編  集
ランク タイトル 著者名 出版社 文庫名 出版年 価格 主要人物1 主要人物2 主要年代及び派閥 分類
サブタイトル・目次及び内容・感想
沖田の容貌・性格 土方の容貌・性格
土方からの沖田象・沖田への態度 沖田からの土方象・土方への態度
☆2 新選組アンソロジー -その虚と実に迫る 下巻 清原 康正/編 舞字社 2004.02 1,800 新撰組 小説
新選組アンソロジー―その虚と実に迫る〈下巻〉 [新選組隊士の一日/今川徳三『新選組のすべて』][隊士絶命記/子母沢寛『新選組物語』][『壬生義士伝』の新しさ/対談/浅田次郎×佐藤雅美『「本の話」平成12年5月号』][斎藤一の訓話/福田定良『新選組の哲学』][祇園石段下の血闘/津本陽『北の狼』][鳥羽・伏見の戦甲陽鎮撫隊/平尾道雄『新撰組史録』][波/北原亜以子『埋もれ火』][忠助の赤いふんどし/中村彰彦『』新選組秘帖][薄野心中―新選組最後の人/船山馨『幕末の暗殺者』][北の狼/津本陽『北の狼』][明治新選組/中村彰彦『新選組秘帖』]全11編
京都での最盛期から最後までの作品を厳選。
☆2 新選組アンソロジー -その虚と実に迫る 上巻 清原 康正/編 舞字社 2004.02 1,800 新撰組 小説
新選組アンソロジー―その虚と実に迫る〈上巻〉 [試衛館の青春/中村彰彦『新選組全史 幕末・京都編』][浪士組始末/柴田錬三郎『浪士組始末』][芹沢暗殺さる/子母沢寛『新選組始末記』][虎徹という名の剣/シナリオ/結束信二『「新選組血風録」シナリオ集』][私説・沖田総司/三好徹『私説・沖田総司』][千鳥/森満喜子『沖田総司哀歌』][散りてあとなき/早乙女貢『新選組銘々伝』][山南と沖田の死にかた/福田定良『新選組の哲学』][死に損ないの佐之助/早乙女貢『新選組銘々伝』][原田佐之助のエロ話/福田定良『新選組の哲学』][豊玉発句集/土方義豊]全12編
結成前後から京都での最盛期までの作品を厳選。
☆3 暗夜を斬る 講談社/編 講談社 歴史小説名作館11 1992.11 1,800 沖田総司 新撰組 小説
[王城の護衛者(松平容保)/司馬遼太郎『王城の守護者』][祇園石段下の決闘/津本陽][沖田総司/永井竜男][八郎、仆れたり(清河八郎)/三好徹『さらば新選組』][芹沢鴨の暗殺/司馬遼太郎(新選組血風録)][流山の朝/子母沢寛『新選組物語』][世良斬殺/早乙女貢『七人目の刺客』][色(土方歳三)/池波正太郎][うそつき小次郎と竜馬(陸奥宗光)/津本陽『明治兜割り』]ほか全16編
幕末。[祇園石段下の決闘]新撰組に入った間者の話、[うそつき小次郎と竜馬]天満屋事件で新撰組(斎藤一)登場。
☆5 新選組伝奇 志村 有弘/編 勉誠出版 2004.01 1,400 新撰組 小説
新選組伝奇 [寒月(伊東甲子太郎)/谷元次郎]伊東の入隊から死まで、[新選組隊長(近藤勇)/火野葦平]流山から始まって回想し、近藤が芹沢を四条河原で殺したり、剣技が未熟だったり、探偵術に優れているなど、ほぉっという設定で、最後に官軍に投降したのは鞍替えするため、[土方歳三 残夢の剣/江崎俊平]内山暗殺でその後妻の親子に敵と狙われるが、その親子は以前土方が関係した女であり、自分の子である設定、斎藤・原田は登場、[沖田総司 青狼の剣/多勢尚一郎]少年時代から病死まで、総司の労咳は江戸のときから、少し虚無感にとらわれ酒も女も買い、伊東が嫌いな総司、藤堂は登場、[暗殺街(沖田総司)/村尾慎吾]芹沢暗殺から池田屋まで、総司と深い仲になった女の夫を斬ろうとして庇った女を斬ってしまう、原田は登場、[新撰組余談 花の小五郎/三好修]慶応2年3月、新撰組きっての醜男二人の、斬り込み前の恋と死、全6編。
