や〜わ行
ランク タイトル 著者名 出版社 文庫名 出版年 価格 主要人物1 主要人物2 主要年代及び派閥 分類
サブタイトル・目次及び内容・感想
沖田の容貌・性格 土方の容貌・性格
土方からの沖田象・沖田への態度 沖田からの土方象・土方への態度
☆1 新選組意外史 八切 止夫/著 番町書房 1971.10 560 新撰組
新選組意外史 [近藤勇][芹沢鴨][山南敬助][土方歳三][沖田総司][藤堂平助][原田左之助][伊東甲子太郎][永倉新八]全9編。大分史実と違う。
☆0 ◇ストレートは京都恋殺人 山浦 弘靖/著 集英社 集英社文庫 1990.01 370 現代 小説
流星子が主人公(18話目)で、京都で殺人事件に巻き込まれる。映画『新撰組』の総司役が相方のヒロインを殺す話。
☆1 五稜郭へ六万両
山崎 巌/著 新潮社 1991.02 1,600 榎本武揚 土方歳三 戊辰戦争 小説
明治2年5月10日(回想慶応4年5月〜)〜明治17年。奇妙な3人組が彰義隊からせしめた金の延べ棒6万両分を会津へ、そして蝦夷へ。3人組の内1人が、藤堂平助の弟で土方を敵と追ってきて、殺す。回想は3人組と榎本主体で。榎本降伏のシナリオは勝が書く。
「度重なる負け戦に、頬がげっそりこけている」
☆0 サハラの涙 -ユウマとユリ- 山崎 晴哉/著 集英社 集英社文庫 1988.03 340 現代 小説
坂本竜馬の子孫で表は実業家・裏は大泥棒が主人公で、その飼い犬の名前が総司。
☆2 総司! 1〜4 山崎 晴哉/著 集英社 集英社スーパーファンタジー文庫 1992.03 470 沖田総司 新撰組 小説
1「魂斬りの剣」、2「恋地獄」、3「星連そろう」、4「さらば…
安政7年(17歳)〜病没。歴史SF。「星連の盟主」として高杉晋作・坂本竜馬など8人と暗黒の力に対抗。2巻で総司の女装あり。労咳でなく遅効性の毒。
「女!?と、見紛うほど、美しい顔立ち」「褐色の肌は、日頃の鍛錬で、きりきりっと引き締まっている」「この目は、単に鋭いだけでなく、人をひきこむ妖美を秘めて」 「非常にして怜悧」「意外と照れ性」
「目をかけている」 「少なくとも二人に対しては嘘をついたことがない」
☆2 群狼の牙 ゆうき りん/著 集英社 コバルト文庫 1998.06 476 狩野鷹一朗(架空) 沖田総司 幕末 小説
群狼の牙―天罰党始末
群狼の牙―禁門の政変
群狼の牙―池田屋襲撃
1「天罰党始末」、2「禁門の政変」、3「池田屋襲撃」
文久2年〜上洛〜池田屋(五稜郭)。1巻は主人公が「天罰党」というのを退治する話、2巻からは新撰組との絡みで。1巻の最後P3の上洛直後から総司登場。2巻の中ほどに土方との風呂場シーンあり。
「襟から覗くうなじの白さは、白粉を塗ったよりもさらに白い」「顔立ちは、少女のごとく、愛らしい」「体つきは本当に華奢」「厳しい横顔である。だが、美しい。蝋のような肌を流るる、水滴すら」「陶磁のように白く、滑らかであったが、肉が薄い」 「総髪で髷を結った、美丈夫」「鋼のような筋肉がついていてたくましかった」
☆5 紅の肖像 -土方歳三- 遊馬 佑/著 文芸社 2004.03 1,500 土方歳三 沖田総司 新撰組 小説
紅の肖像―土方歳三 歳三18歳〜五稜郭。
なんかすっごく総司と土方さんがラブラブで……。隣の布団で寝たり、追いかけっこをしたり、水を掛け合ったり、総司を心配して探し回ったり。しかも、最後は土方さんは総司の写真を胸の内側に縫い付けて。これで、ラブラブでなくてなんだというんでしょう!
「かつての盟友は去り、最愛なる者もすでに去った」って、盟友=近藤ですよね。じゃ最愛なる者=総司? きゃっ(嬉)。
近藤×土方、島田×土方でも、いいとは思いますけど、私は沖田×土方(土方×沖田)推奨ですね!
