あのはげしい明るさまぶしさは本当はとても苦手だった
砂漠の刺さるような熱線でますます嫌いになった
「雨が長いなー」
「嵐は3日前に終わったのにな」
「食材しけっちゃわないか、サンジ」
「んー、もうじきだってナミさんが言ってた。大丈夫だろ」
ぽんぽんと白い手が冷蔵庫から今日のおやつを運んでくる
お手伝いのおれはそのうえに、ぽんぽんとさくらんぼ漬けをのっけていく
冷たいおやつは食べたことがなかった
おれが知っていたのはひとりぼっちの冬とだいすきな人とのあったかい冬
柔らかい光がとてもあったかい冬
「言ったとおりだ、チョッパー」
指した窓を覗き込むと、灰色雲から光の筋が見えた
飛び出した甲板は太陽で溢れかえり、すっかりあったかくなった
「晴れたぞー!!」
「うお、見ろよチョッパー、虹出てる!」
あったかい
甲板が太陽で溢れかえる