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ランク タイトル 著者名 出版社 文庫名 出版年 価格 主要人物1 主要人物2 主要年代及び派閥 分類
サブタイトル・目次及び内容・感想
沖田の容貌・性格 土方の容貌・性格
土方からの沖田象・沖田への態度 沖田からの土方象・土方への態度
☆3 江戸の夜叉王 高木 彬光/著 桃源社 1962.02 320 沖田総司 試衛館 小説
18歳、上洛直前の江戸。松平上総介が使っていた夜叉王が反抗し、その後釜に総司に目をつける。芹沢鴨も夜叉王狙い。
「性格は、異常きわまるものだった」「人間の血に飢えている剣客」「子供っぽいところの残っている声」「紅を塗ったように赤い唇」「氷のように冷たい」「蒲柳の質」 「腕よりの頭が数倍切れる策士」
☆4 刻謎宮(ときめいきゅう) 高橋 克彦/著 徳間書店 Tokuma novels 1993.01 880 沖田総司 坂本竜馬 過去 小説
1、2-1「光輝篇」、2-2「渡穹篇
完全SF。総司は生き返り、龍馬が変えた歴史を修正する話。1巻ではギリシャ神話時代にアポロンとして。2巻は中国殷時代に孫悟空として。
「爽やかな声」シュリーマン「彼の鼻筋の通った顔立ちにギリシャ神話のアドニスを連想した」「陰りのある潤んだ瞳」「顔色の青白さも逆に美しさを加えていた」
「静と動が同居した妙な人」「自分の能力を他人に求めすぎる」「ふところに入りこんでしまえば、あれほど優しい人間も滅多にいない」
☆3 遺恨の譜 滝口 康彦/著 講談社 講談社文庫 1984 400 沖田総司 新撰組 小説
[青い落日-沖田総司『沖田総司剣と愛と死』]ほか全3編
別出版社の文庫には未収録なので注意。
「すっきりしたお顔でした。目は、どちらかといえば細いほうです。やさしい目でした。その目を見ただけで、こっちの心までほのぼのとなる、そんな目でした」「ぬけるようなというんじゃないけど、白い方か黒い方かといえば、間違いなく白い方でした」
☆1 箱館戦争 武田 八洲満/著 毎日新聞社 1988.11 1,200 榎本武揚 土方歳三 箱館戦争 小説
慶応4年8月榎本艦隊脱走(回想)〜五稜郭降伏。土方はあまり出ない、大鳥は日記の引用も頻繁にある。小説というよりは資料に近い。
つか こうへい どちらもかっこいいイメージ全くないし、ギャグコメディだと思う。それでもよいと思う方は読んでみては? 私は許容範囲外だけど。『戯曲 幕末純情伝』も同じことですね。
☆0 幕末純情伝―龍馬を斬った女 つか こうへい/著 角川書店 角川文庫 1990.12 470 沖田総司 土方歳三 新撰組 小説
総司は捨て子で小栗上野介の妹。土方との剣術の試合が始めての出会いで、好きな土方の気を引くために人斬りをする。丹波や若狭へ療養に行き、桂にひっかかり屯所を出て、土方の刀を買うために芸者になり、竜馬を殺し土方も殺し兵隊に射殺される。史実はほぼ無視特に人間関係。土方×沖田、坂本×沖田、桂×沖田。
「長いまつ毛にふちどられた黒い瞳(中略)目にしみいるほどの白い肌」 「冷たい凍りつくような目」「人一倍プライド高い男」
「心底惚れてるくせして」「愛しいと思っている。殺したいほどな」
☆0 龍馬伝 つか こうへい/著 角川書店 角川文庫 1995.11 720 坂本竜馬 尊攘派 小説
1「野望篇」、2「青春篇」、3「決死篇
明治20年ごろの回想から。黒船来航〜京へ行く道中〜大政奉還後。帝の第一子が女の場合、菊一文字が授けられ、その第一皇女・菊姫が総司で、捨て子で勝海舟の妹。菊一文字を作った宗春と和泉守兼定は同一人物。土方が総司に一目惚れして強姦。芹沢×坂本の1シーンあり、他にも芹沢攻めあり。土方×沖田、坂本×沖田、桂×沖田、高杉×沖田。
日付が異なるものが多いし、史実はほぼ無視。『幕末純情伝 -竜馬を斬った女-』と同設定。まだ続くのか?