どれも古い小説なので時代錯誤な部分があります。
[沖田総司 青狼の剣]「紅顔の美少年」「稽古嫌い」「青白い顔」、[暗殺街]「酒は好き」「若い潔癖」「背丈高く、肩幅のあるわりにやせていた。顔も青黒い」「子供が好き」「根は明るい青年」「酒は強い」「辛党」、[新撰組余談 花の小五郎/三好修]「美男の剣士」 [土方歳三 残夢の剣]「いつものことだが、歳三はめったなことでは表情をかえない」「どんな所でも腹の中では何かを考えているような男」「冷鬼」「女のように優しい顔立ちの上に如才なく、誰にでも親切であった」「明るく、愛想の良い人物」、[暗殺街]「才子と呼ぶにふさわしい知恵者」「事に徹している」
[沖田総司 青狼の剣]「病気は相当重い、早死の相があると思った。それが、天才の持った運命であろう」、山南「純直に剣の道をおさめ、師を尊び、それに従っている生き方は、誰がみても美しいものなのだ」 [沖田総司 青狼の剣]「(山南の介錯を命じられて)このときほど、土方副長を憎んだことはなかった」、[暗殺街]「信じてたる人間と見ていた。土方の知恵には畏怖さえ感じられた」
☆2 人物日本史 江戸 -時代小説大全集 4 新潮社/編 新潮社 新潮文庫 1990.09 600 土方歳三 小説
[さらば新選組-土方歳三/三好徹『さらば新選組』][高杉晋作大岡昇平]ほか全20編
[高杉晋作]池田屋での新撰組の名だけ、
☆3 新選組傑作コレクション 興亡の巻 縄田 一男/編 河出書房新社 1990.05 1,600 新撰組 小説
[浪士組始末(清川八郎)/柴田練三郎『浪士組始末』][芹沢鴨の暗殺/司馬遼太郎『新選組血風録』][近藤と土方(古高拷問)/戸川幸夫『侍志願』][念流手の内/津本陽][雨夜の暗殺-新選組の落日/船山馨『幕末の暗殺者』][近藤勇と科学/直木三十五][甲州鎮撫隊(沖田総司)/国枝史郎][流山の朝/子母沢寛『新選組物語』][歳三の写真/草森紳一『歳三の写真』]全9編
[念流手の内/津本陽『人斬り剣奥義』][近藤勇と科学/直木三十五][甲州鎮撫隊(沖田総司)/国枝史郎][流山の朝/子母沢寛『新選組物語』][歳三の写真/草森紳一『歳三の写真』]全8編
[近藤勇と科学]鳥羽伏見の戦いから甲陽鎮撫隊までで科学=銃器に敗れる近藤、[甲州鎮撫隊]千駄ヶ谷での総司が主役で、総司を敵と狙う女が現れる
[甲州鎮撫隊]「行燈の光で見える総司の顔色は、蒼いというより土気色であった。でも、新選組の中で、土方歳三と共に、美貌を謳われただけあって、窶れ果ててはいたが、それが却って「病める花弁」のような魅力となっていた。それに、年がまだ二十六歳だったので、初々しくさえあり、池田屋斬込みの際、喀血しいしい、時には昏倒しながら、十数人を斬ったという、精悍なところなどは見られなかった」、女「この子供っぽい、可愛らしい顔」「何んて初心な、何んて生一本な」 [念流手の内]「黒縮緬の上着に呉絽袴をつけた土方は、三十前後の年頃に見えた。ゆたかな総髪を背に流し、顔色は青白いが、繊細な目鼻立ちの美男子であった」
☆3 新選組傑作コレクション 烈士の巻 縄田 一男/編 河出書房新社 1990.06 1,600 新撰組 小説