「ひょろりと痩せていて、手足が長く、浅黒い顔に真っ白い歯をのぞかせてニコニコ笑ってる」「華奢な少年」「飄々としてトボけた総司」「真っ白い歯をのぞかせていつもニコニコ笑っている」「いつも軽口を叩き、笑っている沖田」 「『仏の歳さん』……顔が優しく、いつもにこにこと穏やかな様子をしているから、周囲の者はそう呼んだ」「人を押しのけても何かをするということはなく、どちらかと言えばおっとりとしていて『お人好し』な子供だった。だが、――時たま度はずれたことをした」「丈高くスラリとした体つきで、肌は白くつやつやと光っている。その端正な顔立ちは、『百姓顔』からはほど遠い」「『ブザマ』が死ぬほど嫌いな男である」「気品ある顔立ち」「つやつやとした黒髪」「眉目秀麗な」「才気走った」「その端正で優しげでさえある顔立ち」
「可愛がってやってもいい、滅多に人を気に入ることのない歳三が気に入った」「沖田が在なくなるなど考えたこともなかった。沖田がどういう存在なのかも考えたことはなかった。沖田の『死』、それは沖田そのものを失うばかりでなく、自分の一部をも抉り取られる感覚だった」「お前は絶対に死なねえ。だいいち、……だいいち、おまえが在なくなったりしたら、俺は、黒一色の厭な生き物になっちまう……そうじゃねえのか。総司……」 「いつもは毒舌を吐き冷笑的な雰囲気を漂わせている格好いい兄貴分」
☆2 狼たちの挽歌 -新撰組の若き獅子たち- 横須賀 武弘/著 文芸社 2004.08 1,400 沖田総司 新撰組 小説
狼たちの挽歌―新撰組の若き獅子たち 総司幼少〜病死。総司が主役というわけではないですが、総司の幼いときからその病死までが描かれています。
「んん? えらく違うだろう?」というような事実と相違する文が何箇所もあるのが難点。総司と土方さんが一緒にのみに行って、酔って絡んだりします。
「生来の病弱のうえ、痩せて小柄だった」「とにかく身のこなしが素早かった」 「やや神経質そうな眉間」「ふだんは呑んでもけっして取り乱すことのない土方」「商人の倅のくせに無口で、変に気位の高い性格はそのままだが」「長身で色白な土方」
「誰にでも人懐こい感じを与える総司の笑顔を見ると、土方の頬も思わず緩む」「生意気な弟を叱るような慈愛があった」「相変わらず軽口の減らない奴だと思う」「近藤や土方にしてみれば、いつまでたっても可愛い弟弟子だった」「なにを言ってもこの男には通用しないな、と思った。長い付き合いではあるが、土方にはいまだに総司という男がわからなくなるときがある。二十三歳にしては子供っぽく無邪気なところがあるかと思うと、ときどきは土方が吃驚するほど悟りきったようなことを口にしたりする」 「近藤や土方もそれぞれ子供の心を持った男たちだと、総司は思っている。二人とも頑固このうえない性格には違いないが、武士になりたいという少年時の夢を今でも一途に追い求めている。二人のあのひたむきな情熱が、総司には羨ましくもまた微笑ましく思えるのだった」
☆3

ラストヒーロー -最後の武士-

吉井 恵美子/著 郁朋社 2001.03 1,238 土方歳三 沖田総司 新撰組 小説
[ラストヒーロー-最後の武士]蝦夷上陸〜降伏までの出来事を土方嫌いだった一兵士の語りで、新撰組は近藤・土方・佐藤彦五郎の三人のものという土方発言には不満、榎本は土方がそばにいる近藤を羨む。[プリムローズヒル]上洛後〜池田屋事変後、総司の恋の話で、相手は土方の姉おのぶ似、池田屋で倒れた総司を心配し行く先々に姿を見せるのがいい、総司の使う第一人称が嫌、長編1編+短編1編の全2編
[プリムローズヒル]「生来の明るさが、剣鬼のかげを感じさせないでいる」「地黒で肩幅も広く、がっしりとした長身ですこぶる健康的に見える」 [ラストヒーロー-最後の武士]「青白い顔で痩せた身体」「新緑と同じくらい爽やかな笑み」「目鼻立ちがはっきりしていて、こういう顔を美丈夫というのだろうと思った。女たちが放ってはおかないような男である」[プリムローズヒル]「少し土臭い感じのする優男だが、美形である」「案外子供好き」「痩せて青白い顔」
[プリムローズヒル]「兄貴気取りの土方」「いつまでたっても自分のことを子供扱いにする」 [ラストヒーロー-最後の武士]相馬「軍神のようなお人」「唄は上手いし、顔はいい、声もよければ、腕も立つ」[プリムローズヒル]「兄弟のような間柄で育った。隊士たちに鬼と恐れられる副長の土方も、彼にすればずっと身近で気安い存在なのである。沖田は土方に軽口を利ける唯一の男でもあった」「妙なことに抜け目のない人」
☆3 火星の土方歳三 吉岡 平/著 朝日ソノラマ ソノラマ文庫 2004.05 552 土方歳三 SF 小説
