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ランク タイトル 著者名 出版社 文庫名 出版年 価格 主要人物1 主要人物2 主要年代及び派閥 分類
サブタイトル・目次及び内容・感想
沖田の容貌・性格 土方の容貌・性格
土方からの沖田象・沖田への態度 沖田からの土方象・土方への態度
☆1 風雲 海音寺 潮五郎/著 毎日新聞社 1988.01 1,300 尊攘派 小説
長州よりの話。元治1年6月〜7月禁門の変。新撰組の密偵の娘に言い寄り振られる情けない総司。六角獄の惨殺は総司率いる新撰組。
「背の高い、痩形の、どこか胸でも病んでいるのではないかと思われるような青白い男」
岳 真也 『土方歳三修羅となりて北へ』『近藤勇暗殺指令』『沖田総司 血よ、花と舞え』3部作
☆3 沖田総司 血よ、花と舞え 岳 真也/著 学研 2003.10 1,800 沖田総司 新撰組 小説
沖田総司 血よ、花と舞え 文久3年上洛〜病死。植木屋平五郎はもともと総司の縁者であり、黒猫の使われ方がいい。容保の前での上覧試合のシーンがあり、容保が特に総司を気に入り、池田屋の際は侍医と滋養のつくものを届けさせる。原田だけが総司と医者の娘とのことを知っている役どころで、娘は「沖田氏縁者」。伊東の入隊は、近藤からの懇願だったというのが変わってる。土方らとの日野で今生の別れ。
「浅黒く、ぽってりとして、点々とにきび痕の残った少年のような」「童顔で、いかにも人なつこそうな」「右の眼は一重で、はれぼったく、わずかに切れあがっていた。左眼は二重になっていて、右とは反対にやや垂れ気味になっている」「(酒は)多少はいける口」「根っから理屈のようなものが苦手」、他「全体には柔和な顔つき」「(眼を見て)かたや赤子のごとき無垢のままで、一方は邪気に満ちておる……」 「端正な目鼻立ちをしており、いまは陽に焼けているが、地肌は白い。やさ男といってもよく、女子にももてる」「人一倍するどい目つき」「だれもがみとめる顔立ちのよさにくわえ、三十まえの男盛りで、目につく存在」「日ごろ物に動じない」「ほとんど酒は飲まない」、他「おそらく見かけとはちがい、剛な気性で、はがねのようにつよいものを持っておられる」
「とくに土方には、目いっぱい世話になっている。けだし、総司が土方に教えられたのは、剣の道に関してだけではなかった。(中略)むろん女人との接しかたについてもだ」「たいした策士だ」「土方と山南を性格の違う二人の兄のように思っている」「いつも身近にいる」
☆3 近藤勇暗殺指令 岳 真也/著 廣済堂出版 2002.10 1,800 近藤勇 沖田総司 新撰組 小説
近藤勇暗殺指令 慶応3年11月18日油小路(文久3年初夏〜)〜慶応4年閏4月斬首後。総司と知り合った友禅職人と友禅が話に絡んでいく。
「一重のするどい眼」「二十歳をいくつかすぎてみえるが、丸顔に点々とにきび痕が残り、まだ少年のような稚さを漂わせている。その面差しにはしかし、どことなく気品がにじんでもいた」「満面に笑みをたたえて、いかにも人なつこそうだ」 「日ごろ仏頂面で通してる」「細身の男(中略)端整な顔だち」「人一倍、目鼻のととのった美男子」「頭が切れて勘がするどく、腹に一物ある身には、これほど怖い男もないが、逆に哲三のように何も含むもののない相手には、きわめて優しい」
「ふところ刀」「実の弟のようにかわいがっている」、山南「邪気のないところのある沖田をとくにかわいがっていた」
☆3 土方歳三修羅となりて北へ 岳 真也/著 学研 2002.04 1,800 土方歳三 戊辰戦争 小説
土方歳三修羅となりて北へ 鳥羽伏見〜五稜郭。回想がよく入る。総司の死の知らせ松本良順よりあり。野村利三郎に総司が乗りうつった気がして土方が接する。