「細面の若い男」「きれいな澄んだ声」「吸いつくような白い肌と甘い匂い」「まだ幼さの残る顔立ちだが、その大きな目は人を吸い込んでしまうかと思われるほど力強く輝いている。小さな唇は赤く朱をおき、光っていた」 「肩幅の広い馬面の男」「歯は黄色いし、口はくさい」
「生まれて初めて手に入れた宝物を大切に大切に愛でるふうだった」「オレはお前だけが大切なの。おまえのためだったら、新選組が皆殺しになろうが、坂本が死のうが知ったことじゃないんだよ」
☆3 神奈川縣札 柘植 久慶/著 角川春樹事務所 ハルキ文庫 2000.05 705 土方歳三 島田魁 戊辰戦争 小説
明治元年4月〜五稜郭。神奈川縣札を土方を含む複数の男たちが奪い合う。
「中肉中背」「容貌が整っており、むしろ優男といった人相だが、視線だけはきりりとして鋭い」
☆3 土方歳三の鬼謀 1〜3 柘植 久慶/著 角川春樹事務所 ハルキ文庫 2000.01 667 土方歳三 戊辰戦争 小説
土方歳三の鬼謀 (1)
土方歳三の鬼謀〈2〉
土方歳三の鬼謀〈3〉
1「逆転「鳥羽・伏見」戦記」慶応3年11月竜馬暗殺前〜鳥羽伏見の戦いで土方が御所を押さえ公武合体へ、2「逆転「北越・会津」戦記」江戸帰還後〜会津の戦いで東武帝国樹立し陸軍総裁に、3「逆転「箱館・宮古湾」戦記」仙台〜宮古湾海戦を勝利して蝦夷帝国樹立し榎本他を追放、
シュミレーション小説。前巻が実は土方の夢として次巻に続く。近藤は総司を可愛がっている。総司の出番はほとんどなし。土方は近藤を見切る。原田も永倉もともに会津で土方総裁と戦う、また宇都宮戦がないので土方の負傷も無し。3巻には伊庭も登場。各巻末に史実が載ってる。
「肌の色が青白く痩せていた。いかにも労咳を病んでいるという顔色だ。その横顔にはまだ幼さが残っている」「肌の色が透けるように白く、健康体のそれではない」 「美しい笑顔の持主」「端正な容貌」「ある一面において、少年のような感性を持ち続けていた」「役者にしたいような好男子」「体格的に優れているわけでなく、むしろ華奢にさえ見える。」
「弟のように可愛がってきた」原田「無の境地に達している男」 他「狼のような男」
☆3 土方歳三、参る! -幻説五稜郭- 辻 真先/著 光風社出版 1993.05 1,300 土方歳三 箱館戦争 小説
明治1年11月14日〜五稜郭。伊庭八郎も登場。21世紀の女性が、恋人の女性の為に精神のみ過去へ飛び、東雲太夫などに憑依する。しかしそれが恋人が悪夢に苦しめられる原因になる。そして土方が五稜郭で死なない未来を、21世紀のコンピューターが作ろうとするのが、すべての原因。
「ふだん春風のようにおだやかな表情を見せているだけに、秋霜烈日に変貌した彼はこわい」「白皙の顔」
☆1 北辰挽歌 -土方歳三海に戦う- 辻 真先/著 学研 学研M文庫 2004.01 590 土方歳三 新撰組 小説
北辰挽歌―土方歳三 海に戦う 慶応4年1月鳥羽伏見の戦い〜五稜郭。ただしタイトルどおり宮古湾戦が主。裏主役は、野村利三郎とオリキャラ。総司の名はところどころ出る程度。
「青黒い顔に目ばかり光らせる光らせる」「青黒い皮膚の下の白い歯がきらめく」 「持ち前の美貌(中略)手先が器用」「白面の剣鬼」「頼りになる男だ。だが同時に何をしでかすかわからない男だ」「目的のためには手段を選ばぬ峻烈さ」「伊達姿」「涼やかな美貌の影に潜む、血なまぐささ」
