒に力をあわせて暮らしていける。
エルリック兄弟の愛の深さ、絆の深さを本当に感じました。
残していった人たちは皆大人だから。
だからきっとまたいままでの生活に戻れる。
(これで子供が残るとかだったらひっぱたいてでもアルを元の世界に戻すべきだと思うのですけどね:)
何回か映画を見て、逃れることの出来ない運命(ユダヤ人の迫害など実際に行われたことですし)、を感じて、どうしようもない部分、やるせないけど乗り越えるしかない部分というのを考えました。
兄弟は何があっても2人じゃなくちゃダメなんだと。
それは映画スタッフも監督も、兄弟が別れるという構想は最初から無かったと思うのです。
誰にとっても引き離すことは出来ない事だったのだと思います。
もちろん元の世界に戻って幸せになって欲しいとは思いました。
でもお話の構成上、あそこで「向こうの門を壊せるのは自分しかいない」と痛いほど分っているエドに他の選択肢は無かった。
結果、その兄の意思に追随して兄と一緒にいることを選んだアルフォンス。
あちらの世界で2人は動乱の時代を経験し乗り越えてそれでいつか一緒に土に還るのだと思います。
墓標を残して。


ずっとずっと、兄さんが大好きだからね。
ずっと俺たちは一緒だ。



きっと、心から愛し合って許しあって一所懸命生きて、命をまっとうしてくれると思います。
私は、あれで映画のラストは良かったのではないかと思うのです。
もちろん私も、確かに映画鑑賞一回目では出てこなかった感想です。
何回も観て、ようやっとここへ辿り着いた感想、なのです。


だらだらと長い、映画解説付きの感想ですみません。
自分があとで映画のあらすじを思い出すのに便利かとメモも兼ねて記した感想でした(^^;)