「少年のような雰囲気」 「面長で額はひろい。凛とした目もと、鼻筋も通っている」「目鼻だちがととのい、睫毛が長く、女子のように丸やかな顔」
「実の弟のように思っている」「実弟同然に思い、見まもってきた」
☆2 剣侠 -新選組武勇列伝- 岳 真也/著 学研 2004.01 1,800 新撰組 小説
剣侠―新選組武勇列伝 [近藤勇-義を取り生を捨つる]処刑のところから回想で、[芹沢鴨-色よく花の先駆けて]天狗党時代の辞世の句を読んだところから、[沖田総司-わが生は一陣の風のごとく]池田屋から始まり、池田屋で総司を助けるのは土方、[土方歳三-鬼となり修羅となりて]芹沢暗殺から、お迎えに近藤さんが来る?、[島田魁-ふところ深き漢であれば]万延1年8月、永倉との出会いから、[相馬主計-みずからに引導を渡す]流山以降、[斎藤一-われ士道に殉ずべし]慶応3年1月島原居続けから、全7編
話には一連性があり、エピソードは重複、話はそれぞれの死まで。特に[沖田総司]は『沖田総司 血よ、花と舞え』縮小版のような感じ。
「まるで嫌味のない笑顔」「性格も明るい」「根が一途な性分」「昔から子供好き」「世間知らず」「なんともすがすがしい笑顔」 「切れ者」「おのれの信ずる正義正道のためならば、土方はどこまでも非情になれた」「剛直さ」
「弟分のように見ている」「実弟のように接してきた」 「実の兄のような存在(中略)土方にはとくに、剣術ばかりでなく、世の中の動きや日ごろの暮らしの細々としたこと、女子のあしらいかたまで教わっている」
☆2 ゴルフ夜明け前
桂 三枝/著 サンケイ出版 1987.04 980 坂本竜馬 沖田総司 幕末 小説
慶応2年6月〜病没。坂本竜馬がゴルフを気に入り、京都に日本初のゴルフ場を建設。総司と近藤が、龍馬とそこでゴルフをする。
「二十四歳、背が高く肩幅が広く、いつも明朗な」「胸を患っているせいか、ふだんは色が抜けるように白い」 「一人になると、あれこれ思いめぐらすのが好きであった。背が高いせいか少し猫背である。ただ、人前ではいつも胸を張って、背筋をシャンと伸ばしていた。年は三十二歳だったが、眼がぱっちりとしていて、引き締まった顔で、着る物にも大変おしゃれだったから、三つ四つ若く見えた」
☆3 沖田総司 加野 厚志/著 廣済堂出版 廣済堂文庫 2000.03 543 沖田総司 新撰組 小説
1「暗殺剣」上洛〜夏(池田屋事件)三条大橋で出会った3人の女が事件に絡む、2「非情剣」大和屋大砲事件後から芹沢暗殺で初めて血を吐き、それに関連した事件の黒幕が菱屋、3「魔道剣」元治1年偽総司との対決、4「獣王剣」池田屋事件を中心に、京で起こる事件を解決していく。
女の下僕みたいで不満。近藤・土方との関係すごく良し。井上は総司の男乳母という役回り。佐々木只三郎と交友あり。続きがありそう。
1「どこにも武張ったところがない。切れ長でやさしい瞳をした美青年」「どこまでも明るく純正な面立ちは、逆に白痴美の極致とも見えた」「底抜けの明るさ」、2「やさしげな面貌」 1「白面の男」「冷徹な」「凄みのある低い地声」「男っぽくて鋭角的な横顔」「謀略を好む」、2「いつもどおりの苦みばしった顔」
1「人を疑うことを知らぬ」「おめぇの放つ明るさにみんな引き寄せられる」「憎まれ口の底に、肉親めいたやさしさ」、2「幼い時から弟がわりに可愛がってきた総司には甘すぎるほど甘かった」3「総司に対してだけは肉親めいた態度」、4「冗談を言い合い、笑って語らうことができるのは総司だけだった」「昔から甘い」 1「兄として育ってきた」、2「嫌われ役に徹する土方の男気に心うたれた」
☆1 桂の花 -幕末純愛伝- 加野 厚志/著 廣済堂出版 2001.05 1,600 桂小五郎 尊攘派 小説