[虎徹(近藤勇)/司馬遼太郎『新選組血風録』][色(土方歳三)/池波正太郎『炎の武士』][私説・沖田総司/三好徹『私説・沖田総司』][血汐首(芹沢鴨)/南原幹雄『新選組情婦伝』][新選組物語-人斬り鍬次郎・死損ねの左之助・壬生心中-/子母沢寛][散りてあとなき(山南敬助)/早乙女貢『新選組銘々伝』][武田観柳斎/井上友一郎『新選組外伝』][橋の上(永倉新八)/立原正秋][薄野心中-新選組最後の人-(斎藤一)/船山馨『幕末の暗殺者』]全9編
[橋の上]永倉新八が、三樹三郎と江戸の橋の上で出会う
☆3 新選組興亡録 縄田 一男/編 角川文庫 2003.10 705 新撰組 小説
新選組興亡録 [理心流異聞/司馬遼太郎『アームストロング砲』][浪士組始末/柴田錬三郎『浪士組始末』][降りしきる/北原亜以子『降りしきる』][近藤と土方/戸川幸夫『侍志願』][雨夜の暗殺-新選組の落日/船山馨『幕末の暗殺者』][近藤勇と科学/直木三十五][甲州鎮撫隊/国枝史郎][流山の朝/子母沢寛『新選組物語』][歳三の写真/草森紳一『歳三の写真』]全9編
『新選組傑作コレクション 興亡の巻』の掲載作品中[芹沢鴨の暗殺/司馬遼太郎][念流手の内/津本陽]を、[理心流異聞/司馬遼太郎][降りしきる/北原亜以子]に入れ替え。[雨夜の暗殺-新選組の落日/船山馨][念流手の内/津本陽]の2編追加
☆3 新選組烈士伝 縄田 一男/編 角川文庫 2003.10 743 新撰組 小説
新選組烈士伝 [近藤勇、江戸の日々/津本陽『明治兜割り』][色/池波正太郎『炎の武士』][私説・沖田総司/三好徹『私説・沖田総司』][血汐首-芹沢鴨の女/南原幹雄『新選組情婦伝』][新選組物語-人斬り鍬次郎・死損ねの左之助/子母沢寛『新選組物語』][壬生狂言の夜/司馬遼太郎『果心居士の幻術』][散りてあとなき/早乙女貢『新選組銘々伝』][武田観柳斎/井上友一郎『新選組外伝』][橋の上/立原正秋][薄野心中-新選組最後の人/船山馨『幕末の暗殺者』]全10編
『新選組傑作コレクション 烈士の巻』の掲載作品中[虎徹/司馬遼太郎]を、[近藤勇、江戸の日々/津本陽][壬生狂言の夜/司馬遼太郎]に入れ替え。[新選組物語/子母沢寛]は-壬生心中-をカット
☆2 維新の群像
縄田 一男/編 新潮社 時代小説の楽しみ9 1990.12 1,600 幕末 小説
[詰腹戦争-池田屋騒動(柴司)/船山馨『幕末の暗殺者』][竜馬を斬った男(佐々木只三郎)/早乙女貢『竜馬を斬った男』]ほか全13編
☆4 極め付き時代小説選 2 恋模様 縄田 一男/編 日本経済新聞社 1991.06 1,400 沖田総司 新撰組 小説
恋模様―極め付き時代小説選〈2〉 [沖田総司の恋/司馬遼太郎『新選組血風録』]ほか全9編
☆2 剣豪八番勝負
縄田 一男/編 富士見書房 時代小説文庫 1995.12 670 沖田総司 新撰組 小説
[沖田総司/船山馨『幕末剣士伝』]ほか全8編
芹沢暗殺〜病没。近藤が総司の全て。
☆2 時代小説を読む 剣之巻 縄田 一男/編 大陸書房 1990.11 1,800 沖田総司 新撰組 小説
[沖田総司/船山馨『幕末剣士伝』]ほか全13編
芹沢暗殺〜病没。近藤が総司の全て。
☆2 秘剣、豪剣、魔剣 縄田 一男/編 新潮社 時代小説の楽しみ 1 1990.03 1,600 沖田総司 新撰組 小説
[理心流異聞(沖田総司)/司馬遼太郎]ほか全16編。剣豪剣客を描く。
☆3 誠の旗がゆく -新選組傑作選- 細谷 正充/編 集英社 集英社文庫 2003.12 876 新撰組 小説
