好きなんだから仕方ないじゃない、なんて一見無理矢理にも思える言葉だけれど

確かに考えてみれば、それは理由になり得るのかのかもしれないとそう思った。
大概の人物は相手への好意には振り回されがちだし、つまりそれは
「好意」という感情自体が大きな影響力を持ったエネルギーであるということなのだ。


この愛だの恋だのは、良いように作用するときもあれば
時折とんでもない方向へ作用したりもする。

しかしその感情に溺れていたくなるのは何故なのだろう。

周りが見えなくなってしまえばそれは良いものではないが、
でも人を想えるというのは素敵なことなのかもしれない。
故に自分もまた、幸せなのかもしれない。
好きになって好きになって大切で、一緒にいられるということは。




目の前の雲雀は、突然手を絡めてキスをしてきた。
壁に押し付けられて苦しいままに、自分はいきなり何なのかと問うわけで、
そしたら「すきなんだから、仕方ないじゃない」
なんて噛み合わないような返事が返ってきた。

俺は一瞬唖然とし、けれど嗚呼これも理由になるのかもしれないなんて、
考えたらなにも言い返せなくなる。


だってそれはあまりに嬉しい。
こんなにも思ってくれるのかと、嬉しいから。


「なに笑ってるの」
「なんでもねーよ」

答えながらも笑み、笑み。頬の緩みはどうしようもなかった。
花盛り、このあたたかい陽気に、想われる、想う幸せなんて最高ではないか。
つくづく自分は、恵まれていて


「…まぁ、いいよ。貴方が幸せそうにしてるのは…悪くない。」
「俺はもっと恭弥の笑顔がみたいけど」
「貴方みたいに安売りしてないだけだよ」
「あ、ひっでー!」

ふと見たら。
恭弥は笑っていて。
それはこの上なく綺麗な
それは今までで1番といっても良いような


「恭弥、俺さらに幸せ」
「ばかじゃないの」
「いーんだよ」

恭弥は先程まで飲んでいたコーヒーを片付けだす。
(俺も手伝うといったら盛大に拒否されてしまった)

その間、いつもと比べると信じられないような穏やかな空気を恭弥は纏って。
嗚呼やっぱり、こういうのが幸せ。


「なぁ、片付け終わったら」
「なに?」
「外でも行こうぜ!花とか咲いてるとこ」
「…そうだね。こんな陽気だし」


ほら、こんなにもあたたかい




















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『ぽかぽか、ひなたぼっこでもしようか』

執筆 07/05/17 UP 07/05/18