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ランク タイトル 著者名 出版社 文庫名 出版年 価格 主要人物1 主要人物2 主要年代及び派閥 分類
サブタイトル・目次及び内容・感想
沖田の容貌・性格 土方の容貌・性格
土方からの沖田象・沖田への態度 沖田からの土方象・土方への態度
早乙女 貢 会津ご出身のため佐幕派に思い入れが強く、尊攘派には非常に辛口。
☆1 陰の剣士 早乙女 貢/著 東京文芸社 1986.11 1,000 小説
[陰の剣士(佐々木只三郎)]佐々木只三郎の生涯、[一夜の客(近藤勇)『七人目の刺客』]ほか9編
[陰の剣士]新撰組の名あり
☆3 沖田総司 上・下 早乙女 貢/著 講談社 講談社文庫 1979.05 460 沖田総司 新撰組 小説
沖田総司 上
沖田総司 下

20歳〜病没。医者の娘に屯所を離れ看護される。斎藤がいい味。
「明朗で信義に厚く、誠実で純粋な」「筋肉質で、背は高いが、贅肉はほとんどない」「日頃温厚で、茶目ッ気があるし、色は浅黒いが、すらりと背の高い」 「怜悧で狡智なほどの緻密な頭脳」「色が白く、なめらかな頬と、涼しい目持った」「切れ長の長い眼も、凛々しい眉も、かたちのいい鼻もすべてが、血の通っていない人形のように、冷たく感じる」
「総司のナイーヴな感情を兄のような気持ちで見守る余裕を与えていた」「弟のような気持ちだし、身内の心やすさ、信頼がある」
☆2 江戸の夕映え 早乙女 貢/著 講談社 講談社文庫 1997.09 952 幕末 小説
江戸の夕映え 慶応4年1月慶喜の大阪脱出〜明治26年次郎長の死。新門の辰五郎・清水の次郎長・会津の小鉄らの侠客の生涯を中心にそれに関った人々を。新撰組は所々名前だけ。彰義隊に入隊した原田は新門に出会い、総司とは友情以上の仲で時々見舞う。伊庭八郎が海軍江戸脱走で1度登場。
「蒼白い顔」
☆1 七人目の刺客 早乙女 貢/著 文芸社 2002.04 1,400 近藤勇 新撰組 小説
七人目の刺客 [一夜の客(近藤勇)]甲陽鎮撫隊のときの新宿、[世良斬殺『竜馬暗殺』]ほか全8編
若き獅子たち 上 早乙女 貢/著 新潮社 新潮文庫 1991.03 640 土方歳三 小説
文久2年4月吉田東洋暗殺〜文久3年9月長州間者斬殺、元治1年6月池田屋事変〜慶応1年閏5月岡田以蔵刑死。新選組は下巻から登場。薩摩藩士の男色(強姦)話あり、先妻の子との母子相姦、女同士あり。
「背の高い男(中略)いささか浅黒い面だが、一寸、ひらめに似ている」 「色の白い男」「それが癖の、一寸、唇の端を歪げて冷たい笑いをきざんだ」
☆3 新選組 原田左之助 -残映- 早乙女 貢/著 学陽書房 人物文庫 2001.08 780 原田左之助 新撰組 小説
『残映』と同内容
慶応4年5月〜明治3年。上野を生き残った設定で、総司が医者に殺されたと疑いその医者を最後には殺す。
「美男でこそなかったが、性格がさっぱりしていて、背が高く、腕も立つので、女たちに人気があった」「もとから冗談の好きな、陽気なやつ」
原田「仲もよかったが、反撥しあうものもあった」
☆2 新選組斬人剣 -小説・土方歳三- 早乙女 貢/著 講談社 講談社文庫 1998.09 1,143 土方歳三 新撰組 小説
新選組斬人剣―小説・土方歳三 11歳〜池田屋。子どもの頃武士より商人になりたかった土方。土方と原田との出逢いは吉原。試衛館に出入りする伊庭八郎。
「お突きを得意とする白面の少年」「子供のように無邪気な顔」「よくいわれるように、総司は、ひらめのような顔だったのはほんとうらしい。が、その若さと、多分、肺病に罹る者にある皮膚の青白さ、おそらく、姿態もすらりとしていたのであろう」「童顔で気性の優しい子供好きの青年」 「生まれつき顔立ちがよく色白なのも」「男にしては色の白い、腕白で負けん気の強い」「若々しく、覇気に満ち、精悍さと自負と夢に満ち満ちていた風貌」
☆2 新選組銘々伝 早乙女 貢/著 徳間書店 徳間文庫 1985.08 980 新撰組 小説
『新選組列伝』の改題前。