桂の花―幕末純愛伝 文久3年〜慶応3年。桂小五郎と幾松の話。新撰組も出る。
「痩身の男」「切れ長の二重まぶたが、冷たく光っている。女殺しの濡れた瞳」「凄みのある声」
他「剃刀みたいな人」
☆1 竜馬慕情 加野 厚志/著 集英社 1995.02 1,700 坂本竜馬 小説
龍馬慕情 慶応2年1月〜明治2年10月。お龍が元幕府の密偵で猿廻しの竜馬の従僕とともに、竜馬暗殺の真相に迫り、松蔭の門下生が黒幕。新撰組はほとんど名前だけ。
「無頼漢にまで畏怖された男の地顔は、すらりと様子のよい白面の剣士だった。(中略)いっそう土方の彫深い美男ぶりがきわだった。屈強な浪人たちが恐れおののく新選組副長は、(中略)女好きのする孤影の男であった」
☆3 探偵沖田総司 加野 厚志/著 毎日新聞社 2003.11 1,600 沖田総司 新撰組 小説
探偵沖田総司 慶応3年大政奉還〜病死。総司が近藤さんに命じられて、坂本竜馬暗殺の謎に迫ります。
特に明記はありませんが、『沖田総司・暗殺剣』『沖田総司・非情剣』『沖田総司・魔道剣』『沖田総司・獣王剣』の続編になります。
「夜目の利く」「親しげな微笑」「やさしげな若者」「甘党」「生死について、総司はあきれるほど無頓着だった(中略)心には一点の濁りもなかった」「恐いほど澄んだ目」「憂いに浸る性格ではなかった。表情はいつもどおり清明だった」「昔から思索は苦手である。剣の工夫しか能がないことをあらためて悟った」「清廉な総司」「清明な笑顔」「母のぬくもりを知らずに育ったせいか、総司は女性への憧れが人一倍つよい。昔から男に媚びる女は苦手だった。逆に男を凌駕するような破天荒な烈婦に魅かれる」「素手では何も力を発揮できない。身内からやさしさが溢れだし、小虫一匹殺せなかった」 「美男の土方のほうが非情だった」「冷徹な瞳」「猫のように軽く忍びやかな足運びをするものは土方歳三しか居なかった」「美しい切れ長の目」
「(政局が読めてない総司に対し)そこが総司のよいところさ」「あいかわらず太平楽だな」「俺にとっちゃ自慢の弟だからな」「相変わらず嗅覚が鋭いな」「世に恐れられる二人も、総司に対してだけは肉親以上にやさしかった。剣を中心にした擬似家族だったが、いつしか相手を慈しむ情が深まっていた」、永倉「(土方に対し)いくら総司が可愛いからって、えこひいきはよくねぇよ」 「とかく面倒見のよい近藤は父がわり、食客の土方を兄がわりとして育ったのだ。狷介な副長と平気で語り合えるのは総司だけだった」「擬似家族めいた仲」「土方さんこそ頼りになる兄です」
☆3 京都魔性剣 -姫巫女烏丸龍子- 加野 厚志/著 双葉社 双葉文庫 2004.04 571 沖田総司 幕末 小説
文久3年7月〜9月。タイトルの烏丸龍子が主役。2話目から総司登場。公家の行方不明になった姫探しが本筋ですが、それに絡みいろいろな事件が起こる。
『沖田総司・暗殺剣』などや『探偵沖田総司』の同設定の別話になります。
「目元が涼しく、唇は桜色」「まだ少年の面影」「一陣の涼風のような爽やかな身のこなし」「折り目正しい清廉な若者」「澄んだ声」「精悍」「まなざしは清明」「純粋培養の天才剣士」「道場育ちの若者は世間ずれしていなかった。異様な強さと幼さが心身に同居していた」「精悍な浅黒い面貌」「からりと明るいその笑顔」「気取りのない若者」「純な心を持つ若者」「長身」「女慣れしていない」「自身の生死に無頓着な」 「くっきりとした二重まぶたの優男」
「少しこわもて」
☆3 池田屋の血闘 -姫巫女烏丸龍子- 加野 厚志/著 双葉社 双葉文庫 2004.11 581 新撰組 小説
池田屋の血闘―姫巫女烏丸龍子 『京都魔性剣 -姫巫女烏丸龍子-』の続編
元治1年5月〜禁門の変。