新選組傑作選 誠の旗がゆく [ごろんぼ佐之助/池波正太郎『剣客群像』][豪剣ありき/宇能鴻一郎『斬殺集団』][近藤勇の最期/長部日出雄『代表作時代小説-昭和53年度』][武士の妻/北原亜以子『埋もれ火』][影男(シャドウ・ボーイ)/神坂次郎『幕末を駆ける』][隊中美男五人衆/子母沢寛『新選組物語』][密偵/津本陽『密偵』][墨染/東郷隆『本朝銃士伝』][巨体倒るとも/中村彰彦『名剣士と照姫様』][総司の眸/羽山信樹『幕末刺客列伝』][祇園の女/火坂雅志『新選組魔道剣』][夕焼けの中に消えた/藤本義一『壬生の女たち』][雨夜の暗殺 新撰組の落日/船山馨『幕末の暗殺者』][さらば新撰組―土方歳三/三好徹『さらば新選組』]全14編
☆2 偉人八傑推理帖 -名探偵時代小説- 細谷 正充/編 双葉社 双葉文庫 2004.07 743 新撰組 小説
[愚妖/坂口安吾『明治開花安吾捕物帳第2集』][総司が見た/南原幹雄『新選組探偵方』][巴里に雪のふるごとく/山田風太郎]ほか8編。
8人の歴史上の有名人物が探偵役として登場する話を集めたもの。
[愚妖]2つの事件を他殺だと考えた警官が謎解きの目星を付け、紳士探偵・結城新十郎が解決する話、いつも迷探偵の勝海舟が意外な冴えを見せて真相を告げるが、ほんのチョイ役、[巴里に雪のふるごとく]川路利良が、パリで一緒に渡欧した人間の殺人容疑を晴らす話
☆5 新選組 沖田総司 星 亮一/編 教育書籍 ドキュメント歴史の森13 1999.06 1,650 沖田総司 新撰組 小説
[沖田総司の青春/星亮一]総司についての基本的なことと、本の趣旨の説明、[蒼き狼/星亮一]文久2年12月、会津の上洛の行列を見たところから芹沢暗殺まで、総司と土方さんが一緒に湯屋に行ったりします、[祭-池田屋事変/山村竜也]元治1年5月から池田屋まで、総司が「歳三さん」と呼ぶし、池田屋での喀血も知られるしで良いです、[魔-剣士、淵より天を仰ぐ/加茂江江津子]総司が脱走者を処分したことが絡む話、[薄氷、張りし朝/森悠萌]山南の切腹に絡む話、[離-走り逝く藤堂/山田睦美]、[恋-沖田縁者考/山脇隼太郎]慶応2年10月、総司の恋の相手は長州の間者、[終-魂魄、千里を駆け/萩尾農]油小路事件が絡んだ総司と歳三の出会いから死まで、[沖田総司関係図書目録/山田睦美]全8編
上洛前から病没までを、複数の作家が順を追って書かれています。どの話も、総司と土方さんの繋がりが良いです。もろ好み。
[蒼き狼]「総司には不思議に能力があった、動物的感覚とでもいうのだろうか。剣道の立ち会いのとき、総司は相手の心を瞬時に読んだ」「人前で裸になることが好きでない」、[祭-池田屋事変]「白のかすりに、小倉の袴。後ろへ垂らした髪を、水色の元結で束ねている。窮屈そうに背中を丸めて、鳩を相手にしているさまが、妙に可愛らしい」「背が高い。細身だが肩幅が広く、武道で鍛えた体ということがひと目で分かる」「この笑顔の優しい若者」「菓子などの甘いものに目がない。酒は飲めないことはないのだが、好んで飲むということもなく、典型的な甘党であった」「唯一の道楽に、京の甘いもの屋めぐりがあった」「性根の優しい若者である。しかしその反面、正義感が人一倍強かった」、[薄氷、張りし朝]「総司は今まで、どんな時も、事も……己の中に受け止めて来た」「普段はふざけた事ばかり言って、誰とでも屈託なく話す」「何かに自分の感情を乗せて、心を済ましたり、宥めたりする術を、ずいぶん小さな頃から身に付けていた」、[離-走り逝く藤堂]「彼は、あまり思った事を口にしない。