[槍の三十郎][鬼の歳三][鴨と葱][忍びの蒸][御落胤罷り通る][耆三郎斬首][散りてあとなき][死に損ないの左之助][血を吐く剣士][近藤勇斬首]全10編
☆2 新選組列伝 早乙女 貢/著 新人物往来社 2003.07 1,800 新撰組 小説
新選組列伝 『新選組銘々伝』の改題のうえ、加筆推敲。[鴨と葱-芹沢鴨]芹沢と新見の出会いから暗殺まで、[散りてあとなき-山南敬助]土方との確執、[槍の三十郎-谷三十郎]万太郎も絡んだ備中松山藩を永の暇した理由と、ぜんざい屋事件など、[耆三郎斬首―河合耆三郎]惚れた女が新撰組隊士岸島の昔の女でその関わりから入隊し、その関連から公金横領の罪を着せられる、[御落胤罷り通る-藤堂平助]座頭と夜鷹に育てられ、お玉が池の内弟子に、[忍びの蒸-山崎蒸]従兄弟の林新太郎の縁で入隊、[死に損ないの左之助-原田佐之助]松山での切腹話など、[血を吐く剣士-沖田総司]最初は総司に惚れた明里を落籍す山南の脱走話と江戸帰還後、[近藤勇斬首-近藤勇]芹沢暗殺や池田屋・最期、[鬼の歳三-土方歳三]奉公から新見切腹・池田屋・五稜郭、全10編
「背こそ高かったが、色が浅黒く、のっぺりと平目のような顔で、いわゆる美男子ではない」「その笑顔も、嘗ての爽やかな若者のそれではなく、疲れきって、青白い面に、唇だけが紅を塗ったように異様に赤い。京では浅黒く引き締まった精悍な顔で、新選組一番隊長として、きびきびと指揮していた総司も、肺患が嵩じて、いまは見るかげもなくなっていた」「若く、気性が爽やかで、はにかむような美顔」 「色が白い」「小才が利いている上に巧弁で頭が切れる」「酷薄なばかりの果断、峻烈な性格」「生れつき、肌は白く、目元の涼しい美男ぶり」「退嬰的なところが少ない」「紅を塗ったように朱い唇」「白皙の面」「飽くなき執念と冷徹な行為」
「峻厳な規律だけが、それを達成させる手段だと信じる歳三には、近藤も沖田も、かれの気持ちを理解してくれぬ者として、一抹の淋しさがあったのではなかろうか」 「几帳面すぎる」「(山南の介錯を命じられて)土方の意地の悪い顔を、このときほど憎く思ったことはない」
☆2 幕末志士伝
早乙女 貢/著 新人物往来社 1991.07 1,400 沖田総司 土方歳三 新撰組 小説
[土佐のいごっそ-坂本竜馬][龍馬暗殺-佐々木只三郎][萩の牢獄-高杉晋作][象山暗殺-河上彦斎][五条代官所襲撃-中山忠光][京洛の血煙-沖田総司][会津南山街道大内宿-平田金十郎][鶴ヶ城燃うい-中野竹子][最後の新選組-土方歳三][城山悲歌-西郷隆盛]全10編、[龍馬暗殺]新撰組が出る、[萩の牢獄][象山暗殺]新撰組の名だけ、[京洛の血煙]新見切腹〜池田屋事変、[最後の新選組]仙台脱出〜五稜郭。
官軍の方は辛口。
[京洛の血煙]「ひらめのような顔をした」「明るい性格の、冗談好きな」「親しみ易い雰囲気」 [京洛の血煙]「白皙の面」
☆1 龍馬暗殺 早乙女 貢/著 廣済堂出版 1992.07 1,100 幕末 小説
龍馬暗殺 [龍馬暗殺『幕末志士伝』][テロリスト]江戸騒擾を題材にした話で新撰組の名が出る、[世良斬殺]ほか全7編
☆2 士道遥かなり -疾風新選組-(全5巻)士道遥かなり 第1巻 浪士隊京へ 早乙女 貢/著 第三文明社 2004.06 1,600 新撰組 小説
1.[第1巻 浪士隊京へ]文久3年1月〜文久4年8月18日の政変。
結構山南さんが辛辣。内容は淡々と書かれてあり、イマイチかな? 前の作品の『沖田総司』や『土方歳三』の方が面白いかと。
2.[第2巻 池田屋斬込み]芹沢暗殺〜蛤御門の変。
3.[第3巻 京洛の血風]天王山の後〜慶応1年5月膳所藩事件。
大谷良輔が、山南の死後明里を手篭めにしようとして死んだと言う設定には驚き。
4.[第4巻 竜馬を斬れ]慶応1年5月将軍上洛〜坂本龍馬暗殺。
5.[第5巻 五稜郭に死す]油小路事件〜五稜郭。
御陵衛士の間者だった小林を、わざわざ島田と総司で高台寺まで捨てに行くのが、「おや?」と感じました。だって、わざわざ持って行ったら、「ばれたぞ〜」と言い触らしに行ってるようなものじゃないですか?
