1.奇術師(テーブルにさまざまな道具を並べた魔術師)・・・創意・自信・意志力・独自性



「すげぇ、かっこいい!」
そう言って、おれは今日もウソップ工場を覗き込んだ。
「だろ?」
そう言ってウソップは、にやーっと笑う。
「あとでお前に実験させてやるな」
「いいのか?!」


ウソップの手からはいつもびっくりするような物が生まれている。
ある日は手袋がタコになって、ある日は紙の翼を持った針金が空を飛ぶ。
おれの想像が全く届かないところのどこかから、そいつらはやってくる。
ウソップの手に導かれて。

紙、ビー玉、釘、ネジ、針金、木片、細い紐。
無機質なものに、ウソップはその手で命を吹き込んでゆく。
吹き込まれた命は、嬉しそうにウソップのそばで動き回る。


命を与えるその手が、おれにはとても羨ましかった。

「おれもそういう風になりたいな」


そういったら、変な顔された。





「目の前の薬草の山は何のためにある?」