幸せなスタート
先に起き出した進藤は、窓の外を見ると「残念だったな」と言いながら戻って来た。 「…何が?」 「外、雨が降ってる。折角の誕生日がこんな冷たい雨の日で残念だったな」 「別に、残念なんかじゃないよ」 「そうか?」 「それに冷たくも寒くも無い」 とても温かで気持ちがいいよと言って布団の端をめくりあげたら、進藤は少し驚 いたような顔をして、それから静かに「えっちだなあ」と呟いた。 「こんなにえっちで、おれどうしよかなあ」 「いやなら別にぼくはいい」 「まさか、嫌なわけなんかあるわけないだろ!」 そしてにっこりと笑うと、彼は布団の中に潜り込み、ぼくを強く抱きしめたのだった。 「愛してる」 おまえの体、温かくてとても気持ちイイと呟きながら。 |