言葉を内に秘める事は、幼い頃から他人の中で育った、この男の知恵だった」、[恋-沖田縁者考]「そこにいるだけで周囲をなごませるような、明るくて人なつこい少年だった」 [蒼き狼]「きれい好き」「歳三の裸は胸板が盛りあがっていて、外形よりはたくましい」、[祭-池田屋事変]「青白い横顔」「完全主義者である分だけ、小心なところがあった」、[薄氷、張りし朝]「無秩序の大嫌いな」「新選組副長でない時の、土方の言葉は汚い」、[離-走り逝く藤堂]「嫌っている人間に、愛想が悪い」、[恋-沖田縁者考]「端正な顔」、[終-魂魄、千里を駆け]「鼻っ柱が強い」「女みたいに優しい顔立ち」「根は情にもろい男」「土方の鋭い刃物のような感じ」
[恋-沖田縁者考]「隊士からは鬼のように恐れられている土方歳三だが、総司には優しかった」 [蒼き狼]「総司は土方が好きでたまらない。(中略)物腰がていねいだ。顔の作りも言葉使いも優しいので、ついつい甘えてしまう」、[魔-剣士、淵より天を仰ぐ]「(土方が総司の病を気遣ったことに対して)沖田には嬉しく、また煩わしい」、[薄氷、張りし朝]「副長歳三の心中は、誰よりもよくわかっていた」「歳三が、総司を含めた皆と違うのは、己の中に、常にすべてをおいてなお守るべき何かを持っているという事だった。そうして、進み行く俊三だからこそ、総司は、共に行くのだ。この気持ちは、今まで一度だって揺らいだ事はない」「澄んだ瞳だった。掃除の大好きな歳三の瞳だった。他人にはいくらでも嘘をつける。だが己には決して嘘をつけない歳三の瞳だった」、[恋-沖田縁者考]「近藤がいる。土方がいる。新選組がある。あの人たちから離れることはできない」、[終-魂魄、千里を駆け]「総司には、歳三は殺せない」「早く、おとなになって、この人を守ってあげるんだ、強くなって……」
☆5 新選組副長 土方歳三 星 亮一/編 教育書籍 1989.06 1,360 土方歳三 新撰組 小説
[プロローグ 歳三の魅力/星亮一]土方についての基本的なこと、[新選組結成/山脇隼太郎]上洛直前〜芹沢暗殺、[元治元年六月五日/萩尾農]古高拷問から池田屋の直後まで、[鉄の掟/山村竜也]山南脱走から油小路まで、[敗走 -あるいは総司と歳三/森悠萌]慶応3年12月から江戸に帰還して、歳三が江戸を離れるまで、[風走る/萩尾農]流山から五稜郭まで、[北の墓標/星亮一]流山以降五稜郭まで、総司の名を呼びながら刀を振るうシーンがあります、[土方歳三年譜/山田睦美][土方歳三関係出版物/山田睦美]全7編
[新選組結成]「いつでも明るい」、[元治元年六月五日]「日頃、思想とは無縁」、[敗走]「意地っ張り」「気丈な男」「頭が良くて、したたかで、そのくせ、愛する事や、愛する者の為には、ひたむきな誠実さを、惜しまない男だった。だから、様々に変わる彼の表情は、例えそれが、心と共に動いているのではないにしても―いや、彼の場合、そうだからこそなのかもしれないが―大変、魅力的だった」 [元治元年六月五日]「歳三の心はいつも飢えていた。魂はいつも渇えていた。本当はひどく淋しがり屋で、生来の感傷家だ。が、それを抑え込むほどの激しいものが、歳三の中にある」「白面の面」「隊士に対しては、常に冷静でツンとすました土方副長である」「白皙の美男だ。体躯も痩躯で、その意思とは正反対で、頑強にはほど遠い。優男の典型のような男だ」「青白い頬の、近寄りがたいほどの美丈夫である。