姫巫女烏丸龍子の12体の式神退治と池田屋事件を絡ませた話。
話は面白いのだけど、慶喜の事を「徳川慶喜」と言っている点が気になりました。この時点では「一橋慶喜」のはず。
「自身の生死に無頓着」「清明な笑声」「剣の鍛錬にのみ心血をそそぐ」「陽気の極み」「政情に無関心」「長身」
☆5 誠を生きた男達 -歳三と総司-
河原 聡/著 新人物往来社 1994.12 2,000 沖田総司 土方歳三 新撰組 小説
6歳〜病没。土方×沖田。キスまで。句を両方使用。少女漫画のような挿絵があり。
「笑うと口元から覗く八重歯」 「色白の端正な顔だち」「タカのような鋭い眼」
「綺麗な人だな」
☆2 夕映え剣士 -小説・沖田総司- 菅野 国春/著 春陽堂書店 春陽文庫 1993.10 520 沖田総司 新撰組 小説
『夕映えの剣 -小説沖田総司-/白龍仁』と同内容。
17歳〜病没。辻斬りの辻斬りをし、他流を敵対視し出世欲が強い総司。
「色は浅黒いが、涼やかな眸の色」「冗談も得意」「短気」「神経の細やかな」
☆3 新選組 幕末の青嵐 木内 昇/著 アスコム 2004.05 2,200 新撰組 小説
新選組幕末の青嵐 試衛館〜五稜郭。土方や総司など、それぞれの人物の視点で物語が進みます。主役は特にないですが、土方が中心かな。最後は市村が佐藤家を訪れた後の彦五郎の独白で。
永倉は、近藤よりも芹沢の方が、上に立つ人間と認識してるよう、斎藤も近藤より土方を上に。山南は土方に劣等感を持っているかな? 伊東に接近したのは、斎藤だけでなく永倉も。
「陽気な声」「いつものとぼけた口調」「稽古嫌い」「京に遊びに来ているみたいに飄々として、時局にも組織にも人の生き死にすら関係ないような顔で過ごしている」「いつでも緊張感がない」「驚くほど感覚が鋭く、他人の心情も推し量ることのできる青年」「人の悪口を言うのも聞くのも好かない」「頑是無い」「病の倒れても変わらぬ沖田の屈託のなさ」「沖田特有の、脈絡のない話」「変わらず呑気で」「馬鹿正直な男」「子供じみているだけでまったく役に立たない沖田」「やけに透明な目」 「もともと口数が多いほうではない」「斜に構えて世の中に接するばかりで、見えない壁のようなものに覆われた気難しい青年」「天邪鬼」「五尺六寸の上背で、おまけにきりっとした二重の整った顔立ち」「懐疑的」「他人から好奇の目で見られることは、死ぬほど嫌なことである」「好機にではなく、逆境に反応する自分の習性を厄介」「特に気を使っているわけでもなかろうが、この男の出で立ちはいつでも洗練されている(中略)漆のような髪を大たぶさに結って、整った顔立ちで、仕草は常に悠々としている。発想は飛躍しがちだったが、思慮深くはある」「寡黙だが勘のいい」「目的を遂げるために手段を選ばぬ」「端正な顔立ち」「細心と大胆が、奇妙な具合で同居しているらしい」「実を重んじる」「異才」「怜悧で柔軟性があり判断も速いが、昔から妙に頑ななところがあって、自分の中で一度否定したものは二度と認めようとはしない」「存外情に厚い」「揺るがぬ芯を持っている」「節くれ立った手だ。涼しい顔には似合わぬ、働いた男の手だった」「この緻密な男が実は情に厚い」
「唯一天才と認め、密かにその才能をうらやんでいる人物」「沖田のように感覚だけで生きている人間のことは滅法信頼する」「近藤や沖田を信じている」「沖田への信愛」 「次第に打ち解け、普段は見せない表情を覗かせるようになった。話してみると、思っているよりずっと柔軟で優しい人だった」「土方という人への興味が尽きることがなかった。彼には、文集の中にあってもいつも独りで立っているような風情がある。なににも侵されない自分を確立している風にも見える」「やけに素直に従う」「でも土方さんは、私にとっては安心です。間違わないから」「いつも誰に対しても明るい青年だが、ここまで安心しきった顔は、もしかしたらこの土方の前だけでしかしていなかったかもしれない」