☆0 時代小説 -自選短篇集-
筒井 康隆/著 中央公論社 1994.11 1,700 新撰組 小説
[わが名はイサミ『日本列島七曲り』]ほか全17編
甲陽鎮撫隊の時。土方×近藤。
「近藤より少し頭の良い」「女のような色白」「背丈が五尺四寸」
☆2 のるかそるか
津本 陽/著 文芸春秋 文春文庫 1994.04 450 近藤勇 幕末 小説
[近藤勇]池田屋事変、土方・総司の名前一度のみ、[坂本龍馬][山岡鉄舟][徳川慶喜]ほか全19編
戦国の武将から幕末の剣豪まで19人の生涯。
☆1 拳豪伝 津本 陽/著 講談社 講談社文庫 1988.11 680 物外 近藤勇 幕末 小説
拳豪伝 拳骨和尚物外が主人公でその生涯。文久3年の物外69歳の時、勤皇派で小川亭に逗留していて、永倉・近藤・土方を手玉に取る。新撰組の出番はこの時だけでP30程度。
「細面色白の、姿のいい武士」「目に荒んだ光が宿っている」
☆2 虎狼は空に -小説新選組-
上・下
津本 陽/著 文藝春秋 1985.11 1,000 新撰組 小説
文久3年3月〜慶応4年1月鳥羽伏見の戦い。総司は安藤と仲がよく、池田屋で安藤を見捨てた臆病者の川島を斬る。伊庭の名が1度だけでる。総司に娘ができる。
「痩身の若い武士」「酒に弱い」「内心には、無常の思いが根をすえていた」「広い風通しのよい座敷で寝るのがきらいであった」「酒を旨いと思ったことはなかったが、酔い心地はきらいではなかった」「酒よりも甘いものが好物」「日頃は軽口の好きな」 「白皙の顔」「日頃慎重な」「優男(中略)顔に似合わない太い声音」「機嫌がいいとき、内奥ではうらはらなことを考えている気味悪い癖がある」「役者のように粋な容貌」「勘のいい」「理屈よりも行動が先行する」「色白の頬」
「統領の才」「近藤、土方とは肉親のように深い気持ちの交流をもっている」「兄のような」
☆2 人斬り剣奥義 津本 陽/著 新潮社 新潮文庫 1992.09 ? 幕末 小説
[念流手の内]ある隊士の流儀の技について、[天に消えた星]中村半次郎と有馬藤太の話、勿論新撰組も出る、ほか全10編
[念流手の内]「黒縮緬の上着に呉絽袴をつけた土方は、三十前後の年頃に見えた。ゆたかな総髪を背に流し、顔色は蒼白いが、繊細な目鼻だちの美男子」
☆2 津本陽自選短篇 20 津本 陽/著 講談社 1999.09 2,800 小説
津本陽自選短篇20 [祗園石段下の血闘『明治撃剣会』][野に死する魂(西郷隆盛)『明治兜割り』 ][うそつき小次郎と竜馬『明治兜割り』 ][弥兵衛斬り死に『密偵』][死に番『歴史の息吹』]ほか全20編
☆2 幕末剣客伝 津本 陽/著 講談社 講談社文庫 1994.09 580 中島登 新撰組 小説
幕末剣客伝 [勇士のめぐりあい]明治5年3月浜松で会津で共に戦った男と出会い、絡んだやくざにお仕置き、[武士の商法]明治5年夏〜明治6年5月小政を追放した後、島田魁が訪ねてきて阿部十郎に気をつけろと警告また質屋を始めるが失敗、[ちぎれ雲]絵姿や覚書を書き、阿部十郎を斬ろうと東京に出る、全3編
中島登の明治以降の半生を回想を含めて。池田屋事件の端緒は中島。川島勝治の粛清や、四条で総司らと中井五郎と斬り合った斎藤一のかわりに中島。
☆2 密偵 -幕末明治剣豪綺談-
