「すげぇ、かっこいい!」
そう言って、おれは今日もウソップ工場を覗き込んだ。
「だろ?」
そう言ってウソップは、にやーっと笑う。
「あとでお前に実験させてやるな」
「いいのか?!」
ウソップの手からはいつもびっくりするような物が生まれている。
ある日は手袋がタコになって、ある日は紙の翼を持った針金が空を飛ぶ。
おれの想像が全く届かないところのどこかから、そいつらはやってくる。
ウソップの手に導かれて。
紙、ビー玉、釘、ネジ、針金、木片、細い紐。
無機質なものに、ウソップはその手で命を吹き込んでゆく。
吹き込まれた命は、嬉しそうにウソップのそばで動き回る。
命を与えるその手が、おれにはとても羨ましかった。
「おれもそういう風になりたいな」
そういったら、変な顔された。
「目の前の薬草の山は何のためにある?」