☆3 ウエスタン武芸帳 1〜3 菊地 秀行/著 朝日ソノラマ ソノラマ文庫 1986.03 420 沖田総司 坂本竜馬 新撰組 小説
1「異西部の剣士」、2「アリゾナ剣銃風」、3「無法街決闘伝
異世界(官軍が負け)の冷酷な総司と本世界の総司の人格が融合し、狷介な永倉と永倉を嫌っている原田と厳正中立な斎藤と温厚な山南と共に坂本竜馬をアメリカまで追いていく。1フランス艦に乗って太平洋横断からサンフランシスコのチャイナタウンを経て大西部へ、後から来た土方と別れ永倉と決別し、アメリカ政府に追われる。2サイボーグ砦からジェームズ・ギャングと関わってグランドキャニオンへ、3谷の生命を取り戻すためにOK牧場の決闘。未完。
「目鼻立ちの整った明るい要望の陰に潜む冷酷無残な本性」「怒りに容赦は与えぬ男」「飛ぶ蜂すらも斬りおとすというのが彼の実力に対する評価であり、七歳の童児さえ惨殺した事実が、その心根の証明であった」「童児の面影を色濃く残した相貌」「豪胆とは裏腹の、残忍冷酷な性質」「蛇のごとき」「浅黒い顔の中で、白い歯」「玲瓏たる」「秀麗な笑顔」「冷酷な美貌に横切る苦悩の翳」、向こう側の総司「子供と遊ぶのが好きな男」「我欲とは無縁の人間性」 「痩せぎすに見える」「歌舞伎役者みたいな甘いマスクにもかかわらず口の重い」「高いところを好むのは土方の性癖」
「拷問蔵へ入る前の総司に憎悪の目を向けた」「近藤を別にすれば、最も総司を理解しているのは、朋輩の井上源三郎と土方であったろう。ただし、素朴この上ない井上よりも、土方の方が性格は似ている」
☆5 沖田総司青春譜 菊地 明/著 新人物往来社 1979.04 1,300 沖田総司 新撰組 小説
誕生〜病没。土方は総司の死ぬ日に夢を見る。
「澄みきった笑み」
「おかしな小僧」
☆3 黒龍の柩 上・下 北方 謙三/著 毎日新聞社 2002.09 1,700 土方歳三 新撰組 小説
黒龍の柩 (上)
黒龍の柩 (下)
池田屋〜五稜郭。山南の切腹(病気)は新撰組を一つにまとめる為。坂本暗殺は西郷。土方・勝・小栗を中心に、徳川慶喜を頭に蝦夷での新国家構想。原田は彰義隊を抜け、土方と共に慶喜の護衛。土方は戦死しない。
「意表を衝くような感性的な剣」「沖田の剣はさらに妖しいさっきのようなものを放つようになっていた」「白い、透き通るような肌」 「不屈の剣」
「沖田の若さには、汚れがない。それは、見ていて羨ましく、時には眩しいほどだった。悲しい眩しさだ」「なぜ、沖田が。沖田総司が労咳にかかった時、そう思ったものだった」「無言の思いやり」、良順「毛ほども不純なものを感じさせない男」 「自分の命は好きに使ってくれ」「土方さんには甘えたい」「冷たい兄のような存在」、山南「自分の思いと、組織の間で、引き裂かれている」「双子の兄弟」
☆3 草莽枯れ行く 上・下 北方 謙三/著 集英社 1999.03 1,700 相楽総三 土方歳三 尊攘派 小説
草莽枯れ行く 文久3年上洛直前〜明治1年9月。相楽総三が清水の次郎長と出会うところからで、ここで初めて試衛館の集団も見かける。土方と次郎長はともに酒を飲む仲、総司は2度、近藤は出番全くなし。天皇および坂本の死は西郷の仕組んだことで、総三も西郷に裏切られる。
「声は穏やか」 「長身の男」「低いが、闇の中に谺するようによく透る声」「冷たい射るような眼」「低い、よく透る声」
小政「魔物だな、あの若え侍」
☆2 暗闇から -土方歳三異聞-
北原 亜以子/著 実業之日本社 1995.02 1,600 土方歳三 戊辰戦争 小説