井上さんが伏見で死んでるのも、「ん?」と言うところ。
「沖田の苦しみを最も理解していたのは、土方歳三ではなかったろうか」のは、うっふっふ〜です。
[第1巻 浪士隊京へ]「日ごろの快活さ」「遊びの方は皆目知らない」「まだ若かったし、呑気なところのある」[第4巻 竜馬を斬れ]「若い沖田は、卑劣なことを最も嫌った」[第5巻 五稜郭に死す]「なまじ色白」 [第1巻 浪士隊京へ]「静かな調子になるときは、胸中に激情が沸き上がっているときだ」[第2巻 池田屋斬込み]「秀麗な顔」「慎重な」[第3巻 京洛の血風]「女に馴れた」「魅力があるが、どこか冷たいところがある」「色白で目鼻立ちが整い、美男といってよい。ただその容貌には、和やかさとか、温かみというものがない。冷たいまでの厳しさがその顔を引き締めていた」[第4巻 竜馬を斬れ]「人を見る眼がある」[第5巻 五稜郭に死す]「諦めのいい男だ」「美男である。犀利な頭脳と決断力が、時に酷薄に見えることもあるが、生来の色白で整った顔立ちで微笑を含むと、穏やかで相手の心を和める」
[第1巻 浪士隊京へ]「すでにして、総司は天才呼ばれるほどの腕前の冴えを見せ、年長の土方歳三も一目ほどになっていた」[第2巻 池田屋斬込み]「最も信頼の置ける同志」「弟を見るような眼つき」[第3巻 京洛の血風]「(山南の切腹後)土方にはやはり沖田に対して気がとがめるものがある」[第5巻 五稜郭に死す]「沖田の苦しみを最も理解していたのは、土方歳三ではなかったろうか」 [第3巻 京洛の血風]「沖田の若さは二人の弟分といった方がいい。年齢的にも、七つも八つも年下であるだけに、二人を凌駕できないのはいうまでもなく、肩を並べる存在ではなかった」
☆1 新選組血風録総司燃え尽きる 笹沢 左保/著 双葉社 Futaba novels 1998.08 829 沖田総司 新撰組 小説
新選組血風録 総司燃え尽きる 『剣士燃え尽きて死す -人間・沖田総司-』『沖田総司』と同内容。
新見切腹〜病没。肉親以上だった近藤が京都へ来てから変貌し、総司の気持ちが離れ、また労咳のため孤独で、そのため性格が暗い。近藤は総司を便利な道具と思っている。近藤・土方と不仲。江戸で長州藩士と争いになり、その許婚を誤って殺し、脱藩したその男を京都で土方の指図で殺し、男の願いで女を江戸へ帰す途中女が、この後新撰組に入り二代目総司と近藤が褒めた武士に斬られ、その事実を知った総司に斬られる。
「長身で、痩せていた。頬が削げ落ちているので、顔が小さく見えた。その顔に大髻に結った髷が、重そうであった。顔色が悪い。青黒かった。顔立ちは、悪くなかった。切れ長な目が、キラキラ光っている。体温が高いせいか、目が潤んでいるのだった。鼻が高く、口元が引き締まっている。唇が紅を塗ったように、鮮やかに赤かった。幼さが感じられるのは、童顔だからである。だが、童顔でありながら、分別くささが印象に残る」 「新選組随一の美男子」「講武所風と呼ばれる髪型」「何が何でも構わないから権力の座を得ようとする野心家」
「所詮は、役立たずか」「今後、無用の存在とすること」 「愛想をつかした上での、冷淡さであった」
☆1 冬のつばめ -新選組外伝・京都町奉行所同心日記- 沢田 ふじ子/著 徳間書店 徳間文庫 2001.05 552 新撰組 小説
[冬のつばめ]人を殺し火付けをした犯人と被害者の立場が逆だった、[夜寒の寺]秀逸な俳句を創る男がその俳句を盗もうとした男に殺される、[池田屋の虫]池田屋の事を知らせた捨て文を書いた手代が女中殺しと金子盗みの下手人、[高瀬舟]僧と逢瀬を重ねていた女が脅した相手を殺す、[人斬り]妹をたらしこんだ男に話をつけるために押し入った男が、押し込みに間違えられ、山南を軽視する谷三十郎に斬らる、[あいらぶゆう]新撰組隊士と密通を疑われた女が亭主を殺そうとする、[七条月夜]油小路の暗殺の時放置されている死体に手を合わせた番頭が旦那に嵌められ追い出される、[御用盗]御用盗の仲間に入り退治、全8編。
