3.女帝(王冠をつけた女帝)・・・幸せ・安定・豊穣



「あー収穫だーぁ収穫だー」
「うっせぇなあ、何の歌だそりゃ」
「おおよく聞いてくれたサンジ君、これはだな、おれ様がかつてりんご王国で」
「とにかくしっかり取れよ、ナミさんのご指示だ」
「いいじゃねェか、農作業は楽しんでナンボ」
「ああ、ナミさんならよかったのに肩車、何でナガッパナと、って・・・ん?」
「おい、どうした」
「うわぁああああっ!」
「ぎゃあーっ、サンジ、いきなり動くなぁぁぁ」
「あが、あが、あが」
「うおおおお、落ちる、落ちる、落ちる」

海原を切り裂くような声音が貫いた。
第1班、作業終了。


「なっさけねェな、害虫くらいで」
「うううるせぇアホマリモ、早くその緑の奴をどっかにやってくれ!」
「ウソップ、大丈夫か」
「ふふチョッパー・・・おれの死体は海へ流してくれないか・・・」
「致命傷かー!医者ぁぁぁ!」
「ふかふかのチョッパーに抱っこされたんだからケガなんかねェだろが」
「うるへー、びっくりしすぎて死んでしまう病が・・・」

「じゃあおれは上やるから、ゾロは下の段やってね。」
「わかった」
「うわぁ、うまそうだなぁ」
「ああ」
「つやつやしてるし、くんくん、すごくいいにおい」
「・・・・・」
「今日のおやつ、きっとすっげェ美味いんだろうな」
「・・・・・」
「シャーベットかな、ゼリーかな・・・おれ、ドライにしてクッキーも好きだな」
「・・・・・ぅ」
「ゾロは何がいい?」
「・・・・・」
「ゾロ?」
「・・・・・んごー」
「寝たのかよっ!」
「・・・ちょっと・・・・きゅう・・・け・・い・・だろ・・・・」
「今はじめたばっかりだぞ!」
「んごー」
「・・・・・」
「んがー」
「・・・・・(じー)」
「んがー」
「・・・(とことこ、とすん)」
「んがー」
「んがー」


ぽかぽかと太陽の光を浴びて、赤い棒が回転した。
黒い星影は、ふたつ。
第2班、作業終了。


「んもう、どいつもこいつも!全然役に立たないんだから」
「なあナミ、おれ手伝うぞ、だから先にみかんくれ」
「あんたにだけは頼まないわ。しっかりそのゴム船長つかまえててね、ロビン!」
「じゃあ、ついでにこちらもね。」

ぽぽぽぽん。
ころころころん。
「あ」
「ふふ、終わったわ」

第3班により、
収穫完了。



「男って、やっぱり使えないわね」

さて労働のごほうびは
コック特製、鮮度最高のオレンジジュースとシフォンケーキ。
勤労放棄のヤロウ共にはオレンジミルク。


「当たり前でしょ」
「欲しければちゃーんと働くことね」



甘酸っぱさに舌鼓、溢れるのは彼女たちと彼らの笑顔。
みかんは今日も輝いている。