江戸帰還後〜五稜郭。お考と平間重助が恋と恨みで五稜郭まで土方を追う。土方は最後に味方に暗殺され、重助が身代わり。近藤を見捨てる。伊庭八郎がほんの少し。
「役者にしたいようないい男」「青白い頬も、切長な目もやさしげな口許」「切長な目のすずしい、ほっそりとした?つきの男」
☆2 降りしきる 北原 亜以子/著 講談社 講談社文庫 1995.09 1,500 新撰組 小説
降りしきる [壬生の雨]改題[降りしきる(芹沢暗殺)]ほか全7編
『暗闇から -土方歳三異聞-』と関連あり。
「痩せて、背の高い男」「顔つきまで稚い」 「青白い顔」「切長な目」「ほっそりした見かけとはうらはらな太い腕と脛」「地であるらしいやさしげな目」
☆3 歳三からの伝言 北原 亜以子/著 新人物往来社 1988.12 1,500 土方歳三 戊辰戦争 小説
鳥羽伏見〜五稜郭。療養中の総司の許を頻繁に訪れる。伊庭八郎が江戸で土方を訪ねる。近藤の首は会津へ。
「笑うと、つめたく整った顔が、女のようにやさしくなった」「撫で肩で、やさしい顔立ち」
「しばしば総司の世話をやきにゆく」「総司のお喋りを喜んで聞いている」
☆1 風よ聞け -雲の巻 北原 亞以子/著 講談社 講談社文庫 1996.10 480 伊庭八郎 戊辰戦争 小説
風よ聞け 雲の巻 慶応4年〜。新撰組は名前だけ。続きは?
☆1 埋もれ火 北原 亜以子/著 文藝春秋 1999.01 1,524 幕末 小説
埋もれ火 [お龍]お龍の明治に入ってからの落魄ぶり、[枯野]明治25年坂本竜馬に恋をしていた女性の話、[波]江戸の妾・鳥山さわと近藤勇の最後、[武士の妻]近藤勇の妻おつね、[正義]相楽総三の妻、[泥中の花]清河八郎の妻お蓮に懸想した男の話、[お慶][炎][呪縛]高杉晋作の妾うのの話、全9編
[お龍][枯野]新撰組の名が一度、[泥中の花]浪士組が出る
☆2 新選組異聞火取虫 絹川 亜希子/著、坂本 眞一/画 集英社 Jump J books 1995.03 720 土方歳三 新撰組 小説
新選組異聞 火取虫 明治12年きつ(土方家にいる少女)の回想で(江戸〜五稜郭)。
「日に焼けた顔に子供のような笑顔」 「細身で色の白い、見栄えのよい男」
☆2 漂流自衛隊 3 維新篇
砧 大蔵/著 コスミック出版 コスモノベルス 2004.05 857 土方歳三 箱館戦争 小説
明治維新のときに北海道が日本から独立した過去を持つ未来に、FBIの時間犯罪の捜査官が現れ、その間違いを修正する話。間違いの元は、箱館戦争の時に自衛隊が出現し、榎本らに加担したためと判明し、無理矢理元に戻す。
箱館戦争の描写は、半分以降で、土方さんは、少し出る程度。
「目つきの鋭い男」
☆1 土方歳三流転の剣 木村 伸一/著 文芸社 2004.11 1,470 新撰組 小説
土方歳三流転の剣 江戸から五稜郭まで。
話が淡々としすぎて、面白みがない。起伏がないというか。事実の羅列というか。印象に残らない小説でした。
「浅黒く、痩せこけて。背はまだ歳三の胸ぐらいまでしかないが、十歳の子供にしては高いほうだ」「いつもと変わらぬ笑顔」 「歳三の役者のような顔立ちはなにを着ても様になる」
☆2 歳三の写真 草森 紳一/著 新人物往来社 1978.05 1,200 土方歳三 箱館戦争 小説
歳三の写真 [歳三の写真]江差〜五稜郭、写真を毛嫌いしていたが写真師を従軍させる。松本良順から貰った双眼鏡を覗いていて銃弾に撃たれ屋根から落ちる、伊庭八郎登場[朝涼や人より先へ渡りふね(伊庭八郎)]征西日記について、[重い羽織]新撰組の隊服について、[高台寺残党]高台寺党と赤報隊との関係他、[「歳三の写真」ノート]全4編+エッセイ
[歳三の写真]「雪焼けして、あちこち赤く剥げている顔」「頭は耳がわずかにでているオールバックの総髪で、額は広く出て、涼しくやさしげで、皮肉で冷たげな眼眸」