文久3年〜近藤梟首。試衛館時代の新撰組の面々と知り合いの同心・大仏伝七郎(架空)が主役で、新撰組は彩り程度。
「長身で頬がこけ、どちらかといえば色が黒い。しかし、からっとした人柄が感じられ、童顔が好ましかった」 「色が白く、役者にしたいほどの好男子」「容貌にそぐわない非情な一面をもっていた」
他「峻烈で鬼」
☆2 アームストロング砲 司馬 遼太郎/著 講談社 講談社文庫 1988.11 544 沖田総司 土方歳三 新撰組 小説
アームストロング砲 [薩摩浄福寺党]新撰組(土方)や会津を挑発する薩摩藩士が最後には新撰組に殺される、[倉敷の若旦那]一人の男の私怨に酔うる奇兵隊の倉敷襲撃、[五条陣屋]天誅組の五条襲撃、[壬生狂言の夜]土方の噂捏造で松原忠司が心中、[侠客万助珍談]新撰組の名だけ、[大夫殿坂]兄の敵討ちに男が脱藩し敵の新撰組隊士を切る、またその過程で内山惨殺事件、[理心流異聞(沖田総司)]文久2年6月〜元治1年、柳剛流を破るために少年の頃の師匠に教えを請いに三月ほど白河へ、京でその因縁の相手と出会い倒す、[アームストロング砲(佐賀藩)]ほか全9編
[理心流異聞]「近藤、土方よりも六、七歳若く、色白の童顔のためのいつまでも前髪の似合いそうな顔だちである」「ひどく気さくな男」「好奇心のつよい男」「老人に可愛がられるたち」「相変わらず少年のように無邪気で」「痩せた長身」 [薩摩浄福寺党]「多すぎるほどの毛を総髪の結び」「執念深さには定評がある」、[壬生狂言の夜]「痩せがたで鼻筋の通った美男だが、かん骨が高く、眼が冷たい。およそ笑わない男であった」「江戸前のいきのいい歯切れ」
☆1 果心居士の幻術
司馬 遼太郎/著 新潮社 新潮文庫 1977.01 320 土方歳三 新撰組 小説
[壬生狂言の夜(土方歳三)]ほか全6編
☆2 胡蝶の夢 1〜4 司馬 遼太郎/著 新潮社 新潮文庫 1983.11 松本良順 佐幕派 小説
胡蝶の夢〈4〉 3-4に少し
☆5 新選組血風録 司馬 遼太郎/著 中央公論社 1999.11 2,300 新撰組 小説
新選組血風録 [油小路の決闘(篠原泰之進)][芹沢鴨の暗殺(土方歳三)]上洛〜暗殺、[長州の間者][池田屋異聞(山崎烝)][鴨川銭取橋(武田観柳斎)][虎鉄(近藤勇)][前髪の惣三郎][胡沙笛を吹く武士]浅野薫が元話、[三条磧乱刃(井上源三郎)][海仙寺党異聞]間、[沖田総司の恋][槍は宝蔵院流(谷三十郎)][矢兵衛奮迅(富山矢兵衛)][四斤山砲(阿部十郎)][菊一文字]全15編
「どういうときでも明るい童子のような相貌」「すこし舌の足りない童っぽい言いかた」「痩せた背」「はえぎわのきれいな太い眉」「草を一本口にくわえて、にちゃにちゃ噛む癖」 「めったに笑わない」
「可愛がっている」「仕事好きで、凝り性」「実の弟のような」「昔かわらぬ無邪気さがうれしくて」「生まれたままのような男」他「欲をいうものを置きわすれてこの世に生まれてきたような若者」「人見知りのひどい」「罪のないうその上手な若者」近藤「沖田には甘い」 他「陰険な性格」
☆3 燃えよ剣 司馬 遼太郎/著 新潮社 新潮社文庫 1972.05 480 土方歳三 新撰組 小説
燃えよ剣
☆1 幕末 司馬 遼太郎/著 文芸春秋 文春文庫 2001.09 638 幕末 小説