口もとなどは女のようにやさしいが、双眸の光は尋常ではない」、[鉄の掟]「歳三の喧嘩をするときのくせで、とっさのうちに戦力を比較した」、[敗走]「自分をそれ程、研ぎ澄ませる人は、それだけ、感受性が豊かである。歳三は、その感受性ゆえに、大変単純な考え方を持ちえたが、加えて、大変見栄っ張りでもあったので、その性格はといえば、細やかで複雑に、出来上がっていた。見栄を張り、突っ張る分だけ、内面に孤独が、沈み込んでしまうからだ。ありあまる感受性ゆえに、傷つき易くて、そのくせ、しぶとくて物事に対し根が深かったりするのだ」「いつもの癖で何食わぬ顔」「いつだって、全部の神経が、研ぎ澄まされている男だった」「いつもの、一見ぼんやりとした表情」「口のなめらかな性ではない」、[風走る]「威勢のいい元気な青年だった。多少、喧嘩早かったが、根は優しい男だ。そして、本当は淋しがり屋だ(中略)その多摩の呑気で気のいい青年のはずの歳三の魂の底は、鉄心石腸、溶鉱炉のようなものだったのだ」「端正な顔立ち」「諦める事はなかなかしない男」「歳三の言葉は端麗な容姿からは想像もつかない」「自分の直感や思い込みを疑うことはしない。それは何よりも自分を信じているからだ」、[北の墓標]「真っ黒い長髪」「もともと酒は付き合い程度に呑むだけで、自ら好んで呑むことはない」「裸になると胸板も厚く、腕は筋肉が盛り上がっている。子供の頃から剣で鍛えた体である」
[新選組結成]「歳三が優しい目を向けた。総司と話すとき、自然と穏やかな気持ちになる」、[元治元年六月五日]「沖田には気持ちを開く事ができる」「沖田は歳三の存在をスッポリと包んでいた。だから、歳三はその中で、ふわりと心を開けるのだが、そんな風には歳三自身は思いも及ばない」「沖田にかかると、歳三は内面の焦りや苛立ちが容易に溶解していくような気がする」「沖田と斎藤だけは、必ずそばにいてくれる―と、それが、”甘え”であろうと、”甘い考え”であろうと、歳三はそう確信していた」、[敗走]「お前を失くしたくねえんだ」「まったく、口の減らないガキだな、てめえは。初めて会った時も、こまっしゃくれたガキだと思ったもんだが、今でも、ちっとも変わらねぇ」「本当に嬉しそうに笑った。見栄っ張りで、感受性が強い、彼のそんな無防備な笑みは、多分、余程心を許した相手にしか、見せないものだろう」「不思議な少年だった。(中略)生意気な子供だろう、と歳三は思った。(中略)慣れない事(総司に懐かれて)にとまどった歳三だが、総司があまりに自然に自分の傍らに在るので、不思議に思いながらも、気が付けば、それが当たり前になっていた。歳三も、この利口な少年を、弟のようにかわいがった」「総司の事は、いつまでも子供だと思っていた。その実、たしなめるつもりが受け止められており、優しさをかければ、逆に己が包まれている事を、歳三は知らなかった」 [元治元年六月五日]「沖田は歳三の生き方を否定することはしない。それが例え、間違っていようとも、総司は歳三の歩みを否定しない」、[鉄の掟]「ほこらしげに歳三をみつめた。こういう時(夢を語る時)の歳三が、沖田は大好きだった。(中略)この若者にかかると、鬼と呼ばれる歳三もかたなしである」、[敗走]「顔に表情がないのに、動かぬ瞳に出るなんて」「もし、次に、生まれるとしても、また、あなたに係わる人間でいたいよ」、[風走る]「かわいいなァ、土方さんは……」

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