☆2 妖珠の覇王 楠木 誠一郎/著 中央公論新社 C・novels 2002.06 857 土方歳三 戊辰戦争 小説
妖珠の覇王〈1〉風雲!幕末動乱
妖珠の覇王〈2〉激闘!会津陥落
妖珠の覇王〈3〉血戦!五稜郭炎上
1「風雲!幕末動乱」、2「激闘!会津陥落」、3「血戦!五稜郭炎上」
慶応3年末〜五稜郭。総司は1巻の初めに少しだけ。土方が八尺瓊曲玉を使って魔帝に。伊庭も出る。表紙の絵がすごくきれい。
「やけに痩せた、眼だけ鋭い」 「端整でやさしい顔立ち。細めの目に憂いがある」
☆5 MUGEN〜総司残照 上・下 栗本 薫/著 天狼プロダクション 2001.12 1,500 沖田総司 土方歳三 新撰組 小説
☆3 まぼろし新撰組
栗本 薫/著 角川書店 角川文庫 1992.04 500 現代 小説
芹沢暗殺中に現代(平成3年)にタイムスリップ。総司と土方がそれそれ、二人の少女との恋愛話が絡む。
「すっごく大きい目ってんでもないんだけど、ものすごく澄んでいるのだ。長いバサバサまつげ、すきとおるみたいな肌の色」「どっか二じゃない感じ」「茶色がかったサラサラヘアー」「このやさしいカオと華奢な手首と、ほわんとした笑顔」 「わりかしクールなハンサム型で落ち着いた感じで目が綺麗」「切れ者で野心家」
「近藤さんと総司はいつもまったくほかの仲間とも違った-兄弟のようなものに思われてなりませんのです」「ひどくやさしい」「我々だってお前が可愛い。実の弟以上に思って大切にしてきた」 「本当に土方さんや近藤さんたちが好きで、(中略)みんなのお役に立てるなら、ぼくはそれで満足です」
☆5 夢幻戦記 1〜12(以下続刊) 栗本 薫/著 角川春樹事務所 ハルキ・ノベルス 1997.12 705 沖田総司 新撰組 小説
夢幻戦記〈14〉総司紅蓮城(下)
☆3 とびだせ新選組
桑原 譲太郎/著 徳間書店 Tokuma novels 1993.08 780 沖田総司 高岡俊平(架空) 現代 小説
池田屋へ乗り込んだ新選組が舞台稽古中の現代にタイムスリップ。俊平は総司の子孫。
「ヘチマみたいな顔に、ヒラメみたいな目をした不細工な男」 「研ぎ澄まされたような顔」
他「笑顔の裏に隠された苦悩、明るさの中に埋没させている思慮深さ、ときおり見せる気短さとは対照的に(病を知るためか)生死を超越した透明感があり、なにより快活なのがいい」
☆2 鬼才 小池 竜二/著 東京図書出版会 2003.12 1,048 土方歳三 戊辰戦争 小説
鬼才 [陽春の会津にて]ほか全4編。論文2編+小説2編
会津での療養中に京の芸妓が訪ねてくる。また、敵討ちと狙われ、失敗した敵討ちの相手の切腹を永倉が介錯して、喧嘩を売ったと濡れ衣を着せられた土方さんが、それを晴らす話
「戦うために生まれてきたような人」
☆2 紅蓮のごとく -五稜郭秘史-仙台藩額兵隊・星恂太郎の生涯 合田 一道/著 教育書籍 1988.12 980 星恂太郎 土方歳三 箱館戦争 小説
明治2年9月〜明治9年7月死去。星恂太郎の仙台から死去まで。土方のひたむきさに惚れ、榎本への不信不満。
「痩身」「研ぎすまされた刃のように、不敵な感じ」「穏やかな表情」「引き締まった端整な顔」
☆0 近藤勇・流山慕情 小松 茂朗/著 泰流社 1996.03 1,500 近藤勇 新撰組 小説
慶応4年4月(旧暦5月)〜斬首。流山で出会った信州出身の女性との淡い交流が主で、彼女の故郷の話や、彼女に自分の歩んできた足跡を話して聞かせたり。土方は2度ほどちょろっと出てくるだけ。

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