幕末 [奇妙なり八郎(清河八郎)][花屋町の襲撃(天満屋事件)][猿ヶ辻の血闘(姉小路公知暗殺)][冷泉斬り][祗園囃子(住谷寅之介暗殺)][逃げの小五郎][彰義隊胸算用][浪華城焼討(大阪ぜんざい屋事件)][最後の攘夷志士(パークス暗殺未遂)]ほか全12編。
幕末の暗殺譚。[奇妙なり八郎][逃げの小五郎][最後の攘夷志士]新撰組の名前のみ、[花屋町の襲撃][祗園囃子][浪華城焼討]新撰組出番あり、[猿ヶ辻の血闘]会津が画策し姉小路公知を暗殺、[冷泉斬り]新撰組の探索方が登場、[彰義隊胸算用]土方が1回登場。
☆1 王城の護衛者 司馬 遼太郎/著 講談社 講談社文庫 1971.01 420 幕末 小説
王城の護衛者 [王城の守護者(松平容保)][加茂の水(玉松操)][鬼謀の人(村田蔵六)][英雄児(河合継之助)][人斬り以蔵(岡田以蔵)]全5編
[王城の守護者][加茂の水][鬼謀の人][人斬り以蔵]新撰組の名が出る程度
☆2 侍はこわい 司馬 遼太郎/著 光文社 光文社文庫 2005.01 533 近藤勇 試衛館 小説
侍はこわい [ただいま16歳]ほか全8編。
近藤が16歳の時の話。おえいという女と切れぬ縁があると思い込んでいる近藤です。沖田と土方は、周斎の語りで登場。近藤が養子になる前に、沖田は試衛館に内弟子になってるのが不思議。
「利発な子」 「剣の手筋のいい子」「色白で眼の大きくこれが百姓の子かと思うほどに秀麗な容貌をもっている。しかし子供のくせに妙に倨傲でぎょろりとした眼がひどく冷たい。要するに可愛げがなかった」
子母沢 寛 有名すぎる方です。
☆1 鴨川物語 -哀惜新選組- 子母沢 寛/著 徳間書店 徳間文庫 2003.10 800 新撰組 小説
鴨川物語―哀惜新選組 文久2年(島田左近の暗殺前)〜江戸帰還まで。最後に近藤の妾が老小説家に昔語りをする。3人の勤皇と佐幕に分かれていた髪結いの兄弟や、色町の女達を絡めて話が進む。
復刊された本です。今回は「-哀惜新選組-」の副題が付きました。が、わざわざこんな副題つけなくても・・・、という感じですね。そんなに新撰組してないし。まあどちらかといえば佐幕派でしょうが。勤皇の志士と呼ばれる方々も多く出ます。色町の女性たちがものすごく絡む話です。あと土方が近藤に「二人きりだ」というのがすごく印象的でした。思わず近藤×土方? と思ってしまいました(笑)。総司の出番は、あったの? という感じです。印象に残らない。ストーリ自体などは、やっぱりちょっと古いかなというイメージです。
「根が役者のようだといういい男」
☆2 新選組物語 -新選組三部作- 子母沢 寛/著 中央公論社 中公文庫 1997.02 400 新撰組 小説
新選組物語―新選組三部作 [新選組物語]の〈隊士絶命記〉総司の黒猫話・芹沢鴨・山南敬介と明里・密偵床伝と娘おみの・吉村貫一郎・永倉新八と三木三郎との邂逅・河合耆三郎・田内知と谷三十郎、〈人斬り鍬次郎〉大石鍬次郎と今井祐三郎の因縁話とその死際、〈死に損ねの左之助〉原田左之助の松山での逸話と女房と靖共隊脱退に絡む話及び靖共隊隊長の芳賀宜動の死、〈隊中美男五人衆〉楠小十郎の処刑・馬越三郎と武田観柳斎との男色及び武田の薩摩藩への接近目撃・山野八十八・佐々木愛次郎とあぐり・馬詰柳太郎と子守女の話、〈近藤勇の屍を掘る〉近藤の斬首から死体の掘り起こし、〈壬生心中〉松原忠司、〈かしく女郎〉江戸帰還後の深川での話、〈月下の死骸〉油小路の血闘、[新選組]慶応3年12月〜斬首、総司は皆と別に鳥羽伏見の戦い前に江戸に帰る、[新選組聞書-稗田利八翁思出話]入隊から捕縛まで、[流山の朝]流山の官軍への出頭から斬首まで、全4編。
あちこちで引用されているので、読んだ気になっている。
