幸せなスタート


先に起き出した進藤は、窓の外を見ると「残念だったな」と言いながら戻って来た。

「…何が?」

「外、雨が降ってる。折角の誕生日がこんな冷たい雨の日で残念だったな」

「別に、残念なんかじゃないよ」

「そうか?」

「それに冷たくも寒くも無い」



とても温かで気持ちがいいよと言って布団の端をめくりあげたら、進藤は少し驚
いたような顔をして、それから静かに「えっちだなあ」と呟いた。


「こんなにえっちで、おれどうしよかなあ」

「いやなら別にぼくはいい」

「まさか、嫌なわけなんかあるわけないだろ!」


そしてにっこりと笑うと、彼は布団の中に潜り込み、ぼくを強く抱きしめたのだった。

「愛してる」

おまえの体、温かくてとても気持ちイイと呟きながら。









※雨でも雪でも霙でも台風でも、きっと幸せなんだと思います。
そんな幸せな22才のスタートです。


2008.12.14 しょうこ