11.裁判の女神(人の行いを天秤ではかる女神)・・・正義・公平・調和・冷静な判断



この船にも勿論正義ってモンはある。
正義っつーか、"仁義"の方が近いかな。
何つったっておれたちゃあ海賊、どいつもこいつも
血の気は多いわ口は悪いわ喧嘩っ早いわ
些細な争いが絶えない訳だ。
冷静に解決を試みようにも、如何せんおれたちゃあ海賊、常識なんざ通用しねェ。
ということで、冷静とは言えねェが
冷徹無比におれたちのルールで裁く女神がいるわけだ。



「で?」
「ゾロが壊した、ゾロがバカ力で壊したんだ、折角作ったウソップハイパー猫じゃらし」
「そんなすぐ壊れると思わなかったんだよ」
「これスッゲェ時間かかったんだぞ!このねずみの跳ね具合とかなぁ」
「大体テメェがおれで遊ぼうとすっからだろ!」
「だってゾロ、目が追ってんだもん、面白くて」

女神さま、判決は?

「まあ、おもちゃとは言え折角作ったものなんだし、一回船の修理手伝ってあげれば?」
「わかった」「よろしく」
こんこん、これにて閉廷。
「ウソップ、私に感謝の気持ちをこめて今度アクセ作ってねv」
「・・・ふぁい。」



「んで次は?あらルフィ、もうぼろぼろ」
「んナーミすわーんvおれ鍵付きオーブンが欲しいv」
「何よ、またつまみ食いしたのこのゴム?」
「つまみ食いなんてモンじゃねェよ、
こんのクソゴム、今日のスフレチーズケーキ、生焼け丸食いしやがって」
「だって美味そうな匂いだったんだもんよ」
「・・・へぇ、そう・・・」
「ナ、ナミ?恐いぞ?」
「・・・ナミさん?」

さて、判決は?

「情状酌量の余地ナシ!問答無用で夜通し発電の刑」
「んがっ!」
「ナミさん素敵だー!」
「あたしは!今日!スフレチーズケーキが!絶対に食べたかったの!」
問答無用で閉廷。こんこん。
「チーズケーキぃ・・・」
「ナミさん泣かないで、ケーキは残りの材料で何とか足りるから。
ほら、みかんソースもあるし」
「うん、ありがと、サンジ君」
「で、でね、あの、鍵付きオー」
「あのアホがバカ力出しても開けられない鍵探すのね。もしくはウソップ工場に依頼」
被告人にはおにぎり3つ(全部梅干)が支給される。



「あらチョッパー、どうしたの?」
「うん・・・ナミ、おれかわいいか?」
「は?」
「ロビンが可愛いわねっておれの鼻撫でるんだ。」
「いいじゃない、仲が良くて」
「みんなも、最近妙に寒いからって、おれのことひっぱってぎゅうぎゅうする」
「・・・いいんじゃない、仲良くて」
「おれ、男だぞ!ぬいぐるみじゃないぞ!」
「そっか・・・」

さてさて、判決は?

「んじゃ、おっきくなってればいいんじゃない?」
「人型に?」
「そうそう、それであいつらをチョッパーが抱っこするの。男らしいわよ。」
「わぁ、そうだな、そうする!」
「んじゃ、まずはチョッパー、おっきくなって」
「んん?・・・うわっ」
まずは自ら抱っこに名乗り。
「しばらく、このまんまね。」
「おういいぞ。」
「わー、ふかふかする・・・あ、ロビン、一緒にどう?」
「あら、素敵ね」
「なあナミ、おれ男らしい?」
「うんうん。あー、あったかいなー・・・」
「なあロビン、おれ男らしい?」
「ええ、とっても」
もこもこの膝の上腕の中、女神はごゆるりご就寝。



こんこん、これをもって今日は閉廷。