[新選組物語]「丈の高い肩幅の広い」、[新選組]「土のような顔色であったが、瞳だけは、昔のようにすがすがしく澄み切って」 「黒髪がふさふさと漆のようで顔が役者のように優しくてもひどく利かぬ男」
☆2 逃げ水 上・下 子母沢 寛/著 角川書店 角川文庫 1970.06 1,100 高橋泥舟 幕末 小説
逃げ水〈1〉
逃げ水〈2〉
天保6年(誕生)〜明治4年(36年死)。前半は清川出番多い。新選組(近藤・土方)の出番多い、特に下巻(結成〜五稜郭)。
「丈の高い肩の張り上がった色の浅黒い二十二、三だが、よく笑談をいって、(中略)酒も飲まず、女遊びもせず、腕は立つんだが、剣術の稽古はあまりしなかった」 「小知恵」「いつもおしゃれな男」
☆2 蝦夷物語 子母沢 寛/著 中央公論社 1960.04 290 幕末 小説
[蝦夷物語][枯草物語][晩秋][雁の群れが渡る][人の世の物語][宵月][雨の音]全7編
[蝦夷物語]は、作者の祖父を題材にかかれたもので、回想しながら彰義隊参戦から蝦夷降伏までを、[雨の音]も函館軍の探索を務めた小柴長之助の話。どちらも榎本や大鳥の名が出てきますが、土方さんの名前は一切無し。
[枯草物語][晩秋][雁の群れが渡る][人の世の物語][宵月]は連作とも言える作品。作品順に言うと、親、子、孫、孫とその師匠が登場し、[宵月]には、岩崎弥太郎とその女性との絡みで孫とその子が出ます。
☆2 剣客物語 子母沢 寛/著 文芸春秋 文春文庫 1988.01 ? 小説
[雪の中の燕][今紫物語][をぢ様お手が][彰義隊の丼][剣客物語]ほか10編
[雪の中の燕]幕末に外国奉行をした川路左衛門の話、近藤のことが1箇所出る、[今紫物語]山内容堂や榎本武揚の名が出る、[おぢ様お手が]沖田総司の甥・芳次郎が介錯する話、[彰義隊の丼]題の通り彰義隊の話、[剣客物語]幕末の剣客の話で、男谷道場へ近藤一行が試合に行く話が出る、練兵館に助っ人を頼む話も、後伊庭と山岡鉄舟との試合の話もある。[剣客物語]で、男谷道場の本目縫之助の話があるけど、この人の面紐が朱色と書かれていて、思わず土方さんを想像してしまいました。
☆3 新選組遺聞:改版 -新選組三部作- 子母沢 寛/著 中央公論社 中公文庫 1997.01 400 新撰組 小説
新選組三部作 新選組遺聞 [象山の倅][原田左乃助][芹沢鴨][篠崎慎八郎の死][沖田総司房良][木曽路の春][壬生屋敷-八木為三郎老人壬生ばなし][池田屋斬込前後][伊東兄弟][近藤の最後][勇の屍を掘る-近藤勇五郎老人思出ばなし]全11編
昔の話なので、事実と違う場面が多々あります。沖田林太郎が総司の実兄になっていたりとか。けれど、読み応えはたっぷりです。
[壬生屋敷]の中で、他の人はそれぞれ別個に書かれているのに、土方さんと総司だけは一括りなのが嬉しかったり。
「丈の高い痩せた人物、方がぐっと上がり気味に張って、頬骨が高く、口が大きく、色は黒かったけれども、何処かこういうに云われぬ愛嬌があった。病気だといってもいつも元気で、戯談ばかり云っている。酒はいくらでも飲むが、酔ったような顔もしなかった。そして、盃を持っている時の機嫌などは、本当に笑い上戸であった」、八木為三郎「丈の高い肩の張り上がった色の青黒い人でした。よく笑談をいっていて殆んど真面目になっている事はなかったといってもいい位でした。酒は飲んだようですが女遊びなどはしなかったようです」「沖田はあれでなかなか正直なところがあり、気のいい人物でした」、「相変わらずのさのさして無駄口をきいて」「ふだん無駄口ばかり利いている男」 八木為三郎「土方は役者のような男だとよく父が言いました。真っ黒い髪で房房としていて、眼がぱっちりして引締まった顔でした。むっつりしていて余り物を云いません。近藤とは一つ違いだとのことですが、三つ四つは若く見えました」