津本 陽/著 角川書店 角川文庫 1991.11 390 永倉新八 中島登 幕末 小説
[密偵(中島登)]慶応3年11月油小路事件から甲陽鎮撫隊での戦い直前まで、[唐竹割り]明治17年7月永倉新八が剣術師範を勤める樺戸監獄の脱走話でその時の看守が永倉の愛弟子、[小栗上野介遺聞]慶応4年2月知行所に隠遁から斬首された小栗の首級の埋葬まで、[弥兵衛斬り死に(富山弥兵衛)]新撰組に薩摩の密偵として伊東甲子太郎の後押しで入隊した富山弥兵衛の、入隊後から死までの半生、[風樹(永倉新八)]明治12年6月松前での喧嘩の仲裁、戊辰戦争から三樹三郎と遭遇し養子になるまで、[北の狼(永倉新八)]明治15年9月樺戸監獄の脱走に手助け、ほか全8編
☆3 沖田総司の手記 釣 洋一/著 新人物往来社 1980.09 1,600 沖田総司 新撰組 小説
[湊平松翁囲炉裏譚]総司の出生などの考察、[天翔の駒]上洛、[誠の旗]隊服作り、[壬生狂言]阿比留の殺人事件を総司が解決、[鬼哭]芹沢暗殺、[乱刃!池田屋秘文/手負い獅子]池田屋事件を独特の切り口で、[黒猫奇譚]永倉の婚儀と黒猫を絡めて、全7編。
沖田が歌舞音曲に精通していたり、『翔天記』と題した日記を書いているなどとしている。全編を湊一郎の血縁が語る話に仕立ててある。
「当たりの柔らかい総司の口調」「歌舞音曲に精通する」「総司に細棹をもたせれば、虫の鳴くように爪弾き、胸打つごとく撥を打つ。長唄三味線はまさに名手といえたという」「物腰の柔らかい総司の言動は、一見頼りない感じがする。しかし、毅然とした受け答えは、凛々しくも美しく、総司の人となりを浮き彫りにしている」「身の丈は、新選組一の巨漢島田魁に次ぐほど高い。がっしりとした骨格でありながら、かすかに流れ落ちた肩の線が、容姿容貌を柔らげている」「快活な総司の笑顔」 「歳三には妙な癖があるのだが、(中略)人の話を聞くときは目を閉じたままで、話をする時には、逆に目を剥くように、相手の目から視線を離さずにものを云う」「何か事を運ぼうとする時、歳三は独りよがりになる嫌いがある。(中略)話の筋を通すことでも、近藤は外れるようなことはしないが、歳三は頓着がない」
「黙っていても二人の意志は充分に通じる仲」「総司の気持ち位は手の取るようにわかる」「総司の明るさが戻ることの方が、遥かに嬉しかった」他「常に、相手に警戒心をいだかせない」「総司の明るさが戻ることの方が、遥かに嬉しかった」 「能面のように、ゆるぎない無表情な面にも、総司にしてみれば、歳三の発する一言一句、その語尾と音質によって、瞬間的な表情がわかった。殊に、相手を皮肉った時の姿は、背を向けていても、はっきりと汲み取ることが出来る」「永いつきあいの総司には、歳三の心底がわかった」「私を持ち上げるのが上手いから、そのまま信じられませんよ」「一番の理解者であり、心優しい兄」
☆2 土方歳三の遺産 典厩 五郎/著 双葉社 1993.06 1,700 新渡戸稲造 明治 小説
明治24年、新渡戸稲造が釧路で大津事件の犯人津田三蔵殺人事件を解決する話。永倉新八・斎藤一が登場。「土方歳三の遺産」とは坂本竜馬暗殺の黒幕が西郷隆盛だという報告書と華々しく散った土方自身。

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