2.女教皇(神殿の月の女神)・・・清純・博識・感情の抑制・精神



見守るかのようなおだやかな微笑がいつも気に障った。
「何考えてやがる」
「楽しそうだと思って」
そう言ってまた、はしゃぐバカどもを楽しそうに見ていた。
じとっと睨むおれに、ふわり、笑うのも忘れずに。
いつだってそうだ。
波風立てるようなことは何ひとついわず
ただ黙って本を読んで 助けになりそうなことだけ言って
静かに笑う。
何考えてる。
そう聞いたらある日言われた。
「そんなに私が気になるかしら?」
「ああ。」
気になるさ。
お前の望みが一体どこにあるのかおれには見えないから。


海賊王になると言ってのけたあいつにおれは夢を誓ったからその邪魔はさせない。
あの嵐の中 この海に飛び込んだ日に五人で夢を誓ったからその道の邪魔は絶対させない。
笑って泣いて傷負って それでも裸曝け出して必死で進むバカ正直なあいつらだから
繕いや裏切りなんかの余計な痛みは全ておれが叩き斬ってやる。

静かに笑っているお前はいったい何を考えてる?
何を望む?
何も望んじゃいないと言ったか。行くあても帰る場所もないといった。
そうか?望むものはないか、本当に?

繕ったままの静かな笑顔からはそれが見えないから、おれはここに睨んだまま立っている。
最後の砦として。





「ロビーン!踊ろう!」
「ロビン、こんなの見つけた、これ何だ?」
「ロビンちゃん、何か食べたいものはない?」




それにしてもあのバカ共はろくに警戒もせず。