☆3 新選組始末記:改版 -新選組三部作- 子母沢 寛/著 中央公論社 中公文庫 1996.12 ? 新撰組 資料
新選組始末記 タイトルは、多いので割愛します。
江戸〜五稜郭までの一連の話。
間に「八木為三郎老人壬生ばなし」が入りますが、これは『新選組遺聞』に載っている話です。
それと、[隊士絶命銘々録][人斬り鍬次郎][死損ねの左乃助][美男五人衆][壬生心中][伊東兄弟]が収録
「自分の出来る割に、教え方が乱暴で、お負けになかなか短気であった」稗田利八「酷く賑やかな剣術で、その上笑談ばかりいっていました」、「丈の高い肩幅の広い」「背の高い顔色の蒼黒い人物」 「五尺の上に五寸は確かにあった。ひどく丈の低い人のようにいうが、勇と並ぶと、髷つぶしだけは高かったのである。なかなか美男子で、評判であった」「何しろ、女のようなもの優しい顔で、しかも後年はなかなか尊大な態度になったが、その頃は如才ない愛嬌者だった」「生まれつきの才分を発揮し、目を八方にぎょろつかせる」「尻上がりの多摩弁」「才人」「何となく少し意地の悪い」「いつもの癖で眉のところへ八の字が寄った」、篠原泰之進「元来が少し皮肉でこういう風に絡みつくような物のいい方をする人間」「黒髪がふさふさと漆のようで、顔が役者のように優しくても、ひどく利かぬ気の男」、八木為三郎「役者のような男だとよく父が言いました。眼がぱっちりして引締まった顔でした」
☆2 幕末ものがたり 子母沢 寛/著 桃源社 1972.12 950 幕末 小説
[敗れし人々]慶応3年12月近藤狙撃〜甲陽鎮撫隊、総司が一人先に江戸の帰ってますし、近藤さんとの仲がすっごく良い師弟関係(?)です。[流山の朝『新選組物語』]、[天野八郎]彰義隊の一時期、後に新撰組に合流した唐津藩の小笠原詮之助も登場。[咸臨丸]名の通り勝海舟一行の渡米話、[十四日の月]水戸天狗党の旗揚げ前後、[葉原日記]天狗党の敦賀での降伏、[秋晴れ]戊辰戦争での津軽藩家老の苦衷、[男の顔]松江藩の執政・大橋筑後の忠義の話、全8編。
[敗れし人々][流山の朝]のみ新撰組が主の話。
[敗れし人々]「相変わらず軽口を叩いて元気だけはある」「土のような顔色ではあったが、瞳だけは、昔のようにすがすがしく澄み切って」「隊中一の軽口の面白い明るい男であったんだぞ」 [敗れし人々]「甲高い澄み切った声」「自分でも信じない癖に、誠しやかに人に話して、うれしがらせる悪い癖がある」
☆1 大逆説!PKO軍、幕末争乱に突入す 123 志茂田 景樹/著 光文社 カッパ・ノベルス 1994.02 780 沖田総司 土方歳三 幕末 小説
シュミレーション小説。安政6年〜鳥羽伏見の戦い。PKO軍が戦国時代から幕末にタイムスリップ。2巻から総司及び新撰組登場。PKO軍はどちらかというと尊攘派寄り。佐々木小次郎は総司をライバル視。
「ひたむきでいながら反骨精神の盛んな性格」「強靭な精神力とどこか脆弱な身体をともに持ち合わせ、病的な雰囲気を漂わせている」「眼光鋭く、まさに餓狼のような表情」「眼光炯々としてやせこけた顔」「血を見ないことには活力が出ない身体」
☆2 大逆説!戊辰戦争 上 志茂田 景樹/著 光文社 カッパ・ノベルス 1992.01 750 河井継之助 沖田総司 戊辰戦争 小説
シュミレーション小説。慶応3年10月〜。鳥羽伏見の後、会津(佐川官兵衛)・長岡藩(河井継之助)が中心に西軍となり東軍に勝利。総司は近藤とは甲府で別れ、土方ら(永倉・原田)と騎馬隊を編成しずっと行動を共にする。
「顔に、血の気が認められない。蝋のように、真っ白い顔をしている。唇が、朱を塗ったように赤かった。だが、端正な顔立ちで、双眸はニヒルな色を放っている」「痩せぎす」 「中背だが、がっしりとかた太りした体格」