タイトルを見れば分かるとおり完全なSFです。
土方さんが火星に転生して活躍する話です。火星で火星人による新撰組が出来上がり、池田屋事件の火星版が起こるまで。土方さんの語りで進みます。
総司は回想で出る程度ですが、アイザールという紅顔の美青年の火星人が総司の代わりのような位置で出るので、総司の生まれ変わりだ〜、と思いながら読むと楽しめます。
「あの明るい声」「流麗かつ必殺の剣捌き」「誰もが認める天剣の才」「あの飄々とした若者」「瓜実顔」 「斗いが性に合っていたのだ。生と死の境に自らを敢んで置くことで得られる、あのえも言われぬ充実感が、どう言い訳しようがたまらず好きなのだ」「私は出自はともかく心はあくまで武士であって、ただ斗うことのみを第一に考え、決して小理屈をこね回す、文弱の徒ではなかった」「その色白で細面の優男」「剣士としての非凡なる才」「自他共に認める刀好き」「考えるより先に体が動いてしまう性分」「女性に関する好みは、けっこううるさい」「飛び道具が好きになれない性分であるらしい」「もの覚えは悪くない質」「神仏は信じて恃まぬ主義」「こう見えてもわたしは細心なのだ。時に臆病なくらいだ」
「おれが弟のように可愛がっていた天才」
☆2 金星のZ旗 吉岡 平/著 朝日ソノラマ ソノラマ文庫 2004.10 533 SF 小説
『火星の土方歳三』の続編大日本帝国海軍中将・秋山真之は、土方さんに招聘されたがそりが合わず、火星から金星へ行っての冒険譚。
土方さんが登場するのは、1/4ぐらいまでで、それも僅か。
話の中に出てくる「パンジャ」という金星の国の一つは、まさしく「ジャパン」日本を皮肉ったもの。
「どれほど人を斬ろうが涼しいままの目許」「豪胆だが、繊細だ。ちょっとひねくれたところもあるが、おおむね好男子」「あれだけ切れるのに、ところどころ、鈍い」「生来の詮索好きな性格」「天真爛漫さと残虐性、不寛容と涙もろさ、驚異的鈍感と臆病なまでの細心さ、そして、自らの剣に対するあくなき向上心と厳しいまなざしと、句心に関する−あれをあれでよしとする−致命的なまでの鷹揚さ……。これら、余人では決して同居できない相反する性格が、だから土方歳三の中ではいっこうに矛盾しない」「少なくとも、最後はどうあろうとも、断じて出会ったことを後悔できない漢なのだ」
☆1 菊一文字 吉川 英治/著 第三文明社 レグルス文庫 2004.01 1,000 近藤勇 新撰組 小説
菊一文字 [菊一文字]ほか全2編
文久3年〜斬首。近藤の友が勤皇派にまわり、偶然預かった密書を江戸から京まで届ける。菊一文字は密書とともに手に入れた名刀です。
「菊一文字」というタイトルに、総司の話だと思った人が多いはず。ですが、総司はただの一文字も出てきません。藤堂や山崎も出るのに。
この作品の発表時期は古いと思います。今の新撰組観と違うので、まるでパロディを読んでいるようでした。
☆1 吉田電車 吉田 戦車/著 講談社 2003.09 1,400 土方歳三 その他 エッセイ
吉田電車 [レール!-歳三うどんはミルク入り][トンガリ川!函館市電に高鳴る鼓動]全22編
[レール!-歳三うどんはミルク入り]単に高幡不動で売っている歳三うどんの話がちょこっと出るだけ、[トンガリ川!函館市電に高鳴る鼓動]土方さんの名が1度だけ
☆4 FIGHTER 吉田 直/著 角川書店 角川文庫 1998.07 660 沖田総司 土方歳三 明治 小説
SF。明治10年、西南戦争の前哨戦のような事件に、総司らは人形として生き返り、関わってゆく。元は別星系から来た同胞の二人が人類をそれぞれ戦争の「抑止」と「昂進」に導いていこうと動く。「お前は俺のものだ」という土方の総司への台詞がいい、また可愛さ余って憎さ百倍という感じ。藤田五郎も登場。
「糸杉のようにすらりと背の高い、端麗な容姿」「黒目がちの大きな瞳」「烈剣」「浅黒い体は痩せてはいたが、よく鍛えられて贅肉の一かけらもない、しなる鞭のような体つき」「彫りの深い顔に浮かんだ表情は無邪気で、それでいて精悍な獣の体臭がした。誇り高い野生の狼のような」「あどけない笑顔」 「歌舞伎役者のように色白で、眼裂の長い一重瞼が印象的な」「剛剣」「飢えた狼のような瞳には、冷笑の影すら揺らめいていた」
「お前は俺のものだ。いつか思いしらせてやったはずだ」「あらためて俺はお前がほしくなったよ」 「尊敬する上司、敬愛する兄弟子、そして古い同志」
☆3 小説沖田総司 若桜木 虔/著 秋元書房 秋元文庫 1977.09 250 沖田総司 新撰組 小説
文久2年(15歳)〜池田屋(病没)。お蓉(探索方)と夫婦に。

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