誕生日の朝




ふと気がついたら

布団の上に半身起きあがって、あいつがおれのことをじっと見ていた。


うとうとと、眠って何度か起きた。

その時は隣で、気持ち良さそうに眠っていたのに、いつ起きたのか
な?と思った。



毎日会っているのに、でも愛しい。

薄く微笑んでいる顔はなんてキレイなんだろうと思う。


じっと

じっと

あまりにもじっと見つめられ、こそばゆいけど嬉しくて、寝たふりをし
た。






進藤

好きだよ

キミが起きたら言うからね

そう、独り言のように囁かれて胸の奥が痛くなった。



こいつが好き。

大好き。




こんな誕生日を迎えられるなんて、おれはなんて幸せなんだろうと
思いながら、おれは、あいつがキスしてくれるのをじっと息を殺して
待ったのだった。