他「未来をまったく考えていない人間」 他「根っからの参謀タイプ」
☆0 新撰組 上 白井 喬二/著 講談社 大衆文学館文庫 1995.03 840 新撰組 小説
上は安政5年、下で文久3年上洛〜元治元年。独楽師が主役。下でやっと新撰組登場。題名に偽りあり。新撰組なんてほんのお慰み。
☆2 芹沢鴨の生涯 -新選組異聞- 城井 友治/著 郁朋社 1988.02 1,200 芹沢鴨 新撰組 小説
天保4年〜文久1年〜暗殺。芹沢の悪名は、芹沢の幼馴染の下村継次(史実の芹沢の本名)が、芹沢の名を騙ったという設定。
「天真爛漫」「童顔」
他「癖のある男」
☆2 隠密ジャイアンツ 新宮 正春/著 徳間書店 徳間文庫 1985.07 650 沖田総司 現代 小説
『影武者ジャイアンツ』の改題。
総司の曾々孫が王監督率いるジャイアンツで活躍。
☆2 死に損ね左之助 新宮 正春/著 新人物往来社 2000.05 1,900 原田左之助 新撰組 小説
死に損ね左之助 [死に損ね左之助]原田左之助の半生と、近藤の敵討ちに勝を狙撃する話。
[高台寺の間者]高台寺党にならっての追加脱隊事件から伊東暗殺までを、脱隊できずに果てた中村五郎と恋仲の女の義姉が河合耆三郎という設定で、服部三郎兵衛や大石鍬次郎を上手く絡めて。
[大久保大和の首]近藤の元愛妾であるおわかが、せっかく盗んだ近藤の首は偽首だったと気づき、その真相を探る。
[祐天斬り(新徴組)][清河八郎謀殺(益満休之助)]
[上野寛永寺の錦旗(春日左衛門)]彰義隊異聞、
[慶喜要撃]姉小路公知暗殺の黒幕が慶喜で、その敵討ちに護衛の吉村右京は動く話。函館での土方の名前だけでる。全7編。
[祐天斬り][清河八郎謀殺]新撰組の名前だけ。
[死に損ね左之助]「憎めない若者」 [死に損ね左之助]「うるさがた」「皮肉屋」、[大久保大和の首]「いかにも切れ者らしい風貌」
☆3 勝敗一瞬記 新宮 正春/著 集英社 集英社文庫 1990.12 370 沖田総司 新撰組 小説
勝敗一瞬記 [近藤勇の首]流山で捕らえられた近藤が、替玉を身代わりにした後、平間重助に殺される話。
[坂本龍馬の眉間]龍馬暗殺は今井信郎らによるものだが、そこへ情報を流したのは、新撰組に罪をなすりつけようとする伊東だったという話。
[沖田総司の貌]写真1つ残っていない総司の話で、原田左之助と仲がいいが、土方とは少し疎遠であり、また土方からの薬は毒薬だったりする話、ほか全7編
[近藤勇の首]は、[大久保大和の首『死に損ね左之助』]の続編のような、前編のような話。
[沖田総司の貌]「稽古となると手加減をしない」 [沖田総司の貌]「早熟な才子」「洒脱で腰が軽かった」「愛想のいい」「切れ長の目」「猜疑心の強い」
[沖田総司の貌]「よそよそしく」
☆3 西郷暗殺行 新宮 正春/著 徳間書店 徳間文庫 1995.07 520 斎藤一 明治 小説
『戦乱軍記 頸を取る』の本名改題。[西郷暗殺行]ほか全5編
西南戦争で佐川官兵衛の特命を受けて、藤田五郎が西郷暗殺に向かう。
☆1 秘剣口伝 新宮 正春/著 福武書店 1994.12 1,500 小説
[斎藤弥九郎の青痣]せりざわのなが一度だけ、[高柳又四郎の鍔]伊庭軍兵衛の名が一度、[中村半次郎の小指]斎藤の名や新撰組の名がでる、ほか全6編
☆0 らんまん剣士 陣出 達朗/著 春陽堂書店 春陽文庫 1975.09 460 幕末 小説
文久3年〜。南朝鷹天皇を新選組が一時護衛するだけ。

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